同校では卒業後も、イベントへの参加や現場同行を通じて実践経験を積めるのだとか。すでに屋根の点検や台風後の雨樋のチェック、外壁の点検などでドローンを活用している卒業生もいるといい、松井さんの熱意と指導力が、彼らの成功を支えているといえるでしょう。
今回はそんなDSA岐阜校の魅力や指導方針についてお話を伺いました。
ドローンスクールDSA岐阜校の開講コース・料金
スクール名 | ドローンスクールDSA岐阜校 | |
取得可能な資格 |
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開講中のコース |
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初期費用 (入会金やドローンの購入費用等) |
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受講料 | 一等無人航空機操縦士 基本 初学者コース | 1,200,000円(税込) |
一等無人航空機操縦士 基本 経験者コース | 300,000円(税込) | |
二等無人航空機操縦士 基本 初学者コース | 300,000円(税込) | |
二等無人航空機操縦士 基本 経験者コース | 100,000円(税込) | |
民間資格コース DPA回転翼3級 | 220,000円(税込) | |
フライトコース | 132,000円(税込) | |
ジュニアコース | 22,000円(税込) | |
農薬散布コース | 198,000円(税込) | |
運営会社 | 株式会社バードアイ |
ドローン運用〜機体販売まで幅広く手がける会社が運営
——まずはDSA岐阜校の概要について教えてください。DSA岐阜校は、2022年4月19日に岐阜市でオープンしたスクールで、DSAなごのキャンパス校・岡崎校の姉妹校にあたります。東海三県で初めて認可を受けたスクール、DSAの想いを引き継ぐ当校は、岐阜県初の一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)認定講習団体として、地域に新たな風を吹き込むべく、熱意を持って運営しています。
運営会社である株式会社バードアイは、「集まる・繋がる・広がる」をモットーに、2021年に設立いたしました。「バードアイ」という社名には、物事を俯瞰し、広い視野で企業を導くプラットフォームを目指したいという思いが込められています。我々は、ドローン事業においても、パイロット育成、インフラ点検、散布、機体開発・販売・保守、そして請負・業務支援・代行と多岐にわたるサービスを提供し、そのノウハウを駆使して受講生を全力でバックアップしています。
点検コストや再雇用への問題意識からスクール開校を決意
——スクールを開校した背景について教えてください。始まりは、前職で経験したアミューズメント業界での出来事でした。
社会人としてのキャリアをスタートさせた私は、アミューズメント施設の設備メーカーで約10年間、営業職に従事し、ゼネコンや設計事務所と連携して店舗の立ち上げに取り組んでいました。その後、クライアント企業からヘッドハンティングされ、各店舗の設備部門の責任者として18年間、店舗開発と維持管理を担当することになりました。
しかし、アミューズメント施設のメンテナンス費用が非常に高額であることは、避けられない課題でした。外壁の劣化や屋上の雨漏りがあるたびに足場を組む作業は、下見だけでも5万〜10万円、実際の作業には数百万円のコストがかかることが普通でした。
このコストを削減するために、ドローンを活用できないかと考えました。そこで、取引のある建築会社に相談を持ちかけましたが、ドローン点検の認知度がまだ低かったことや、新しい技術に対する抵抗や現状維持の考えが強かったこともあり、導入には至りませんでした。
「それならば、自分たちでドローンを飛ばしてみよう」そう決心した私は、取引業者の社長から紹介されたDSAなごのキャンパスのオーナーにコンタクトを取りました。こうして私は、まず自分自身がドローンの免許を取得することにしたのです。
——ご自身がパイロットになられたとは驚きです。その後は、どのような経緯でスクールを立ち上げたのでしょうか。
ライセンス取得からしばらく経った頃、岐阜に講習団体を立ち上げる話が舞い込みました。
当時、私は岐阜県を拠点に店舗展開をしていた企業に所属しておりましたので、この地の利を活かしてドローンスクールを運営するプランを社内ベンチャーとして提案しました。自社でドローンスクールを運営することで、自社スタッフが初動点検を行い、必要箇所にのみ足場を組んで施工するという効率的な流れを確立できると考えたのです。また、取引先や他分野へのドローン活用を提案することで、ビジネスの幅を広げることも視野に入れていました。
さらに、もう一つのメリットとして強調したのは、定年後の再雇用の場としての役割でした。アミューズメント業界、特にパチンコ店系の現場では若い人材が活躍しており、50代中盤以降になるとその場を維持するのが難しくなる現状があります。そこで、再雇用の場としてドローンを使ったメンテナンス部隊を立ち上げる提案をしました。
しかし、この計画は容易には実現しませんでした。勤めていた企業は数百億円規模の大企業であり、数百万円〜数千万円程度の利益では納得してもらえなかったのです。未知のものに対する不安や、成功事例がないこともあり、最後まで提案は承認されませんでした。
それでもドローンスクールを開校したいという情熱を捨てきれなかった私は、会社を退職する決断をしました。年齢的にも挑戦の時期を逃すわけにはいかず、ここで挑まなければ同じ状況が続くと考えたのです。会社ではそれなりの成果を上げていたため、「辞めるなんてもったいない」との声もありましたが、エネルギーがあるうちに自分の意思で新たな道を選びたい気持ちもありました。幸いにも、後任の育成が整っていたため、スムーズに引き継ぎができました。
こうして誕生したのが、DSA岐阜校です。前職で得た、組織運営の難しさやビジネスとしての利益確保の重要性といった経営者としての知見は、今もスクールの運営や受講生へのアドバイスにも活かされています。
——マネジメントやビジネス立ち上げの難しさを知っていたからこそ、総合的なコンサルティングを提供できる会社を目指されたのですね。
その通りです。バードアイを立ち上げた当初から、単なる点検業務や農薬散布の受託にとどまらず、各企業のヒト・モノ・カネがドローンを中心に循環する仕組みを提案できる会社を目指していました。
たとえば、内製化を進めるにしても、すべての企業が効率化やコスト削減に成功するわけではありません。人材を育成するには時間と労力、費用がかかりますし、時代の変化により求められる人材像も変わります。また、将来的に自律飛行のドローンが主流となる時代が来れば、余剰となったドローンパイロットのリスキリングが課題となることも考えられます。一方で、外注を選ぶことで、必要な時にプロフェッショナルに対応してもらい、メンテナンスや点検も専門家に任せられるという考え方もあるわけです。
外注と内製化の選択は企業ごとに異なり、それぞれに対応できるコンサルタントが必要です。同業種の売り手と買い手、双方の悩みを理解している弊社だからこそ、中立的な立場から幅広い提案が可能なのです。
受講者は30代〜50代の現役世代が中心、ニーズは高い操縦技術
——数あるドローン団体のなかで、「指導が厳格」と言われるDPAに加盟されたのはなぜでしょうか?当校がDPAの加盟校を選んだ理由は、受講生に確かな技術力を育んでいただくためです。私自身、DPAのスクールでライセンスを取得し、センサー補助のないオリジナル機体を飛ばす経験を積みました。その時に感じた適度な緊張感と、それを乗り越えたときの達成感は、何物にも代えがたいものでした。この体験を、受講生の皆さんにも共有したいと思ったのです。
世間では、ドローンを飛ばすことを簡単に考える方が多いように見受けられます。しかし、どのようなことでも慣れてきた頃に事故が起きやすいものです。特にドローンはセンサー補助が便利なため、油断が生まれやすい側面があります。
ドローンは墜落のリスクを伴う道具ですから、緊張感と責任感を持つことが不可欠です。本当の実力を身につけるためには、単に資格を取得することを目標にするのではなく、なぜその資格を取りたいのかという目的意識を明確にし、真剣に取り組むことが重要です。
DSA岐阜校では、ドローンを通じて技術面だけでなく精神面も鍛え、受講生の皆さんが自分の長所・短所を受け入れ、人間的に成長できるようなスクールを目指しています。
——そんなDSA岐阜校には、どのような受講生が多く来られますか?
当校に来校される方の多くは、30代〜50代の社会人が中心で、約95%が男性です。受講目的は、将来役立つ資格として個人や法人が取得を目指すケースが多いほか、すでに仕事でドローンを活用しており、民間資格から国家資格へのステップアップを考えている方もいらっしゃいます。
当校を選んでいただく理由としては、地元で通いやすいこともありますが、特にGPSによる補助なしでの操縦技術を学びたいという意識の高い方が多いです。こうした本物の実力を追求する姿勢で来ていただけることは、非常に嬉しく思っています。
365日、朝昼晩で対応可能。「厳しく寄り添う」指導で実力アップ
——指導のこだわりを教えてください。DSA岐阜校では、技術面の向上だけでなく、精神面の成長も目指し、受講生の性格や技量に応じた個別指導を行っています。
ドローンを飛ばしていると、その方の性格がよく表れます。緊張で手が震える方もいらっしゃいますが、慣れるまで静かに見守るべきか、ジョークを交えて和ませるべきかは、非常に繊細な判断です。自分を追い込み、厳しい訓練に臨んでほしい反面、不必要に厳しくするとモチベーションを下げてしまう可能性もあるため、バランスが重要なのです。
そのために私たちが大切にしているのが、訓練を通じたコミュニケーションです。30代〜50代という年齢は、家庭や子どものこと、会社のことなど、さまざまな悩みを抱えやすい時期です。ドローンスクールの講師という、ある種「他人」の気楽さがあるためでしょうか、ときには受講生が普段は話せないようなプライベートな悩みを打ち明けてくれることもあります。対話を通じて受講生を深く理解し、それぞれに合った適切な指導を提供できるよう努めています。
——そのほか、指導スタイルの特徴はありますか。
DSA岐阜校では、できる限りマンツーマンで、私自身が直接指導することを心掛けています。受講希望日は365日、朝・昼・夜問わず受け付けており、受講生のライフスタイルに合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
私自身、前職で20数年間、365日深夜まで連絡を受け付ける働き方をしてきた経験があります。そのため、時間を問わず受講生に手厚いサポートを提供できることも、当校の大きな強みです。
——卒業後のサポートなどがあれば教えてください。
DSA岐阜校では、受講生が実際に経験を積むための機会を数多く提供しています。たとえば、ドローンによる点検を目指している方には、「今度、点検の現場があるので同行しませんか」とお声がけしています。また、国家資格の修了審査を見学する機会も設けています。
スクールでの訓練と実際の現場は、環境や状況が大きく異なるため、こうした見学機会は非常に貴重です。これも、“本物の実力を育成する”という当校のポリシーの現れであり、受講生がスキルを磨くサポートの一環です。
まずは「松井に会いに来て」空を見上げてキャリアに向き合おう
——たいへん魅力的なスクールであることが伝わりました。最後に、入会を検討している読者へメッセージをお願いします。ドローンは非常に大きな可能性を秘めたツールです。当校を卒業した方々の中には、すでに建物の屋根や台風後の雨樋、外壁の点検などでドローンを活用している方もいます。DSA岐阜校で確かな実力を身につければ、現場での実務にもスムーズに対応できることでしょう。
さらに、ドローンはキャリアの向上だけでなく、人生に幸福をもたらすこともあります。現代は何かと暗いニュースが多く、気持ちが沈んでしまうこともありますが、ドローンを飛ばしながら空を眺めていると、広がる景色に心が震えるような感動を覚えます。少し大げさかもしれませんが、ドローンを通じて自分の人生を新しい視点で見つめ直す機会になるかもしれません。
ドローンに興味がある方はもちろん、人生に変化を求める方も、ぜひ私、松井に会いに来てください。卒業生の皆さんからは、「松井に教わって良かった」という嬉しい声をいただいています。受講生一人ひとりに“厳しくも親身な”指導を通じて、ドローンが人と人とを結び、新たな可能性を開くツールであることを感じていただければと思います。
皆さんのご来校を365日、心よりお待ちしています。