来るべき「ソサエティ5.0」を前に、ドローン教習所や南大阪初のロボット導入拠点を有する挑戦的なまちです。
「コエテコ by GMO」はこのたび、そんな泉大津市と「グローバル人財育成事業に係る連携協定」を締結しました。調印式の様子をレポートします。
市長、社長からのごあいさつ
大阪府 泉大津市 南出 賢一市長
このたび、泉大津市はGMOメディア株式会社さんと協定を結ばせていただくことになりました。まずは、本日を迎えられたことを大変嬉しく思います。先日、2025年の万博(万国博覧会)の会場が大阪に決定しました。私自身もIT・IoTに関するトップ研修に参加しておりますが、総務省の方のお話を伺っていると、世の中を本気で変えようとしているんだな、という意気込みが感じられます。
この泉大津市も、世の中の変化に対応し、IT人材の育成・確保を進めていきたいと考えております。”形だけの協定”で終わるのではなく、実際にさまざまな事業展開をしていけることを楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
GMOメディア株式会社代表取締役社長 森 輝幸
私は、個人としては1996年、会社としては2000年からインターネットサービスを行なっております。当時は携帯電話もそこまで普及しておらず、たった20年で社会は大きく変化したのだなあと感じさせられます。今の子ども達が成長する頃には、今ともまったく違った世界が広がっているでしょう。以前は「読み・書き・そろばん」が基本的な技能とされていましたが、今後は「プログラミング」がそこに加わってくるかもしれません。
今回、私どもGMOメディア株式会社は泉大津市と協定を結ばせていただくことになりました。我々の経験を生かし、新しい時代を拓いていかれる泉大津市をサポートさせていただければと考えています。
先取のエネルギー
—このたび「グローバル人財育成事業に係る事業」において連携協定を結ばれました。まずは、初めて会ったときのお互いの印象を伺えますか。
とくに森社長は、隣の和泉市出身ということで、泉州地区には縁が深いと伺っています。
森社長:
そうですね。見たとおり非常にお若いだけでなく、活力にあふれた方だと思います。
渋谷で初めてお会いしたときにも「しっかりやろう」「変えていこう」というエネルギーを感じました。
南出市長:
先取のパワーを感じる方ですね。ご自身は泉大津の病院でお生まれになったとのことで、そうしたご縁も感じています。
気さくでありながら、世の中の見方、核心をつかむ力が鋭く、ものごとの本質が何か、これから何が必要なのかについて広い視野を持たれている。そんな印象です。
未知の時代には「思想」も必要
—今回の連携協定は「グローバル人財育成」がテーマですが、お二人が考える「今の子どもたちが身につけておく力」とは何でしょうか。
南出市長:
一言でいうと「生き抜く力」だと考えています。
自分の好きなことに情熱を傾け、それがひいては世の中のためになる。この激動の時代では、それが「生き抜く力」につながってくると思います。
スキルの面では、情報を咀嚼する能力も重要です。多くの知識をインターネットから得られる時代、情報を取捨選択する力は欠かせません。
加えて、手段としての英語も必要でしょう。日本語も当然大切にしながら、英語でもコミュニケーションが取れるようにしておくことは重要と考えます。
森社長:
一説によれば、今の小学生の6割以上は、現在は存在しない職業に就くと言われています。
以前の日本では、エスカレーター式のキャリア実現が一般的でした。人口が増え、経済が成長して国が良くなっていくというマクロ的に良いステージにあった。
皆と同じように、よい大学へ行って就職すれば定年を迎えられ、年金がもらえる。そういう時代だったと思うんですね。それが終焉した現代では、自らの力で生きていく力が問われます。
プログラミングは、決めた目的(ゴール)に向かってどう進んでいくかを考える活動です。同時に、その過程でエラーが起きたときの対処方法も学びます。
これこそが、文科省が提唱している”プログラミング教育を通して身につける力”であり、現代の子ども達が必要とする能力なのです。
南出市長:
森社長のお話を聞いて、ひとつ考えたのですが、
プログラミング教育には「論理的思考力」を育てるねらいがありますが、アウトプットするには同時に「感性」も大切になると思いますね。
感じたこと、考えたことを、論理的思考でもって形にしていく。
それがこの未知の時代を楽しく、幸せに生きていくための術ではないか。
森社長:
すでにヨーロッパでは「技術社会にこそ哲学が必要なんだ」という考え方が広がりつつありますよね。結局は、技術のベースになるのは価値観や哲学で、これがないといけないんだと。
南出市長:
アウトプットの前提になるのは思想・哲学ですからね。
まちとして、企業として
—2020年にはプログラミング教育が小学校で必修化されます。
市としては、どのような環境を整備していくことが重要と考えられていますか。
南出市長:
「本物に触れて欲しい」と考えています。必修化が決まったからやる、というだけではなくて、質の高い体験をし、その中から将来の選択肢が生まれてくる。楽しみながら技術や能力を磨く機会になってくれれば嬉しいです。
とはいえ、「餅は餅屋」ではないですが、必要に応じたプロフェッショナルとの連携も大事だと考えています。学校教育に留めることなく、まちとしてどうやって体現していくか。
今回の連携協定も、GMOメディアさんという「本物のIT企業」に触れてもらう取り組みの一環だと位置付けています。
—なるほど。
一方でGMOメディアでは、民間企業としてどのようなことが提供できるとお考えですか?
森社長:
私たちの運営する「コエテコ」という媒体には二つの役割があります。
一つはメディア。「プログラミング教育って何?」という方に具体的な内容をお伝えしたり、プログラミングの必修化がどういう意味を持つのか、情報発信をしています。
そして二つ目はポータルサイト。情報を見て、実際にプログラミングに取り組みたいと考えている方にお近くの教室をご案内できるようなサービスですね。
これら二つの役割を通して、多くの方がプログラミングに触れる機会を創出していけたらなと考えております。
ことし8月には「IT企業の職場体験」を開催
—今、南出市長から「民間と協力して」といったお話が出ましたが、今年の8月には泉大津市の小学生とその親御さんを招待するプログラミングイベントを開催しますよね。
参加する小学生に向けてメッセージをお願いします。
南出市長:
一言でいうと、大チャンス!(笑)
こういう機会にはなかなかめぐり合えないと思いますから、ぜひ楽しんで取り組んでいただければと思います。その中からプログラミングに高い関心を持ち、将来の夢につながっていくようなケースがあればとても嬉しいですね。
何事も触れてみるのが大切ですから、ぜひ「プログラミングが初めて」という方に来ていただきたいですね。そこで感じたものを泉大津に持って帰ってもらえたらなあ、と。
泉大津にはドローンの教習所(ドローングローバルスクール)、南大阪初のロボット導入拠点(HCI Robot Center)ができました。
HCI Robot Centerでは人と協働するロボットなど、最先端の技術を見ることができる
キャラメルをつまみ上げるロボット。つまんだキャラメルは器用にお皿の中へ
内閣府は科学技術政策として「ソサエティ5.0」を提唱していますが、ここ泉大津にも、今後の世の中に必要な技術を学んだり、触れたりする拠点ができたのです。
8月のイベントもそうですが、子ども達には、楽しく学びながら新たな時代への素地を培っていただければと思います。とても夢のある話だと感じ、期待しています。
森社長:
2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化しますけれども、どこまでやるべきかについては各学校に任されていますので、地域によって温度差が生じるかもしれません。
その中でも前原小学校(小金井市)や金沢市のように力を入れるところが出てきている。泉大津市もぜひ、大阪からのろしを上げていただければと思います。
ドローングローバルスクールでドローン操縦を体験する森社長
とはいえ、学校では先生方の「働き方改革」が課題となっており、体育の授業を外部のインストラクターに依頼するなど、先生の負担を減らす工夫が急務となっています。
民間企業が放課後の課外活動を無償でサポートしているような例もあります。私どももまた、民間と行政の架け橋となっていければと考えています。
—南出市長、森社長ありがとうございました。
イベント情報
連携協定に基づく取り組みの第一弾として、まずは「コエテコ」と泉大津市で展開するプログラミングスクール事業者が協力し、泉大津市に在住する小学生を対象とするプログラミング体験イベントを開催します。
合わせて、「IT企業の職場体験」として、GMOインターネットグループの大阪オフィスの見学会を実施いたします。
泉大津市×コエテコイベント開催概要
■日時 2019年8月3日(土) 時間
■会場 GMOインターネット大阪オフィス「シナジーカフェ GMO Yours」
大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB23階
■対象 泉大津市在住の小学生 ※小学生1名につき保護者1名以上の付き添いをお願いしております。
■応募方法 詳細が決まり次第、泉大津市のホームページに掲載いたします。
泉大津市ホームページ:http://www.city.izumiotsu.lg.jp/