(取材)Tech Drone藤本ひろきさん|動画制作からYouTube・コミュニティ運営まで広く活躍する現役大学生パイロット!

趣味の空撮が YouTube配信、そしてビジネスへ  ドローンで夢をつかむ 現役大学生起業家 藤本ひろき
現役大学生の藤本ひろきさんは、自身が立ち上げた株式会社Tech Droneでの動画制作や空撮代行等の業務のほか、ドローンユーザーへの情報発信、サービス提供など幅広く活躍されているドローンパイロットです。

藤本ひろきさんのYoutubeチャンネル。空撮映像から練習方法、仕事にする方法など網羅するチャンネルとなっている


藤本さんは登録者数1万人を超えるYoutubeチャンネルも運営しており、Youtubeで「ドローン」と検索すると、藤本さんの動画がたくさん出てくるほどの影響力を誇ります。“ごくふつうの大学生”だった藤本さんがドローンで起業に至った経緯や、サービスの開発・提供にかける想いまで、詳しく伺いました。

趣味の空撮から起業へ。ドローン市場に感じた可能性


—そもそも、藤本さんがドローンに興味を持たれたきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

ドローンに興味を持ち始めたのは、大学1年生の後半ごろです。以前より旅をすることが好きで、友達と旅行に行く機会が多くありました。そのなかでも自然が豊富な山や海に行ったときには、よくカメラで撮影していたのですが、「もっと思い出を残したい」と思っていたんです。そこで、上空からの景色を撮影できるドローンに興味を持ち、まずはプライベートで使い始めました。

一番始めにドローンで撮影したのは、千葉県館山の朝日です。そのときには「こんなにきれいな映像を残せるんだ」と感動しましたし、想像以上にドローン自体の性能が高いこと、初心者の自分でも撮影できたことに驚きましたね。

その出来事からドローンに大きな魅力を感じ、のめり込んでいきました。ドローン市場を調べたり、本を読んだりしていくうちに、ビジネスとしての将来性も大きいと感じ、本格的に事業としてやっていくことを決意しました。

—将来を見越して参入されたと。しかし、ビジネスにするとなるとハードルもあったのでは。

やはり、最初の案件を獲得するのは難しかったですね。大学生なこともあって、営業しても返事が来ないのが当たり前でした。そこで、とにかく実践経験を積む方向に舵を切り、「無償でやらせてください」と提案しはじめたんです。実績を手に入れると、少しずつ仕事につながっていきました。

初めの仕事を受けたのは、ビジネスにしようと決めてから約1年後のことでした。塗装会社から屋根点検のお仕事をいただいたんです。本来であれば足場を組んで点検するところを、ドローンでの撮影に置き換える仕事でした。

—地道な下積み時代を経て、現在のTech Droneに繋がっていったのですね。

はい。もともとは個人事業主として活動していましたが、少しずつ実績ができてくるにつれ、「パイロットとしての案件を受けるだけでなく、ドローンユーザーに向けたサービスを提供していきたい」と考えるようになりました。なおかつ、「やるのならしっかり運営していきたい」という思いもあったため、法人を立ち上げました。

いまでは撮影の案件を受けるだけではなく、Youtubeのチャンネル運営や空撮のオンライン講座、オンラインコミュニティなど、ドローンユーザー向けのさまざまなサービスを展開していますよ。



小手先のテクニックではなく、顧客満足を第一に事業拡大

—Tech Droneを立ち上げるにあたって、課題や障壁となったのは、どのようなことでしょうか?

もっとも不安だったのは、仕事が継続的に来るかどうかです。単発の仕事ばかりだと、いつ仕事が途切れるかわかりません。ですので、継続的な依頼につながるよう、とにかく信頼を獲得することを一番に考えて取り組みました

期待以上の成果を出せれば、信頼を得られます。そうすれば依頼は途切れませんし、他社さんに紹介してくれるなど、仕事の幅も広がる実感がありました。小手先のテクニックにこだわるのではなく、目の前の案件に全力で力を注ぐことが大切なのだと学びました。

もうひとつ苦労したのは、営業活動もすべて自分でやらなければいけなかったことです。学生ですし、実績も、コネも、資金もない。自ら決めたこととはいえ、本当に会社としてやっていけるのかは相当不安でした。

それでも生き残っていくためには、ドローン業界で確固たるポジションを取るしかない。それで始めたのは、Webを中心とした情報発信でした。大企業であれば外注できるかもしれないところをすべてセルフで行っていたので、けっこう大変でした。

—それがYoutubeでの配信にもつながったのでしょうか?

はい。もともとは資金も乏しい中で、広告宣伝費を削減しようと考えて始めました。ただ、ドローンのイベントに参加したときに、ドローン業界内の年齢層が比較的高いことに気づきまして。「僕の年齢ならば、発信するだけで差別化でき、視聴者も増やせるのでは」と希望を持てたんです。

そうしてYoutubeを始めて、ありがたいことに、いまでは多くの方々に見ていただけています。コツコツとした発信の積み上げが、いまの仕事や活動に大きくつながっていると感じています。

—現時点(2023年6月)で動画数100本以上、チャンネル登録者数も1万人とは、素晴らしい実績ですね。継続した発信は、かなり大変なのでは?

はい。撮影やネタ探し、構成・台本づくりなど、毎度時間がかかりますので、大変ではあります。

それでも続けられたのは、分析、試行錯誤、改善のサイクルを回せているからです。なんとなく始めて、なんとなく続けるだけではモチベーションが続きません。そこで僕は、まず伸びているチャンネルをリサーチし、Youtubeをしっかり勉強したうえでチャンネルを立ち上げました。その後も改善は続けているので、なんとなく伸びた」というよりも、「予想通りに伸ばせた」感覚で取り組んでいます。こうしてアップロードした動画が「分かりやすい」と評価されると、やりがいがありますね。

いまでは動画やチャンネルの分析方法や改善ポイントなどもわかるようになり、他のドローン会社やスクールのYoutubeを担当させてもらえるようにもなりました。しっかりと戦略的に取り組んできたからこそ、こうしたお仕事にもつながったのではないかと考えています。

YouTube  

Drone Channel / 藤本ひろき

株式会社Tech Drone代表の藤本ひろきが運営するドローン専門のYoutubeチャンネルです。 ドローンに関する情報を初心者向けに分かりやすく解説しています。 ■Twitterはこちら https://twitter.com/drone_fujimoto

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—Tech Droneで営業活動をするときには、どのようなことに工夫されていますか?

「当社に依頼する理由」を明確化することです。他社や他のパイロットも選択肢にあるなかで、なぜ僕なのか。ここをはっきりさせなければ、受注にはつながりません。

いまでは継続のクライアント様も増え、ありがたいことに営業機会は減ってきましたが、「この会社にはぜひ関わらせて欲しい」と思えば積極的に営業をしにいくこともあります。そのときには撮影だけでなく、僕のYoutubeで宣伝をしたり、編集まで行ったりといった付加価値を提供することで「理由」を明確化しています。

ドローンビジネスコミュニティ「ドロビジ」も活況

—最近ではドローン関連のビジネスコミュニティ運営にも注力されているそうですね。

ドローンをビジネスで活用したい方向けのコミュニティ「ドロビジ」


そうなんです。ドローンのビジネスコミュニティ「ドロビジ」は、20代からご年配の方まで、幅広い年代の方が集う160名ほどのコミュニティです。「ドロビジ」では毎週末にオンライン交流会を開催するほか、大阪や東京などで対面の交流会も開催しており、たいへん雰囲気が良いんですよ。ときにはメンバー同士で撮影に行ったり、食事に行ったりといったオフラインでのつながりもできているようです。

メンバーの属性は、ドローンを仕事にしたい方が5割、仕事を軌道に乗せようとしている段階の方が2割〜3割ほど。すでにドローン企業やスクール運営者、映像クリエイター、点検業務や赤外線調査のプロなど、業界で活躍されている方も多くいます。その方々と交流でき、アドバイスも受けられるわけですから、すばらしい環境が整っていると思いますね。それもあってか、決して安くはない月会費8,980円であっても、解約率は0.7%と高い継続率を維持できています。


また、ドロビジでは、ドローンの知識や技術だけでなく、個人事業主や法人として必須のビジネス面の知識から営業方法に至るまで、みっちり教えています。本当に熱意がある方ばかりがそろっていて、「今月起業したばかり」という方が早々に提携先企業を見つけるなど、しっかりと成果を出されています。そのようなお話をうかがうと個人的にも嬉しいですし、将来一緒に仕事ができれば、と楽しみにしています。

撮影〜編集まで、空撮をワンパッケージで学べる「空撮マスター講座」


コミュニティ活動以外では、空撮や編集、点検スキルをオンラインで学べる、空撮マスター講座、編集マスター講座、点検マスター講座の開講にも注力しています。

空撮マスター講座には、僕のこれまでの経験やノウハウを余すことなく詰め込みました。編集マスター講座や点検マスター講座については、プロの映像ディレクターの方や、点検業務のエキスパートといったプロの方たちと一緒に講座を作り上げました。

Lekcha | 動画講座作成・販売ツール

Lekcha(レクチャ)は、動画で教えたい講師のための新しいサービスです。動画講座の作成から販売まで、一箇所でまるっと完結。自分だけのオンラインスクールを誰でも簡単に作れます。

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たいへん質の高い内容ですが、料金はスクールの約10分の1ほど(税込み29,800円)で提供しています。ここまで安く提供できるのは、オンラインのeラーニング形式なので家賃等がかからないのと、広告宣伝を僕のYoutubeで行えているためです。受講生の負担を極限まで減らしながらも、しっかりと学べる、自信を持っておすすめできる講座に仕上げました。

ほかにも、最近では国家資格の学科試験の問題集をリリースしました。一等の国家ライセンス取得者が3名がかりで300問を作成し、行政書士にも監修いただいた、信頼できる問題集です。
この問題集には、一等ライセンスにも対応できるよう、計算問題も30問ほどそろえています。教則と一緒に問題集を使ってもらうことで、しっかりと合格に近づけると思います。国家資格を目指す多くの方に、ぜひお役立ていただきたいですね。

Twitter  

藤本ひろき@Tech Drone Inc. on Twitter: "📚【国家試験対策】練習問題300 ・行政書士監修 ・問題数300問 ・解説付き ・一等と二等の両方対応 ・プリントアウト可能 教則+この問題集が最強の試験対策です。国家資格に合格したい人や、ドローンについて勉強をしたい人はこちらの問題集がオススメです。https://t.co/mtSv166uH4 / Twitter"

📚【国家試験対策】練習問題300 ・行政書士監修 ・問題数300問 ・解説付き ・一等と二等の両方対応 ・プリントアウト可能 教則+この問題集が最強の試験対策です。国家資格に合格したい人や、ドローンについて勉強をしたい人はこちらの問題集がオススメです。https://t.co/mtSv166uH4

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初心者の人が参入しやすい環境を作り、業界を盛り上げたい

—さまざまな方面で活躍されている藤本さんが、今後に向けて抱いている夢や構想はありますか。

初心者が気軽にドローンに触れられる環境を整えることで、ドローンに興味を持つ人を増やすことが僕の夢です。

テレビ取材を受ける藤本さん


現状、ドローンを学び始めようと思うと、まずはスクールに通い、機体を購入する流れが一般的です。しかしこのルートにかかる費用は決して安くなく、スクールに30万円、機体に30万円で、合計60万円ほどかかることも少なくありません。これでは、経済的に余裕のない若者はチャレンジしづらいですよね。

だからこそ当社では、約3万円という手の届きやすい価格で空撮マスター講座を提供しているんです。若い方、「ちょっと興味があるだけ」という方にも気軽に触れてもらい、その結果としてドローン業界が盛り上がっていけばうれしいです。

—最後に、読者の方へメッセージをお願い致します。

僕はかつて、実績も資金もコネもない、普通の学生でした。そんな僕でも、ドローンに出会えたことで起業という道が拓け、いまも会社を経営しています。ドローンにはそれほどの可能性と夢があるんです。

ドローン業界は、5年後の2028年には市場規模9,000億を超えると言われています。それだけ期待されている成長産業に参入するなら今です。少しでも興味があるならば、どのような入口からでも、ぜひ気軽に飛び込んでみてください!


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