Skypeak Drone School|外壁点検コースも開講!スカイピーク講師が語る実務直結の学び
しかし、ドローンの操縦技術だけを身につけても、実際のビジネスシーンで活躍することは難しいのが現実です。本当に必要なのは、各分野の専門知識とドローン技術を組み合わせた総合的なスキルと経験です。
今回は、Skypeak(スカイピーク) Drone School 渋谷校の講師であるベテランの中川さんと、若手女性パイロットの菊地さんにお話を伺い、実務に特化したドローンスクールの魅力に迫ります。
現場経験が豊富だから教えられる実践的なノウハウ

左・菊地さん、右・中川さん(Skypeak Drone School 渋谷校)
──最初に、お二人のプロフィールを教えてください。
中川さん:
ドローン歴は約9年になります。4年ほど前にご縁があって、スカイピークに参加しました。Skypeak Drone School 渋谷校では、外壁調査やリスクアセスメント講習などの専門的な講師を担当することが多いです。普段はドローンを用いた空撮から点検、エンターテイメント系や実証実験まで幅広く活動しています。
菊地さん:
株式会社スカイピークに新卒で入社して、今年で2年目になります。
ドローンとの出会いは短大のサークルでした。そこからドローンを操縦したり、プログラムで動かしたりする面白さを知り、最新技術でもあるドローンを活用した仕事に就きたいと思いスカイピークに入社しました。
──お二人はどのような現場で操縦されてきましたか?
中川さん:
いろいろと携わってきましたが、空撮のクリエイティブ分野と、外壁調査、点検業務を主に行ってきました。
菊地さん:
わたしも基本的には外壁点検の現場が多いですが、実証実験などにも携わっています。
ドローン業界では女性はまだ少数派ですが、現場での経験を積むことで技術を磨いています。スカイピークでは性別に関係なく実力を評価していただける環境があり、若手でもいろいろな案件に携わる機会をいただいています。
──現場経験を重ねる中で学び、スクールの指導に活かされていることを教えてください。
中川さん:
現場では精神力も重要です。
たとえば、ライブ放送でドローンを飛ばす仕事がありました。
マークの中を突き抜けて飛行する難しいシーンでしたが、「絶対に落とさない覚悟」で挑みました。また、ホバーバイク(空飛ぶバイク)のテスト飛行や、視界が限られた状況での操縦体験を重ね、技術面はもちろん、瞬時に判断ができ緊張に耐えうる精神が鍛えられました。
これらの経験を通じて、ただドローンを飛ばすスキルだけではなく、予測不可能な状況にも対応できる冷静さと判断力が重要であることを実感しています。
わたし達は受講生に自分たちの現場経験を共有することで、実際の業務で直面する可能性のある課題や解決策についても学んでもらっています。リスクや安全対策も含め、机上の理論だけでは得られない実践的な知識と技術を得られるのが当スクールの大きな強みだと思います。
「飛ばせばいい」時代は終わった!外壁点検に特化したコースをローンチ

——スカイピークドローンスクールは、産業ドローンの人材育成に力を注いでいるそうですね。
中川さん:
「ドローンを飛ばせれば仕事になる」時代はもう終わっています。
実際のサービスを提供する際には、ドローンの操縦技術のみならず、専門分野の知識も必要です。ドローンはあくまでもツールであり、産業実装に向けてはスペシャリスト人材の育成が重要です。
スカイピークでは、国家資格取得コースを中心に、目視外飛行を実現するオペレーター育成プロジェクトや安全運用に特化したリスクアセスメント講習も行っています。
さらに自分たちの現場経験を活かし、外壁点検コースという実務に直結したカリキュラムを作り上げました。
——外壁点検に特化したコースについて、詳しく教えていただけますか?

中川さん:
スカイピークの外壁点検コースは、ドローンの操縦方法を教えるだけではありません。
- 建築基準法
- 建物に関する知識
- なぜ点検が必要なのか
- どういった建物に有効なのか
- 赤外線カメラによる撮影技術
- 解析方法
こうした専門的な内容も含まれています。
建物の外壁点検は従来、足場を組んで人が直接確認する方法が主流でした。しかし、ドローンを活用することで、高所作業のリスクを減らし、短時間で広範囲の点検が可能になります。
ただし、単にドローンで建物を撮影するだけでは、有効な点検とはなりません。
建物の構造や材質に関する知識、損傷の種類や危険度、関連法規の理解など、外壁点検では前提となる建築分野の専門知識が不可欠です。
今回、当スクールで開講するコースではこれらを総合的に学ぶことができます。外壁点検でドローンを活用しようとしている方には、本当に実践的な内容ですので、ぜひスカイピークで学んでいただきたいです!
現場から得た学びを受講生への指導に活かす

——スクールの指導では、どのようなことを心がけていますか?
菊地さん:
受講生によって求めていることが異なるので、それぞれに合わせた指導を心がけています。外壁点検に興味がある方には赤外線カメラの話をしたり、実際に機材を持っていってデモンストレーションをしたりしています。
操縦技術の指導では、受講者の姿勢にも注意しています。特にGPSを切ったモードでの操縦時に力が入りすぎてしまう方が多いので、リラックスした姿勢で操縦できるようアドバイスしています。
初心者の方がよくやりがちなのは、車の運転感覚でドローンを操縦しようとすることです。
ハンドル操作に似た動きをしてしまい、全く違う方向に飛んでいってしまうことがあります。そして焦ってさらに操作が乱れるという悪循環に陥ることも。
このような基本的なことに加えて、現場での経験を踏まえた注意事項やアドバイスができることが私たちの特徴です。
──スカイピークでは、どのような方が受講されていますか?
中川さん:
法人のお客様が多いです。特に専門的なニーズを持った企業からの依頼が増えています。
業種としては建設・不動産関連の企業が多いですが、最近ではさまざまな業界からのドローン活用に関する相談が増加傾向にあります。企業が抱える具体的な業務課題に対して、ドローンをどう活用すれば効率化やコスト削減につながるかを一緒に考え、必要なスキルを習得していただくというアプローチをとっています。
菊地さん:
国家資格の取得をめざす方が多いですね。
受講生の中には、これから自社でドローン事業を立ち上げたいという企業の方もいれば、すでに業務にドローンを活用している方で、さらにスキルアップをめざす方もいます。
それぞれの目的や経験に合わせて、カリキュラムをカスタマイズすることも可能です。たとえば、すでに基本的な操縦スキルをお持ちの方には、より専門的な分野の知識や技術を重点的に指導することもあります。
──他社と比較してスカイピークの強みはどこでしょうか?

中川さん:
水中ドローンと農薬散布を除いて、ドローンを使ったほぼすべての業務を経験してきています。そのため、どのような現場でも何が危険か、どうすれば実現できるかを的確にアドバイスできます。
また、自動飛行の際のルート設定やオペレーションなども得意としています。
たとえば、ある案件では片道4キロの距離を自動飛行させ、指定された80カ所ほどのポイントで撮影するという複雑なミッションも成功させました。このような実務経験があるからこそ、具体的な知識と技術を伝えることができます。
実務特化型カリキュラムで、即戦力のドローン人材を育成するのが、スカイピークの特徴であり、強みですね。
菊地さん:
業務で使えるレベルをめざしている方や、ドローンの事業展開を考えている方にこそ、当スクールでぜひ学んでいただきたいです。経験も実績も豊富な講師が、実務レベルで指導します。
ドローンは男性中心のイメージが強いですが、性別に関係なく、正しい知識や技術があれば、活躍できる場所もある分野だと思います。
わたし自身の経験が、ドローン業界に興味を持つ女性の方々の参考になれば嬉しいです。
卒業後もドローン事業の展開を支援・協働

──卒業後のサポート体制はどうなっていますか?
菊地さん:
卒業後も質問や相談に対応しています。実務に関する具体的なアドバイスなど、継続的な支援も行っています。
スカイピークでは、正規のコース修了後もいろいろな形でスキルアップの機会やオンラインサポートを提供しています。導入企業向けの独自の勉強会や情報提供、最新の機材やソフトウェアを活用した試験やオリジナル研修なども実施しています。
ドローン技術は日進月歩で進化していますので、常に最新の知識とスキルを更新していくことは、なにより安全のためにも重要だと思います。
中川さん:
わたし達の目標は、ドローンを使った点検サービスを全国に広めることです。
卒業生が自社でサービスを開始する際はサポートをしますし、逆に案件が多くなり手が回らない時にはお手伝いもいたします。また、地方案件は地元企業に任せたいと考え、全国ネットワーク構築もめざしています。
技術の高い卒業生にはパイロットとして協力をお願いすることもありますよ。
スカイピークの卒業生が自社サービスを立ち上げたり、社内の業務にドローンを活用したりしているお話を聞くのはとても嬉しいです。卒業後も関係は途切れることなく、さまざまな形でつながり、協働することもよくあります。
——具体的にどのような事例がありますか?
中川さん:
たとえば、ある建設会社は当初はドローンの知識がほとんどありませんでしたが、スカイピークで学んだ後、自社の建設現場での測量や進捗確認にドローンを活用するようになりました。今では自社内にドローン部門を持ち、わたし達と定期的に情報交換をしながら新しい活用方法を模索しています。
わたし達は単に「ドローンで稼げます」と言っているわけではなく、実際に役立つ知識と技術を提供しています。特に法人として本格的にドローンサービスを展開したい方、あるいは業務の一環としてドローンを導入したい方に最適な環境だと思います。
スカイピークで業務に直結するドローンの知識とスキルを学んでほしい

──最近の活動についても教えていただけますか?
中川さん:
JR東海様とは鉄道設備の点検にドローンを活用する取り組みが進んでいます。
鉄道施設は広大で複雑な構造物が多いので、通常の点検方法では多くの時間と人員が必要になります。
しかしドローンを活用することで、作業時間やコストの効率化だけでなく、点検業務の高度化による、更なる安全性向上など多くの可能性が考えられます。
こうした連携は、わたし達の技術力が認められた証だと思っています。特に安全性が最優先される鉄道業界で信頼していただけることは大きな自信になります。

菊地さん:
わたしも現場で学ばせていただく機会が多いので、とても勉強になります。特に大規模な施設の点検では、事前の準備や安全確認の重要性を実感します。そういった現場での経験を受講生にもお伝えすることで、実践的な指導ができると思っています。
※JR東海との連携についてのプレスリリースはこちらをご参照ください。
——では、最後に産業ドローンに関心のある方や、新たに導入を考えている企業の方に向けてメッセージをお願いします。

中川さん:
わたし達はドローン業界の裾野を広げ、多くの企業や個人がドローンの可能性を最大限に活かせるよう、これからも支援してまいります。
当スクールで技術を学び、実務に使える知識と実践力をぜひ習得していただきたいです。
ドローンは、さまざまな社会課題を解決するための強力なツールになり得ます。その可能性を一緒に探求していきましょう!
菊地さん:
スカイピークは業務でドローンを導入したい方、実務レベルのスキルを学びたい方に最適なスクールです。講師陣の経験が豊富なので、「こういうことをしてみたい」という具体的な目標があれば、的確なアドバイスができます。
女性でドローンに興味を持っている方にも、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。実際の現場ではまだ女性は少数派ですが、仕事で活かせる知識と技術を丁寧に学ぶことで活躍できる分野だと思います。わたし自身も日々新しい経験を積み、成長を実感しています。
企業としてドローンを活用したい方や、産業分野でのドローンに関心ある方は、スカイピークにまずはご相談だけでも、お気軽に問い合わせていただければ嬉しいです。
スカイピーク代表のインタビューはこちら!
2017年7月に開校したスカイピークの認定ドローンスクールは、2018年6月に国土交通省の登録管理団体として認定されました。その後はスクール事業だけにとどまらず、ドローンの有効活用の推進や人材育成、環境整備など、ドローン事業を多角的に展開しています。 今回は株式会社スカイピークの代表取締役である高野 耀さんに、スクール開校の経緯やドローン業界の今後についてお話をうかがいました。
2025/05/07 13:22
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