ドローンスクール水戸校卒業生インタビュー|地域防災から不登校支援までさまざまな課題を解決
ドローン人材を育成するドローンスクール水戸校では、農薬散布や配送事業者向けのコースも設置。多様な活用法があるドローンだけに、さまざまなニーズに応える態勢を整えています。
ドローンスクール水戸校の卒業生・松崎 貴志さんも、ドローンを活用して新しい可能性を広げています。ドローンによる防災意識向上やフリースクール支援などを通じて、よりよい地域社会を作る松崎さんの取り組みやスクール選びのポイントなどについて伺いました。

「純粋な趣味」からドローンを学んだことがきっかけに
――松崎さんがドローンを始められた理由を教えてください。松崎:
5~6年前のことなのですが、当時は年に2回ほど沖縄旅行に行っていました。それまでは一眼レフカメラを使って地上からの撮影を楽しんでいましたが、あるとき「空からの景色を撮影したい」という思いが芽生え、ドローンを始めることにしたんです。
人間には、見えないものを見たい、知らないことを知りたいという好奇心がありますよね。ドローンは、そんな人間の意識に応えてくれる存在だと実感しています。

――松崎さんは防災士の資格もお持ちだそうですね。防災活動でのドローン活用について、今後の展望を含めて詳しくお聞かせください。
松崎:
元々は趣味で始めたドローンでしたが、長く触れているうちに、「災害時にドローンが役立つのではないか」という思いが強くなりました。
もともと、子どもたちが親の目の届く範囲で安全に暮らせる環境を作りたいという思いから、消防団や青年会に入っていたんです。その活動のなかで地域防災に深い関心を持つようになり、ドローンと結びついた形ですね。
現在は、地元の地区防災計画書の作成を進めているところで、ドローンをどのように活用し、具体的な防災活動に落とし込んでいくかを検討しています。また、自分たちの地域を空から撮影して水害リスクを確認するなどの活動も行っています。
そのほか、ドローンによる空撮映像を活用することで、高齢者の防災意識の啓発に役立てることもあります。これは自分たちが住む地域を上空から見せることで、直感的に「どの方向に逃げればいいか」を理解いただくというものです。
高齢者の中には有事の際でもなかなか腰を上げて行動に移せないという方が多かったのですが、この新しいアプローチによって、高齢者の方々の防災意識にも変化が見られています。
――ドローンを地域貢献に繋げられているのですね。ちなみに松崎さんは、フリースクールなどの教育支援にもドローンを活用されていると伺いました。そのような教育現場では、どういった指導を行っているのでしょうか。
松崎:
教育現場では単なるドローン操作にとどまらず、Scratchを使用したプログラミング学習を組み合わせて指導しています。自分でプログラミングした通りにドローンを飛ばすという活動を通じて、論理的思考力を養うことが目的です。
最近では教員向けの講習も行いました。プログラミングとドローンを組み合わせた授業もすでに展開しており、先日訪問した小学校では、生徒たちが自分たちで学校のPR動画を作る計画を立てています。ドローンを通じて、子どもたちが新しい可能性を見出していく様子を見るのは非常に嬉しいですね。

この他にも、ドローンファイトという競技を通じてドローンの魅力を伝える活動もしています。当初は、ドローンに興味を持つ子どもが増えるなかで実際に体験してもらうことを目的としたものでしたが、いまでは不登校の子どもたちの教育支援や、一般的なイベントでの体験会などさまざまな形で活動を展開しています。

トイドローンで風船を割る速さを競う日本発祥のスポーツ「ドローンファイト」
プログラミングとドローンには、農業や災害・環境などさまざまな文化を紐付けることが可能です。この活動を通じて子どもたちには多くの世界を学び、いろいろな方面で自分の居場所を見つけてほしいと思っています。
スケジュールの柔軟さも含めた「環境のよさ」が決め手に
――そんな松崎さんは、どのような点を重視してスクールを選ばれましたか。松崎:
ドローンスクール水戸校を選んだのは、自宅からの通いやすさに加えて、講師の渡辺さんの「若さ」に魅力を感じたためです。45歳ともなると情報収集の方法は限られてきますので、渡辺さんのようにSNSでの情報発信をしっかりされている方から教わることで、最新情報をタイムリーにキャッチできる点が非常に魅力的でした。
料金設定についてもそんなに高くはないと感じましたし、設備面でも室内練習用の専用スペースが確保されていたので、受講しやすい環境が整っていました。
また会社員という立場上、土日の練習が多く、スケジュール調整が不規則になることもあったのですが、柔軟に日程調整していただきました。技術の定着には継続的な練習が必要で、2~3週間空いてしまうと感覚を忘れてしまいがちですが、その点も考慮して実習スケジュールを組んでいただいたので、スクールの柔軟さにはとても助けられました。
――受講前に、他のスクールとは比較されましたか?実際に見学されての印象をお聞かせください。
松崎:
いろいろなスクールを見学しましたが、なかには準備に時間がかかったり、受講者が何をすればよいか分からず緊張が走ったりするようなスクールもありました。環境面にも大きな違いがあり、道路沿いの場所を間借りしているようなスクールでは、周辺が騒がしくて集中力を持たせるのも一苦労でした。
ドローンスクール水戸校は室内練習用の倉庫がしっかり区切られていましたし、講師のみなさんの操縦も非常に上手なので、「言われたことをしっかりやれば上達するだろう」と思わせてくれました。
最初は思うようにドローンを飛ばせないものですが、講師の方が「どこが苦手な箇所なのか」を分析し、指導を通じて修正してくれるのも大きかったですね。

屋外練習場に加え、全天候型の屋内練習場も完備
――実際の練習ではどのような苦労がありましたか。特に印象に残っている課題などはありますか。
松崎:
趣味で自由に飛ばしていた時とは違い、資格取得のための練習では決められたルールに従う必要があり、その違いに戸惑いましたね。座学でしっかりと基礎を学ぶことで、それまでなんとなく理解していた知識が明確になったのは大きな変化だと感じます。
練習用の機体は最新のGPS機能付きの機体とは異なり、バランスが悪く、少しの風でもコースを外れやすいという曲者でした。当初は「なんだこの機体は」と頭を悩ませましたが、今では自由の利かない機体を自分の思い通りに操作できることに、かえってやりがいを感じています。
特に苦労したのは8の字飛行です。向かい風の際には前進しながら内側に膨らまないよう調整する必要があるのですが、前進操作と左右の調整を同時に行う点は今でも苦手ですね。
それでも、講師の方は適切なタイミングで「前に進んでないですよ」「今のやり方はよかったです」といった声かけをしてくれたので、感覚的に覚えやすかったです。
――座学で特に印象に残ったことがあれば教えてください。
松崎:
座学を受けてみると、それまでの自分の飛ばし方の危険性に気づかされましたね。国家試験に準ずる機体の点検や飛行前の確認の重要性はもちろん、自らの疲労管理の大切さも理解しました。
法律面でも、どこまで飛ばせるのか、どの程度の距離まで許容されるのかなど、具体的な規制を学びました。
始めたばかりのころは「飛ばせるところまで飛ばしてしまおう」という感覚の時もありましたが、今では目視外飛行の制限など、安全運用に必要な知識を身につけています。
学生から高齢者まで、新たなチャレンジを通じて自らの可能性を広げる
――様々な場面でドローンを活用されている松崎さんですが、趣味としても引き続きドローンを楽しまれているのでしょうか。松崎:
はい。ただ最近は空撮だけでなく、ドローンを飛ばすこと自体に楽しさを見出していますね。たとえば田植えの時期にはトラクターを追いかけて撮影したりと、ちょっとひねった撮影もするようになりましたし、ときには純粋に操縦だけを楽しむことも多くなってきました。趣味としての楽しみ方も、始めた当初とは変化してきていますね。

――趣味としての幅も広がったとは、素晴らしいですね。では最後に、ドローンにチャレンジしたい読者へメッセージをお願いします。
松崎:
どこのドローンスクールも、大抵の場合は体験講習を実施していますので、まずは興味があれば体験してみることをお勧めします。講師がしっかりとレクチャーしてくれますので、不安に思う必要はありません。
私の通ったドローンスクール水戸校では、70代の方が焼き鳥店を引退後にドローンYouTuberを目指して資格を取得された例もあると聞きます。年齢に関係なく、ドローンは新しい可能性を開いてくれる存在です。私自身、ドローンを通じて自分の居場所を見つけることができました。はじめの一歩を踏み出すことが、新しい楽しみの始まりになると確信しています。
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