(取材)ソラシェアドローンスクール|受講生をオーディションで選ぶ?!市街地で飛ばして学べる超実践型スクール

空の産業革命を本格推進する ソラシェアドローンスクール
福岡県福岡市にある「ソラシェアドローンスクール」は、国家資格講習や民間資格コースに加えて災害調査コースやイノシシ罠巡回コースといった、地域合意のとれた屋外空域を利用して実施する、地域課題解決につながる独自コースが特徴的なスクールです。
そのほか、高難易度のドローン国家資格に合格できる素質を持つ人を選抜する「オーディションコース」など、他校にないコース設計が魅力です。
運営する株式会社トルビズオンは、地域住民や自治体からの合意取得にも力を入れて「空の道」づくりに取り組み、
その空路インフラ整備のためのプラットフォーム「ソラシェア」等も提供しています。
それだけに実際の現場となる市街地上空で、超実践的な知識やノウハウを学べるのだそう。

(取材)トルビズオンが展開する「ソラシェア」とは?あらゆる地域の関係者を巻き込んでつくる「空の経済圏」の仕組み

「世界中の空を利用可能にする」 とのミッションを掲げ、自治体や多岐にわたる業界、地域住民らを巻き込んで「空の道」を構築してきた株式会社トルビズオン。空に"住所"を付けて誰でも簡単に利用できるプラットフォームを展開することで、携わるすべての人たちが利益を得られる仕組みづくりを進めています。代表取締役社長の増本衛氏に、トルビズオンの想いやドローンを活用した空の経済圏づくりついて伺いました。

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この記事では同校を運営するトルビズオン代表の増本 衛さん、ドローンスクールマネージャー 中園 あかねさん、官民連携室長 中村 涼子さんに、スクールの特徴や独自の取り組みについてお話を伺いました。

株式会社トルビズオン代表 増本 衛さん(左)、ドローンスクールマネージャー 中園 あかねさん(中央)、官民連携室長 中村 涼子さん(右)

ソラシェアドローンスクールについての基本情報(料金、コース、資格)

スクール名 ソラシェアドローンスクール
取得可能な資格
  • DPCA 操縦技能証明証
  • 一等無人航空機操縦士
  • 二等無人航空機操縦士
開講中のコース
  • ドローンフライトオペレーター講習
  • 二等無人航空機講習コース(基本・目視内・昼間 限定変更)
  • 二等無人航空機講習コース(基本・目視内・昼間 限定変更)
  • オーディションコース:少人数プラン/スタンダードプラン/プレミアムプラン
  • 物流パイロット訓練コース
  • 災害調査(水路点検)コース
  • イノシシ罠巡回コース
  • カスタムメイドコース
  • 初心者講習
初期費用
(入会金やドローンの購入費用等)

受講料 ドローンフライトオペレーター講習 121,000円(税込)
二等無人航空機講習(基本)コース 初学者向け短期習得プラン:206,800円(税込)
経験者向け習得プラン:85,800円(税込)
一等無人航空機講習(基本)コース 初学者向け短期習得プラン:484,000円(税込)
経験者向け習得プラン:363,000円(税込)
オーディションコース 少人数プラン:440,000円(税込)
スタンダードプラン:22,000円(税込)/1名あたり
プレミアムプラン:16,500円(税込)/1名あたり
物流パイロット訓練コース 165,000円/1名 ※2名から受講可能
点検コース 55,000円/1名 ※3名から受講可能
イノシシ罠巡回コース 55,000円/1名 ※3名から受講可能
カスタムメイドコース 要お問い合わせ
初心者講習 11万円(税込)
運営会社 株式会社トルビズオン

現場に近い状況で学べる!企業向けに独自コースをカスタムメイドで提供


—本日はよろしくお願いします。まず、ソラシェアドローンスクールや、展開されているコースについて教えてください。

増本さん:
ソラシェアドローンスクールは、株式会社トルビズオンが運営するドローンスクールです。企業様向け限定のスクールで、ドローンを活用される法人様や官公庁職員に向けて講習をしています。

中園さん:
資格のコースとしては、国家ライセンス取得(無人航空機国家ライセンスセンター)民間ライセンス(DPCA)の取得コースがあります。
当校はDPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)の認定スクールであり、両ライセンスとも、同運営団体の教材やカリキュラムで学んでいただけます。

ソラシェアドローンスクールの独自コースとしては、オーディションコース災害調査(水路点検)コース鳥獣対策(イノシシ罠巡回)コース物流パイロット訓練コースを展開。ただ、これらはあくまでもコースの大枠となるもので、実際には企業様のご要望に合わせて、カスタムメイドの講習を提供しています。


イノシシに見立てて段ボールにカイロを貼ったもので実験


—どれも興味深いです。それぞれのコースでは、どのような内容を学べるのでしょうか。

中園さん:
例えば災害調査(水路点検)コースでは、ドローンを使って水路の点検をします。これまで目視で行ってきた水路点検を、ドローンを活用して効率化することを想定した内容です。


ドローンの水路点検は、航路や撮影ポイントをドローンに設定して自動操縦で飛ばし、戻ってきたドローンのデータを見て確認する流れで行います。当校では、この流れを現場に近い環境で講習し、実践的な知識やノウハウを学んでいただいています


航路はグーグルマップなどを参考に机上で設定しますが、実際に現場に行ってみると、電線などがあって微調整することも少なくありません。また、自動操縦に関しても、ドローンのすぐ近くをトラックが走っていたり、第三者がいる場合には、適切な対処を取らなければいけません。
水路点検用に登録した空路は、風水害などが起こった後に同じルートで飛ばすことにより、災害前後の差分データを取得し、被害状況を確認することが可能となります。

このようなノウハウは、体育館や運動場で飛ばしているだけではわからないものです。そのため、現場に即した環境で、本当に必要なスキルや知識を学んでもらえるようにこだわって指導しています。

ドローンで地域課題解決を目指す

増本さん:
いまご説明した災害調査(水路点検)コースや、その他の鳥獣対策コース(イノシシ罠巡回コース)は、
すべて物流パイロット訓練コースから派生したものです。物流パイロット訓練コースは、弊社が独自に提携している佐賀県多久市で行なっています。


この地図に示された全25本の「◯◯の道」は、全て公道や民家の上空に設定されています。

「空の道」の地形は様々です。例えば、医薬品を病院から山上に飛ばす高低差の大きな空路、フードデリバリーのための市街地に近い空路、農作物を農家から販売店へ直接お届けする空路などですね。これらの道を、各業者さんのニーズに応じて選んでいただきます。


(「空の道」について詳しく知りたい方はこちら)

(取材)トルビズオンが展開する「ソラシェア」とは?あらゆる地域の関係者を巻き込んでつくる「空の経済圏」の仕組み

「世界中の空を利用可能にする」 とのミッションを掲げ、自治体や多岐にわたる業界、地域住民らを巻き込んで「空の道」を構築してきた株式会社トルビズオン。空に"住所"を付けて誰でも簡単に利用できるプラットフォームを展開することで、携わるすべての人たちが利益を得られる仕組みづくりを進めています。代表取締役社長の増本衛氏に、トルビズオンの想いやドローンを活用した空の経済圏づくりついて伺いました。

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それぞれの専門的なコースは、こうして物流パイロット訓練コースの講習を行う中で、「せっかく空の道があるのだから、物流だけではもったいない。もっと様々な用途で使うほうが良いのではないか。」という意見が出たことから誕生しました。

今後はさらなるコース展開も考えており、例えば水路点検コースから河川巡回コースへと派生させ、さらには災害調査エキスパートコースへ……といった流れも検討しています。需要の高い鳥獣対策や遭難者発見に特化したコースにも力を入れていきます。


最近ではありがたいことに全国から受講生が集まり、そのノウハウを学んでいただいておりますが、
これを契機に自治体や地域の合意が取れた「空の道」を社会実装する動きが本格化したのを感じます。
地方創生に関しても、愛知県、富山県、京都府、兵庫県、鳥取県、広島県、佐賀県、熊本県、宮崎県など9つの自治体で取り組みが進んでいます。このムーブメントを我々は「空のまちづくり」事業と呼び、全面的に支援しています。

我々がめざすのは、ドローンやドローン空路を活用し、地域の課題を解決することです。いずれはあらゆる地域のドローンスクールさんが「空の道」を活用して屋外コースを展開し、地方創生につながったらうれしいですね。

トルビズオン、上空シェアリングサービス「S:Road」のスカイディベロッパー機能をリリース、全国6社がパートナー企業として「空の道」開拓に参画開始

株式会社トルビズオンのプレスリリース(2023年6月5日 17時50分)トルビズオン、上空シェアリングサービス「S:Road」のスカイディベロッパー機能をリリース、全国6社がパートナー企業として「空の道」開拓に参画開始

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国家ライセンス受講者を選抜する「オーディションコース」


—御校のユニークなコースの中でも、「オーディションコース」はとくに独自性が高そうです。内容について、くわしく伺えますか?

増本さん:
オーディションコースは、企業内でドローンの国家ライセンスに合格できるだけの素質を持つ社員を選抜するコースです。まだ一般的ではないものの、今後は需要が高まっていくと予想しています。

というのは、企業のドローン事業において、国家資格を有する社員の存在は非常に重要になると考えられるためです。例えば「今年度中に10人の国家資格一等保持者が必要」という事業計画があったとして、すべてを外部の人材で揃えるよりも、社内に10人の資格保有者がいたほうがスムーズに事業が進むことは間違いありません。

今後、レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)の時代が本格的に訪れれば、一等の国家ライセンスを保有した人材がたくさん必要になります。しかし国家ライセンスは、民間ライセンスと比べて難易度がガラッと変わり、本当に高いレベルの知識や操縦技術がなければ合格できません。機体は購入すれば済みますが、人材は、先々のことを見越して育成しなければすぐに確保できないんです。

ただ、ここで壁となるのが「誰に資格を取得させるか(合格できそうな人材か)」の判断です。とにかく全員にコースを受講させる、試験を受けさせる、というやり方では、企業側の金銭的・時間的な負担がどうしても大きくなります。

こうした課題を解決するのが、本コースの目的です。オーディションを通して適切な人材を見極めることで、有力な候補者にだけ優先的に投資する仕組みが整います。これにより、事業に欠かせない人材を効率的に育成していけるのです。

「空の道」を敷設。ソラシェアドローンスクールの今後の展望とは

—ソラシェアドローンスクールさんの、今後の展望についてもお聞かせください。

増本さん:
一等・二等の国家資格に備えた講習を提供するだけでなく、実際のニーズを捉えた応用型のスクールを増やし、国全体でドローンパイロットを育成していくための土壌を整えることです。そのためには実際の現場に近い空路の整備が欠かせませんので、「ソラシェア」や「スカイロード」などのツールを通じて貢献できれば嬉しいですね。

ただしそのためには、地域のコミュニティを大切にすることも重要です。一方的に重要性を説き、なかば勝手に空路を作るようなやり方をすれば、地域の方の信頼を損ねてしまいます。そこで弊社では、自治体との連携を進める一方で、地域の方々とも密にコミュニケーションを取り、地域全体で前向きに空路づくりに取り組める雰囲気づくりを大切にしています。

こうした道を歩む当校は、他スクールさんと少し毛色が違うかもしれません。ですが、この地道な取り組みが、ドローンの社会受容性を広めていくための正しい道であると信じています。

一緒に空の産業革命を作り上げていきたい。実践的な知識やノウハウを身につけるなら、ソラシェアドローンスクール!

—最後に、読者に向けてメッセージをお願いいたします。

増本さん:
私たちの空には大きな可能性が眠っています。ドローンを飛ばせる人が増えてオペレーションの事業ニーズも増えれば、
ドローン自体の価格も下がり、「空の産業」全体が成長します。そうなれば、国力も必ず上がっていくはず。そんな明るい未来に向けて、実践的な知識やスキルを身につけたパイロットを多数育成することが私たちの使命です。

さらに、全国各地に「街の上空を使って学べるスクール」が増えることも私たちの願いです。我こそはという企業がいらっしゃれば、
当社が持つスキームやツール、ノウハウを惜しみなく提供いたしますので、ぜひ共に空の公道での訓練を実装していきましょう。

このモデルにご興味のある方は、ぜひ一度当社にお問い合わせください!いつでもご相談をお待ちしています。
ソラシェアドローンスクールはこちら!

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