【ドローンスクール運営ノウハウ|連載①】ドローンスクールの強み、ズレていませんか?受講者が本当に選ぶスクールの特徴とは
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ガイド
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コエテコドローン責任者
柴垣 泰2001年GMOメディア株式会社に入社後、営業責任者を経てドローン関連の新規事業開発を担当。コエテコ・ドローンの事業責任者として全国100校以上のドローンスクールを取材し、業界動向を深く把握。国土交通省や有識者への取材を通じて、ドローン・ロボティクス分野の最新トレンドと事業者の情報に精通。E.R.T.S産業用無人航空機操縦技能認定を保有。幅広い人脈を活かしてドローン関連企業・自治体・教育機関をつなぐ橋渡し役を担い、業界の発展に努めている。
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しかし、その強みは本当に受講者に響いているでしょうか。
実は、スクール側が考える「強み」と、受講者が実際に重視するポイントには大きなズレがあることが多いのです。
本記事では、受講者が本当に求めているポイントと、選ばれるスクールになるための具体的な改善方法を解説します。
スクール運営者が陥る「強みのズレ」の実態

よくある"強み"が響かない本当の理由
ドローンスクールに「御校の強みは何ですか?」と尋ねると、次のような答えがよく返ってきます。- 100%自社開発の教材を使用
- 講師は全員、業界歴〇年以上のベテラン
- 最新機体や広い練習場など充実した設備
- 専門性の高い技術指導が可能
これらは確かにスクール運営者にとって誇るべきポイントでしょう。
しかし、受講者目線では「選ぶ決め手」になっていないことが多いのです。
なぜなら、多くの受講者はドローンに関してまだ詳しくなく、どのスクールにも同じような情報が並んでいるように見えるからです。
受講者が本当に求めているのは「わかりやすさ」と「安心感」

実際に、ドローンスクールを選ぶ受講者に話を聞くと、以下のような選定ステップが見えてきます。
1:通いやすいエリアで検索
2:ポータルサイトや公式サイトで料金や取得できる資格、内容をチェック
3:少しでも「わかりにくい」と感じたら、別のスクールサイトへ移動
問い合わせに至るまでには多くの離脱ポイントが存在することを理解しておきましょう。
専門用語の罠「初心者を遠ざける表現とは」
サイトから離脱してしまう最初の原因は、情報が専門的すぎて伝わらないことにあります。たとえば以下のような説明は、初心者にはかえってハードルを上げてしまいます。
- 「ATTIモードでの飛行練習も対応」
- 「GPSを切断した状態でのマニュアル制御を習得」
経験者には価値が伝わる表現ですが、未経験者には「難しそう」「自分には無理かも」と不安を与える表現になってしまいます。
実際の受講者の声を聞くと、「難しそうでハードルが高く感じた」「自分のレベルに合っているか不安だった」といった理由で、他のスクールを選んだという例も見られます。
初心者をメインターゲットにしているスクールであれば、「中高生が読んでも理解できるレベルで説明する」ことをひとつの基準にすると良いでしょう。
- 自社サイトの説明が初心者でも理解できるか
- 専門用語を多用しすぎていないか
- 3秒で「何ができるスクールか」が伝わるか
「強み」を伝える際の視点のズレ

強みがズレてしまう主な原因は、スクール運営者の目線のまま情報を発信していることにあります。
たとえば「実機が多い」と書かれても、ドローン初心者にはその意味がピンときません。
「実機が多いってどういうこと?」「いろんなドローンがあるってこと?」といった疑問が生まれやすく、「実機が多い=自分にとってのメリット」が伝わらないのです。
そこで、次のように具体的に書き換えてみましょう。
「当スクールでは、受講者1人に対して1台の練習用ドローンをご用意。授業内でしっかり3時間以上の飛行練習が可能です」
これなら、「十分に練習できる環境だ」と、初心者でもイメージが湧きやすくなります。受講者にとってのメリットがわかりやすく提示されているかが大切です。
- 自社の「強み」を初心者目線で書き直す
- 専門用語には必ず「(○○のこと)」と補足を入れる
- 同僚や家族に説明文を読んでもらい、理解できるかテストする
受講者が本当に重視する3つの選定ポイント

結論から言えば、受講者の多くはまず「料金」を比較します。
しかし、受講料はそう簡単に変えられません。また、スクール費用が安ければ受講生が集まるのかと言えば、そうとも言えません。
受講者が重視するドローンスクール選びのポイントには、料金以外にも重要な要素があります。スクール側が見落としがちな3つのポイントは次の通りです。
受講者が重視する「3つのポイント」

ドローンスクールを検索する受講者が、実際に重視しているのは以下の要素です。
1. 立地・アクセスの良さ
- 自宅や職場から通いやすい場所にあるか
- 卒業後も気軽に相談に行ける距離にあるか
- アクセスが悪い場合、最寄り駅からの送迎などのサービスがあるか
2. 口コミの多さと内容
- Googleマイビジネスやポータルサイトでの評価数
- 自分と似た属性の人の体験談があるか
3. 卒業後のフォローアップ体制
- 「ペーパードライバー」にならないためのサポート
- わからないことがあった時の相談しやすさ
価格より「費用対効果」を重視する時代の変化
最初に「受講料が大きな判断材料」と述べましたが、近年は受講者の意識が変化しています。以前は「受講料が高いからやめておこう」と敬遠されることが多かったドローンスクールですが、最近は状況が変わってきています。
受講者が重視するのは「価格の安さ」より「その金額で、どれだけの学びや成果が得られるか」という費用対効果(コストパフォーマンス)です。
たとえば、以下のような「成果が見えるスクール」であれば、多少料金が高くても納得して申し込む人が増えています。
- 卒業後すぐに仕事につながるノウハウが学べる
- 実技の時間が豊富で、しっかり飛ばせるようになる
- 丁寧な個別サポートが受けられる
つまり、単に「うちは安いです」と打ち出すよりも、「この金額でここまでサポートします」と内容の充実度を丁寧に伝えることが、今の受講者には響くということです。
口コミから見える「選ばれる理由」

実際の受講者の口コミを分析すると、以下のような評価が多く見られます。
- 「LINEで気軽に質問できるのが良かった」
- 「オンラインで事前学習ができたので、実技に集中できた」
- 「同じような初心者の方も多くて安心できた」
- 「卒業後もわからないことがあれば教えてもらえる」
コエテコドローンに寄せられた最新の口コミでも、この傾向は顕著に表れています。
「初心者にはありがたく、非常にわかりやすく丁寧に指導くださりました」「講師のみなさんコミュニケーション能力が非常に高かったので楽しく講習できました」といった評価が目立ちます。
これらの声から分かるのは、受講者が求めているのは「敷居の低さ」と「継続的なサポート」だということです。
- 既存の受講者にアンケートを実施し、選んだ理由を聞く
- 口コミや体験談を掲載する
- 卒業生との連絡手段(LINE公式アカウントなど)を整備する
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「特徴」から「価値」への変換テクニック!ドローンスクールの魅力を伝えるコツ

スクールが持つ要素そのものは他校と大きく変わらなくても、その"見せ方"や"伝え方"によって受講者に与える印象は大きく異なります。
マーケティングの基本では、「フィーチャー(特徴)」ではなく、「ベネフィット(その人にとっての価値)」を伝えることが効果的だと言われています。
では、具体的に「この文言をこう変えてみる」例をご紹介します。
具体的な変換例
改善前 | 改善例 | 改善後の印象 |
設備の充実 | 練習場の広さを具体的に表示 屋根付き練習場で悪天候でも練習可能 |
ドローンをたくさん飛ばせそう 安心して練習に取り組める 十分にドローンを飛ばせる環境がある |
高い合格率 | 資格取得率を具体的な数値で表示 初心者の受講割合を明示(◯%など) |
数値に裏付けられた確実な成果が期待できる 同じような初心者が多く通っているので安心 |
豊富な実績 | 卒業生の体験談や評価を紹介 卒業後の実際の活用事例を公開 |
実際の利用者の生の声で信頼できる 学んだ後のイメージが湧く |
専門的な指導 | 実際の指導場面や方法を具体的に紹介 卒業生インタビューで講師の指導内容を紹介 |
具体的な指導がわかり安心できる 体験者の声でスクールの様子がわかる |
ベネフィットで考えるとは、「この特徴は、相手にどんな良いことをもたらすか?」を翻訳する思考法です。ただの"説明"ではなく、相手にとって意味のある言葉に変換することがカギになります。
選ばれるスクールの共通点は“卒業後のサポート体制”

多くのドローンスクールを取材してきた中で、特に最近、受講者から評価されているスクールには共通点があります。
それは、資格を取った後も"ひとりにしない"姿勢です。
たとえば以下のようなサポートを実施しているスクールでは、受講者の満足度が高く、口コミや紹介による集客にもつながっています。
- 卒業後に活用できる公式LINEでの情報提供
- グループチャットツールを活用した相談・交流の場の提供
- 「飛ばし方を忘れた」「久しぶりで不安」といった声に対し、現地での復習サポートを実施
多くの初心者にとって、資格を取っただけでは不安が残るというのが本音です。
車の免許を例にすれば、技能試験に受かっても、いきなり一人で公道を走るのは怖いもの。ドローンも同様で、「講師に付き添ってもらいながら何度か飛ばせる機会」があることで、実務への自信に変わります。
スクールを"資格を取る場所"ではなく"実務につなげる伴走者"として位置づけることが、他校との差別化にもつながります。
- 卒業生専用のLINE公式アカウントを開設
- 月1回の「卒業生飛行練習会」を企画
- 卒業から3ヶ月後にフォローアップメールを送信
まとめ:選ばれ続けるスクールになるための3つのポイント

1. 相手の立場で考える
初心者の不安や疑問を理解し、それに寄り添う情報発信を心がけましょう。専門用語は使わず、誰にでも理解できる表現を使うことが重要です。
2. 「特徴」ではなく「価値」を伝える
設備や講師の経歴を述べるだけでなく、「それによって受講者がどんな価値を得られるのか」まで伝えることで、選ばれる理由が明確になります。3. 継続的な関係性を重視する
単なる資格取得の場ではなく、長期的なパートナーとしての価値を提供することで、満足度の向上と口コミによる集客につながります。副業デビュー支援や現場案件紹介があったり、卒業生同士のコミュニティがあったりするスクールは、スクールと受講生が継続した関係を構築できます。それが結果として「口コミ」ともなり、自然と集客につながる面もあります。
ドローン業界は急速に変化しており、受講者のニーズも日々変わっています。一度作った訴求ポイントに固執するのではなく、常に受講者の声に耳を傾け、時代に合わせてアップデートしていくことが選ばれ続けるスクールの条件です。
自校の強みを見直し、受講者の立場に立った情報発信を行うことで、より多くの人に選ばれるスクールになることができるでしょう。
✅簡単にチェック!✅
【診断シート】あなたのスクールの集客力を5分で診断
スクール運営者の皆さん、以下のポイントを自校の公式サイトやパンフレットでチェックしてみてください。
【判定結果】
- 5個チェック:受講者目線の情報発信ができています
- 3〜4個チェック:一部改善の余地があります
- 2個以下:受講者との認識ギャップが大きい可能性があります
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