この記事では「40代からフリーランスになることは可能なの?」といった疑問に答えたうえで、40代フリーランスにおすすめの職種や気になる年収事情について徹底解説していきます。
40代からフリーランスになることは可能?
結論、40代からフリーランスを目指すことに全く問題はありません。少し古いデータにはなるものの、中小企業庁が2016年に実施した調査によれば、40代を過ぎてからフリーランスになった人の割合は42.2%。半数以上の人が40代から独立していることが分かります。個人で働くことが当たり前になってきている今、この割合がさらに大きくなっていることも十分考えられるでしょう。また、フリーランス協会により公表されている「フリーランス白書2023」によれば、フリーランス人口の実に7割が40代以上とのデータも。
フリーランスには会社員で言う「定年」のような年齢制限がないことも相まって、40代から独立したとしても十分活躍していけることでしょう。「もう遅いかもしれない…」と諦めてしまうのは、非常にもったいないことと言えます。
40代からフリーランスを目指すのにおすすめの職種
ここからは、40代でフリーランスを目指す方に特におすすめの職種をいくつかご紹介していきます。基本的には自分の興味・経験のある分野で始めれば問題ないかと思いますが「自分の特性が分からずやりたいことも決まっていない」という方は、ここで紹介するものを参考にしてみてください。- エンジニア
- 動画編集者
- Webライター
- ブログ運営
- 営業代行
エンジニア
Web・IT業界の発展著しい現代において、エンジニアとしてフリーランスになることは特におすすめの選択肢です。経済産業省の調査でも、2030年までに約80万人規模でIT人材が不足すると予想されている状況。今非常に需要の高い職種であるため、スキルさえあれば参入しやすく、仕事の獲得でも困ることは少ないでしょう。エンジニアにも「サーバーエンジニア」「システムエンジニア」等さまざまな職種があります。経験の浅い状態から始めるのであれば、まずは基本となる「プログラマー」から挑戦してみるといいかもしれません。
関連記事:フリーランスプログラマーになるには?独立する際の注意点も解説
参考:フリーランスプログラミングスクール
動画編集者
YouTubeの台頭によって一般的となった「動画編集」でフリーランスを目指すのもいいでしょう。昨今はWeb広告にも動画が広く用いられており、その市場規模も年々右肩上がりで拡大しています。動画を活用したコンテンツはこれからも増えていくと考えられるので、動画編集スキルを身につけておけば長期的に稼げるフリーランスになっていけるはず。まずはAdobe Premiere Proといった動画編集ソフトの扱いを覚え、基本的な業務をこなせる程度まで能力を高めていくのが第一目標。そこから「企画立案のための提案力」や「カメラでの撮影技術」といったさまざまなスキルを掛け合わせていけると、より需要の高い動画編集者を目指せるでしょう。
参考:フリーランス動画編集スクール
Webライター
元手や学習コストを最小限に抑えてフリーランスになりたいのであれば「Webライター」も選択肢の一つ。パソコンとネットワーク環境さえあれば作業環境が整ってしまうという、参入障壁の低さが魅力です。仕事としても「文章を書くこと」がメインなので、最低限分かりやすい日本語で執筆できればOK。エンジニアのように複雑なプログラミング言語を覚えたりする必要はありません。ただし、その取り組みやすさからライバルが非常に多く、より専門的なスキルを身につけないとあっという間に淘汰されてしまうことも考えられます。Webライターとして独立するならば、読み手にストレスを与えない文章を書くことはもちろん「検索エンジン最適化(SEO)」といった技術的な面も学習しておくようにしたいところ。
関連記事:Webライティングスクール
ブログ運営
「ブログ運営(ブロガー)」は、自宅でも気軽に始められる等の理由から多くの人に注目されている仕事です。Webライターのように記事を執筆し、広告を掲載したり商品のPRをしたりすることで、広告収入を得るというのが主なビジネスモデル。ブログを運営する中で「執筆スキル」「マーケティングスキル」「WordPress構築スキル」といった多くの経験ができるため、得られるものが非常に多いのも魅力と言えるでしょう。一方、ブログ運営はいわば長距離走で、始めてすぐに稼げるようになる仕事ではありません。アフィリエイトマーケティング協会の調査でも、ブログ運営1年未満の人の約70%が「収入がない」と回答しています。いきなり独立するのではなく、軌道に乗るまでは副業として取り組むのが堅実です。
参考:フリーランスWebマーケター
営業代行
営業や販売としての経験・実績があるのであれば、そのスキルを活かして「営業代行」のフリーランスになるのもおすすめです。営業職は離職率が高めなこともあり、多くの企業が営業担当不足に悩まされています。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、IT営業職の有効求人倍率は「3.89」と、求人数の方が圧倒的に多い状況。このような傾向から、営業代行フリーランスの需要は高まっているのです。実力やスキルが強く求められる業界であるため、顧客や案件の獲得が容易ではないことは十分留意しておくべきでしょう。「前職の営業経験を活かしたい」と考えている人に、営業代行はおすすめの仕事です。
参考:営業代行フリーランス
40代フリーランスの平均年収はどれくらい?
フリーランスとして独立するにあたって、特に気になるのが収入事情。「会社員の年収より大幅に低下してしまったらどうしよう…」と不安になる人も多いことでしょう。中小企業庁が公表しているデータを見ると、40代フリーランスとして働く方々の年収分布は以下のようになっていました。年収 | 40代フリーランスの割合[%] |
---|---|
~100万円 | 21.2 |
100万円~300万円 | 37.1 |
300万円~500万円 | 26.9 |
500万円~800万円 | 10.7 |
800万円~1000万円 | 1.2 |
1000万円~5000万円 | 2.4 |
5000万円以上 | 0.5 |
一番多いのが「100〜300万円」で、次いで「300〜500万円」という結果に。「500〜800万円」稼いでいる人も10%以上いることが分かります。国税庁の「民間給与実態統計調査」における40代会社員の平均年収が「男性約600万/女性約350万」であることを踏まえても、フリーランスは会社員同等かそれ以上の年収を十分狙えると言って差し支えないでしょう。
一方フリーランスの報酬は出来高制であるため、案件ごとに単価が異なったり、最悪の場合仕事が取れなかったりと、収入が不安定になる可能性がある点には注意しなければなりません。独立前に、出来る限り貯金を蓄えておけると安心です。
まとめ
当記事では「40代だけどフリーランスとして独立したい…!」と考えている方に向けて、現実性やおすすめの職種、さらには「どのくらい稼げるの?」といった情報についてまで、詳細に解説してきました。個人で働く人が増えている現代において、40代であろうとフリーランスに挑戦する価値は十分にあります。実際、フリーランスの約7割が40代以上で活躍しているので「もう遅いかも」と気後れする必要は全くないでしょう。
フリーランスになるためにはさまざまな手続きが必要になるとともに、確定申告を行うための税金に関する知識も必要になります。いざ開業してから慌てることのないよう、計画的に進めておきたいところですね。
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