(取材)DJI CAMP|世界シェアNo.1。DJI製ドローンに特化したパイロットの技能認定講習とは?

DJI製ドローンに特化したパイロット育成講座、DJI CAMPとは?
「DJI CAMP」は、世界シェア7割を占めるドローンメーカーであるDJI社製ドローンの特徴や操作方法を学べる操縦技能認定プログラムとして、2015年に立ち上げられました。

DJI CAMP公式サイト:DJI JAPAN公認ドローン資格

DJI CAMP(ディージェイアイキャンプ)は、2015年に DJI JAPAN 株式会社[1] [1]世界最大手のドローンメーカーであるDJI(ディー・ジェイ・アイ)の日本法人。 設立以来、ドローン業界のリーディングカンパニーとして、日本の無人航空機業界にも大きく貢献している。 ...

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ドローンメーカーのトップランナーとして、ドローンに関する正しい知識や技術があるだけでなく、飛行モラルにまで配慮できるパイロットを多数輩出してきたDJI CAMP。

今回は、元DJI JAPAN公式パイロットのDJI CAMP マスター中村佳晴さんと、DJI CAMPのインストラクターであり、販売代理店・株式会社セキドの社員でもある田丸正人さんに、DJI CAMPの詳細と、今後の展望についてうかがいました。

ドローンメーカーのトップランナーが目指す、安全なドローン操縦技能認定講習「DJI CAMP」

__まずは、DJI CAMPをスタートした背景から教えてください。

中村:

DJI CAMP は、2015年12月に発表し、2016年1月に第1回を開催した、民間資格の取得を目的とするドローン操縦者技能認定講習です。

2015年は、ドローンにとってはターニングポイントとなる年でした。1月にアメリカのホワイトハウスドローン墜落事故、4月に日本の首相官邸でのドローン落下事故など、ネガティブな事件があった一方、国際ドローン展の開催や、DJIを始めとする有力ドローンメーカーから新商品がリリースされるなど、ドローンの有用性が認められ、急ピッチで法整備が進み始めた年でもあります。

当時のDJI CAMPは、DJI JAPANが主催し、DJI製ドローンの販売促進と共に、正しく安全に操縦できるパイロットを増やす目的でスタートしました。それ以来、コンセプトはそのままに、全国各地で実施され、他のドローン教育とは異なる民間資格として継続しております。

DJI CAMP マスター 中村佳晴さん


__DJI CAMPは、他のドローン教育とどのような点が異なるのでしょうか?

中村:

DJI CAMPは、その名のとおりDJI製ドローンにフォーカスし、あくまでもDJI製ドローンを安全に操作できる操縦者を増やすことに特化しています。

ご存じのように、DJIは世界シェアNO.1のドローンメーカーであり、現在実務で利用されているドローンの7割以上がDJI製です。そのため、DJI製ドローンの構造や操作方法などを詳しく学ぶことで、結果的に実務上ほとんどのドローンを正しく操縦できることになるのです。

__DJI CAMPは現在、どちらで受講できるのでしょうか?

中村:

DJI CAMPは現在、全国40の都道府県、100件以上のキャンパスで受講いただけます。本日同席してくださった株式会社セキドさんでも、横浜でDJI CAMPを実施されています。

DJI CAMP ~DJI CAMPスペシャリスト 育成プログラム~ | セキド オフィシャルサイト|DJIドローン正規代理店

ドローン(マルチコプター)を中心にラジコンカーパーツなどを展開しているセキドコーポレートサイト|DJI|HOBBYWING SAVOX日本総代理店|ドローン、基礎知識、準備、セッティング、ファームウェア、リポバッテリー、カメラ、アプリ、メンテナンス、フライトスポット

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セキド・田丸:
はい。当社はもともとDJI製品を取り扱う代理店であり、DJI CAMPが始まった当初から100回以上DJI CAMPを開催してきました。1,000名を超える受講生からは、900名以上の認定者を輩出。DJI CAMPの中でも、一般の方に向けた「DJI CAMPスペシャリスト技能認定講習」を開講しております。

社内においても、DJI CAMPのインストラクター資格を取得した社員は10名を超えています。会社として、かなり注力している事業です。

株式会社セキド 田丸正人さん


__DJI CAMPのインストラクター資格は、どのような条件をクリアすれば獲得できますか?

中村:

DJI CAMPのインストラクターになるためには、飛行時間の要件を満たし、筆記と飛行技能テストに合格しなければなりません。

このうち飛行時間の要件は50時間以上です。また、飛行技能テストにクリアしたからといって誰でもインストラクターになれるわけではなく、指導者としての資質を見るために、事前面接も行います。

__飛行時間50時間といってもあまりピンと来ないのですが、どのくらいの技能が求められるのでしょうか?

中村:

分かりやすい表現をすれば、「自分の手足のようにドローンを動かせるレベル」ですね。飛行時間は自己申告も許されているため、あってはならないことですが、虚偽の申告もできなくはありません。それでも、本当に対象者が50時間以上の経験を持つかどうかは、実際の操縦を見れば一目瞭然。書類をどれだけごまかしても、テクニック面での違いは隠しきれません。

セキド・田丸:
当社にも10名を超えるインストラクターがいますが、実際に撮影、点検、測量などの実務経験を積み、現場での危険を熟知した者ばかりです。なおかつインストラクターは受講生の悩みに寄り添ったアドバイスができなければなりませんので、人格面も厳格にチェックしていますね。

目的やレベルに合わせた2つのコース、「DJI CAMPスペシャリスト技能認定講習」と「DJI CAMP ENTERPRISE講習」

__DJI CAMPではどのような講習を受けられますか?

中村:

DJI CAMPには、初学者向けの「DJI CAMPスペシャリスト技能認定講習(以下:スペシャリスト認定講習)」と、経験者向けの「DJI CAMP ENTERPRISE講習(ENTERPRISE講習)」があります。

このうちスペシャリスト認定講習は、ドローンを操縦するために必要な知識や基礎的な飛行技術を認定するための講習です。受講要件は10時間以上の飛行実績で、趣味でドローンを飛ばしたい方から実務で使用したい方まで、幅広く受講されています。

対してENTERPRISE講習は、実際に実務でDJI製のドローンを導入する方向けのプログラムで、より実践的で現場に則した内容です。


__スペシャリスト認定講習は基礎、ENTERPRISE講習は実務や応用を学ぶということですね。具体的な学習内容についても教えてください。

中村:

スペシャリスト認定講習では、航空法を始めとするドローン関係の法律やDJI製ドローンに対する知識などについて、「DJI CAMP技能認定専用テキスト」に沿って学びます。

このテキストはドローン業界で広く読まれているベストセラー本です。ドローンの目まぐるしい法改正に合わせて改訂を繰り返しており、2023年9月にも最新版が出ます。DJI製ドローンを扱う方にはぜひお手にとっていただきたい1冊で、以下のAmazonリンクからも購入できます。

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DJI CAMP技能認定専用テキスト: 第6版

Amazon.co.jp: DJI CAMP技能認定専用テキスト: 第6版 : DJI CAMP運営事務局(エアロエントリー株式会社): 本

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ENTERPRISE講習では、実際に実務で産業用ドローンを使用する方を対象とし、DJI製品を現場で取り扱うための操作方法や危険性などを学びます。


__スペシャリスト認定講習の具体的なスケジュールを教えてください。

中村:

スペシャリスト認定講習は、座学、実技合わせて2日間で、初日は朝9時から夕方5時ごろまで、しっかりと座学を行います。2日目は、午前中に座学の続きを行い、午後に筆記と実技のテストを実施。これに合格すれば、認定証が発行されます。

知識や飛行技術だけでなく、テキストにない「実体験」を学べる講座

__DJI CAMPスペシャリストを取得すると、どんなメリットがありますか?

中村:

ドローンの安全運行や法律の基礎知識、カメラや機体についての知識が向上します。実益的な面でいいますと、国土交通省への飛行申請が一部省略されること、国家ライセンスの経験者講習の受講が可能になることが挙げられます。また、提携するドローン保険の保険料が割引になるのもメリットの1つでしょう。

__DJI CAMPスペシャリストの認定を受けると、ドローン保険が割引になるんですね!

中村:

そうなんです。実は、DJI CAMPスペシャリスト認定を受けたパイロットの事故率が低いことは、きちんとデータで証明されているんです。つまり、認定を受けたパイロット=事故リスクが低いパイロットということで、保険料が10%割引になるのです。

ドローンはとても便利な存在ですが、他人の財産を傷つけたり、人にぶつけてしまったりするリスクはゼロではありません。こうしたリスクに備えるには保険への加入が欠かせませんので、10%の割引が受けられるのは大きなメリットです。


__優秀なパイロットを輩出してきた実績が、割引にまでつながっているのは素晴らしいことです。受講生からは、どのような感想が届いていますか?

セキド・田丸:

受講生が本音でおっしゃるのは、「独学で身につけた知識は間違っていたとわかった」、「ドローンについて何も知らなかった」というお声です。

ドローンに関する情報は変化が目まぐるしく、インターネットで検索しても正しい情報が出てこないこともよくあります。きちんと学んだつもりでも抜け・漏れ・誤りが生じてしまうのですね。DJI CAMPなら、独学では学びきれない正しい知識を体系的に学べます。


セキド・田丸:
さらには、座学では学べない知識、たとえばトラブル事例などに関する知見も得られます。

これは私の経験ですが、ある晴れた日、点検のためにドローンを飛ばしていたところ、近所の保育園から「ドローンの映像を確認させてほしい」というお申し出を受けました。お話をうかがってみると、その日、園児たちが屋上のプールで水浴びをされていたといいます。つまり、園児たちの姿が映像に映り込んでいないかを心配されたのです。

その現場は、航空法のうえでは問題なく飛行が許可された区域でした。しかし、法律を守ることと、周囲への配慮はまた別の問題です。視野が狭かったと、大いに反省しました。

DJI CAMPではこのように、実際に起こったトラブル事例などもまじえて講座を展開します。お仕事や趣味にドローンを活用されたい方にとって、価値のある情報が提供できると自負しています。

トップランナーのDJIだからこそ、操縦者のレベルアップを図る義務がある

__今後、DJI CAMPを通じて、ドローン業界にどのような変化をもたらしたいと考えていらっしゃいますか?

中村:

ドローンが広く浸透するのは喜ばしいことです。しかし、世間で話題になった副作用として、スキル不足の操縦者が増えています。なおかつ、ドローン自体の性能が向上し、障害物回避センサーや自動帰還機能が搭載されてきたことで、「ドローン任せでも問題ないだろう」「そこまで危険なことにはならないはずだ」と性能を過信してしまう方も多いです。

我々はトップシェアのドローンメーカーとして、ドローンの活用を広げていく一方、操縦者技能レベルや知識レベル、安全への配慮を向上させていかなければなりません。

DJI CAMPを通して、私たちの経験や技能を共有し、操縦者のレベルアップを支援していきたいと思っております。


セキド・田丸:
中村さんがおっしゃるとおり、最近のドローンは機能が飛躍的に向上しています。機体性能が向上することで利便性が高まり、幅広い方に活用いただけるのは嬉しいことですが、性能を過信し、甘い考えでドローンを操縦するのは禁物。いつどんなトラブルが起きて危険な飛行物になるか分かりません。

事故を起こさずにドローンを操縦するにはどうすればよいのか、どうすれば周囲の人びとと良い関係を築きながらドローンを活用できるのか。今後ますますドローンを普及させるべく、DJI CAMPを通して、私たちの経験や知識を惜しみなく提供できればと考えています。

DJI CAMP公式サイト:DJI JAPAN公認ドローン資格

DJI CAMP(ディージェイアイキャンプ)は、2015年に DJI JAPAN 株式会社[1] [1]世界最大手のドローンメーカーであるDJI(ディー・ジェイ・アイ)の日本法人。 設立以来、ドローン業界のリーディングカンパニーとして、日本の無人航空機業界にも大きく貢献している。 ...

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