この記事では「資格なしでもフリーランスになれるの?」という疑問を解消しつつ、フリーランスにおすすめの資格を計5つご紹介していきます。「資格の必要性は?」「取るとしたらどの資格?」等の疑問を抱えている人はぜひご覧ください。
資格なしでもフリーランスになることはできる?
結論として、資格がなくてもフリーランスとして活動し、稼いでいくことは十分可能です。士業とは違い基本的にどの職種にも必須資格となるものはなく、スキルや実績さえあれば案件を獲得していくことはそう難しくありません。実際、リクルートワークス研究所が実施した調査によれば、多くのフリーランスが「必要な資格は何もない」と回答していることが分かっています。
職種 | 「必要な資格は何もない」と回答した割合 |
---|---|
営業・販売職 | 45.6% |
クリエイティブ職 | 65.2% |
IT関連技術職 | 53.3% |
しかし、少なくとも半数程度は「何かしらの資格があった方がいい」と感じていることは確かです。実際、資格勉強を通じて新たなスキルを習得することができますし、首尾よく取得できた暁には営業の際のアピールポイントにもなります。自身のスキルが足りていないと感じる場合や、実績不足でなかなか案件が獲れない等の懸念がある際には「資格は全く不要」とは一概には言えないでしょう。
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フリーランスにおすすめの資格5選
ここからは、持っておくと他者との差別化が期待できる「フリーランスにおすすめの資格」を5つご紹介していきます。需要の高いIT系を中心に、デザイナーやマーケター向けのものもまとめました。「何を取得すべき?」と悩んだら、ぜひここで紹介するものを参考にしてみてください。- ITパスポート試験
- 情報技術者(基本・応用)
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- ウェブデザイン技能検定
- マーケティング・ビジネス実務検定
ITパスポート試験
「ITパスポート試験」は、経済産業省のIT政策実施機関「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)」が運営する国家資格です。IT系資格の代表とも言えるほど非常に人気があり、2009年の開始以来累計200万人以上が応募・挑戦しています。昨今話題のAIやビッグデータといったITに関する知識はもちろん、一社会人として備えておきたい経営全般や情報セキュリティに関する内容まで学ぶことができる総合的な資格です。国家資格ということもあり知名度は抜群に高いため、最初に取得するIT系資格にぴったりと言えるでしょう。
関連サイト:ITパスポート試験
情報処理技術者試験(基本・応用)
先述のITパスポート試験と同じく、経済産業省のIPAが手掛ける人気IT資格が「情報処理技術者試験」です。初心者向けの「基本情報技術者試験」と、ワンランク上の「応用技術者試験」の2種類で構成されています。昭和44年(1969年)にIT人材の充足を目的として発足された歴史ある試験で、応募者数は2,200万人以上、うち約360万人が合格しています。「ITエンジニアの登竜門」と公式に明言されていることもあり、基礎固めにはうってつけ。情報技術の背景をはじめ、知っておくべき原理・基礎技能等についてまで、幅広く習得することができます。ただし「基本」の方は入社3年目くらいまでのITエンジニアに必要な知識となっているため、フリーランスとしてのアピールポイントとしてはやや弱め。可能な限り「応用」まで挑戦し、ステップアップしていきたいところです。
関連サイト:基本情報技術者試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
日々業務にあたるうえでExcelやWord、PowerPointといったソフトを扱う機会は多いでしょう。「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」は、これらのOfficeソフトの取扱スキルを証明する資格です。マイクロソフト社が直々に主催しているため、信頼度も申し分なし。パソコン分野で国内最大規模の資格試験となっています。MOSという資格自体が、フリーランスとしての活動に恩恵を与えることは少ないかもしれません。しかし、MOSを通じてソフトの正しい取り扱い・効率の良い作業方法を身につけておけば、今よりも質の高い成果を提供できるようになります。ひいてはクライアントと信頼を構築することにもつながるので、Officeソフトを扱う機会が多いのであれば挑戦して損はないでしょう。
関連サイト:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
ウェブデザイン技能検定
フリーランスのWebデザイナーとして活躍していきたい人には「ウェブデザイン技能検定」がおすすめです。デザイン関連資格の中でも珍しい、厚生労働省認定の国家資格となっているのが特徴。試験品質も国のお墨付きであるうえ、所持していればアピールポイントとしても活用しやすいでしょう。実際にWebサイトのデザイン作業をする実務試験もあったりと、実務にそのまま活きるスキルを習得できる点は本資格の魅力と言えます。3級・2級・1級の3レベルがありますが、2級・1級には「下級資格に合格していること」「一定以上の実務経験があること」等の受験資格が設けられているため注意が必要です。3級から少しずつステップアップしていくといいですね。
関連サイト:ウェブデザイン技能検定
マーケティング・ビジネス実務検定
「マーケティング・ビジネス実務検定」は2005年に創立されて20年近い実績を持つ資格で、あらゆる業種・職種で使える共通のマーケティング知識を習得することができます。理論的な内容をはじめ、実務で使える知識や押さえておきたい時事情報についてまで幅広くフォロー。マーケティング職を目指す人はぜひ挑戦したい資格です。マーケティング知識を体系的に身につけることを目的に、C級・B級・A級の3つの難易度で構成されています。定型業務をこなせる程度のスキルに当たるC級からはじまり、最終的にA級まで取得することができれば、自身でマーケティングの戦略を立案・意思決定できるレベルにまで成長していけるでしょう。特定のツールに関する知識に特化した資格ではなく、マーケティング全般を広く学べる資格を探している人におすすめです。
関連サイト:マーケティング・ビジネス実務検定
まとめ
当記事では、資格を取るべきか悩んでいるフリーランスに向けて「資格なしでも大丈夫なの?」といった疑問に答えたうえで、ぜひ挑戦してほしいおすすめの資格5選について詳細に解説してきました。一部の士業を除き、資格がなくてもフリーランスとして活動することは全く不可能ではありません。実際に資格なしで働いているフリーランスも多数いるため、そのリソースを実績構築やスキル向上に回した方が有意義な場合も多いでしょう。
一方で、業務に関連する資格を持っていれば「一定以上のスキルを持っているんだな」と企業から評価されるケースもままあります。資格取得までの過程で知識習得を図ることもできるため「フリーランスに資格は不要」と一概に決めつけるのではなく、挑戦する意義についてもよく考えたうえで検討してみてください。