大阪ドローンスクール NICO TECH drone卒業生インタビュー|国家資格を取得した理由とその価値とは
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今回お話を伺った方
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株式会社協立倉庫 代表取締役社長
境 恭史氏ドローン黎明期から空撮事業に携わり、2017年には大阪市内で屋内型FPV練習場を開設。自作機の製作から操縦まで豊富な経験を持ち、一等無人航空機操縦士も取得している。
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大阪市内で2017年から屋内型FPVドローン練習場を運営する株式会社協立倉庫の境さん。
ドローン黎明期から空撮業務に携わり、豊富な操縦経験を持つ境さんが、あえてドローン国家資格の取得を決意した理由とは何だったのでしょうか。
大阪のドローンスクール「NICO TECH drone」で一等無人航空機操縦士の資格を取得した境さんとスクール代表の上田さんに、資格取得の経緯とスクールでの学び、今後のドローン事業展開について、編集部が詳しくお話を伺いました。
ドローンとの出会いと国家資格取得の決断
株式会社協立倉庫 代表取締役社長 境 恭史さん
——本日はお時間をいただき、ありがとうございます。まず、境さんがドローンを始められたきっかけから教えていただけますか。
境さん: もともと、倉庫業を経営していまして、倉庫の空きスペースを活用して何かできないかと考えていました。
スタジオ貸しなども始めていた中で、ドローンに興味を持ちました。映像業界の友人から「これからドローンでの撮影が主流になってくる。面白いドローンがあるよ」と教えてもらったのがきっかけです。
——それでドローンを始められたのですね。
境さん: はい。最初はAmazonで似たような機体を購入し、試してみました。
本格的にやりたくなって自作機から始めました。2017年の2月ぐらいに作り始めて、プロペラが回ったのが5月ぐらいでしたね。なかなかうまく作れなくて苦労しました。
—— 自作から始められたというのはすごいですね。同じ2017年に、大阪市内初の屋内型ドローン練習場を開設されたのは、自作機を飛ばすためだったのでしょうか?
境さん: 倉庫のスタジオが平日は割と空いている時間がありましたし、大阪の都心部からアクセスもいいので、練習場にしてみてはどうかと思いまして。大阪市内の屋内型ドローン練習場としては、おそらく市内初でスタートしました。
——2017年というとかなり早い時期ですね。当時の反響はいかがでしたか。
境さん: それが、まったく反応がなく、2年ぐらいは閑古鳥が鳴いている状態でした。2017年頃は、まだドローンという言葉が出てきて少し経ったぐらいで、一般的ではありませんでした。
うちの従業員たちも「社長、何を始めたんだろう」という感じでしたね。
——それだけ先進的な取り組みだったのですね。その後、空撮業務にも本格的に取り組まれたとのことですが、豊富な経験をお持ちの境さんが、なぜ国家資格を取ろうと思われたのでしょうか。
境さん: 正直、自分的にはドローンの資格とか免許とか興味がありませんでした。
当時は、免許が必要な現場は輸送や、あとは国が認定したドローンを使用する一部の業務に限られていましたし、自分には必要ないと思っていました。
——では、何がきっかけでドローン資格取得へと考えが変わったのでしょうか。
境さん: 大手企業の撮影依頼が増えてきた頃、「ドローンの資格を持っていますか」「どの免許を持ってるのですか」と聞かれることが増えてきたんですね。
その都度、「今、撮影する段階ではドローンの免許なくても大丈夫なんですよ」と説明した上で、ご納得いただいて撮影に行ったりしてたんですけど、これがちょっと面倒だなと思い始めました。
説明コストがかかるというか。わかりやすい資格を持っておいたほうがいいのかなと思い始めたタイミングと、ちょうど上田さんと知り合ったタイミングが近かったんです。
——タイミングが重なったのですね。
境さん: 当時は親しい間柄というわけではなくて、ドローンの練習場で一緒にちょっと練習していた方ぐらいの関係でした。
その方がドローンスクールを始められることをお伺いして、「それだったら免許って取れるんですか」という話になって、本当にタイミングがピタッとあったので、「よし、NICO TECH droneでドローン資格を取得しよう」という流れになりました。
NICO TECH droneでのドローン受講体験
——NICO TECH droneスクールの上田代表、境さんとの出会いについて教えていただけますか。
上田代表: 境さんは大阪でもすごい人なんですよ。ドローン業界のパイオニアともいえる方が来られるのはすごく嬉しかったです。
——そんな境さんが実際にスクールで学ばれて、いかがでしたか。境さんはすでに豊富な飛行経験をお持ちでしたが。
境さん: スクールに通わせてもらって、自分では普段やっていなかったような操作方法などを細かく指導していただいて、とても勉強になりました。
特にスティックの指の動かし方というか、そういう微妙なところの指導が良かったですね。
スティックを柔らかく動かすと、ドローンがこう動くとか、教えられたとおりに行うと、やはりドローンの操縦もよりうまくなりました。操縦しながら具体的なアドバイスをもらえるのでわかりやすいですし、操作できた感覚もつかみやすいと思います。
——座学はいかがでしたか。
境さん: 私は座学については、どちらかというと苦手でした。ですから、改めて勉強させてもらったことで、いろいろ深く「なるほどな」と知識と実技が一致した面もありますし、納得する面もありました。
——練習場の環境についてはどんな印象をお持ちですか?
境さん: 上田さんは練習場をきちんと整備されているので、快適でした。

NICO TECH droneの屋外練習場、車の大きさと比較すると、その広さがわかる
広々とした練習場です。それ以外の休憩室みたいな場所もとてもきれいなので、居心地がよかったです。
——上田代表から見て、境さんはどのような受講生でしたか。
上田代表: NICO TECH droneは、ドローンに詳しい企業さんにサポートしていただいており、操作方法などのアドバイスもいただいています。
境さんのような経験豊富な方でも、「なるほど」と思えるようなアドバイスができたのは良かったと思います。
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ドローン国家資格取得後の変化と今後の展望
——境さんは資格を取得されて、お仕事に変化はありましたか。
境さん: 「資格を持っていますか」と聞かれたら、「持っています」で終わりですから、大きな企業さんとか自治体さんとかでも、すんなりお話が通るようになりました。
資格取得で学んだ経験も大きく、『何かあったら聞いてください』『なんでも大丈夫です』と二つ返事でお引き受けできるようになりました。
——説明する手間が省けて、企業からの信頼性も上がったわけですね。
境さん: そうなんですよ。それが大きいですね。
資格を持っていないと、いろいろと説明し、相手に納得していただくまで時間がかかりますから。
——現在は空撮のお仕事も定期的に受けていらっしゃるようですが、今後、会社としてドローンをどのように活用していこうとお考えですか。
境さん: これから先、おそらく輸送とか、たとえば大手の運送会社さんも、ドローンの輸送に着目されたり、実際に動き出したりするのかなと思っています。
私たちは梅田近くにドローンの施設を持っています。今後、都市部でもドローンの飛行ルートや運用ルールが整備されていくと思いますが、そのときにすぐ『うちで協力できます』と手を挙げられるよう、今から準備を進めています。
——倉庫業とドローン事業を融合させていく構想ですね。
境さん: そうですね。倉庫をやるとすれば、本来は郊外の土地の安いところを探してやるのが今の主流です。でも、うちの場合は都会の真ん中にありますので、倉庫として少し違った価値を出していく、将来を見据えた運営をしなくてはと考えています。
大阪・フライトベース
境さんとフライトベースのスタッフの皆さん
——境さんのところのフライトベースについても、今後の展望をお聞かせください。
境さん: NICO TECH droneさんで国家資格を取得したら、ぜひうちのフライトベースを使ってどんどんドローンを飛ばして、技術を磨いていただきたいです。
せっかく国家資格を取っても、実際に飛ばす機会がないと操縦技術はだんだん落ちていってしまうんですよね。
だから、NICO TECH droneさんで理論と基礎をしっかり学んで資格を取って、その後はフライトベースで実践的な練習を重ねて腕を上げていく。そういう流れができたらいいなと思っています。
うちは技術を磨くための練習場として活用していただいて、実際の現場で使える実力をつけてもらいたいと願っています。
——資格取得と技術向上、両方が大切なのですね。
境さん: 『フライトベースで練習したんだったら、しっかりした技量がついてるな』って言われるような場所になればいいかなと思っています。
形だけの資格にしないよう、実際に使える技術を日々磨く場所として活用していただきたいです。
——最後に、これからドローンスクールを探している方に向けて、メッセージをいただけますか。
境さん: 資格を取得するなら、やはり技術もしっかり身につけることが大切だと思います。
NICO TECH droneさんは指導の仕方が丁寧で、スティック操作の細かいところまで教えてくれるので、資格取得と同時に確かな基礎技術を学べる点で価値がありますね。
そして資格を取った後は、実際に飛ばす練習を重ねることが重要です。
特にFPVドローンやマイクロドローンに興味がある方は、NICO TECH droneさんで基礎をしっかり学んだ上で、フライトベースのような練習場で実践的な飛行経験を積んでいく。そういう段階的な学びの流れが理想的だと思います。
資格と技術、両方を磨いていくことで、本当の意味でドローンを扱えるパイロットになれるんじゃないでしょうか。
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資格取得と技術向上、両輪で進む成長
境さんの経験は、これからドローンスクールを検討している方々に大切なメッセージを伝えてくれます。豊富な飛行経験を持ちながらも、説明コストという実務上の課題に直面し、国家資格「一等無人航空機操縦士」取得を決断。そしてスクールでの学びを通じて、さらなる技術向上を実現しました。
また、境さんが語られたようにNICO TECH droneの指導は非常にきめ細かく、「なぜその操作が必要なのか」まで丁寧に言語化して教えてもらえる点が印象的です。
NICO TECH droneには厳しくも丁寧な指導を行う女性インストラクターも在籍しており、基礎から応用まで一人ひとりのレベルに合わせて、細かな操作方法までしっかりと指導してもらえる環境が整っています。操作の意味や背景まで理解できる段階的な指導が、境さんの技術向上を支えた要因のひとつといえるでしょう。
さらに、高速道路や駅からのアクセスも良く、継続して通いやすい立地である点も魅力です。仕事と両立しながら資格取得を目指す方にとって、通いやすさは見逃せないポイントといえます。
資格取得後は、フライトベースのような練習場を活用し、実務を想定した反復練習を重ねていきましょう。理論と実践を組み合わせた学びが、プロフェッショナルなドローンパイロットとしての成長を後押しします。
ドローンの可能性はまだまだ広がっています。国家資格という「信頼の証」と「確かな操縦技術」は、これからのドローン時代を生き抜く鍵となるはずです。
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