現地レポート「JapanDrone2026」2万人が目撃した“空の産業革命 最前線”

現地レポート「JapanDrone2026」2万人が目撃した“空の産業革命 最前線”
2026年6月3日〜5日、幕張メッセで第11回「JapanDrone2026(第5回次世代エアモビリティEXPO2026)」が開催されました。

台風の影響で初日午後スタートとなりながらも、3日間で2万人以上が来場。ドローン・ロボティクスの「実装」がいよいよ当たり前の時代となりつつある今、会場はかつてない熱気に包まれていました。本記事ではコエテコドローン編集部が注目のブースをレポートします。

「実証」から「実装」へ!JapanDrone2026が示すドローン産業の最前線

JapanDrone2026会場の様子

初日は台風の影響で午後からの開幕となりましたが、3日間を通じて20,000人以上が来場。会場となった幕張メッセのホールは、足を踏み入れた瞬間から各社の最新技術と実運用を見据えた展示が並び、その密度の高さに圧倒されます。

JapanDrone2026は、単なるドローンの見本市という枠にとどまりません。

ドローンやロボティクス領域の進化はもちろん、それらがすでに社会の中でどのように活用されているのかという「現在地」と、今後インフラとして定着していく姿までを具体的に示す展示会となっていました。

では、今年多くの注目を集めたブースをピックアップしてご紹介します。

台湾発ドローンメーカー CiRCに注目!海外からの出展企業は多様化

CiRCドローン事業部副部長の許國彬氏

CiRCドローン事業部副部長の許國彬氏


昨年にも増して、台湾をはじめとする海外メーカーの出展も目立ち、会場では国際色の広がりが感じられました。

その一社であるCiRCは、台湾のCoretronicグループ傘下にある企業で、ロボティクス分野の専門知識を背景に、ドローンや関連機器の設計・製造サービスを手がけています。

同社はドローンに加え、ジンバルカメラや地上管制システム、AMRなども展開しており、「100%台湾製」であることが大きな特徴。展示ブースでCiRCドローン事業部副部長の許國彬氏に話を伺いました。

「たいへん多くの方に関心を持っていただき、立ち寄って私たちのドローンをご覧いただいています。100%台湾製という点にも注目が集まっており、今年は問い合わせが大きく増え、具体的な商談にもつながっています」

穏やかな語り口の中にも、市場からの反応の高まりと確かな手応えが感じられました。

台湾と並んで多数の企業が出展したベトナムパビリオンも!

海外勢の中で、ベトナムパビリオンも存在感を放っていました。

JapanDrone2026のベトナムパビリオン

今後、日本のドローン市場では台湾・ベトナムを含むアジア諸国とのパートナーシップが一段と深化していくと予想されます。

Antigravity × Insta360の挑戦と日本低空経済振興会の役割

一般社団法人日本低空経済振興会の代表理事・千葉一兼氏

一般社団法人日本低空経済振興会の代表理事・千葉一兼氏


360度全方位を撮影できる8K対応全景ドローン「Antigravity A1(アンチグラビティ エーワン)」。Insta360技術を搭載した同機を展示するAntigravity社のブースには、多くの来場者が足を止めていました。

Antigravity公認パートナーとして産業活用の普及啓発を担う一般社団法人日本低空経済振興会の代表理事・千葉一兼氏に話を伺いました。

「360度撮影という点は世界的にも新しく、非常に反応が良いです。今後は産業用途への転用を進め、広く展開していきたいと考えています」

全方位をワンテイクで記録できるため、建設現場の遠隔臨場やインフラ点検、災害対応などでの活用が期待されます。「対象物に機体を向け続ける必要がなく、パイロットの負担を大きく軽減できる」と千葉氏。現場での実装を見据えた具体的なメリットが語られました。

さらに、AntigravityとInsta360が文化遺産保護団体CyArkと進める「Project ETERNAL」では、遺跡や文化財を360度撮影と3DGSで記録する取り組みも進行中。日本低空経済振興会としても、国内での空間アーカイブ化を本格化させていく方針です。

「国産VTOLドローンのエアロセンス」が政界・自治体の視線を集める

エアロセンス株式会社代表・佐部浩太郎氏

エアロセンス株式会社代表・佐部浩太郎氏


エアロセンスのブースでは、企画から開発・製造まで一貫した「国産ドローン」への高い関心が伝わってきました。

会場では、インフラ点検・防災用途に対応する国産VTOL型ドローン「エアロボウイング(AS-VT02K)」と、物資輸送やUAV航空測量への応用まで見据えた大型VTOL型ドローン「AS-H1」を展示。

ブースには議員の姿も見受けられ、自治体をはじめとする公的機関からの関心の高さが伺えました。

エアロセンス株式会社代表・佐部浩太郎氏がJapanDrone2026で議員に説明

エアロセンス株式会社代表・佐部浩太郎氏は「砂防や鉄道などとの連携も行っています」と語ります。

実際にエアロセンスは、JR東日本ほか合同4社と取り組んだ「レベル5飛行によるVTOL型ドローンを活用した鉄道斜面調査」で、国土交通省などが主催する第9回インフラメンテナンス大賞において「優秀賞」を受賞しています。

まさに今回のJapanDroneのテーマである「インフラ革命」にふさわしいブースでした。

ドローン内製化の“壁”を突破する「スカイピーク×Paix Avi/FwriteDown行政書士事務所」

スカイピーク代表取締役 高野 耀氏

株式会社スカイピーク代表取締役 高野 耀氏


共同出展となったこのブースでは、スカイピークが「遠隔運航者に特化した研修サービス」を紹介しました。遠隔運航者養成コースには申請研修コンテンツも追加されており、運航ノウハウと申請ノウハウの両面を効率的に学べる点が特徴です。

スカイピーク代表取締役 高野 耀氏はこう指摘します。

「内製化は進んでいるけれども、課題も多い。ドローンを購入して免許を取得したら飛ばせるというイメージがありますが、実際の現場での実装にはさまざまなハードルがあります」

パイロットを確保するだけでなく、会社としてのガイドライン整備、社内規定の作成、事故発生時の対応や再発防止策の策定など、ドローンを安全に活用するためには多くの知識と体制が必要です。

スカイピークのソリューションについて
出展:スカイピーク公式サイト

スカイピークは飛行スキルの習得・国家資格の取得にとどまらず、内製化に必要なすべてのプロセスを支援し、最終的にその企業が自走できるまで完全に伴走する姿勢を打ち出しています。

中小企業へのドローン内製化が加速する中、このような一貫した伴走型支援サービスの需要は、今後さらに拡大していくでしょう。

社会実装を加速するブルーイノベーション「インフラ点検・防災分野で存在感」

ブルーイノベーション代表取締役社長・熊田貴之氏

ブルーイノベーション株式会社代表取締役社長・熊田貴之氏


「道なき空に、道をつくる」というキャッチコピーを掲げるブルーイノベーション。

JapanDrone2026では、「危険作業の削減」「点検コストの削減」「情報の即時把握」「無人運用への転換」という4つの成果を軸に、インフラ点検・防災分野のソリューションを展示。プラント・下水道・非破壊検査・送電線などの点検における無人化・省人化から、津波避難広報ドローンによる災害時の即時対応まで、現場課題に直結する活用事例を幅広く紹介しました。

また、台湾のAeroprobing社との協業による“ブルーイノベーションブランド”のドローンソリューションも初披露。

ブース内の大型ケージで実際にドローンを飛行させるデモを展開し、代表取締役社長・熊田社長が直接来場者対応にあたる場面も印象的でした。

BEPを軸に社会実装を見据えた実績を積み重ね、ドローン・ロボットを活用した社会環境の構築に確かな存在感を示すブルーイノベーション。熊田氏の笑顔が、その実績と今後の展開への自信を物語っていました。

思わず足を止めた! 驚きの展示3ブース

会場を歩く中で、思わず「おっ」と引き寄せられたブースも紹介します。

鹿島建設への納品も決定|Everblue Technologies × ACSELの無人地上車両(UGV)

Everblue Technologiesが開発し、鹿島建設への納品が予定されるUGV(無人地上車両)

Everblue Technologiesが開発し、鹿島建設への納品が予定されるUGV(無人地上車両)


ひとつめは、Everblue TechnologiesとACSELが展示した無人地上車両(UGV)です。

コンパクトなボディとは裏腹に、重量級のインパクトがありました。この車両は遠隔操縦での走行に加え、あらかじめ設定したルートを走る無人巡回にも対応。害獣や不審者対策などへの活用が想定されており、オフロード走行にも対応した機動力を持ちます。

実はこの車両、除雪ドローン®の開発で培った遠隔走行技術を応用して生まれたものです。陸・海・空の「無人機」のうち、地上での活躍に特化したモデルとして注目されています。

すでに鹿島建設への納品が決定しており、工事現場の無人化プロジェクトにおける自立巡回・点検用途向けにカスタマイズされたものとのこと。ドローンの活躍の場が「空」だけにとどまらないことを改めて実感させてくれるブースでした。

FLE × MyDefence「WINGMAN」兵士が身に付ける個人携行型ドローン探知システム

FLE × MyDefence「Wingman」

FLE ×MyDefence「WINGMAN」


もうひとつは、FLE(Front-Line Equipment)が展示していたデンマーク・MyDefence社製の個人携行型ドローン探知システム「WINGMAN」です。

防衛関連商社のブースでひときわ目を引いたこの製品、ベストやバッグに装着して使う軽量設計で、敵ドローンが発する信号を受信し、ドローンの存在や接近方向を携行している兵士に知らせる仕組みです。

自衛隊や警察関係者が熱心に話を聞く姿が見受けられました。ドローンが私たちの生活を支える有用なツールとなりつつある一方で、攻撃手段としての側面も現実として存在します。このブースはその両面を改めて考えさせる、示唆に富んだ展示でした。

航空宇宙・ドローン部品を高強度で造形|日本HP「HP Multi Jet Fusion」

株式会社日本HP 3Dプリンティング事業部 営業部長の宮内大策氏

株式会社日本HP 3Dプリンティング事業部 営業部長の宮内大策氏


3つめは、日本HPが展示する3Dプリンター「HP Multi Jet Fusion」です。高精度・高強度・量産適性を兼ね備えたこの機器は、航空宇宙・ドローン・ロボティクス・産業機器など幅広い分野ですでに実用化されています。

株式会社日本HP 3Dプリンティング事業部 営業部長の宮内大策氏によると、海外の複数のドローン事業者がこの3Dプリンターを使ってドローンの機体や部品の製造を始めているとのこと。

日本HPの3Dプリンター「HP Multi Jet Fusion」

日本HPの3Dプリンター「HP Multi Jet Fusion」

ドローン部品製造のあり方を変える技術として、大きな可能性を感じさせるブースでした。

ヒューマノイドとVRシミュレーターが来場者を魅了!GMOインターネットグループの大型展示

JapanDrone2026のGMOインターネットグループのブース

JapanDrone2026のGMOインターネットグループのブース


GMOインターネットグループは今年も大型ブースを展開し、多彩なデモンストレーションで多くの来場者を引き付けました。

まず人目を集めたのは、ヒューマノイドロボットの展示です。手で触れると確かに金属の硬さを感じますが、いざ動き出すと、その流暢でスムーズな動作に来場者は驚きの声をあげていました。カメラを向ける人が後を絶たず、ブース周辺は常ににぎわいを見せていました。

そして今回の展示のもうひとつの目玉が、2026年7月発売予定の無人航空機国家資格対策用ドローンシミュレーター「GMOフィールドXR」です。VRゴーグルを装着した来場者がコントローラーを操作し、仮想空間内のフィールドを実際に飛行体験できるというもの。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 戦略企画部の小島和也氏

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 戦略企画部の小島和也氏がヘッドセットマイクを装着してデモンストレーションを実施。

JapanDrone2026GMOブースのデモの様子

ブースでは、実際に来場者が「GMOフィールドXR」を体験できるコーナーも人気で、時に順番待ちの列ができることも。CTO室の羽賀流登氏・城戸雄大氏の両名が、ノートPCで操作画面を管理・ヘッドセットマイクでライブ解説を担当したデモも多くの人を集めていました。

体験した来場者からの反応は上々で、その場で導入を検討する具体的な相談につながるケースもあったといいます。GMOグローバルサイン株式会社 取締役 浅野昌和氏はその理由をこう説明します。

GMOグローバルサイン株式会社 取締役 浅野昌和氏

GMOグローバルサイン株式会社 取締役 浅野昌和氏


「実際に体験していただくと、リアリティを強く感じていただけます。本当に操縦しているような感覚で、単なるデモにとどまらず、実運用に近いスタイルで理解いただけるのが特徴です」

「体験してみて初めてわかる」それは、このシミュレーターの本質を突いた言葉でもあります。

国家資格対策として生まれたツールでありながら、VRが持つ没入感によって「飛ぶことの感覚」を体感できる。その振り幅の大きさが、ドローンスクール関係者をはじめ幅広い来場者の心をつかんでいました。

JapanDrone2026のGMOインターネットグループのブース

2022年の初出展以来、「すべての空にセキュリティを」を掲げてきたGMOインターネットグループ。5年目となる今年のテーマは、「『動く』から『働く』」。ドローンや空飛ぶクルマの自律飛行が現実となりつつある今、空を「守る」だけでなく「支える」存在へと、その役割を着実に広げています。

AI・ロボティクス・セキュリティを通じて空の社会実装を支えるという一貫した姿勢は、個々の展示をバラバラに見ていると見えにくいかもしれません。しかしブース全体を俯瞰したとき、その構想の大きさと、5年間で積み上げてきた実績の厚みが伝わってくる展示でした。

ドローン・ロボティクスの進化を追い続ける!

「実証から実装へ」ドローン業界でよく語られるこの言葉ですが、JapanDrone2026の会場にいると、実装はもはや当たり前であり、業界はさらにその先へと着実に歩みを進めていることが肌で感じられます。

来場者の表情も変化しています。「こんなすごいものがあるんだ」という驚きだけでなく、「こういう風に活用すればいいのか」という具体的なイメージをもって展示に向き合う姿が、今年のJapanDrone2026には溢れていました。

産業活用・自治体連携・防災・救助の現場で、ドローンはいまや「何ができるか」を問う段階を超え、「どうやるか」の実践フェーズへと突入しています。

取材の中でGMOの浅野氏にこんな質問を投げかけました。

「人間みたいなロボットが一家に一台あって、見上げると空にはドローンが飛んでいる。そんな世界になるのはいつでしょうか?」

浅野氏はさらりと、しかし確信を持った口調でこう答えました。

「思っている以上に早いと思います。あちこちでロボットを見かけますので、それは、そう遠くない未来です。」

1年という短い期間の中で、驚くほどのスピードで進化し続けるドローンとロボティクスの世界。来年のJapanDrone2027までに、いったいどれほどの変化が起きるのでしょうか。コエテコドローンは、これからもドローン・ロボティクスの進化を追い続けます。
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商号 GMOメディア株式会社 (GMO Media, Inc.)
設立年月日 2000年10月13日
GMOメディア株式会社の事業内容 メディア事業、ソリューション事業
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資本金 7億6197万円(2024年12月31日現在)
上場市場 東京証券取引所 グロース市場(証券コード : 6180)
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