(取材)KDDIスマートドローンアカデミー|講師全員が一級ライセンス保有!領域専門のコースも人気のドローンスクール
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同校では一般的なドローンによる講習に加えて、モバイル通信に対応し、より広域なエリアを飛ばせる「スマートドローン」を活用した専門性の高い講習を受けられます。2023年5月には千葉県君津市の「コードベースキミツ」にて直営校を新たに開校しました。
この記事では、KDDIスマートドローンアカデミーの土居本 和宏さん、インストラクターの下鶴 崇さんに、同校を立ち上げた経緯やコースの特徴、魅力を詳しく伺いました。
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(左)KDDIスマートドローンアカデミー インストラクター 下鶴 崇さん、(右)KDDIスマートドローンアカデミー 土居本 和宏さん
ドローンを活用したソリューションを提供。KDDIスマートドローンの取り組みとは
―まずは、KDDIスマートドローンアカデミーが開校に至った経緯を教えていただけますか?土居本さん:
大きな背景は、国内の生産年齢人口の減少です。社会全体としての生産向上が重要課題となり、産業の効率化や自動化のソリューションが求められる中、その解決策の一つとして、ドローンの社会実装が期待されています。
その流れのなか、国内におけるドローンの飛行に関する法律も整備されてきていて、2022年12月にはレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が解禁されました。今後は、レベル4飛行ができる人材が求められるようになると考えられます。
KDDIスマートドローンでは、スマートドローンをはじめとして、ドローンを活用したソリューションを提供し、実績・ノウハウを重ねてきました。これらのノウハウを活かし、ドローンの社会実装を実現できる人材を育成していきたいという思いから、スクール事業としてKDDIスマートドローンアカデミーを始めました。
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KDDIスマートドローンアカデミー君津校
―御社ならではのノウハウをもとにした授業が受けられるのですね。ちなみに「スマートドローン」とは、どのようなものか教えていただけますか?
土居本さん:
「スマートドローン」とは、弊社の持つLTEのモバイル通信に対応し、安全な遠隔制御や長距離飛行ができるドローンのことです。
一般的なドローンは、コントローラーから電波が届く数百mの範囲でしか飛行させられません。しかも、設備等の点検の際に建物の影や裏側を飛行させると、コントローラーの電波が途切れがちになることもあります。
一方でスマートドローンは、LTEのサービスエリア内であれば電波が途切れることはありませんので、安心して点検業務に集中できるのがメリットです。
また、物流の場合は数kmの長距離を運搬しますが、その際も、モバイル通信に対応しているスマートドローンであれば、距離的な制約を受けることなく運航できます。
加えて弊社では、ドローンを遠隔で制御できる運航管理システムも提供しています。これらのプラットフォームを活用していただくことで、より安全かつ確実な長距離飛行が可能です。
運航管理システム( FOS : Flight Operation System )とは モバイル通信を用いて機
https://kddi.smartdrone.co.jp/technology/control/ >
KDDIスマートドローンの法人向けドローンの遠隔制御/長距離飛行に必要な基本ツールをまとめたパッケージプラン。 ドローンの巡視・点検・測量・配送・無人遠隔巡視でのご利用に。モバイル通信使い放題・運航管理システム・クラウド100GBなどをパッケージで提供しています
https://kddi.smartdrone.co.jp/tools/ >
一点検や物流など、今後ますますドローンの活躍が期待できそうですね。
土居本さん:
はい。より広域なエリアをカバーできますし、建物の陰を飛ばす点検業務などでは、特に有効に利用いただけると思います。
国家資格から各種専門領域まで、ノウハウを生かしたコースを提供
一では改めて、KDDIスマートドローンアカデミーについて教えてください。土居本さん:
KDDIスマートドローンアカデミーは現在、直営校として2校、提携校として8校オープンしています。直営校は栃木県小山市(小山校)、千葉県君津市(君津校)の2校で、提携校は全国にございます。
コースは大きく2つ、国家資格コースと領域専門コースです。このうち領域専門コースは、KDDIスマートドローンの知識・ノウハウを惜しみなく反映した、ドローン活用事業に貢献できる内容となっています。
国家資格コースは、すべての校舎でご受講可能です。領域専門コースに関しては、君津校では全コースを提供していますが、他校舎では設備によって提供が難しいケースがございます。詳細は個別にご案内しますので、法人/個人のお客様ともに、まずはお問い合わせいただければと思います。
一国家資格コースの概要について、伺えますか?
下鶴さん:
国家資格コースは、2022年12月に始まった一等/二等の無人航空機操縦士の資格を取得できるコースです。二等は無人地帯での目視外飛行、一等は有人地帯での目視外飛行が可能となる資格です。国家資格コースを受講し、合格すると領域専門コースに進めます。
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国家資格コースは、じつに幅広い年齢層の方にご受講いただいています。業務活用や会社の方針で来られる方が多く、この場合はお若い方が多いです。一方で趣味目的の方は、ご年配の方が多数を占めます。性別でいくと女性の方はまだ少なく、だいたい1割〜2割ほどですが、数年前と比べるとかなり増えてきている印象です。
初心者・経験者の割合は、ちょうど半分ほど。民間の講習団体で講習を受けられて、経験者枠として入る方も結構いらっしゃいますね。
一なるほど。一等でも二等でも、国家資格を取得した後は同じように領域専門コースを学べるのでしょうか?
下鶴さん:
領域専門コースはコースによって難易度が異なるため、各コースごとに「一等以上」「二等以上」と要件を定めています。受講者さんが学びたい内容に合わせて、どの国家資格/領域専門コースを受講するかを選んでいただく形ですね。
一領域専門コースは複数あるそうですが、詳細を教えていただけますか?
下鶴さん:
領域専門コースは、全部で9コース(2023年7月時点)あります。詳しくご説明しましょう。
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まずは鉄塔点検コース。ドローンを用いた鉄塔の撮影手法を学べるコースです。送電鉄塔と通信鉄塔、2つのコースがあります。
送電鉄塔の点検では、光学ズームを搭載した機体で、定められた距離をとった上で撮影しなければいけません。逆に通信鉄塔の場合は、狭い通信基地局の敷地からはみ出さないように、かなり接近した状態で撮影することを求められます。同じ鉄塔ではありますが、送電鉄塔と通信鉄塔では使うドローンも異なり、飛ばし方、撮影方法も変わってくるのです。
本コースには、すでに点検業務等に携わっている方が多く来られます。これまでは人が登って直接点検していたところをドローンに置き換え、業務効率を高めたいという方が多いです。
次は運航管理コースです。例えば千葉県の幕張メッセから、千葉県君津市のドローンの飛行を管理する、というように、モバイル通信で遠隔で飛ばしているドローンの制御や管理方法を学ぶコースです。遠隔地で飛んでいるドローンの画像をリアルタイムで確認したり、緊急事態で飛行停止させたりする技術を学びます。
土居本さん:
運航管理コースを受講されるのは、すでにドローンを活用していて、それを遠隔地から管理したい方です。例えば物流や測量といった広いエリアを定期的に飛ばす方や、建設関連企業様が多いですね。
なお弊社でも、スマートドローンを用いた遠隔地からの測量・監視などの活用事例があります。以下は、ダム建設現場における無人測量・無人監視の事例です。遠隔操作でのドローン運航は、今後さまざまな現場での活躍が期待されています。
川上ダム本体建設工事(三重県伊賀市)では、衛星ブロードバンド通信「Starlink」を活用してドローンの遠隔運航管理を行い、無人監視および無人測量の実証を実施しました。KDDIスマートドローンは、建設現場の生産性向上を実現するためにドローン活用に取り組んでいます。今後は複数機体の同時運航や都市部での運用も目指します。
https://kddi.smartdrone.co.jp/case/011/ >
下鶴さん:
続いてはSkydio認定コースで、対象物に関わらずSkydio全般の操作方法・設定方法を学びたい方向けの講習です。Skydioは障害物の回避機能があることに加え、非GPS環境での飛行が可能なので、通信鉄塔や橋梁点検を得意とする機体です。それ以外にも、3D化するための撮影等、お客様の用途に合わせてご使用いただけます。
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基本的な操作方法は、一般的なドローンとそこまで変わりません。ただ、3Dスキャンや障害物回避という他にはない機能があり、講習ではそちらの設定方法等を基本から応用までレクチャーしています。
土居本さん:
Skydioはアメリカ製のドローンなので、マニュアルはもちろん、画面も英語表示です。特殊な操作方法があるわけではないものの、「機能を使いこなせない」「どう操作すれば思い通りの飛行ができるのかわからない」というお問い合わせも多く、せっかく購入しても使いこなせない方もいらっしゃると思います。
そういった方々に対し、Skydio社が作成した公式プログラムを、弊社で提供しています。
下鶴さん:
他にも撮影コースや教育コース、目視外撮影コース、物流コース、外壁点検コース、洗浄コースといった専門性の高いコースを準備しています。目的に合わせて、ご受講をご検討いただけたらと思います。
それから、今後は橋梁点検コースの提供も予定しています。Skydioをメインに使うコースで、通信鉄塔と同じように、近接した飛行技術の講習を行う予定です。
先述したようにSkydioは障害物の回避機能や、自動で飛行したり撮影したりするオートフライトができますので、電波の届きにくい橋梁の点検に向いています。実際に、ドローンを橋梁点検に活用したことで、現地調査が3日から1日に短縮できた事例もあります。
橋梁点検にSkydio(スカイディオ)を活用した事例をご紹介。業務効率化を実現した補修技術設計社の中馬社長と斉藤様に、ドローン導入の背景や課題などについて詳しく伺いました。スマートドローン導入事例。
https://kddi.smartdrone.co.jp/case/009/ >
講習では、各機能の設定などの操作方法も学んでいただけます。まずはご要望のある方に個別でご提供したのち、適宜ブラッシュアップしてから正式リリースする予定です。ご興味のある方は、ぜひご相談ください。
一領域専門コースでは御社独自の認定資格もあるそうですが、合格するのは難しいですか?
下鶴さん:
そうですね。特に鉄塔点検などのコースは事故の危険性もありますので、上級は難易度が高く、全員が合格できるわけではありません。
なおかつ今後の構想として、認定試験に合格した方に鉄塔点検等のお仕事を斡旋する準備も進めています。実践の場に出ていただくためには一定レベルのスキルが必要ですので、どうしても合格のハードルは高くなります。
ちなみに、国家資格も弊社独自の認定資格も、3年ごとの更新が必要です。どのような資格でもそうですが、ドローンは特に、関連法規制のアップデートが激しいためです。機体やソフトウェアに関しても同様です。そのため、3年ごとに講習を受けていただいた上で更新という流れにしています。
インストラクター全員が一等ライセンス保持者!
一インストラクターを務めるのは、どのような方でしょうか?下鶴さん:
直営校は、研修中の講師も含め、講師全員が一等無人航空機操縦士の資格保持者です。もちろんのこと、現場経験もしっかりとあります。ここまで講師の質が高いスクールは、なかなか他にありません。
しかも当校では、弊社独自の公認インストラクター試験も併せて実施しています。この試験は弊社独自とはいえ、一等の国家資格試験よりはるかに難しい試験です。国に認められた資格と、弊社のきびしい試験を両方クリアされた方のみが公認インストラクターとして指導にあたります。
一現場のプロから教えていただけるのは、非常に心強いですね。指導にあたっては、どのようなことにこだわられていますか?
下鶴さん:
最も重視しているのは、生徒さんがドローンを飛ばす時間をなるべく長く取ることです。人数も制限していて、講師1名につき、生徒さんは2名様まで。ほぼマンツーマンでのレッスンとして、生徒さんが十分に飛ばせる体制を整えました。
また、一般的に販売されているドローンよりも、操縦が難しい機体で訓練するのも特徴の一つです。とくに、非GPSの体験には非常に多くの時間を割いています。非常事態の緊急回避などは、GPSが切れた状態で行うことが多いです。そこでしっかりと安全を確保できるパイロットになってもらうため、非GPS下でのフライト時間を長く確保しているのです。
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訓練時に使用するドローン
2023年5月誕生!KDDIスマートドローンアカデミー君津校(in コードベースキミツ)
一2023年5月には、「コードベースキミツ」内に直営校であるKDDIスマートドローンアカデミー君津校が誕生したそうですね。オープンしたての君津校についてぜひ教えてください。土居本さん:
コードベースキミツは、もともとは君津市立 旧松岡小学校・旧松岡中学校として使われていた施設で運営しています。
両校の閉校後、君津市から委託を受けた株式会社テラは、総合施設を目指して校舎をリノベーションしました。リノベ後の活用方法を模索するなかで、やはり一つは教育施設を設けたいというご意向があり、KDDIスマートドローン社にお声がけいただきました。我々もスクール事業を通じて社会貢献や人材育成を目指したい思いを抱いておりましたので、テラさんと提携してスクールを開校し、講習を提供することとしたのです。
KDDIスマートドローンアカデミー君津校は、旧校舎を活用したドローンスクールです。学校のノスタルジックな雰囲気のなか、ドローンの新しい技術を安心して学ぶことができます。国家資格である一等・二等無人航空機操縦士の資格を取得できるコースや、撮影や運航管理などそれぞれの専門に合わせたコースも提供しています。
https://kddi.smartdrone.co.jp/academy/kimitsu/ >
一そのような経緯があったのですね。旧学校施設だからこそのメリットや魅力はありますか?
土居本さん:
ノスタルジックな雰囲気を感じさせながらも、最新技術を学ぶための環境が整っているのは大きな魅力ですね。なおかつ、全天候型の屋内施設なのは、受講者様にとって明確なメリットです。
旧小学校・中学校の広い校庭では、障害物等を気にすることなく、安全にドローン操縦や撮影練習ができます。また屋内の体育館では、雨天や風の影響を受けずに国家試験の項目となるスクエア飛行や8の字飛行等の訓練ができるほか、試験も受けられますので、受講者様からもたいへん好評です。
座学は校舎内の教室で実施しますが、冷暖房を完備していますので、快適に授業を受けられますよ。
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KDDIスマートドローンアカデミー君津校
なお、KDDIスマートドローンアカデミー君津校は、都心からアクアラインで80分ほどです。自家用車はもちろん、高速バスも東京都の八重洲から90分で到着しますし、バス停からも徒歩10分ほどの距離ですので、交通アクセスもばっちりです。
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校舎をそのまま活用した教室。ノスタルジックな雰囲気の中、座学を受けられるのも魅力!
一通いやすく、快適にドローンを学べる期待の新スクールなのですね!それでは最後に、受講を検討されている読者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
土居本さん:
KDDIスマートドローンアカデミーは、講習内容・インストラクターの質・校舎の快適さ、どれも妥協なくこだわった本格派スクールです。たしかな飛行技術や、ドローンの飛行に関する知識やノウハウもしっかり学べますので、どの受講者様にも必ずご満足いただけると自負しております。
ご受講にあたってご不明な点や心配なことがございましたら、いつでもおたずねください。みなさまにお会いできることを楽しみにしております!
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