さらに、2023年6月からはバウンダリ行政書士法人と提携し、行政書士による質疑応答、法律・申請に関する講義動画、CBT対策講座、賠償責任保険付帯をワンパッケージとしたサブスクリプションサービス「CoCoPA飛行サポートプラン」を提供開始。
今回は、株式会社ココパ 代表取締役の岩藤 匡史氏に、サービス開発にかける思いや魅力、今後の展望について、詳しくお話を伺いました。
eラーニングの活用でハードルを下げ、数多くのドローンパイロット輩出を目指す
ー株式会社ココパを創業された経緯を教えてください。弊社はeラーニングの専門会社「株式会社ココべ」の関連会社として設立しました。ココべでは以前よりeラーニングやコンテンツ制作をしていましたが、コロナ禍によって資格取得のハードルが高くなったと感じていました。というのも、資格を取るには、座学会場に赴いてリアルで受講しなければいけないケースがほとんどで、受講生側だけでなく、講師側の負担も大きかったんです。
そんな中で、「ドローンの国家資格が、自動車免許と同様にオンラインの講習が認められる」という情報を2022年の4月ごろに得ました。「それならば」と、国家資格が開始する2022年12月5日に間に合うように同年10月に株式会社ココパを創業したのです。
ーたしかに、オンラインでの学びは一般化してきていると感じます。
特に、自動車免許でオンライン受講が認められるようになってきてからは、広がってきていますよね。
受講生側からすると、学科講習をリアルかオンラインかで選択できるのは大きなメリットになります。「オンラインで受けられる」とホームページ上に掲載いただいているスクールも多いですし、受講生がスクールを選ぶポイントの一つになっているのでは、と感じます。
ー創業においては、どのようなビジョンを持たれていましたか?
“Drone for All. 日本にもっとドローンパイロットを”という企業理念のもと、「eラーニングによってハードルを下げ、ドローンパイロットを目指す人を増やしたい」という思いがありました。
国家資格制度の開始前は、個別のスクールや社団法人などが発行する民間ライセンスが主なドローン資格でした。そのなかで全国に数々のドローンスクールが誕生しましたが、それでもなお、ドローンパイロットの人数は、他の先進国に比べて少ないと感じていました。
レベル4飛行も解禁されましたし、2025年には大阪・関西万博も開催され、空飛ぶクルマが展示される予定だといいます。この流れを止めないためにも、日本でより多くのドローンパイロットを輩出し、ドローンの利活用の促進に少しでも寄与していきたいと考えています。
eラーニング専門会社ならではの、コストメリットも学習効果も高いコンテンツを提供
ー御社が提供する完全オンライン型eラーニング講座は、どのような点が優れているのでしょうか?1点目は、親会社のココべがeラーニングの専門会社として数多くの実績を持っていることです。この点が、ドローンのeラーニング教材を制作・提供している他社さんとの最も大きな違いです。
ココべはこれまでに、官公庁、大手企業、専門学校など、幅広い分野のeラーニング教材や教育コンテンツ等を制作し、提供してきました。ひとえに教育コンテンツと言っても、例えば面白みを含ませて興味を持って見られるようにしたり、堅いイメージにしたりと、実に様々です。
低コストながらも、しっかりと要件を満たしたオンライン講座を提供できるのは、弊社ならではの強みです。
2点目は、より合格率を上げたり、ドローンの学科への理解を深めたりするためのアップデートをかけていることです。
弊社では、撮影から編集まで内製しておりますので、動画やテスト問題の中身をより良いものへとブラッシュアップし、かつ最新の状態に保つことが可能です。例えば、受講生がCBT試験(オンライン試験)を受けた感想やわかりにくいところをヒアリングし、教則の改訂を踏まえて、週に1回ほどはアップデートをかけています。
3点目は、管理者側のプラットフォームの使いやすさです。もちろんまだ至らないところはありますが、受講生の方の進捗状況を確認する工数を、徹底的に省略できるようにこだわっています。講師の方々は非常に忙しいので、少しでも負担軽減に繋げられたらと思っています。
ーeラーニングで使われる映像教材は、どのような点に注力して作られたのでしょうか?
1本あたりの時間を、なるべく短い時間で収めるようにしました。これにはいくつかの理由があります。
まず1つ目は、資格を取得するにあたっては定められた学科講習時間を学習する必要があります。そのためには、映像教材をスキップしたり、早送りしたりすることはできません。システム上、オフラインで見ることはできないため、例えばスマホ等でスキマ時間に学習していて、用事だったり電波が悪かったりで動画を中断したときに、もう一度最初から動画を見ざるを得ないケースもあります。
10分ほどであれば「また最初から見ようかな」と思えても、20分や30分かかるとなればハードルは高くなってしまいます。そのため、なるべく短時間にして取り組みやすいようにしています。
2つ目は、学習効果の最大化です。eラーニングにおいて、10分前後が学習時間として最大のパフォーマンスを発揮できる限界であると、いたるところでデータが出ています。
他にも、2人の講師の掛け合いによって飽きさせないなど、ノウハウを生かして様々な工夫をこらしています。
ー御社ならではのサービスの特徴や強みが、よくわかりました。ちなみに、教材を活用して学習した方の合格率はどのくらいですか?
アンケートを取った結果、75%ぐらいの方が合格されているようです。ただ、全回答ではありませんし、残念ながら不合格だった方にお答えいただけるケースは少ないと思っているので、およそ60%後半ぐらいなのでは、と我々は想定しています。
ただ、eラーニング教材の提供を開始してから、多くの方に私たちの教材をお使いいただいていますし、実際に合格されている方も多数いらっしゃいます。その実績は、間違いありません。
先日実施された「空の移動革命に向けた官民協議会」で、試験合格者数が一等は200名、二等は1,400名と発表されました。弊社のeラーニング教材は、いまのところ一等は120名、二等は1,200名が講習を修了されています。先程の合格率を踏まえると、これまでの国家試験合格者のうち、少なくとも30%ぐらいの方々に、弊社の教材を受講いただいたのではと考えています。
【CoCoPA×バウンダリ行政書士法人】2023年6月スタート!サブスクリプションサービスの魅力
ーバウンダリ行政書士法人と連携し、新たな定額コンテンツ提供をスタートしたそうですが、サービスの内容を教えていただけますか?登録講習機関(ドローンスクール)に向けたサービスと、一般の受講生やドローンパイロットの方に向けたサービスの2種類を提供開始しました。
株式会社ココパのプレスリリース(2023年3月23日 10時12分)<ドローン>国家資格用学科講習プラットフォームにCoCoPA×バウンダリ行政書士法人で定額コンテンツ配信サービスを開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000109584.html >
まず、登録講習機関に対して行っているのは、登録講習機関になるための申請や運営のサポートです。事務規定の書き方や、外部監査についての質問等も受け付けています。最近になって、登録講習機関が第三者機関による外部監査を受けなければいけない、という規定が決まったこともあってか、外部監査に関するお問い合わせは特に多くいただいています。
受講生に向けたものは「CoCoPA飛行サポートプラン」です。①バウンダリ行政書士法人による質疑応答サービス、②法律や申請に関する講義動画、③国家試験のCBT対策講座、④賠償責任保険の付帯がワンパッケージになっていて、月額990円のサブスクリプションでご利用いただけます。また、①〜③については1つずつのサービスを個別に購入することも可能です。
ここからは、サービス内容を詳しくご紹介していきます。
①バウンダリ行政書士法人による質疑応答サービス
1つ目は、バウンダリ行政書士法人による質疑応答サービスです。例えば、技能証明の取得や機体申請・飛行申請ができる「DIPS(ドローン情報基盤システム)」というシステムがあるのですが、これが非常にわかりにくく、バウンダリ行政書士法人の佐々木先生のところに年間で2,000〜3,000件の代行依頼が来るそうです。
我々にもオンラインで学科講習を受けた方々から、同じような質問が数多く寄せられていました。そこで、こういった質問にリアルタイムで答えるために、バウンダリ行政書士法人に直接質問ができる体制を構築したのです。
本サービスに入会いただいた方には、飛行申請や機体申請、その他もろもろの煩雑な手続きに関する疑問をいつでもチャットで専門家に質問し、リアルタイムで解決できる仕組みとなっています。
②法律や申請に関する講義動画
2つ目は、法律や申請に関する講義動画です。質問の中でも最も多い、ドローンに関する法律、機体申請、飛行申請の3つのテーマを佐々木先生に講義いただきました。動画は見放題で、ご自身でも疑問を解決いただけます。
③国家試験のCBT対策講座
3つ目は、国家試験の合格率を上げるためのCBT対策講座* で、動画と模擬テストの両方を提供しています。個別購入・サブスクリプション購入を問わず、利用者の85%以上の方にご利用いただいている、特に人気のコンテンツです。CBTの模擬テストは、我々スタッフがテストを受けに行き、それを反映させる、ということをリアルタイムで行っています。本当は無料で提供したいのですが、ここでどうしてもコストがかかってしまい、費用をいただいています。試験勉強に励む方に向けて、我々も力を入れて取り組んでいます。
④賠償責任保険の自動付帯
4つ目は、賠償責任保険が自動で付帯されることです。ドローンの保険は自動車保険と似ていて、ドローンの機体と紐づいているものが多いんです。複数の機体をお持ちの場合、1機ずつ保険に入らなければならず、負担が大きくなってしまいます。一方、本サービスは機体ではなくその人ご自身に紐づく契約であり、さらに団体保険ですので個人で入るよりもお安くなります。ただし、適応となるのはサブスクリプション購入の方のみで、個別購入の方は対象外ですのでご注意ください。
ー非常に魅力的です!このように充実した内容で月額990円は、かなりお安いと感じます。
受講生とスクール、双方の負荷を最大限減らすことを目的としていますので、費用はかなりリーズナブルに設定しています。
この価格を実現するために、多数の方にご協力いただいています。バウンダリ行政書士法人の佐々木先生をはじめ、保険会社さん、各団体さん、スクール講師の方々など、同じく「ドローンパイロットを増やしたい」という思いをお持ちの方が集まったことにより、このサービスを提供できることとなりました。
受講生はもちろんのこと、スクールとしても、機体申請や飛行申請といった手厚いサポートを提供できますし、お忙しいスクール講師の方の負担を減らせるため、メリットは大きいと思います。
スクールと受講生、双方にサポートを提供
ー最後に、今後の展望を教えてください。
まず、私たちのサービスによってCBT試験の合格率を上げ、数多くの国家資格取得者を輩出していくことが一番の目標です。
現在、受講生が国家資格を取得するまでには、IPS2.0での番号取得から始まり、ClassNKなどでのCBT試験、各種書類のアップロードなど、煩雑なステップを踏む必要があります。技能証明の取得まで3カ月以上かかる方もたくさんいらっしゃいますし、あまりの複雑さに途中で諦めてしまっている人もいるでしょう。そこを手助けすることで、ドローンパイロットを増やせるはずです。
また、スクールの運営サポートにも、より力を入れていきたいです。
学科講習の工数をなるべく減らすことで、スクールが数多くの受講生を受け入れられるようになり、より多くのドローンパイロットを輩出することにつながると考えています。
そして、受講生やスクールへのサポートを行うことで、より多くのドローンパイロットの輩出、ドローン利活用の促進に貢献していきたいです。
航空法の規制対象となる空域・方法(特定飛行)にて飛行させるために、必要な知識および能力に関する試験を実施し、合格者には技能証明書が国土交通省から発行されます。 技能証明の資格区分は2種類あります。立入管理措置を講ずることなく特定飛行を行うことができる一等無人航空機操縦士と、立入管理措置を講じた上で行う二等無人航空機操縦士です。 ...
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