フリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)は可能？年収・単価相場も解説

そもそもフリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)とは？

フリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトに関する各種マネジメント業務について、特定の企業に所属せず独立した立場で担当する専門職です。プロジェクトを成功に導くため、クライアントの要望に応じて、高いマネジメント能力を発揮することが求められます。具体的な仕事内容と会社員PMとの違いを見ていきましょう。

• フリーランスのPMの仕事内容
• 会社員のPMとの違い

フリーランスのPMの仕事内容

フリーランスのPMの仕事内容は、基本的に会社員PMと同じです。プロジェクト全体の目標達成に向けて、以下のような各種管理業務を担います。

• 納期までのスケジュール管理
• プロジェクトの品質管理
• コストや人員リソースの管理　etc…

そのほかクライアントとの契約業務や、プロジェクトチームメンバーの選定・指導、企業担当者への進行状況報告などの業務も含まれます。PMの采配によってプロジェクトの成否が決まると言っても過言ではないため、その責任は重大です。

会社員のPMとの違い

会社員PMとフリーランスPMの大きな違いとしては、請け負うことのできるプロジェクトの範囲が挙げられます。

• 会社員PM
  所属する企業の内部プロジェクトまたは企業間のプロジェクトにのみ関与できる
• フリーランスPM
  企業に縛られることなく、さまざまな業種や業界のプロジェクトに関与できる

「このプロジェクトはちょっと自分には合っていないかも…」という業務でも避けられない会社員と違い、適性に合った仕事を自分で選んで参画していくことができる柔軟さが、フリーランスPMの魅力です。

一方、安定収入という面では、やはり会社員PMに分があります。フリーランスPMの収入は、基本的にこなした業務量に応じた成果報酬型。そのため、月によって大きく振れ幅が生じてしまう可能性もあります。両者の良し悪しを理解したうえで、自分にはどっちが合っているのかを決めていくようにしましょう。

フリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)の平均年収・単価相場

フリーランス向け案件サイト「フリーランススタート」の情報によると、フリーランスのPMの平均月額単価は81.4万円（2024年3月現在）。単純計算で、平均年収は約980万円ということになります。

最高で月額250万円と非常に高額なケースもあるようですが、最低単価は20万円。このように収入面で大きな幅がある点はフリーランスの弱みと言えるでしょう。

なお、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」のデータによれば、会社員のPMの平均月収は38.3万円、年収は約660.4万円とのことでした。

フリーランスと会社員の間には、収入面で大きな差があることが分かります。会社員PMの給与に満足できていない方にとって、フリーランスPMという選択は十分考えられるでしょう。

フリーランスのPM(プロジェクトマネージャー)として独立するために必要なスキル

フリーランスのPMとして独立・活躍していくためには、どのような能力が求められるのでしょうか？ここでは、フリーランスPMが備えておきたいスキルについてご紹介していきます。

• PMとして実務経験（マネジメントスキル）
• コミュニケーション能力
• システム開発に関する知識・経験

PMとして実務経験（マネジメントスキル）

PMはプロジェクトや経営資源を管理する上流工程の職種であるため、未経験の状態から活動していくことは難しいでしょう。フリーランスとして案件を獲得していくためには、実務経験を通して相応のマネジメントスキルを習得しておくことが望まれます。

プロジェクトを効率的に推進するためにはリスク管理・品質管理・時間管理などさまざまなスキルが必要になりますが、これらは一朝一夕で身につくものではありません。まずは会社員PMとして経験を積むことも検討してみましょう。

コミュニケーション能力

各プロジェクトには、依頼元であるクライアントをはじめ、開発を担うチームメンバーなど実に多様な人が関与しています。PMとして円滑に仕事を進めるためには、こういった関係する人たちとスムーズに意思疎通を図るためのコミュニケーション能力が必要です。

意図を正確に伝える「発信力」はもちろんのこと、相手の意見に耳を傾け的確に理解する「傾聴力」も欠かせません。自分の意見だけを押し通すようなコミュニケーションのやり方では、周囲の信頼が得られず、PMとして良い成果を残すことはできないでしょう。

システム開発に関する知識・経験

PMはマネジメント関連のスキルのみならず、システム開発に関する知識を一定以上有しておくことをおすすめします。開発チームの方で何らかの課題が生じた場合に、開発経験のあるPMであれば、自らが仮説・対策を講じる役として動くことができるからです。技術的な知見のない人がPMを担うより開発チームとの連携が密に図れるようになり、プロジェクトがより柔軟に進められることでしょう。

なお技術のトレンドは目まぐるしく変化するため、過去にシステム開発経験があったとしても油断はできません。PM業務で忙しい中でも常に技術のアップデートに努めていくことが、頭一つ抜けたフリーランスPMになるためのポイントともいえます。

フリーランスPMにおすすめのエージェント

ここでは、フリーランスPMにおすすめのフリーランスエージェントを紹介します。

レバテックフリーランス

レバテックフリーランスは、IT領域で活躍する人材に特化したエージェントサービスです。
常時提案可能案件数は約4,000件と、業界最大級の案件数を保有しているだけではなく、対応職種・言語も12職種・44言語と幅広い点が魅力。さらに取り扱い案件の多くは直案件となり、余計なマージンが発生しないため、高単価の案件も豊富です。

また条件交渉や煩雑な契約関連は代行対応してくれるため、 実務に専念できる環境があるのも嬉しいポイントと言えるでしょう。もちろん、 参画中も専任の担当者が付き、現場での些細な悩みや疑問にも対応してくれます。

充実した支援・質の高いキャリアアドバイザーによるサポート、高単価案件が豊富と至れり尽くせりですが、条件の良い案件紹介を希望する場合、相応のキャリア・実績が求められます。スキルや経験に自信がある人は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
※週3日以下の案件はハイスキルが求められます。

TECHSTOCK

TECHSTOCKは、延べ登録者数35,000名以上を越える、ITエンジニア向けエージェントサービスです。

80万/月を超える案件を多数保有しており、フリーランスには難しいキャリアアップを叶えられる案件の紹介も積極的に実施しているとのこと。そのためPMへのステップアップを図りたいと考えている人は、PMに挑戦できる案件の紹介を受けられるかもしれません。
またリモート案件が全体の7割を占めるため、柔軟性の高い働き方を叶えたい人にとってもピッタリのサービスと言えるでしょう。

さらに、TECHSTOCKでは、『fukurint（フクリント）』と呼ばれる、フリーランス向け福利厚生サービスの利用も可能です。仕事面だけではなく、実生活が充実するようなサポートも期待できるでしょう。



※ITエンジニア経験3～5年以上&週4以上稼働可能な方が主な対象となります。

テックビズフリーランス

テックビズフリーランスは、独立に向けた支援から案件参画後の生活に関する相談まで、キャリアに伴走したサポート体制が魅力のIT系フリーランス向けエージェントです。

利用者1人ひとりに対して、専任のコンサルタントがアサインされるため、フリーランス活動を推進するにあたって心強いパートナーになってくれることでしょう。なお、在籍するコンサルタントは、独立経験を持つ人材も多いため、独立に関する的確なアドバイスも期待できます。特にフリーランスへの転身を検討している人にとっては、利用価値の高いサービスと言えるでしょう。

また稼働継続率はおよそ97%と高い水準を誇り、希望条件や経験職務にマッチした案件紹介を受けられている様子が伺えます。
「フリーランスとして独立したい」「新たにPM案件に挑戦したい」と考えている人は、ぜひ利用を検討してみてください。

Cocoach

Cocoachは、ハイスキルフリーランス案件を提供するエージェントサービスです。
“ハイスキルフリーランスを対象” にした高単価エンド案件を豊富に取り扱っていることから、PMなど上流工程の案件に挑戦したい、高単価に絞って案件を探したい、という人にピッタリのサービス。

さらに登録からわずか2週間で参画が決まるスピード感も魅力。利益が収入に直結するフリーランスにとって、嬉しいポイントと言えるでしょう。
なお案件紹介は、LINEで完結するため、面倒なメールでのやりとりは一切不要とのこと。気軽に参画案件の紹介を受けられる点も他のエージェントにはない強み。

ワンランク上の案件を望むフリーランスは、ぜひ登録を検討してみてください。

フリーランスのPMが案件獲得する際のポイント

フリーランスのPMが案件を獲得する際は、以下のポイントに気をつけましょう。ポイントに気を付けることで、案件を獲得できる可能性を高められます。

• 知人からの紹介や推薦を受ける
• エージェントサイトを利用する
• 求人サイトで業務委託案件をチェックする
• クラウドソーシングを活用する

知人からの紹介や推薦を受ける

PR TIMESによると、企業の75％がリファラル採用を実施しているという結果が出ているそうです。リファラル採用とは、知人から紹介を受けて案件を獲得すること。リファラル採用を実施する企業が増えているため、知人から紹介してもらえる場合は、積極的にお願いすることをおすすめします。
引用：PR TIMES「図：リファラル採用を実施したことはありますか」

エージェントサイトを利用する

エージェントサイトの活用も、フリーランスのPMにおすすめしたい方法の1つです。フリーランスに特化したエージェントサイトなら、自分に合った案件を紹介してもらえるほか、業務サポートが受けられます。

エージェントは、利用料や中間マージンなどの費用がかかりますが、効率よく案件を紹介してもらえることを考えれば、対価としては当然でしょう。案件保証があるエージェントなら、案件を必ず保証してもらえるという安心も確保できます。中には、福利厚生面までサポートしてくれるエージェントも。フリーランスに特化したエージェントを活用すれば、案件獲得を全面的にサポートしてもらえます。

求人サイトで業務委託案件をチェックする

Indeedなどの求人サイトでも、PMの業務委託案件を探せます。例えばIndeed内で「業務委託　PM　募集」で検索すると、2024年4月時点で3,734件の応募がヒットしました。幅広い分野の案件が載せられており、稼働日数や給与形態もさまざまです。週2・3日からOKの案件もあれば、フル稼働や土日祝休み、シフト自由などもあり、希望に合わせて選べるでしょう。

クラウドソーシングを活用する

クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングは、企業がフリーランスのPMを募集していることがあります。クラウドソーシングとは、仕事を依頼したいクライアントと、仕事を受注したいフリーランスの仲介を行うサービスのこと。基本的にはすぐ登録できてオンラインで完結するため、誰でもいつでも始められます。登録無料のところが多いので、興味のある方は登録して案件を探してみるといいでしょう。

しかし、クラウドソーシングは、報酬から仲介料を引かれてしまうため注意が必要です。他の方法と比べて報酬が低い場合もあるため、気を付けて利用するのが良さそうです。

PMとしてフリーランス独立を成功させるポイント

フリーランスとして独立するだけであれば誰でもできますが、成功させるとなると話は別です。以下では、独立を成功させるためのポイントを詳しく解説します。

システム構築や設計に関する知識を学んでおく

フリーランスのPMとして活躍するためには、システム構築や設計に関する知識を学んでおくことが大切です。専門的な知識がないと、チームでプロジェクトを進めるうえで、エンジニアとコミュニケーションが取りにくいでしょう。一定のIT知識を身につけておくことは、プロジェクトを柔軟かつスムーズに進めるためにも欠かせない要素です。

専門知識を身につけておけば、他のPMと差別化もできます。フリーランスのPMとして活躍し続けるためには、知識を学んで満足するのではなく、常に技術・スキルをアップデートすることが重要です。

マーケティングの視点を持つ

マーケティングのスキルがあれば、クライアントの利益により貢献できるでしょう。案件の単価が高くなるほど、納期を守るだけではなく、利益を上げられる人材が求められます。

マーケティングの視点を持つPMなら、「どうすればクライアントの利益を最大化できるか」を考えることができ、クライアントにとって有益な人材になれるでしょう。

まとめ

当記事では、PM(プロジェクトマネージャー)職でフリーランスになろうと考えている人に向けて、フリーランスPMの仕事内容や会社員PMとの違い、年収／報酬単価や求められるスキルについてまで、詳細に解説してきました。

「プロジェクトを成功させる」という重大な役割を担うPMという職業は、高い専門性を求められることはまず間違いありません。高収入を狙っていけるのが魅力である一方で、未経験の状態で活躍していけるほど甘くはないため、その点は十分留意しておく必要があります。

フリーランスとして独立を考えているのであれば、フリーランスエージェントの利用がおすすめです。仕事を依頼してもらえるくらいに実績を蓄えておけば、いざフリーランスになったときにも安心して活動していけることでしょう。