都市型ドローンスクール「ハミングバード」に聞く、ドローンプログラミングの魅力とは

都市型ドローンスクール「ハミングバード」に聞く、ドローンプログラミングの魅力とは

ドローンは、プログラミングと親和性が高いツールだということをご存じでしょうか?小学校でプログラミングが必修化された流れを受け、プログラミングスクールは増加の一途をたどっていますが、ドローンスクールも全国で確実に増えてきています。

一方で、飛ばす場所がかぎられるドローンは「近場で練習する場所がない」というハードルも。とくに都心部は人口密集地であるため、飛行練習をあきらめる人も少なくありません。

そんな都心部に特化したドローンスクール「ハミングバード」は、大人だけではなく子ども向けのカリキュラムを用意していることが特徴。今回は、ハミングバード代表取締役社長・鈴木 伸彦さんに、ドローンスクールを開校した背景や安全を守るための取り組みなどについてくわしく伺いました。

東京のドローンスクール「ハミングバード」とは?



都心のお台場、新宿、渋谷でスクールを運営するハミングバードは、ドローンによる外壁調査や屋根点検、空撮(くうさつ)* 事業など幅広い事業を展開しています。多様な事業で獲得したノウハウを活かし、優れた操縦技術を有するパイロットの育成にも力を注いでいます。

個人で空撮を楽しみたい人から事業にドローンを活用したい人まで、さまざまな目的をもった受講者が在籍しています。
* ドローンを使い、空中から写真・映像を撮影すること

子ども向けコースの有無 有り
スクール所在地 お台場本校:東京都江東区青梅1丁目3-15 お台場ヴィーナスフォート内(2階 Venus GRAND108)

新宿校:東京都新宿区新宿5-16-4新宿マルイ メン6F

渋谷校:東京都渋谷区渋谷3-4-7 渋谷金王八幡宮隣接の蔵脩館金王道場
問い合わせ先 電話番号 0120-955-023
メール contact@hb-j.jp

回転翼(かいてんよく)3級コース

受講者の約90%が選んでいるのは、回転翼3級コースです。コース内で10時間以上の飛行訓練をすることで、「飛行許可申請」までスムーズに行えるようになることがメリット。最大受講人数は2名と少人数制のため、短期間でスキルが身につくと人気を得ています。

主な対象者 業務でドローンを活用したい個人・法人向け
費用(税込) 275,000円
期間 3日間
取得できる資格 ドローン操縦士協会の回転翼3級
取得できる技術 ホバリングからの左右移動/前後移動/前後方斜め移動/四角移動/円移動/4方向ホバリング/対面四角移動/進行方向四角移動/水平旋回/前・横・前方斜めから着陸/8の字飛行

VR回転翼3級コース

最大14日間かけてじっくり学ぶことができ、社会人も通いやすいのはVR回転翼3級コースです。VRとは、コンピュータによってつくられた仮想空間をあたかも現実のように体感できる技術。没入感が得られるため、ドローンの繊細な操縦技術が身につけやすいとされています。受講期間中は、いつでもVR操縦を行うことが可能です。

主な対象者 時間をかけてドローンの資格を取得したい方
費用(税込) 275,000円
期間 3日間〜14日間
取得できる資格 ドローン操縦士協会の回転翼3級
取得できる技術 回転翼3級コースと同等の基本技術

外壁調査コース

赤外線カメラ搭載の「DJI MATRICE300」を使用して講習が行われるのは、外壁調査コースです。赤外線についての基礎から調査レポートの作成方法まで学べ、事業に活かしやすい内容となっています。(屋根点検は対象外となるため注意しましょう)

主な対象者 ドローンでの建物点検を事業展開したい個人・法人
費用(税込) 165,000円
期間 2日間
取得できる資格 無し
取得できる技術 壁面飛行/赤外線および可視光カメラによる撮影

屋根点検コース

高所で人が作業を行うリスクを軽減できるのは、屋根点検コースです。ドローンによる屋根点検のポイントや撮影方法まで、くわしく指導してもらえることがポイント。「DJI GO 4を用いて、カメラ設定の基礎から学べます。

主な対象者 ドローン屋根点検を事業展開したい個人・法人
費用(税込) 132,000円
期間 2日間
取得できる資格 無し
取得できる技術 カメラの基礎(絞り、シャッター速度、ISO)/上空からの屋根撮影/市街地で操縦方法

空撮コース

「DJI機体」を使用して空撮の基礎から学べるのは、空撮コースです。カリキュラムには、空撮に最適なドローンの飛行方法や絵コンテの作成なども含まれます。(素材編集は対象外となるため注意しましょう)

主な対象者 ドローンを活用した空撮業務を事業展開したい個人・法人
費用(税込) 132,000円
期間 2日間
取得できる資格 無し
取得できる技術 カメラ基礎(絞り、シャッター速度、ISO)/DJI GO 4によるカメラ設定

2016年に起業。外壁点検からコンサル事業まで、ドローンに特化


ー本日はありがとうございます。さっそくですが、ハミングバードではどのような事業を行っているのでしょうか?

弊社はドローン事業を専業で行っており、2016年にドローンスクールをスタートしました。そこから派生して、ドローンを活用した空撮や外壁点検にも力を入れています。

ドローンは、2015年に起きた「首相官邸ドローン落下事件」をきっかけに、世間全体にその名が広まりました。この事件がショッキングだったため、一般の方からすると「ドローンは怖いもの」のようなイメージがあるかも知れませんが、本来は非常に可能性にあふれた存在でして、実際にいろいろな企業さまにおいて「ドローンの活用を内製化* したい」というニーズが高まっています。そこで、私たちが培った経験をもとに、ドローンの事業支援も行っています。
* 専門の業者に外注するのではなく、自社内で実施できるよう、ノウハウを獲得・蓄積すること。


内製化の話をしましたが、ドローンの活用はもともと、アウトソーシング(外注)が圧倒的に多かったんです。企業も「ドローンを活用できれば」という思いはお持ちだったものの、これまで人の手でやってきたものをどこまでドローンに置き換えられるのかは未知数でした。

そのため、初めの頃は、主に効果検証、つまり、ドローンがどの程度活用できるのかを検証する目的で外部業者を頼る企業が多くなっていました。そうしているうちに、ドローンの実用性が広まり、実績が出てきた。そのうえ、ドローン自体の性能も上がり、以前よりは扱いやすくなったんです。こうした事情から、「いよいよ本格的にドローンを活用したい」と考える企業が増え、内製化(=外注していた業務を自社ですべて行うこと)する動きになったようです。

—なるほど。具体的には、どのような事業にドローンを活用されることが多いのでしょうか?

ドローンの活用方法は多岐に渡りますが、中でも私たちが力を入れているのは、企業からニーズが高いマンションの外壁点検です


外壁点検には、「可視光点検」と「赤外線点検」の2つがあります。可視光点検は、ドローンのカメラで外壁を撮影をし、壁に欠損がないかを調べて報告する方法で、人の目で見て検査する方法に近いですね。

一方の赤外線点検は、ドローンの強みが出やすい検査方法です。赤外線点検では、建物の外壁を赤外線カメラで撮影して、外壁の温度を調べるんです。撮影時に赤くなった部分は温度が高いことを意味しますから、「外壁に浮きや隙間があり、熱がこもっている(=外壁が剥がれている可能性がある)」と判断できます。

—人のサポートをするだけでなく、人の目を超えた方法で検査することもできるのですね。

そうなんです。しかも、「人の目に近い」と紹介した可視光点検にも、ドローンならではのメリットがありまして。というのも可視光点検は、従来は「打診検査」といって、壁を叩いて、音の違いで状況を見極めていたのです。この方法は、物件によっては足場を組む必要があるため工数とコストがかかるうえ、高所の作業で事故が起こるリスクもありました。

また、タワーマンションなどになると、そもそも打診検査が難しい場合もありました。こうしたマンションでは足場が組めないですし、ゴンドラを下ろしても、どうしても点検できない箇所が出てきてしまうためです。でも、ドローンならそのようなシーンでも、問題なく点検が行えます。ドローンを活用すれば、工数やコスト、安全面などで多くのメリットがあるのです。


もちろん、ドローン点検は完璧な存在ではなく、課題も残されています。たとえば気象条件。撮影する時間や日照時間によっては、データが誤ってしまう可能性があります。

それでも、人を危険から守るためには、今後もどんどんドローンを活用していただければと考えています。つい先日も、姫路城の外壁から作業員の方が落下してケガを負った事件がありましたよね。こういった、人が行うと危険を伴う作業にドローンを活用できれば、というのが私たちの願いです。

ドローンで社会貢献がしたい。代表がドローン事業に込めた想い

ードローンの可能性について理解が深まったところで、鈴木さんご自身がドローン事業にご関心をもたれたきっかけについて教えていただけますか?

私は広告業界やIT業界出身で、世の中に便利なものを提供できるような「社会貢献ができる産業に携わりたい」という思いがありました。そのタイミングでドローンに出会い、「社会課題を解決できるようなドローンの事業を立ち上げてみよう」と考えたことが、最初のきっかけです。

もう少し詳しくお話しすると、震災などの災害時に、人探しなどの人命救助にドローンが活用されていたことに感銘を受けたんです。それに加えて、先ほどお話ししたとおり、業務にドローンを活用することによって効率化が進むことにも可能性を感じました。それこそ点検業務などは、人の手なら10日かかるものを1日で終えられると聞き、「今後、ドローンは確実に伸びていく産業だ」「社会に貢献できるところも大きい」と感じたんです。


ーそうだったのですね。そこから、ドローンスクールを開校され、子ども向けのクラスもスタートされた理由は?

2018年にお台場のヴィーナスフォートに「ドローンスクールお台場本校」を開校したとき、通りがかるお子さまが強い興味を示されたことがきっかけです。

お台場本校にはドローンショップが併設されているのですが、そこで時折、商品紹介のためにおもちゃのドローンを飛ばしていました。それを見たお子さまから、「自分もやってみたい」という声が聞かれるようになったんです。

はじめはドローン体験のみ行っていましたが、そのような声が次第に増えたことと、各公立学校がICT教育に力を入れ始めていたのもあり、小学生向けのドローンプログラミング教室「ドロプロ」を開校しました。こうしたお子さま向けの教室は、想像していた以上に多くの方々から支持をいただいています。


ーお子さまたちからそのような声が。子ども向けのドローンプログラミング教室を始められたのは、いつ頃でしょうか?

2019年4月からですね。まだドローンのプログミング教室を行っている会社は少ない黎明期(れいめいき)で、かなり早期の参入だったと記憶しています。

その頃からまばらに開校されていた大人向けのドローンスクールでは、資格取得を目指して入校される方が大半でした。ただ、資格を取得できるのは原則15歳以上からで、お子さまが気軽にドローンに触れられる場がないのでは?と感じたのが開校の背景です。

—大人と子どもでは、スクールに求めるものが大きく異なるのですね。子どもの保護者は、どのような期待からドローンスクールに通わせるケースが多いですか?

「ドローンを通して、子どもにプログラミングを学ばせたい」という方が多いですね。プログラミング言語をいきなり学ぼうとするとハードルが高いため、ドローンという取っつきやすい存在を通し、プログラミングに触れさせてみたいと考える保護者さまが多いようです。ちょうど、レゴブロックやゲームアプリでプログラミングを学ぶ感覚に近いのかもしれません。


Scratch(スクラッチ)のようなプログラミング教材と比較して、ドローンプログラミングにはどんな特徴があるのでしょうか?

プログラミング教材のなかには、パソコンでコードを打ち込み、パソコン上で動かして完結するものもあります。しかしドローンプログラミングは、パソコン上では完結せず、実際にドローンを飛ばしながら「動きをプログラムすること」を学びます。

こうした体験はお子さまにとってわくわくしますし、プログラミングに没頭するきっかけにもなります。また、「ドローンをこう動かそう」とお子さま自身がプログラムを組むこと自体が、論理的思考を育ててくれるのです。

お子さまの安全が最優先。「少人数制」だからこその課題も


ー「ドローンの操作をあやまると、子どもや周囲の人を傷つけるのでは?」と心配する保護者の方もいるようです。安全対策はどのようにされていますか。

安全性の確保にはもっとも配慮しており、事故対策としては防護用のゴーグルをご用意しています。また1名のインストラクターにつくお子さまの数は、5名までと制限をもうけています。

授業では、「Tello」と呼ばれる小型のプログラミング用トイドローンを1人ずつ順番に飛ばします。このように、少人数制でインストラクターの目が行き届く指導を行うことで、安全性を確保するようにしています。


ードローンプログラミング教室に対し、保護者の方からの要望はありますか?

じつは、ドローン教室のウィークポイントともいえるのが「少人数制」という点です。たとえば塾や英会話教室なら、講師1名にたいして数十名の生徒様を指導できる場合も多いかと思いますが、私たちは安全性確保のためにも少人数制にならざるを得ません。場所に関しても、十分なスペースが必要ですので、どうしても教室数は少なくなる傾向があります。

最近では光栄なことに、塾や学校様から「生徒の50名の指導を1名のインストラクターにお願いできないか?」とご依頼いただくこともあるのですが、現状では期待に応えられていない部分があります。

また、お子さまから「参加したい」というお声をもらっても、人と場所の問題があって、泣く泣くお断りさせていただく場合もあります。ですから、来年以降は1人でも多くの方に楽しんでいただけるようなドローン教室を作りたいと考えています。 今はまだ発表できませんが、ぜひ楽しみにしていてください。

既存スキルと掛け合わせ、希少価値の高い人材に。ドローン資格の可能性


ー「ドローンを学ぶと、どのような仕事に就けるの?」と気になる保護者の方もいらっしゃるようです。ドローンの資格を保有していると就ける仕事の、具体例はありますか?

ドローン資格は残念ながら、医師免許や弁護士資格と違って、「取得したから◯◯になれる」というものではありません。ただ、すでにお持ちのスキルと掛け合わせてドローンを利用されるケースは多いです。たとえば生徒様には、建設業や不動産関係、映像制作会社の方々もおられます。

ドローンを飛ばせる方はどの業界でも希少ですから、積極的に仕事を回される。その点では市場価値が非常に高く、人材が求められています。ドローン資格を所有していることで、ビジネスチャンスは広がるのではないでしょうか。


ドローンは新しい分野ですから、今から学んでおけば、その分野の第一人者になれる可能性もあります。さらにドローンには、自動車と同様に「ドローン保険」ありますから、活用することで事故のリスクも抑えられます。まだ実例が少ないため、保護者さまからするとイメージが湧きづらいかもしれませんが、多くの可能性にあふれた分野であることは間違いありません。


実際に、スクールに通われるお子さまの中からも、「ドローンレーサーを目指したい」「ドローンの先生になりたい」などの具体的な目標をもつお子さまが出てきています。このようにドローンは、お子さまが何か1つのものに夢中になって取り組む、良いきっかけになると思っています。

お子さまが興味をおもちの場合は、ぜひ一度、体験にトライしてみていただきたいです。体験時には私どもも、全力で力になります。ハミングバードでは、お子さまが安心して楽しく学べる授業を心がけていますので、お気軽に遊びに来てくださいね。

ー鈴木さん、本日はありがとうございました。

無料体験説明会も随時開催中!ハミングバードでドローンに触れてみよう


ハミングバードでは、お子さま向けのドローンプログラミング教室「ドロプロ」から事業に活用できるドローンの操縦技術まで、幅広いコースを用意しています。お台場本校に併設しているドローンショップでは、目的に合わせたドローンが見つかりやすいこともポイント。

無料体験説明会は、随時開催しています。「うちの子、ドローンに興味があるかも」そのように感じたご家庭は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

ドローンスクール東京【お台場本校・新宿・渋谷・横浜】|国家資格(免許)取得支援から点検業務まで

ドローンスクールお台場・新宿・渋谷・横浜を運営するハミングバードは、国土交通省登録講習管理団体としてドローンパイロットの育成・資格取得の支援を行っています。スクール以外にも空撮や赤外線を利用した外壁調査、家屋調査など、ドローンに関わるビジネスを展開しています。スクールでは毎日無料体験会を実施しています。

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