この記事では「そもそもフリーランスでもアプリ開発エンジニアになれるの?」といった疑問への回答をはじめ、フリーランスと会社員の年収の違いや主な開発案件の種類についてまで、徹底解説していきます。
フリーランス(個人)でもアプリ開発エンジニアになれる?
結論、フリーランスのアプリ開発エンジニアとして活動していくことは十分可能です。昨今は深刻なIT人材不足が叫ばれていることもあり、多くの企業が優秀な外部人材への業務委託を検討しています。スキル・実績を積み重ねている人にとっては追い風とも言える状況となっています。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」を見てみると、ソフトウェア開発に勤しむ方々の25%は「自営・フリーランス」として働いているというデータも。
「会社員などで実務経験を蓄えたのち、フリーランスエンジニアとして転身する」というのは、決して珍しくない選択と言えるでしょう。
フリーランスアプリ開発エンジニアの年収はどれくらい?
アプリ開発エンジニアという仕事において、会社員とフリーランスエンジニアでは年収にどの程度違いがあるのでしょうか。せっかくフリーランスとして独立するからには、会社員時代よりも大きく稼いでいきたいですよね。この項で相場感をつかんでおきましょう。- フリーランスのアプリ開発エンジニアの場合
- 会社員のアプリ開発エンジニアの場合
フリーランスのアプリ開発エンジニアの場合
人材会社エン・ジャパンが運営する、フリーランスエンジニア向け案件検索エンジン「フリーランススタート」の情報を元に見ていきます。フリーランスのアプリ開発エンジニア向け求人・案件の単価相場は、月額平均69.5万円であることが分かりました。年収にして約830万円です。そのほか特徴的な点としては、最低単価が10万円となっているのに対して、最高単価が900万円であること。フリーランスは基本的に出来高制であるため、収入はスキル面などによって大きく変動してしまう可能性も考えられます。フリーランスエンジニアを志すからには、このような不安定さも十分考慮しておく必要があるでしょう。
不安な方はフリーランスエージェントの利用をおすすめします。
フリーランスエージェントおすすめ一覧【2024年最新版比較】
この記事では、おすすめのフリーランスエージェントを分かりやすく一覧で比較しています。週3日〜稼働、リモートワークなど、自由な働き方を実現。利用者別のおすすめやフリーランスエージェントを使うメリット・デメリット、よくある質問もまとめました。
この記事をcoeteco.jp で読む >会社員のアプリ開発エンジニアの場合
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、アプリをはじめとするソフトウェアを開発する会社員エンジニアの平均月額賃金は32.8万円、年収は550.2万円となっていました。国税庁が公表する日本の平均年収が458万円であることを踏まえると、アプリ開発は会社員でも平均以上に稼げる職業であることが分かります。しかし、月額平均約70万円、最高で月900万円も狙えるフリーランスのアプリ開発エンジニアと比べると、その差は歴然です。独立し努力を重ねることで、会社員では到底なし得ない年収も実現できるでしょう。
【3種類】主なアプリ開発案件とその特徴
アプリ開発案件は、大きく以下3種類に分類されます。アプリの種類によって求められるプログラミングスキルなども変わってくるため、自分に合った案件を選択していくことが重要です。各アプリの概要と特徴について、それぞれご紹介します。- Webアプリ
- ネイティブアプリ
- ハイブリッドアプリ
Webアプリ
Webアプリは、その名の通りWebブラウザ上で動作するアプリケーションのことを指します。数えきれないほどのサービスがありますが、代表的なものとしては以下の通り。- YouTube(ブラウザ版)
- Gmail(ブラウザ版)
- Skype
- note
- 食べログ etc…
インストールの手間がなく、ブラウザを開けば気軽に使える点がユーザー側から見たメリット。一方、ネット上で動作させる都合上、サーバーやデータベースの設置といったバックエンド側の開発が重要となるため、開発側は幅広いスキルが求められるでしょう。
開発分野 | 用いられる言語 |
---|---|
フロントエンド開発 | HTML/CSS、JavaScript |
バックエンド開発 | PHP、Ruby、Pythonなど |
データベース | SQL |
ネイティブアプリ
ネイティブアプリは、App StoreやGooglePlayといったアプリストアからインストールして、スマートフォンやタブレット上で使用するアプリのことです。日頃スマートフォンを活用している方にとっては、一番身近なアプリケーションとも言えるでしょう。一部を除き、Webアプリとは違ってオフライン上で動作させることができる点が、ネイティブアプリの特徴です。利用する際にインターネットを介さないため、起動が素早くサクサクとした操作感が魅力。
現状、スマートフォンやタブレットのOSとしては「iOS」と「Android」が主流ですが、それぞれで開発に必要なスキルや用いるプログラミング言語が変わってくるため、注意しなければいけません。どんなアプリをどのOS上で動作させたいのかをよく考えてから動き出す必要があります。
開発分野 | 用いられる言語 |
---|---|
Androidアプリ | Kotlin、Javaなど |
iOSアプリ | Swift、Objective-Cなど |
ハイブリッドアプリ
Webアプリをベースとしつつ、iOSやAndroidといったスマートフォンOS上で動作するようにしたものが「ハイブリッドアプリ」。カメラでの撮影やGPS位置情報の利用、さらにはプッシュ通知といったネイティブアプリならではの機能を備えたWebアプリです。ネイティブアプリを作るには専用の言語を用いる必要があるため、開発コストが高くなってしまうのが難点でした。その点Webアプリが元となっているハイブリッドアプリであれば、HTML/CSSやJavaScriptといった基本となるプログラミング言語(マークアップ言語)だけで高度な機能を実現可能。Webアプリの開発経験をそのまま活かすことができます。
ハイブリッドアプリの具体例は以下の通り。
- Amazon
- Zoom
- クックパッド etc…
ただし、基本的にフレームワークを用いて開発することになるため、一からコーディングでいるネイティブアプリと比べると柔軟性に欠けることは確か。OSに最適化されていないため、動作が重くなりやすいといったデメリットもあります。良し悪しをよく把握しておくべきでしょう。
アプリ開発案件ありのおすすめフリーランスエージェント
アプリ開発でフリーランスになるなら、アプリ開発案件の取り扱いがあるフリーランスエージェントを活用するとよいでしょう。ここではおすすめのフリーランスエージェントを紹介します。TechStock
TechStockは38,000人以上のフリーランスが登録しているエージェントです。フリーランスとしてアプリ開発に携わりたいと考えているなら、まず登録しておくとよいでしょう。平均単価が高く、月800,000円を超える案件の紹介を受けられる可能性もあります。スキルアップに向けたキャリアカウンセリングを実施しているのも特徴。中にはエンジニアからコンサル案件にチャレンジする登録者もいます。キャリアアップを目指している人にもおすすめのエージェントです。
レバテックフリーランス
12職種のそれぞれを専門とするアドバイザーが在籍しているのもレバテックフリーランスならでは。専門知識を持つアドバイザーに相談できるため、技術環境や作業内容なども含めて、納得のいく案件探しができます。条件交渉や契約に関するサポートも受けられるため、案件に集中しやすいのもポイントです。
※週3日以下の案件はハイスキルが求められます。
\\実務経験1年以上×週4〜稼働可能な方におすすめ//
Midworks
年収アップにつながった事例が多いことに加えて、報酬保障を受けられるのもMidworksを利用するメリットです。一定の条件を満たすと、案件が途切れたとしても60%まで報酬が保障されます。
※週3~週5、フル稼働可能(1日8時間以上)な案件がメインとなっており、実務経験3年以上の方が主な対象となります。
※副業案件はありません。
フリーランスのアプリ開fecture発エンジニアに必要なスキル
ここでは、フリーランスのアプリ開発エンジニアに必要なスキルを紹介します。プログラミングのスキル
アプリを開発するには、当然プログラミングのスキルや知識が必要です。androidであれば、『java』や『Kotlin』、iPhoneであれば『Swift』の知識が求められるでしょう。
最近ではノーコード・ローコードと呼ばれる、プログラミングスキルを必要としない開発手法も浸透つつあります。しかしノーコード・ローコードを扱う場合であっても、多少なりのプログラミング知識を有していたほうが請け負える案件の幅が広がります。
特にフリーランスのように会社という後ろ盾のない働き方を実現したいと考えるのであれば、エンジニアの基礎となるプログラミング知識はしっかり身に付けておくことをおすすめします。
自己管理能力
フリーランスとして働く場合、勤務時間や仕事量を自分でコントロールできます。全ての業務における裁量権を自分が握ることになるため、自由度が高い分、自己管理力も問われます。特にフリーランスの場合、クライアントとの信頼関係があってこそ安定した収入が実現します。クライアントとの間に定めた納期を厳守できるよう、仕事のペースや量を自分でコントロールしなければなりません。
自分に甘い人や管理能力に欠ける人は、フリーランスという働き方が向いていない可能性もあります。
コミュニケーション能力
フリーランスエンジニアというと、自宅で仕事に取り組むイメージが強く、一見すると人とのコミュニケーションがあまり求められない働き方のようにも思われます。しかし、アプリ開発は、最終的にチームで1つの形を創り上げていく仕事です。そのため、他のチームメンバーやクライアントとも円滑なコミュニケーションが求められるでしょう。適度な距離感を保ちつつ、迅速かつ丁寧なコミュニケーションを実現できるフリーランスは、多くのクライアントから共に働きたいと思われ、重宝されるでしょう。
フリーランスのアプリ開発エンジニアが案件を獲得する方法
続いて、フリーランスのアプリ開発エンジニアが案件を獲得する方法を紹介します。フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントは、フリーランスのアプリ開発エンジニアが案件を獲得する手段の1つです。サービスに登録すると、専任の担当者が付き、希望の案件やスキルに応じた案件を紹介してくれます。中には福利厚生サービスやクライアントとの折衝代行など、フリーランスにとって嬉しいサービスやサポートを提供してくれるサービスもあります。フリーランスエージェントを上手に活用することで、活動の幅を広げることができるでしょう。
しかし一方で、マージンが発生したり、経験者でないと案件を紹介してもらえなかったりする場合もあります。
利用の際は、規約や対象をしっかり確認しておきましょう。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングは、仕事を探している人と業務を依頼したい人を繋ぐプラットフォームサービスです。エンジニア初心者向けの案件が豊富にあるため、エージェントでは案件を紹介してもらえなかった人でも実績を作れるでしょう。
しかし中には、相場よりも非常に安い単価で人手を募集しているケースもあります。そのため、収入に直結しにくい点が難点として挙げられます。長期利用を前提とするのではなく、実績・経験作りとして利用すると良いでしょう。
知人に紹介してもらう
友人・知人に仕事を紹介してもらうのも1つです。以前の会社の同僚やクライアント、友人、フリーランス仲間など、これまで形成した人脈に声をかけてみましょう。
しかし友人・知人に声をかけても、すぐ仕事の依頼が来るとは限りません。
これまでに築いた人脈はもちろんですが、新しい人脈を形成しビジネスチャンスを創出する取り組みも必須です。
交流会やセミナーに参加したり、コミュニティに加入することで新しい人脈を形成できるでしょう。
まとめ
当記事では、アプリ開発でフリーランスを目指している人に向けて「そもそも個人でアプリ開発エンジニアになれるの?」といった疑問を解消しつつ、会社員との年収の違いや主な開発案件の種類についてまで、詳細に解説してきました。スマートフォンやインターネットが活用される以上、アプリ開発の需要が衰えることは考えづらいでしょう。実務経験をしっかりと積んでスキル・実績を蓄えておけば、フリーランスになっても高需要の人材になれるはず。
なおアプリ開発案件には大きく3種類あり、それぞれで開発できるもの・用いられるプログラミング言語は異なっています。自分のキャリアや作りたいアプリ等に併せて、適切なスキルを習得するようにしたいですね。