エドモンドの「AIを教えない」という選択|マインクラフトで育てる、AI時代に負けない創造力
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今回お話を伺った方
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株式会社エドモンド 代表
森内 秀人氏マインクラフトを活用した独自教材「エドモンクエスト」を通じて、子どもたちの“考える力”を育てる教育に取り組む。AI活用が広がる時代だからこそ、「まず自分で考え、試行錯誤する経験が重要」という考えのもと、思考力を土台にしたプログラミング教育を全国で展開。子どもが主体的に学び続けられる環境づくりを大切にしている。
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AI教育が注目を集める今、あえて「まず、考える力から」と向き合うプログラミングスクールがあります。それが「エドモンド」です。
「AIを活用する前に、自分の頭で考え、形にする力を育てることが先決」と語るのは、代表の森内秀人氏。マインクラフトを活用した独自教材「エドモンクエスト」で思考を深め、AIを「使いこなす側」の人間を育てる同スクールの教育哲学を、じっくり伺いました。
どの教室も似たように見えて判断に迷う保護者の方にこそ、その教育の中身を知ってほしい内容です。
マインクラフトを選んだ理由と教育哲学「やらされ感」をなくし、考え続ける環境へ

子どもたちが夢中になるマインクラフト教材
エドモンドプログラミングスクールのカリキュラムの中心に据えられているのが、マインクラフトです。それは単に子どもが好きだからではなく、明確な教育的意図があります。
──マインクラフトを軸に置いた理由と意図を教えてください。
森内氏:マインクラフトを採用しているのは、子どもが楽しく取り組めるからだけではありません。大切にしているのは、ゲームを通じて子どもが自然に自ら考え始める環境をつくることです。
小学生の頃って、「勉強しなさい」とよく言われますよね。言われたからやるかもしれませんが「やらされている感」があります。やらされている状態というのは、自分の意思や考えで動いていない状態に近いわけです。
マインクラフトはゲーム感覚で子どもたちは自由に考えられる。「これを作ってみたい」「こうしたらどうなる?」といった興味や試行錯誤が自然に生まれ、学びが積み重なります。
マインクラフトを使用した独自教材「エドモンクエスト」を通じて、子どもが自ら考え行動できるようになること、そして楽しく継続できることも大切にしています。
──「続ける」ことも大切なのでしょうか。
森内氏:「考える力」を自然に身につけるには、無理なく続けられることがとても重要です。プログラミングは基礎の部分ほど単調になりがちで、退屈さから途中で挫折してしまうお子さんも少なくありません。
その点、マインクラフトは遊びの延長として「こうしたらどうなるだろう」という試行錯誤が自然に生まれ、繰り返し取り組みたくなる仕組みがあります。その繰り返しの中で考える経験が少しずつ積み重なり、結果として「自分で考える力」が育まれていくのです。

──エドモンドプログラミングスクールでは、指導方針について「敷居を低く、目標は高く」を掲げていらっしゃいますね。
森内氏:最初から難しいプログラミングができる必要はありません。むしろ、間違えることを前向きに捉え、「どう直せばいいか」を試行錯誤する経験を重ね、少しずつ力を伸ばしていける環境を提供したいと考えています。
この考え方を表しているのが、「敷居を低く、目標は高く」というスローガンです。
ここでいう「敷居を低く」とは、誰でも気軽に挑戦できる環境を整えること。一方で「目標は高く」とは、その中で子どもたち自身がより高い目標を持ち、成長し続けていけるようにすることを意味しています。
「AIを教えない」という選択の本質|なぜ今、思考力を最優先するのか

子ども向けプログラミングスクールではAIコースが次々と誕生しています。しかしエドモンドプログラミングスクールはあえてAIを初期カリキュラムに取り入れない方針を打ち出しています。
——AIを教えないという方針には、どのような背景があるのでしょうか。
森内氏:AIそのものを否定しているわけではありません。すでに社会に広く浸透している以上、無視できるものではないと考えています。
また、正確には「教えない」としているのでもありません。ただし、現在のAI教育のあり方には課題があると感じています。
というのも、AIブームの影響で、子ども向けのコースにも十分な検討がないまま取り入れられているケースが少なくないからです。
「需要がある」「ビジネスになる」といった理由だけで教育内容に組み込んでよいのか、そこは慎重であるべきだと考えています。
──プログラミング教育にAIを取り入れることに「慎重であるべき」具体的な理由を教えていただけますか?
森内氏:プログラミングは本来、「試す→間違える→修正する」という繰り返しの中で力がついていくものです。この試行錯誤のプロセスこそが、学びの核心です。
一方でAIは、自分で深く考えなくても答えが出てしまうツールです。プログラミングが「考える時間を増やす」ものだとすれば、AIは「考える手間を省く」側面を持っています。
基礎を身につける段階で考える機会が減ってしまうと、本来身につけるべき「自分で考える力」が育ちにくくなります。
特にお子さんが学び始めの時期こそ、そこに注意が必要だと考えています。
──まずは「考える」ことが大事だと。
森内氏:「人間は考える葦(あし)である」という言葉があります。「人間は考えることができるから尊い」という意味です。
私たちも、“考えること”そのものに大きな価値があると思っています。
もし教育の中で「考える前に答えを得る」ことが当たり前になってしまうと、その土台が揺らいでしまいます。AIの発展により多くの作業が自動化される時代だからこそ、「人間にしかできないこととは何か」を改めて問い直す必要があります。
だからこそ私たちは、まず「自分で考える力」を優先して育てることが大切だと考えています。
──AIを否定するわけではないものの、学び始めの時期に使うことにはリスクがあるということでしょうか。
森内氏:そうですね。考える力がまだ十分に育っていない段階で「考えなくても答えが得られる方法」に慣れてしまうと、それが行動として固定化され、習慣になってしまう可能性があります。
よく知られているノミの話があります。天井のある容器にノミを入れると、何度もぶつかるうちにその高さまでしか跳ばなくなります。天井を取り払った後も、ノミはそれ以上高く跳ばなくなると言われています。
これと同じように、早い段階からAIで簡単に答えが得られる環境に慣れてしまうと、「思考の基準」が低い位置で固定されてしまう可能性があります。
本来であればもっと深く考えられたはずのことでも、そこまで思考が届かなくなるかもしれません。
一方で、AIをうまく活用できている人は、あくまで"ツールのひとつ"として使っています。AIの出力をそのまま受け入れるのではなく、自分の考えをベースに使いこなしているのです。
この違いは、単なるスキルの差ではなく、自分の中に「考える軸」があるかどうかだと私たちは考えています。最初の段階では「自分で考える経験」をしっかり積むことが重要です。
「AIを教えてもらえますか」保護者の質問にどう答えるか

──保護者の方から「AIも教えてもらえますか」といった質問を受けた場合、どのように説明されていますか。
森内氏:「AIを教えない」ということではなく、あくまで“今の段階では優先しない”という形でお伝えしています。たとえば小学生のうちは、AIを使うことよりも、まず自分で考える力を身につけることを優先していますと説明しています。
──その考え方が伝わりにくいと感じることはありますか。
森内氏:多少ありますね。AIは話題性もありますし、「これを学べばすぐにできるようになる」といった分かりやすさもあるので、魅力的に見えやすい分野です。
ただ、ひとつ注意が必要なのは、「簡単にできるようになること」と「力が身につくこと」は必ずしも同じではないという点です。分かりやすいからこそ、判断を誤りやすい側面もあります。
考えるプロセスを飛ばして結果にたどり着くことに慣れてしまうと、自分で考える力や、その結果が適切かどうかを見極める力が育ちにくくなります。そうした点を、保護者の方には丁寧にお伝えするようにしています。
──将来的にAIをカリキュラムに取り入れる可能性はありますか。
森内氏:将来的には、どこかの段階でAIを活用したカリキュラムを取り入れることになると考えています。ただしその前提として、AIの出力を「本当に正しいか」「もっと良い方法はないか」と自分で批判的に評価できる力が必要です。
まず考える力を育て、そのうえでAIを使いこなすという順序が重要です。
考える力が十分に育つ前にAIに頼ってしまうと、考える力が育たないまま進んでしまう可能性があります。私たちがAI領域に踏み込まないのは、それが不要だからではありません。今、子どもたちに何を優先すべきかの観点から判断しています。
そのため、子どもや初心者に対して、たとえばAIのプロンプトの書き方を教えることは、必要がないという明確な立場をとっています。
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子どもたちの変化・成長「思考の習慣が、教室の外でも広がっていく」

思考力を育む教育の成果は、数値だけには表れません。日々の行動の変化の中に、確かな成長があります。
──生徒や保護者の方から寄せられた、印象的なエピソードがあれば教えてください。
森内氏:印象的なのは、「何ができるようになったか」以上に、考え方や取り組み方そのものが変わっていく点です。
たとえば、これまでは分からないことがあるとすぐに答えを聞こうとしていた子が、まずは自分で試してみるようになる。そして、その結果が合っているかどうかを自分で確かめるようになる、といった変化です。
「考えて、試して、確かめる」という一連のプロセスが習慣になってきたという声は、保護者の方からもよくいただきます。私自身も、そうした思考の土台に関わる部分の変化には、大きな手応えを感じています。
──教室での指導で、特に大切にしていることを教えてください。
森内氏:まず大切にしているのは、「間違えることは良いことだ」と伝えることです。間違いそのものを指摘するのではなく、「どこが違っているのか」を一緒に考えることにフォーカスしています。
また、うまくいったときだけでなく、子ども自身が気づいた瞬間をしっかり評価し、一緒に喜ぶことも意識しています。そうした積み重ねが、試行錯誤する姿勢を自然と育てていくからです。
──講師への指導でも、徹底されていることがあると伺いました。
森内氏:はい。子どもたちが自分で考える力を育てるために、講師には「すぐに答えを教えない」ことを徹底しています。「こうすればいい」と正解を伝えるのではなく、あくまで子ども自身が気づけるように関わることを求めています。
もちろん、理解の段階に応じてヒントの出し方は調整しますが、最終的な答えは本人がたどり着くようにする。そのための“考える余白”を残すことを、常に意識して指導しています。

──教室以外でも、変化は見られますか。
森内氏:教室での変化は、家庭や学校といった日常の場面にも広がっていくケースが多く見られます。
実際に、エドモンドの各教室から寄せられる声の中には、学習塾も併設している教室の指導者から、「数年間通っている生徒の国語の理解力が伸びている」といった報告もあります。
プログラミングで身についた「一つひとつ丁寧に確認する習慣」が、文章を読み飛ばさずに内容を正確に捉える力につながっているのではないかと感じています。
読解力は、国語に限らずすべての学習の土台となる力ですが、短期間で伸ばすのが難しい分野でもあります。プログラミングの体験を重ねる中で、文章を読み解く力も少しずつ着実に身についていきます。
また、これは先ほどのAIの話とも関係しますが、考える過程を飛ばして答えを得ることに慣れてしまうと、読み解く力や理解力は伸びにくくなります。
プログラミングはひとつでもミスがあるとうまく動かないため、手順を分けて確認しながら進める必要があります。この積み重ねが、思考力や理解力の土台をつくっていきます。
その意味でも、最初からAIに答えを委ねるのではなく、自分で考え、確かめるプロセスを経験することが重要だと考えています。
──実際に、子どもたちの成長を実感できるような大会などはありますか?
森内氏:はい。エドモンドでは年に数回、プログラミング大会やタイピング大会、自由制作の作品募集といった、子どもたちが成果を発揮できる機会を設けています。
印象に残っているのは、前年の大会で決勝に進めず悔しい思いをした生徒さんのことです。
その経験をきっかけに「次は決勝に進む」と目標を決め、1年間、正確さとスピードを意識しながら練習を積み重ねた結果、翌年の予選を1位で通過し、決勝進出を果たしました。
こうした例はひとつではなく、同じ教室から複数の生徒が予選1位で通過するケースも出てきています。悔しさをバネに努力を続け、自分の成長を実感する経験こそが、私たちが大切にしていることでもあります。
「どういう子どもに育つか」を問うプログラミング教室選び
AI時代において「考える力」を最優先する姿勢は、単なる方針ではなく、深い洞察に裏付けられたものです。森内氏は最後に、プログラミング教室選びで迷っている保護者にこんなメッセージを語ってくださいました。──最後に、プログラミング教室選びで迷っている保護者の方へメッセージをお願いします。
森内氏:保護者の方にぜひ考えていただきたいのは、「何ができるようになるか」だけでなく、「その教室で子どもがどう育つのか」という視点です。
AIやプログラミングといった選択肢に目が向きがちですが、本当に大切なのは、その学びを通じてどんな力が身につくのかという点です。これは他の習い事にも共通して言えることだと思います。
実際、多くのご家庭では限られた時間の中で複数の習い事を選ばれています。だからこそ、その時間が将来につながる力になっているかどうか、一つひとつ見極めていただきたいと考えています。
その際に注意していただきたいのが、「早くできるようになること」と「しっかり力が身につくこと」は必ずしも一致しない、という点です。学びには、本来ある程度の時間が必要です。
たとえば語学と同じように、プログラミングも積み重ねによって身につくものです。「触れたことがある」と「使いこなせる」はまったく別の段階にあります。どれくらいの時間をかけて、どのレベルまで到達することを前提にしているのか、その設計を見ることも重要です。
また、答えをすぐに得られる環境に慣れてしまうと、じっくり考える力が育ちにくくなります。この差は時間とともに広がり、特に中学生以降になると、理解力や学力の差として表れてきます。
「すぐに答えを教える教室」なのか、「自分で試しながら考える環境がある教室」なのかは、教室選びにおいて、大きな分かれ目になります。
さらに、カリキュラムがどこまでを見据えているのかも大切なポイントです。ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミングで終わるのか、その先のテキストプログラミングまで進むのか、あるいは自分でシステムを構築できるレベルまでめざすのかによって、学びの深さは大きく変わります。
同じ「プログラミング教室」でも、その先に広がる世界は大きく異なります。ぜひ、目の前の分かりやすい成果だけでなく、子どもがどのように成長していくのかという視点でスクールを選んでいただければと思います。
エドモンド |AI時代に必要な創造力・自分の考えを形にする力が身につく

エドモンドは、マインクラフトを使ったオリジナル教材「エドモンクエスト」で、小学生・中学生・高校生のお子さんが"自分で考える力"を楽しく身につけるプログラミング教室です。
現役エンジニアと大学教授監修のカリキュラムで、ビジュアルプログラミングからテキストプログラミングまで段階的に学べます。
| 対象 | 小学生・中学生・高校生 |
| コース | エドモンドクエスト (教育版マインクラフトとエドモンド開発のオリジナルワールドを使って、人気ゲーム「マインクラフト」の世界で楽しくプログラミングを学べる) |
| 教室数 | 全国118教室 |
| 無料体験 |
あり |
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