介護職員初任者研修を受けるならどこがいい？スクール選びのポイントも解説

介護職員初任者研修とは？

介護職員初任者研修について詳しく知る前に、まずは基本的な情報を整理しておきましょう。

この研修がどのような資格で、何を学ぶのかを理解できていれば、自分に適したスクール選びにも役立ちます。

介護職員初任者研修の概要と目的

介護職員初任者研修は、介護職の入門に位置付けられている国が認める公的資格です。

厚生労働省によると、以下の目的で実施される研修として位置付けられています。

この研修を受けるにあたって必要な条件や資格は設けられておらず、年齢や学歴、経験に関係なく誰でも受講可能です。

介護業界未経験の方でも安心して受講できる入門的な位置づけの資格となっています。

介護職員初任者研修を取得するメリット

介護職員初任者研修を取得すると、以下のようなメリットがあります。

身体介護業務を行えるようになる点が最も大きなメリットです。

無資格の場合は生活援助のみしか行えませんが、初任者研修を修了すると利用者の身体に直接触れる入浴介助や排泄介助、移乗介助などの身体介護を担当できるようになります。

また、就職・転職の選択肢が大幅に広がります。

訪問介護事業所では初任者研修以上の資格が必須条件となっている場合が多く、介護施設でも有資格者を優遇する傾向があります。

給与面でも資格手当が支給されるケースが多いため、収入アップにもつながります。

さらに、初任者研修は介護福祉士などの上位資格を目指すための基礎となる資格でもあります。

介護業界でのキャリアアップを考える際の第一歩として位置づけられています。

研修のカリキュラム内容と合計時間

介護職員初任者研修のカリキュラムは厚生労働省によって定められており、合計130時間の研修を受講する必要があります。

研修科目と時間数は以下の通りです。このうち、実技を含む科目については89.5時間が対面での受講が必須となっています。

特に「こころとからだのしくみと生活支援技術」は75時間と最も長く、移乗・移動介助、食事介助、入浴・清潔保持の介助、排泄の介助、睡眠の介助など、実際の介護現場で必要となる技術を学びます。

研修修了後には修了試験が実施され、合格することで修了証明書が交付されます。

修了試験の合格率は一般的に95%以上と高く、研修内容をしっかりと理解していれば合格できる難易度となっています。

【失敗しない】介護職員初任者研修スクールの選び方・比較ポイント

介護職員初任者研修を受講できるスクールは多岐にわたり、受講料やサポート体制、講座の形式などがそれぞれ異なります。

自分に最適なスクールを選べば、効率的に資格取得を目指せるだけでなく、その後の就職活動にもよい影響を与える可能性が高まります。

本章では、後悔しないスクール選びのために押さえておくべき重要な比較ポイントを詳しく解説します。

受講費用で比較する

費用相場と内訳

介護職員初任者研修の受講費用は、スクールや地域によって大きく異なります。

一般的な相場は5万円～15万円程度となっており、以下のような内訳で構成されています。費用が安すぎるスクールは講師の質や教材の充実度に不安がある場合もあるため、相場と大きく乖離していないかの確認が重要です。

安く抑える方法｜ハローワークや給付金、キャンペーンを活用

受講費用を抑える方法として、以下のような制度やサービスを活用できます。ハローワークの公共職業訓練や求職者支援訓練を利用すれば、無料で受講できる場合もあります。

また、多くの介護転職サイトが運営するスクールでは、就職が決まった場合の受講料返金制度を設けています。

通いやすさ・受講スタイルで比較する

教室の立地とアクセス

介護職員初任者研修では、実技演習で89.5時間の通学が必須となるため、教室の立地は非常に重要な選択基準です。

以下の点を確認しましょう。


通学が負担になると継続が困難になるため、無理なく通える範囲内のスクールを選択できるかどうかが成功の鍵となります。

通信・通学のバランス

介護職員初任者研修では、厚生労働省の規定により通信学習と通学学習の時間配分が決められています。通信学習の部分をオンライン授業や動画学習で効率化しているスクールを選べば、自分のペースで学習を進められます。

また、通信教材の質や学習サポートツールの充実度も比較検討しましょう。

開講スケジュール（平日・土日・夜間）

働きながら受講する場合は、自分のライフスタイルに合った開講スケジュールのコース選択が重要です。振替受講制度の有無や振替可能回数も確認しておけば、急な予定変更にも対応できます。

サポート体制で比較する

学習サポート（振替授業・質問対応など）

充実した学習サポートがあるスクールなら、初心者でも安心して学習を進められます。

以下のようなサポート体制を確認しましょう。


特に振替授業制度は重要で、無料で何回まで振替可能かを事前に確認しておきましょう。

全講座への出席が修了の必須条件のため、柔軟な振替制度があるスクールが安心です。

就職・転職サポートの有無と内容

資格取得後の就職・転職を見据えている場合は、キャリアサポートの充実度も重要な選択基準となります。
特に大手介護転職エージェントが運営するスクールでは、グループ企業の転職支援サービスと連携した手厚いサポートを受けられる場合が多くあります。

講師の質やスクールの実績で比較する

講師の質はスクール選びにおいて最も重要な要素の一つです。

以下の点を確認してスクールの教育レベルを判断しましょう。


また、スクール全体の実績として以下の数値も参考になります。現場経験豊富な講師から指導を受けられれば、実践的なスキルと知識を効率的に身につけられるため、講師情報は必ず事前に確認しておきましょう。

介護職員初任者研修のおすすめスクール4選

介護職員初任者研修は多くのスクールで開講されていますが、スクールによって受講費用、学習サポート、就職支援の内容が大きく異なります。

本章では、特におすすめのスクール4校を詳しく紹介します。

まずは、おすすめスクール4校の基本情報を比較表で確認してみましょう。

【介護職員初任者研修おすすめスクール比較一覧表】

レバウェル介護スクール

レバウェル介護スクールは、介護転職サイト最大手のレバレジーズが運営するスクールです。

通信と通学を組み合わせた効率的な学習システムが最大の特徴で、働きながらでも無理なく資格取得を目指せます。

講師陣は現役の医療福祉職員が担当しており、現場で実際に活用できる実践的な知識と技術を身につけられます。

また、問題形式の教材を用いて自宅で自分のペースで学習を進められるため、家庭や仕事で忙しい方にも最適です。

さらに、資格取得後はグループサービス「レバウェル介護」からの就職・転職支援も受けられます。

業界最大級の求人数を誇る転職サイトとの連携により、資格取得から就職まで一貫したサポートを提供している点が大きな魅力です。

ジョブメドレースクール

ジョブメドレースクールは、医療介護求人サイト「ジョブメドレー」を運営する株式会社メドレーが展開するスクールです。

介護現場経験者や豊富な講師経験を持つ人材が教壇に立ち、一人ひとりに合わせた丁寧な学習支援を提供しています。

学習面では動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」を利用可能で、動画を用いた効率的な学習を進められます。

また、質問対応や学習進捗管理など、きめ細かなサポート体制が整っています。

特に注目すべきは特待生制度による受講料免除システムです。

以下の3つの条件を満たすことで、受講料が全額免除となります。


介護職への転職を確実に考えている方にとって、経済的負担を大幅に軽減できる魅力的な制度です。

ベネッセスタイルケア

ベネッセスタイルケアは、教育業界大手のベネッセグループが運営する介護事業会社のスクールです。

現役介護職員から直接指導を受けられるため、実務に基づいた実践的な介護技術を習得できると高い評価を得ています。

講義では現場でのエピソードを交えながら、根拠に基づいた理論と実技を学べるため、実際の介護現場をイメージしながら学習を進められます。

また、ベネッセグループならではの教育ノウハウを活かした分かりやすいカリキュラム構成も特徴の一つです。

経済面では受講後にベネッセスタイルケアに入社すると受講料が全額返金される制度を設けており、受講費用を抑えたい方や確実な就職先を求める方にとって非常に魅力的です。

就職先はベネッセスタイルケアが運営する全国300以上の施設や事業所から選択可能で、幅広い選択肢が用意されています。

未来ケアカレッジ

未来ケアカレッジは、介護資格取得に特化した専門スクールです。

全国に施設・事業所を有する総合福祉企業や大阪総合福祉専門学校などとの連携により、質の高い介護職員の養成を目指している点が大きな特徴です。

コース設定においては受講生のライフスタイルに合わせた多様な選択肢を用意しており、「土日コース」「平日コース」「最短コース」など、働き方や生活パターンに応じて最適なコースを選択できます。

また、急な予定変更にも対応できるよう、電話での即時振替対応システムを整備しています。

学習サポート面では無料復習動画を提供しており、理解が不十分だった講座内容について後から繰り返し学習可能です。

復習動画では重要ポイントを強調して解説しているため、効率的な復習と理解の定着を図れます。

さらに、未来ケアカレッジでは修了後の就職支援にも力を入れており、グループ企業の求人紹介や面接対策などの充実したサポートを受けられます。

介護職員初任者研修の申し込みから資格取得までの流れ

介護職員初任者研修の受講を決めたら、実際にどのような手順で進めればよいのでしょうか。

申し込みから資格取得まで、スムーズに進めるための流れを詳しく解説します。

スクール選び・資料請求

まずは、複数のスクールから情報収集を行い、最適なスクールを選択しましょう。

自分の生活スタイルや予算に合ったスクールを見つけられるかどうかが成功の鍵となります。

資料請求では、以下の項目を重点的に確認してください。気になるスクールが見つかったら、可能な限り見学会や説明会への参加がおすすめです。

実際の教室の雰囲気や講師の様子を確認できるため、より具体的な判断材料を得られます。

申し込み・受講開始

スクールが決まったら、申し込み手続きを行います。

多くのスクールでは、インターネットや電話、窓口での申し込みが可能です。

申し込み時に必要な書類は以下の通りです。


受講料の支払い方法は、現金、銀行振込、クレジットカード決済など、スクールによって異なります。

分割払いが可能なスクールもあるため、支払い計画に合わせて選択しましょう。

申し込み完了後、スクールからテキストや資料が送付されます。

初回授業までに目を通しておくと、スムーズな受講開始につながります。

講義・演習（通学・通信）

介護職員初任者研修は、合計130時間のカリキュラムで構成されています。

学習形態は通学のみの場合と、通信学習と通学を組み合わせる場合があります。

通信学習部分（40.5時間）は自宅での学習が可能ですが、実技を含む89.5時間の部分は必ず通学して受講する必要があります。通学での実技演習では、移乗介助、入浴介助、排泄介助などの基本的な介護技術を学びます。

受講生同士でペアを組んで実践練習を行うため、積極的な参加が重要です。

もし授業を欠席した場合は、必ず振替授業を受講する必要があります。

全科目の出席が修了の条件となっているため、やむを得ず欠席する際は早めにスクールに連絡を入れましょう。

修了試験・資格取得

全カリキュラムを修了すると、最後に修了試験（修了評価）が実施されます。

この試験に合格すれば、介護職員初任者研修の修了証明書が交付されます。

修了試験の特徴は以下の通りです。


修了試験は、受講内容の理解度を確認するためのものであり、しっかりと授業に参加していれば合格できる難易度に設定されています。

万が一不合格となった場合でも、補講を受けてから再試験を受けられるため、過度に心配する必要はありません。

合格後は、修了証明書が交付されます。

この証明書は、介護職として働く際や、さらに上位資格である実務者研修を受講する際に必要となる重要な書類のため、紛失しないよう大切に保管しましょう。

修了証明書を受け取った時点で、介護職員初任者研修の資格取得が完了となります。

身体介護を含む介護業務に従事できるようになり、介護職としてのキャリアをスタートさせる準備が整います。

介護職員初任者研修に関するよくある質問

介護職員初任者研修の受講を検討している方から寄せられる回数が多い質問について、詳しく解説します。

働きながらでも資格取得は可能ですか？

働きながらでも介護職員初任者研修の資格取得は十分に可能です。

多くのスクールでは、社会人のライフスタイルに配慮したコース設定をしており、以下のような受講スタイルが用意されています。
また、やむを得ず欠席した場合も、無料振り替え制度を設けているスクールが多いため、安心して受講を継続できます。

実際に、受講生の約8割が働きながら資格を取得しているというデータもあります。
介護事務の職種で活動するという手もあります。
参考：介護事務は未経験でも働ける！難しいと言われる理由と仕事内容

最短でどのくらいの期間で取得できますか？

介護職員初任者研修は最短で約1ヵ月程度で取得可能です。

ただし、これは集中的に受講した場合の期間であり、一般的には以下のような期間設定となっています。期間の長短に関わらず、必要な130時間のカリキュラムをすべて受講する必要があります。

短期間での取得を希望する場合は、集中して受講できる環境を整えることが重要です。

修了試験の難易度や合格率はどのくらいですか？

介護職員初任者研修の修了試験は合格率が非常に高く、約95％以上の受講生が合格しています。

試験の特徴は以下の通りです。


修了試験は受講生の理解度確認が主な目的であり、落とすための試験ではありません。

研修内容をしっかりと理解していれば合格できる難易度に設定されています。

また、万が一不合格となった場合でも、多くのスクールでは追試験や補講を無料で実施しており、最終的にはほぼすべての受講生が資格を取得できる見込みです。

試験対策としては、各科目の重要ポイントの復習と、模擬問題での演習が効果的です。

特に「こころとからだのしくみと生活支援技術」は出題範囲が広いため、重点的な復習をおすすめします。

介護職員初任者研修におすすめのスクールまとめ

介護職員初任者研修のスクール選びでは、受講費用、通いやすさ、サポート体制、講師の質を総合的に比較することが重要です。

費用相場は5万円から15万円程度で、ハローワークの職業訓練や給付金制度を活用すれば負担を軽減できます。

働きながらでも土日や夜間コースを選択すれば無理なく受講可能で、最短1ヵ月程度での資格取得も目指せます。

修了試験の合格率は高く、しっかりと講義を受講すれば合格できる内容です。

まずは複数のスクールから資料請求を行い、あなたの生活スタイルに最適な学習環境を提供するスクールを選択しましょう。