開発/運営はソニーグループの教育事業を専門とする、ソニー・グローバルエデュケーション(SGED)。これからの時代に求められる力を強く意識しながら、子どもたちを惹きつける、ハードウェアと教材カリキュラムの設計が好評です。
インタビュー前編では、ソニー・グローバルエデュケーション 代表取締役社長の礒津政明さんにKOOVのコンセプトと特徴、その社会背景について、お話いただきました。
KOOVという教材はプログラミング教育に対するメッセージ ― SGED代表取締役社長 礒津政明
男女ともに人気があり、大手塾への導入も進むブロックプログラミング教材「KOOV(クーブ)」。今回は開発/運営元である株式会社ソニー・グローバルエデュケーション代表取締役社長 礒津政明氏にインタビューし、教材に込めた思いやウラ話などを語っていただきました。
この記事をcoeteco.jp で読む >今回は、エデュケーション エヴァンジェリスト 清水輝大(しみず・てるひろ)さんにインタビュー。
具体的なカリキュラムの内容を整理しつつ、KOOVのロボット・プログラミング教室で身につく力や、先生と子どものあるべき関係について教えていただきました。
青森県立美術館やはこだてみらい館など、全国の美術館・科学館でミュージアムエデュケーションを担当ののち、現職。
KOOVを使ったカリキュラム開発や、SONYの教育イベント「Sony STEAM Studio」企画を担当。明治学院大学非常勤講師。
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この記事をwww.koov.io で読む >創造力を養うための原体験を作る
— 2020年より、小学校からプログラミング教育が必修化されますが、特に低学年からロボットプログラミングを始めるメリットは何でしょうか。清水:
KOOVを使ったプログラミング教育のゴールとして、プログラミングスキルの習得に加えて、創造力の育成を掲げています。
KOOVのプロジェクトを通し、大手学習塾やスポーツメーカーなど様々な企業さまとお話しする機会があるのですが、それぞれ立場は違うけれども、共通の課題として挙げられるのは「子ども達に、イメージを膨らませるための、実世界での原体験が少なくなっている」ということでした。
インターネットやゲームなど、「情報が向こうからやってくる」ものに触れる機会が多くなる一方、「自分で情報を取りに行かなくてはいけない」身の回りの物理的な動きや現象に触れる機会が減っているのは事実です。
そうなると、たとえば学習塾でいえば、昨今中学入試などで出題されることが多くなった「思考力を問う問題」に対応することが難しくなるそうです。
思考力問題はいかに多くの仮説を出して試行錯誤できるかが大切なのだそうですが、源泉となる原体験がないとそもそも現象を体感的にイメージできないため、どう仮説を出して試行錯誤すればいいのかを考えることが、難しくなるんですね。
スポーツの分野でも同様のことが、「体の動かし方をイメージする」というところで言えるようです。
そういったお話からも、現代に求められるようになった「クリエイティブな能力」を養うためにはその前段階、原体験を早い段階から作っていくのが大切だと考えています。
KOOVはプログラミングとブロックで物理的に開発に取り組みますので、課題に対し、与えられた環境をよくみて、そこで実際に機能するものを開発していく必要があります。
リアルワールドには、バーチャルワールドだけでは得づらい「質の高い不測の事態」がたくさん隠れていますので、環境や失敗の原因を「よくみて」考える必要があります。
そのため、KOOVの講座を経験すると、日常生活においても、身の回りでおきていることを「よくみるクセ」がついていくと考えています。
授業→日常→授業のつながりでサイクルを回す
—創造力育成の始まりとしての身近な原体験をたくさん見つけるために「よくみる」を育てると。清水:
はい、発達段階に応じて様々学習効果は想定していますが、とくに早い段階では、とても大事な要素だと思います。
たとえば、抽象的に「ぐるぐる回るものを表現したいな」と思っても再現するのは意外と大変です。
速さはどれくらいで、何秒間動かせば「イメージ通りのぐるぐる回るもの」になるのか。
何となくのイメージをプログラミングとブロックで形にするには、動きを細分化して規定し、具体的に落とし込まないといけない状況になります。
自分のイメージが、全然細部まで及んでいなかった、なんてことに気づいたりもします。
このような一連の活動で、普段は見過ごしてしまっていたような、身の回りの「自分にしか見つけられないワクワクポイント」を、たくさん、じっくり見つけられるようになってくれればいいなと思っています。
さらにKOOVは随所に、男女問わず子どもたちが触りたくて仕方なくなる工夫がされていますので、個性あふれる開発に没頭して欲しいと思っています。
カリキュラムは課題の「決められたやるべきこと」と「余白」のバランスを重視
—KOOVは教材とカリキュラムをセットで提供していますね。内容を具体的に教えていただけますか。清水:
カリキュラムでこだわったのは、課題の「決められたやるべきこと」と「余白」のバランスです。
創造性を育むには、授業に、子どもたち自身が自発的に思考するための、適度な余白を残す必要があると思っています。
時間いっぱいやることが決まっていては、受動的な受講態度になってしまう可能性があります。
一方で余白ばかりでも、子どもたちはとっつきにくかったり、ただなんとなく遊んで終わり、みたいなことになってしまう。カリキュラム設計ではそのバランスに気を配っています。
「レッスン」はアプリを見ながらプログラミングを学んでいく内容、「コンテスト」は与えられた課題を自分なりにどう解決するか?を考えてもらう内容です。
それぞれ詳しくご説明します。
レッスン
「レッスン」ではアプリに沿ってプログラミングを学びます。カリキュラムの一覧(一例)は以下の通りです。ユニークなポイントとしては、アプリに従って組み立てるとあえて「想定とは違った動きをする」工程が含まれています。
どうしてうまく行かないんだろう?と考え、試行錯誤する練習をしてもらうのがねらいです。
コンテスト
「コンテスト」はよりチャレンジングで、与えられた課題をKOOVで解決する方法を考えてもらいます。先ほど申し上げた通り、KOOVにおいて、プログラミング教育の目的は単なるプログラミングスキルの習得ではありません。課題を自分なりに見つけ、どう解決するか試行錯誤しつつ創造性を育むのがねらいです。
課題例としては「落とせ雪かき」があります。
机の上に雪に見立てたブロックを撒いて、KOOVを使って一つでも多くブロックを落とせるマシーンを開発したチームが勝ち。
ルールが単純明快のため、子どもたちは瞬間的に開発に没頭し、最後の試合は非常に白熱します(笑)。
課題の質は子どもの「課題を乗り越えようとする意欲」に直結する
—コンテストの課題設定はどのようにされているんでしょうか。清水:
課題の設定にはこだわっていて、子ども達の「やりたい!」に沿ったテーマにしています。
たとえば先述の「落とせ雪かき」では、開発した雪かきマシーンが、試合をする雪かきフィールドの机の段差に引っかかって動かなくなってしまうということがよくあります。
この失敗を、単に段差のせいにして諦めてしまうのではなく、「これをどう乗り越えてやろうか?」と、子どもたち自身がより自発的・意欲的に考えられるような環境を整えたいと思っています。
またたとえば、まずこのようなコンテスト形式の授業を実施し、そのあとにレッスン形式の授業を行うことで、「あのとき、この機能を知っていたら勝てたのに!」「次はこれを使おう!」と、学びをより実践的に捉えることができ、自分のものとしてプログラミングスキルを習得できる効果もあると考えています。
ファシリテータ(先生)が子どもとの健全な関係性をきちんと作ること
—清水さんは授業も担当されていますよね。声かけで気をつけていることはありますか。清水:
いかに自然に子ども達に寄り添う存在になれるかを大切にしています。
褒めるのはもちろんですが、関係性をきちんと構築した上で、僕自身が「変だな」とか「不十分だな」と思ったこともきちんと伝えるようにしています。
例えば、先日はKOOVでお掃除ができるマシーンを作った子がいました。
たしかに形もコンセプトも面白いんだけれど、実際に動かすとぜんぜんゴミが取れなかった。
たしかにKOOVはプロトタイプを作ることに近いのですが、極端な言い方をすると、プログラミングでモーターが動いただけのものを「すごい」と褒めるだけでは「なんだ、この程度でいいんだ」と思ってしまい、それ以上の学びの機会を逸してしまう可能性があります。。
たとえば「ん?かっこいいけど、ぜんぜんゴミとれてなくない?」と声をかけると、もっとゴミの特性について考えたり、マシーンのアップデートをしようとしたり、自分一人で学ぶよりも、より思考が深まるのだろうと思います。
ただし、完成度の高いものを作れ、という意味ではありません。あくまで、子どもの思考フローの質を高めたいのです。
必要なプログラミングスキルの習得については基本的にKOOVアプリが担えるよう設計していますので、指導側の大人は、プログラミングスキルを教える存在というよりも、むしろ、子どもたちが安心して試行錯誤できるための「一緒に悩んだり、考えたりする」存在になってほしいと思っています。
—ロボット・カリキュラムともに、本気で子どもに向き合う姿勢を徹底されているのですね。清水さん、ありがとうございました。
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「これからの時代に求められる力を身に付けること」と「子どもたちを惹きつける」を両立したKOOV(クーブ)。創造力と試行錯誤のマインドセットの育成というゴールが、授業カリキュラムにしっかりと落とし込まれていると感じました。
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