(レポート)ドローン国家ライセンス登録講習機関向け「監査対策」セミナー(バウンダリ行政書士法人)

ドローンの国家ライセンス制度に対応する「登録講習機関」には、年に一度の「外部監査」が義務付けられています。しかし、登録講習機関の認定を取得することに精一杯で、監査対策まで手が回らないスクールも多いのではないでしょうか。

そこで2023年6月22日、ドローン関連業務に特化したバウンダリ行政書士法人代表の佐々木慎太郎先生による、登録講習機関向け監査対策のオンラインセミナーが開催されました。

ドローン法務専門のバウンダリ行政書士法人、登録講習機関向けの「監査対策」無料特別講座を開催

バウンダリ行政書士法人のプレスリリース(2023年5月24日 10時00分)ドローン法務専門のバウンダリ行政書士法人、登録講習機関向けの「監査対策」無料特別講座を開催

この記事をprtimes.jp で読む >

セミナーでは、佐々木先生により監査制度の解説や注意すべきポイントなどについてレクチャーがあった後、監査対策システム「Droby(ドロビー)」の紹介があり、開発者であるリーガライト行政書士法人代表の中島北斗先生より、実際の動作解説も行われました。

なお、バウンダリ行政書士法人は監査実施団体としても国土交通省に掲載されており、監査を行う側のノウハウをDrobyに提供しています。
参考:ドローン法務専門のバウンダリ行政書士法人、登録講習機関等監査実施団体(監査実施団体)として認定

登録講習機関を運営する方だけでなく、これから開設を検討されている方、国土交通省認定スクールから登録講習機関に移行予定の方などに向け、外部監査制度への理解を深め、業務改善のきっかけとなる有意義なセミナーとなりました。

(取材)バウンダリ行政書士法人|申請代行数業界No.1に聞く、国家ライセンス対応ドローンスクールの開設方法

2022年12月より、ドローン操縦に対し国家ライセンス制度(無人航空機操縦者技能証明制度)が導入されました。今後はドローンスクールに「国家ライセンスの取得」を求める人が増えると予想され、スクール側としては必要な準備が気になるところでしょう。 ...

この記事をcoeteco.jp で読む >

(取材)ドローン購入〜飛行まで、必要な知識を専門家が解説!(協力:バウンダリ行政書士法人)

2022年6月機体登録制度改正、同年12月国家ライセンス制度の制定など、ドローンの交通ルールはまさにいま、突貫工事中です。機体登録、国家資格、飛行許可申請や事故発生時の対応など、細かいルールが制定されれば、それに対する罰則も増えていきます。ルールに違反すれば、懲役を含む刑事罰が科されることも。 今回はバウンダリ行政書士法人代表 ...

この記事をcoeteco.jp で読む >

登録講習機関における監査対策|行政書士 佐々木慎太郎先生

まずは前半、バウンダリ行政書士法人代表の佐々木慎太郎先生より、登録講習機関における監査制度の説明と対策ポイントの解説がありました。

ドローン国家ライセンスに対応する「登録講習機関」、申請不備率は95%以上

現状、ドローンスクールには3つの種類があります。

①航空局ホームページ非掲載講習団体
②航空局ホームページ掲載講習団体(国土交通省認定ドローンスクール)
③登録講習機関


2022年12月にドローン国家ライセンス制度が開始されるまでは、①と②しかありませんでした。①は国に申請などせず開講しているドローンスクールです。対して②は、「国土交通省認定ドローンスクール」とも呼ばれていますが、国土交通省のカリキュラムや基準を満たし、航空局のホームページに掲載されている団体です。

そして、ドローンの国家ライセンス制度に対応して始まったのが、③の「登録講習機関」です。この登録講習機関では、国家ライセンスに直結したカリキュラムを受けられ、修了審査に合格することで国家試験の実地試験が免除されます。


登録講習機関は2023年6月22日現在で339社あり、今後も増加していくことが見込まれます。対して②の団体は、2022年12月5日の登録講習機関制度開始と同時に航空局のホームページ掲載募集を終了し、新規団体を受け付けていません。

民間のドローンスクール自体はなくなりませんが、今後は登録講習機関に移行していくスクールも増えてくるでしょう。

ドローンスクールを登録講習機関にするためには、二段構えの申請をクリアしなければなりません。1つは、「登録番号の取得」、もう1つは「事務規程の届出」です。

登録番号を取得したら、受講料をいくらにするか、教材を何にするかなどを細かく定めた「事務規程」を作成し、提出しなければなりません。1つめの登録番号だけ取得しても運営できないことに注意が必要です。

登録講習機関には、1施設の小規模なものから大企業が複数校運営する大規模なものまであります。講師業を個人に業務委託することはできますが、企業が他の会社に施設の運営を委託するような、法人間の業務委託は原則できません。

2023年4月以降の申請不備率は95%以上と非常に高く、また登録できたとしても、守るべきルールを守らなかった場合は登録自体の取り消しや業務停止となる可能性があります。

監査実施のタイミング

監査は、登録講習機関の登録日を基準にして、毎事業年度ごとに行わなければなりません。実際にスクールを開校した日ではなく、登録された日が基準です。監査を行わないと、適合命令又は改善命令を受け、さらに放置すると登録取り消し処分または業務停止命令を受ける可能性があります。

登録講習機関の登録証が手元に届いた後、事務規程の届け出を行なっていないスクールもありますが、事務規程の届出を行わずに講習を行った場合には、登録取り消しとなる可能性があります。また、万が一行政処分で企業名が公表されれば企業としての信用問題にもなりますので、コンプライアンスを徹底し、健全なスクール運営をしていきましょう。

監査にはオンラインと実地があり、3年のうち1度は実地監査が行われます。ただし、ISO9001を取得、維持しているスクールなら、一部書類監査になるなど監査が簡略化されます。全て免除になるわけではありません。また、監査は必ずしも1年に1度ではなく、監査団体が随時行うこともあります。

2023年6月時点で監査団体は4団体しかないため、監査の受け入れ数は有限です。期限ギリギリになって申し込むと、希望する時期までに監査を受けられないこともあるかもしれません。

まずはご自身の登録証を確認し、自分のスクールがいつまでに監査を受けなければならないのかを確認しましょう。

監査の流れとチェックポイント

監査の流れとしては、まずは監査実施団体へ監査の依頼をおこない、実施日に向けて監査の情報や書類の準備を行います。監査を実施したら、後日監査団体より「監査報告書」が通知されますので、それを国土交通省へ提出するという流れです。

監査の内容は国からチェックリストとして提示されています。ただし、これらのチェックリストが全てではなく、各監査実施団体が、法令や通達等に基づき、リスト外の事項もチェックすることもあります。

  • 事務規程がしっかり提出されているか
  • 変更があったことが届け出されているか
  • 受講生の記録や講習の修了証明の記録を保存しているか
  • 四半期ごとの計画書を作っているか
(参照:登録講習機関等監査実施細則|国土交通省

以上のようなポイントを監査までに整えておきましょう。またオンラインの場合、学科や実地の講習風景などが動画で確認されます。監査のチェックリストは国土交通省のホームページに掲載されていますので、目を通しておくとよいでしょう。

また、国交省のリストにないもので監査団体が定めるチェック項目としては、訓練用の飛行許可承認申請、飛行計画通報、飛行日誌の記載や保管、機体登録などがあります。

指導や処分を受けないようにするには、まずは添付書類をしっかりと確認し、登録申請と事務規程を提出すること、変更があった際には可能な限り早めに変更届を提出することです。


監査の際には非常に多くの準備が必要です。わからなければ自己判断をせず、専門家や国土交通省に相談し、必要に応じてサポートを受けることをおすすめします。

バウンダリ行政書士法人では、ドローンスクールの立ち上げから各種申請、コンサルティングまで、幅広くドローン関連業務のサポートを行っています。

顧問や登録機関監査対策などのチェックや毎月のコンサルティングなら、月額3万3,000円から依頼できます。このサービスのなかには、事務規程の変更届出なども含まれています。

登録講習機関の設立・運営・監査対策 | バウンダリ行政書士法人

ドローン登録講習機関の設立・維持管理は実績全国NO.1のバウンダリ行政書士法人にお任せください。登録講習機関のサポート数150社突破!登録後の監査実施も160スクール以上担当しています。年間10,000件以上の案件対応をしているドローン専門の行政書士チームが徹底サポートいたします。

この記事をboundary.or.jp で読む >

月額制だけでなく、登録講習機関の各種変更届や新規申請などの単発案件も依頼できます。簡単なものなら1件につき1万1,000円から、複雑なものでは50万円以上まで、内容によって料金に幅があります。

登録講習機関向け学科eラーニングプラットフォーム「CoCoPA(ココパ)」

なお、バウンダリ行政書士法人が提携する株式会社ココパからは、月額990円(税込)から受講できる、ドローン新制度に対応した動画コンテンツ定額配信サービスが提供されています。

このサービスではドローン新制度がよくわかる動画を視聴できるだけでなく、新制度や国家操縦ライセンスについて自由に問い合わせられる質疑応答サービス、CBT対策講座、法人用5,000万の賠償保険など、登録講習機関や受講者の要望に応えるサポートが提供されています。

バウンダリ行政書士法人がオンライン講習を提供するCoCoPAと提携、ドローン新制度に対応した動画コンテンツ定額配信サービスを開始 <無料体験 実施中>

バウンダリ行政書士法人のプレスリリース(2023年3月24日 10時00分)バウンダリ行政書士法人がオンライン講習を提供するCoCoPAと提携、ドローン新制度に対応した動画コンテンツ定額配信サービスを開始 <無料体験 実施中>

この記事をprtimes.jp で読む >

監査対策サービス「Droby(ドロビー)」の紹介|行政書士・中島北斗先生

続いて、監査対策に必要な書類等を日々の入力で簡単に出力できるシステム「Droby(ドロビー)」について、システム開発者のリーガライト行政書士法人代表中島北斗先生より、性能と使用方法の紹介がありました。

登録講習機関向けデータ管理プラットフォーム「Droby(ドロビー)」

監査の際には非常に多くの資料を提出する必要があります。登録することに精一杯で、事務規定通りに運用できていないというお悩みを抱えるスクールも多いでしょう。

そこで、スクールが本来のドローンパイロット育成業務に集中できるよう開発されたシステムが「Droby」です。ドローンの学校事務をデジタル化し、データベースで一括管理することで、監査の際に必要な書類を簡単に作成・出力できます。



Drobyには、大きく分けて二つの機能があります。一つは監査対策として、監査資料を自動で生成する機能、もう一つはスクールの授業をオンラインで、いつでもどこでも受講可能にする機能です。

今回のセミナーでは、このうち「監査対策機能」について紹介されました。

監査対策機能は、「受講生管理」「講習記録」「内部監査」「文書管理」の4つの機能に分類されます。それぞれをDroby上で行うことで、監査対策だけでなく、事務作業の効率化につながります。


「受講生管理」機能では、入学から卒業までをシステム上で管理することで、監査の際に求められる、入学金収受記録や修了証明書発行台帳、また国土交通省のシステムにアップロードするためのCSVファイルの発行まで自動で作成できます。

「講習記録」機能は、学科記録、実地講習、修了審査の記録を取り、「実施状況報告書」のファイルにまとめて保存する機能です。講義室の予約受付表やzoomのスクリーンショット、講義風景の写真などと紐づけて一元管理できます。

また、複数の講師がいる場合には、講師ごとにQRコードを発行し、そのQRコードから講師が報告フォームに情報を入力することで、どの講師からどの情報が提出されているかが一目でわかります。

「内部監査」機能では、講習の定期確認や講師研修の記録など、外部監査に備えた記録の確認や作成ができます。また「文書管理機能」では、四半期ごとに作成が義務付けられている実地計画書や、登録申請書、事務規程の変更なども一覧表で管理・保存ができます。

このように、日常業務を行えば自動的に監査に必要な資料がそろう、つまり監査対策になるのが「Droby」のシステムです。煩雑な事務管理や監査対策にお悩みの方、事務作業をDXしたいとお考えの方はぜひ検討されてはいかがでしょうか。

質疑応答まとめ

ここからは、セミナーで行われた質疑応答を一部抜粋します。
参加者
参加者

適合命令・改善命令の対象者は公表されますか?

現段階では前例がないため、公表されるかどうかは不明です。ただし、命令に違反して取り消しまたは業務停止処分を受けた場合には、会社名が官報に公告されます。
参加者
参加者

「事業年度内に監査を受ける必要がある」とのことですが、監査が実施されていればいいのでしょうか、それとも監査報告書が提出されていればいいのでしょうか?

監査が実施されているかどうかが基準になります。
参加者
参加者

監査で指導処分が入った登録講習機関で国家資格を取得した受講生には、追加講習、追加試験などが推奨されますか?

現在どのような処置を講ずるかは決まっていません。ただし、追加講習やそれに準ずる確認テストなどを設けることなどが、航空局内で検討されているようです。
参加者
参加者

監査にはどのくらい費用がかかりますか?

料金は各監査団体がそれぞれ設定しますが、1事務所1、2拠点であれば、50万円から70万円程度が平均的な金額です。
まるわかりガイドでドローンを知ろう
まるわかりガイドを見る

RECOMMEND

この記事を読んだ方へおすすめ