株式会社AZAX | こんなドローン業者は要注意!経験豊富な専門家に聞く、「悪徳業者に騙されないポイント」
ただ、技術革新の恩恵を受ける場面も増える一方で、サービスの質や価格に大きな差が生まれているのも事実です。ときには質の悪い業者や詐欺まがいの営業を仕掛ける業者に当たり、トラブルに発展してしまうこともあります。
こうした状況に対し、大阪市に本社を構える株式会社AZAXは、外壁点検を一気通貫で行うサービスを展開しつつ、悪質な業者に騙されないための啓蒙活動を進めています。
AZAX社のドローン点検調査部に所属し、同社の運営するドローンスクール AZAX DRONE SCHOOLでインストラクターを務める坂口 美樹氏に、同社の取り組みや悪質な業者を見分けるポイントなどについて話を伺いました。

株式会社AZAX ドローン点検調査部 / AZAX DRONE SCHOOL インストラクター 坂口 美樹氏
AZAX DRONE SCHOOLは、大阪府豊中市で回転翼3級を取得できるドローンスクールです。ドローンの安全飛行に欠かせない知識や技術を、安心・安全な個別指導でしっかりと習得できます。さらに、資格取得の先にある、ビジネス活用を見据えたレッスンや手厚い卒業後のサポートも大きな魅力です。今回は、AZAX DRONE SCHOOLのインストラクター2名の方に、お話を伺いました。
2025/05/30 11:57
AZAX DRONE SCHOOLは、関西エリアでドローン空撮・点検・測量などを手掛ける株式会社AZAXが直接運営・指導を行っているスクール。初心者でも最短3日間でライセンスを取得でき、卒業後もドローンビジネスに必要な技術・知識を学べます。今回は同スクールのインストラクターにスクールの魅力を聞きました。
2025/05/30 11:58
12条点検〜修繕まで、ワンストップで相談できるのが強み
――まず、貴社の事業内容についてお聞かせください。坂口:
当社では、建造物やインフラなどの点検をはじめとし、空撮・測量など、ドローンを使ったさまざまなサービスを提供しています。ドローンスクールの運営も行っており、需要増加を見越して人材育成にも注力している企業です。
外壁調査の分野では特定建築物の「12条点検」を主業務としており、外壁の調査・点検から修繕までワンストップで対応可能なパッケージを展開しています。
点検後の修繕や雨漏りの補修、さらには行政への定期報告まで、お客様の要望に応じて柔軟なサービスを提供しているのが特長です。

この記事では、ドローンを活用した12条点検のメリットについて詳しく解説し、従来の方法との比較や具体的な利点をご紹介します。ドローンを導入することで、コスト削減、安全性の向上、点検時間の短縮など、建物管理における新たな可能性が広がります。
2025/05/30 15:15
――外壁調査・点検の際は、どのような点に気を付けられているのでしょうか。
坂口:
施工・点検前には現地調査を徹底的に行い、図面にドローン点検可能な範囲を明示したうえで困難な箇所にはロープワークでの調査を提案しています。
こうした具体的な調査方法を事前に提示することが、クライアントからの安心感につながっていると思いますね。修繕提案においては修繕のプロである協力会社と連携し、タイル1枚の貼り替えから全面改修まで、最適な提案ができる体制を整えています。
さらにデメリットも包み隠さず説明した上で、その対処法まで提案することで、お客様の不安を解消するよう心がけています。
たとえば高圧電線付近での作業や、日光が当たりにくい北面などの撮影には制約があります。隣接建物との距離によっても作業が制限される場合がありますし、今日の現場でも中庭が日陰になっていて撮影が難しいケースに直面しました。
こうした制約がある場合は、代替手段を含めた具体的な対応策を提示します。お客様の不安を少しでも取り除くため、丁寧な説明を心がけています。

赤外線調査には温度差を利用するため、箇所によってはドローンでの調査が難しい場合もある
悪徳業者に気をつけて!信頼できる業者を見極めるコツ
――点検業務に携わるなかで、お客様から「他社からこんな提案を受けたけど、これって大丈夫なの?」と相談されることもあるそうですね。坂口:
はい。そもそもドローンによる点検自体が新しいサービスなので、お客様が不安を感じやすいのも無理はありません。法規制の厳しさや安全性、本当に点検できるのかなど、さまざまな懸念をお持ちの方が多いです。
残念ながら業界の中には、打診検査を請け負ってきた経験があるからと、知識が不十分なままドローン点検に参入する業者もいます。こうした業者にクライアントが不安を覚えた結果、「これって大丈夫なの?」とAZAXに駆け込まれるケースも少なくないのです。
歴史の浅い方法だからこそ生じる見積もり金額の差も、お客様がよく戸惑われるポイントですね。あまりにも金額に差があるため、「どれが適正価格なのか」という相談もよく受けます。
――ドローン点検の金額について、市場での相場は決まっているのでしょうか?
坂口:
少なくとも関西では、まだ相場が確立されていません。ドローンの浸透が関東と比べて2、3年ほど遅れており、点検業者自体も少ないためです。いわば、私たちが基準を作っていく立場にあると考えています。
当社では平米300〜400円前後を基準としていますが、他社では平米1000円という価格設定のところもありますね。
中には極端に安い見積もりを出す業者もいますが、こうした業者は事前調査をしっかり行わないことが多く、後になって「ここはドローンで点検できないので、追加料金が必要です」と言い出す可能性があり、注意が必要です。
ドローンの知識がない方からすれば、A社は50万円・B社は3万円という極端な価格差がある場合、A社が法外な価格を提示しているのか、それともB社が手抜き工事をするのかは判断が難しいものです。
当社ではこうした業者への警鐘を鳴らすとともに、事前調査を徹底し、図面を作成したうえで、明確な根拠のある価格をご説明しています。事前調査と図面作成には正直なところ手間がかかりますが、お客様の信頼を得るには欠かせないステップです。
逆に、価格について明確な説明をせず、具体的な資料も添付しない業者は、利用を避けた方が無難でしょう。
――悪質な業者を見分けるために、クライアント側で確認しておくべきスキルの基準はありますか?
坂口:
まず重要なのが法規制への対応です。ドローンの運用には厳しい規制があり、最新の情報をキャッチアップし、適切な申請・許可を得る必要があります。しかし、創業から数ヶ月の業者では、この点が不十分なことが多いんです。
法的な手続きを怠ると重大なトラブルにつながる可能性があります。きちんと理解しているかどうか、口頭で説明してもらうなどして確認すると良いでしょう。
さらに、操縦技術と知識も重要な判断基準となります。
点検の場合、単に上手く飛ばせるかどうかではなく、電線などの障害物がある環境での安全な運用や、建物の種類に応じた撮影技術が求められます。環境によっては障害物センサーが弱くなることもあるので、安全に点検を遂行するためには、現場での「経験値」が非常に重要になってきます。
当社の操縦士は2000時間以上の飛行実績を持っていますが、これだけの経験を持つ業者は日本でもほとんどいません。ドローン点検をかじっている程度の業者では、飛行経験が数週間程度しかないこともありますが、そうした未熟な操縦士では、緊急時の対応が難しいでしょう。
また、対人・対物保険加入の有無や、無人航空機操縦士資格をはじめとする各種資格も判断基準になります。資格があることが必ずしも技術力を保証するわけではありませんが、現時点で資格を取得している業者は意識が高いと判断できます。
過去の実績や報告書の確認も重要です。たとえば3階建てアパートの点検を依頼する場合、似たような4階建てのアパートでの点検実績があれば、その報告書を見せてもらうことで具体的なイメージを掴むことができますね。
ドローン点検をより普及させ、市場を盛り上げていきたい
――今後、どのように事業を発展させていきたいとお考えですか?坂口:
私たちは建物調査のプロとして、日々点検実績を重ねています。関西地域では、ドローン点検はまだまだ普及の途上にあります。我々自身が点検の現場に出るだけでなく、ドローンスクールの運営や外壁調査の講習などを通じて、パイロットの育成段階から現場への投入までもをワンストップで担うことで、業界全体の底上げをしていきたいですね。
ドローンの普及活動へ注力することで、「わざわざライバルを増やすのか」と思われるかもしれません。しかし、この便利な技術をより多くのお客様に知っていただければ、回り回って我々の事業も成長していくはずです。業界全体の発展なくして、自分たちの成長もないのです。
私たちが業界のリーダーとして先陣を切って、技術面と安全管理を基盤とした発展と新しい技術の可能性を広げていきたいと考えています。

株式会社アザックスは、運営している各事業を通じて企業や個人を問わず、お客様おひとりおひとりのニーズに応えた最高のサービスを提供して、この人と人とのつながりがお客様はもちろん社会の「笑顔」につながることを企業理念としております。
https://azax-inc.com/ >
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