この記事では「そもそもフリーランス・フリーターとは?」といった基礎的な部分を解説しつつ、本題であるフリーターとフリーランスの特に大きな違いについて5つご紹介していきます。
そもそもフリーランス・フリーターとは?定義を解説
まず前提として、フリーランス・フリーターそれぞれの定義について確認しておきましょう。【フリーランスの定義】
実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者
※参照:厚生労働省|フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
【フリーターの定義】
年齢が15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち次に該当する者
- 1.雇用者のうち勤め先における呼称がパート・アルバイトの者
- 2.完全失業者のうち探している仕事の形態がパート・アルバイトの者
- 3.非労働力人口で、家事も通学のしていないその他の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態がパート・アルバイトの者
※参照:総務省統計局|16A-Q09 フリーターの人数
いずれも法律で定められたような厳密な定義は存在していないため、便宜上このような定義で説明されています。フリーランスは「開業する等して自身で事業を営む人」、フリーターは「パート・アルバイトで生計を立てている/立てようとしている人」と認識していればまず相違ないでしょう。これだけでも、両者には違いがあることが分かるはず。
フリーターとフリーランス(個人事業主)の違い5選
ここからは、フリーターとフリーランスの主な違いについて見ていきます。特に押さえておくべきポイントとしては、以下の5点です。- 契約形態
- 働き方の自由度
- 求められるスキル
- 収入
- 確定申告の有無
契約形態
フリーターとフリーランスでは、業務にあたる際の契約形態が異なっています。アルバイトやパートを行うフリーターは、基本的に企業と雇用契約を結ぶのが一般的。一方フリーランスは企業に属さず働くので雇用契約はなく、案件ごとに業務委託として参画していくことになります。フリーターは雇用してもらう立場であり「雇用主>労働者(フリーター)」という関係性になりますが、外部から業務を請け負うフリーランスは、企業(クライアント)とも対等な立場です。
働き方の自由度
働き方の自由度という面も、フリーターとフリーランスで大きく異なるポイントです。雇用契約で働くフリーターは、雇用主が定めた勤務場所で、決められた時間だけ仕事をする必要があります。この点はいわゆる会社員と変わりません。フリーランスは、請け負った業務の納期さえ厳守できていれば、いつどこで業務に取り掛かろうが自由。自分の裁量で働ける点はフリーランスの強みです。ただし、その分高い自己管理能力は求められます。
求められるスキル
フリーランスは自由度の高い働き方が魅力である一方で、一個人が業務を請け負っていくためには高いスキルが不可欠です。十分に稼いでいくためには日頃から自己研鑽に励み、アピールできる実績の構築に取り組む必要があるでしょう。対してフリーターには、上司・先輩からの教育や新人カリキュラム等が用意されている場合がほとんど。面接や試験を突破して採用さえ勝ち取ることができれば、特別高いスキルがなくても十分仕事に従事することができます。もちろんアルバイトから正社員雇用を目指したりするのであればさらなる成長意欲が必要ですが、専門的な技術を必要としない点はフリーターの魅力です。
収入
フリーターとフリーランスでは、稼げる収入金額が大きく異なります。まずフリーターですが、アルバイト・パートということもあり報酬は少なめ。国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によれば、フリーター(正社員以外)の平均年収は約201万円となっていました。正社員(正職員)以外の平均給与 | |
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男性 | 約270万円 |
女性 | 約166万円 |
合計 | 約201万円 |
一方、フリーランス協会が毎年公開している「フリーランス白書」を見ると、半数近くの人が年収400万円以上を実現していることが分かります。そのうち10%程度は1,000万円以上稼いでいるとのこと。
フリーランスの方が高い専門性を求められる分、より大きく稼げる傾向にあることは確かです。
確定申告の有無
フリーターとフリーランスの違いは仕事面だけでなく、その他経理業務といった面でも異なってきます。特に大きいのは、1年の稼ぎを集計して納めるべき所得税額を計算する「確定申告」。フリーターは雇用主側が「年末調整」といった形で代行してくれるため自分でやることはほぼありませんが、雇用のないフリーランスは確定申告もすべて自分で対応しなければいけません。経理や簿記の知識がある人ならまだしも、完全に未経験の人が正しく処理することはなかなか難しいのが実情。税理士に依頼する等の方法もないわけではありませんが、フリーランスになったら仕事以外にもやることが増えるということは覚えておいた方がいいでしょう。
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フリーターからフリーランスになるにはどうしたらいい?
フリーターとして生計を立てていくことも決して不可能ではありませんが「より大きく稼ぎたい」「今よりもキャリアアップしたい」との思いからフリーランスを志す人も少なくないかと思います。フリーターからフリーランスを目指す場合、以下のようなステップで行動していくのがおすすめです。- 1.どんな職種でフリーランスになりたいかを明確にする
- 2.目指す職種・業界で必要なスキルを身につける
- 3.実績を構築してポートフォリオにまとめる
- 4.ポートフォリオをもって営業活動を行う
何はともあれ「自分はどんなフリーランスになりたいのか?」を明確にすることが最優先。フリーランスは働き方の一種なので、エンジニア・Webデザイナー・Webライター等々…実に多様な職種が存在します。自分の興味・関心などと照らし合わせて選定していきましょう。
やりたいことが決まったら、関連業界の企業で実務経験を積んだり、フリーランス養成スクールを活用したりして、スキルや実績を蓄えます。実際に手掛けた案件はポートフォリオとしてまとめておくと、その後の営業活動がやりやすくなるはず。kk
これらの準備が整ったら、後は営業活動へと動き出すだけ。「自分ではなかなか案件を獲れない…」という場合には、フリーランスへの案件紹介を得意とするエージェントサービスを利用するのもおすすめです。
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まとめ
当記事では「フリーターとフリーランスって同じじゃないの?」「そもそもフリーター/フリーランスって何?」と疑問に感じている人に向けて、両者の定義や具体的な違いについて、詳細に解説してきました。フリーターとフリーランスは字面がよく似ているため、混同されるケースも少なくありません。しかし、前者は「雇用契約」、後者は「業務委託契約」と、そもそもの契約形態から全く異なっています。基本的にフリーランスの方が自由度や収入といった面で優秀ですが、その分ハイスキルが求められたり、不安定さが付きまとったりする点には注意が必要です。
現時点でフリーターだとしても、努力次第でフリーランスへと転向していくことも不可能ではありません。最近では未経験からフリーランスを目指せる「COACHTECH(コーチテック)」のようなスクールなども存在しているので、今のキャリアに不安を感じているのであれば思い切って行動してみるのもいいでしょう。
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