家庭教師のトライが主催するKOOV™を使ったロボット・プログラミング教室1日体験イベントに行ってみました。
2017年11月から、全国197教室で一斉に開講しました。なぜ、今ロボット・プログラミング教育が注目されるのか? KOOV™(クーブ)を使った独自のカリキュラムって、何がすごいのか? トライさんのトライに取材をトライしてみました。
1)ロボット・プログラミング教育はなぜ必要なの?

社会の変化を捉え時代のニーズに応えることのできる人材育成を目指すため、学校の教育課程の見直しが進んでいます。その中の一つが「プログラミング教育」。文部科学省では小学校の新しい教育課程として2020年からの実施を目標に準備を進めています。
でも、「全ての子どもをプログラマーにする必要があるの?」、「IT系に特化した教育が、小学生に必要なの?」と, 親御さんから見ればいまひとつプログラミング教育の重要性がつかめない人も多いかと思います。
しかし、知りたいことは「ネットで検索」、友人とのやりとりは「SNS」と、世の中はデジタルやIT技術で支えられていることに気づきます。今後さらに技術が進化することが予想される中、親としてどんな教育を子どもに準備してあげたらよいのでしょうか?
2)トライ式ロボット・プログラミング教室の体験説明会にGO!

そんな疑問に、ユニークなCMでお馴染みの「トライさん」が答えてくれました。家庭教師のトライが主催する「ロボット・プログラミング教室」は、2017年11月から全国で一斉に開講。KOOV™というソニー・グローバルエデュケーションが開発した可愛い透明ブロックを教材として採用し、注目を集めています。
訪れたのは「MyVillage新豊洲校」の1日体験イベントです。ちょうど、小学生と幼稚園の男の子とその保護者が参加していました。
難しそうに見える操作でも、意外と簡単にやってしまう子どもの姿に、保護者の皆さんは驚き&感動! 思わずスマホを取り出して、その雄姿をバッチリ収めてほくそ笑んだりしていました。
参加した小学生の男の子のお母様は、「プログラミングがどんなものか、私自身もよく知らないまま参加したのですが、子どもと先生のやりとりを見ていると、『身近なものを動かす仕組みを作ることだ!』と理解出来ました」と、子どもと一緒に作業をしながら教えてくれました。
余談ですが、大人でも理解が難しいプログラミングの概念を、子どもに分かりやすく伝えるために、身体をはったお芝居で説明する先生方に感動を覚えました。先生の楽しそうな演技に、教室の雰囲気の良さを感じさせます。安心して子どもを任せられる先生かどうかも、教室選びに大切なことですね。
3)親のやる気も引き出す先生の熱演に感動!

お芝居の再現を文字で出来ないのが残念ですが、説明を要約すると以下のようになります。
〇人間とロボットの違いから、プログラミングを理解する 例) 先生に「私の持っているペンを、取ってください」と言われたら? 「人間」⇒言葉を理解し動く⇒ペンを取る 「ロボット」⇒?(動かない)⇒動かすための具体的・論理的な指示が必要 指示 : そこから10歩前に進む、止まって右手を90度上げる、ペンに触れたら指で握る <先生の説明> このロボットの各動作指示(赤字の部分)の組み合わせがプログラミングと呼ばれる部分です。動きの組み合わせが悪いと、変な方向にロボットは行ってしまいます。 物事の順番を整理して指示を出すことは、理論的に考える力に結びつきます。この力は子どもの学力向上の面でどの科目にも役立つと感じます。 |

子どもは様々な遊びや経験から、直感的に「こうすればよい」を学んでいます。でも、それを「どうしてだろう」と考えることはあまりしませんよね。
プログラミングを学ぶということは、「どうしてだろう」を考える力が自然と身に付いていくというわけなのです。
この力が身に付けば、子どもは課題や問題に直面したときに、解決をするための方法をいろいろと考えるようになります。これは、どんな勉強にも良い影響が期待できそう。なんだか「子どもが数字漬けにされそう!」と思っていたプログラミングの学習ですが、小学校からこそ始めたい習い事ですね。
4)トライ式ロボット・プログラミング教室の特徴

文科省の方針もあり、子ども向けロボット・プログラミング教室はトライさんだけでなく、さまざまな企業や塾で実施されています。そして教室には、それぞれ特徴があります。
このトライグループのロボット・プログラミング教室の特徴はどんなところでしょうか?1日体験イベントの内容をまとめてみました。
1トライ式完全オリジナルカリキュラム
まず、KOOV™を開発したソニー・グローバルエデュケーション監修の問題を含めた、オリジナルテキストの魅力が挙げられます。テキストには、細かい文字説明等はほとんどありません。子どもがテキストを見た瞬間に「難しそう!分からない!」といった具合にならないように、配慮されているのです。1クラス10人という比較的少人数のクラス設定なので、テキストを読んで終わりではなく、分らないところや気になっているなと先生が思うところを子どもと向き合って指導する方針で、コミュニケーションを重視しているそうです。
2 初級、中級、上級、チャレンジ級と半年でステップアップ
第1~8回<初級編> 基本的な電子パーツとプログラミングを学ぶ。 【ポイント】 電子パーツ/サーボモーター、DCモーター、LEDなど 関数/Loop制御、if文 |
第9~14回<中級編> 応用的な電子パーツとプログラミングを学ぶ。 【ポイント】 電子パーツ/赤外線フォトリフレクタ、プッシュスイッチなど 関数/変数、乱数の考え方 |
第15~20 回<上級編> 複雑な動きをするロボット作りに挑戦する。 【ポイント】 電子パーツ/加速度センサーなど 関数/学んだ内容の応用 |
第21~24回<チャレンジ編> オリジナルロボットを自分の力で作る。ロボットの設計図から組み立て、プログラミングにチャレンジ。最後は保護者も参加する発表会を開催。 【ポイント】 学んだことの応用と理解度の確認 |
1コマ90分の授業を全24回、半年で進めるカリキュラムです。週1回の1コマ90分コースと、隔週で1回2コマ180分のコースがあります。
どちらも、前半1コマでロボットを制作し、後半1コマでプログラミングをして動かしてみるといった進め方です。1日体験イベントでは、時間の関係でロボットが半分以上組み立てられていたので、短い時間でも子どもたちはプログラミングまで体験することができました。

3ロボットはKOOV™のブロックで作る

ロボットはKOOV™のブロックで制作します。イベントでは列車を作りました。ブロックの組み合わせ方次第でオリジナルの列車が出来上がったり、半透明で見た目にも綺麗で可愛いKOOV™は、子どもの遊び心を刺激するようです。
KOOV™は市販もされているので自宅で学習することも出来るのですが、友だちや先生と見せ合ったりしながら作るほうが楽しく学べますよね。
4直感的なKOOV™で学ぶるプログラミング

プログラミングはKOOV™のアプリがインストールされたiPadを利用します。プログラミング言語は、オリジナルのビジュアルプログラミング言語が採用され、iPad画面上で指を使って簡単に操作が出来る仕組みになっています。
体験イベントに参加している子どもたちも、何度かいじっているうちに直感的にプログラミングを作ることができるようになりました。子どもの頭って本当に何でも吸収していきます。
作ったプログラムは、ロボットの頭脳で本体に取り付けられたコアという部品へ送信します。すると、プログラムを受信したコアが、接続するサーボモーターやブザーといった電子パーツに指示を伝えてロボットが動きだすのです。本当に簡単でシンプルなのですが、C言語やJavaなどのプログラミング言語の基礎を学ぶことにもつながるといいます。
そして、KOOV™の優れている点は、子どもが使うことを考えて、コアと電子パーツを接続するケーブルが間違えて差し込めないようにするなど工夫されていることです。開発者の優しい心使いが、製品のところどころに感じられます。
5遊びで終わらせないための指導

体験したことを、遊びで終わらせないところも、トライグループの教室の特徴として挙げられるでしょう。「マンツーマン教育にこだわった指導ノウハウを活かし、子どもたちのやる気を引き出す」という理念をベースにした教室運営を感じました。
そして今回のイベントで印象的だった先生の言葉は、「プログラミングを教える教室ですが、IT技術者やプログラマーといった職業を目指す教室ではありません。ブロックを利用し、楽しみながら空間把握能力を向上させたり、プログラミングを通じて『どうしたら、こうなるのか?』を考え、理解力や論理的思考を身に着けさせることが目的です。
このような能力は、今後の受験や就職に必ず役立ちますし、その後の人生においてもプラスになるはずです。ですから、ここはどんな子どもでも、やってみたいと思わせるような楽しくて易しい教室を目指しています」というところでした。
要するに、身近なものが動く仕組みや、そのためのロジックを知れば、毎日いろんな発見があるよと、どんな子どもにも教えたいということなんですね。もしかしたら、ブロックが可愛いからと通い始めた女の子が、それがきっかけの一つになって、将来新しいタイプのリケジョ(理系女子)になるかもしれません。
2017年10月からロボット・プログラミング教室として本格的に生徒募集を開始した教室なので、まだ実績がなく指導全体の評価を出すことは難しいのですが、プログラミング教育の先にある子どもの未来を見据えたカリキュラムは注目したいところです。

編集部コメント
子どものロボット・プログラミング学習とは、モノが動く仕組みを学び、そこからモノつくりの基本を知るための学習です。それはあらゆる産業の中心的役割を果たす工学系の学問分野につながるのですが、トライグループのロボット・プログラミング教室はそこだけを目指すものではないということがポイントです。
AI技術の発展に伴ったロボットの高性能化で、医療、建築、教育と様々な分野でロボットの活用が進んでいます。プログラミングの内容は、携わる仕事によって複雑なものから単純なものまで千差万別。トライでは、そんな様々な仕事や環境に対応できる子どもの能力と、可能性を広げる場としてロボット・プログラミング教室を展開していきたいと、体験説明会で語っていました。
親も、ロボット・プログラミングという言葉に惑わされるのはなく、子どもがロボット・プログラミングのどこに興味を持っているのかを見極めていきたいものです。特に強い関心を持ってる様子ではないけれど、子どものやる気を引き出すきっかけ作りとしてロボット・プログラミングに挑戦させたいという場合、トライグループのロボット・プログラミング教室はおすすめできます(逆に言うと、メカマニアな子どもには物足らないかもしれませんが…)。
また、ロボット・プログラミング教室は地域によってかなり温度差があるとのことで、直営方針で事業を展開するトライグル―プでは、この温度差にどう対応していくかといった、ローカルプロモーションが課題と述べていました。しかし、全国どこでも同じスタンダードの授業を受けることが出来るというのは、どんな子どもにも授業の質をキープ出来るという点では、メリットともいえます。
1日体験イベントは全国の各教室で随時開催しているそうなので、興味があれば一度親子で参加して、子どもの反応を確かめてみるのもよいかもしれませんね。
【親が気になる、授業料】
小学生の習い事の平均費用が15,300 円/月(ベネッセ学校外教育活動に関する調査 2017)という数字で比較すると、KOOV™の教材費を含めた場合若干高めに感じます。
ただ、ロボット・プログラミング教室に、一番興味を持ちそうな小4~6年の場合の同調査の平均費用が17,866円/月なので、標準的な料金といってよいでしょう。KOOV™は分割払いもでき、教室で使用するiPadはレンタルで授業料に含まれているということです。
■レギュラーコース(6ヶ月)
Ⓐ 90分×24回のパック(週1回コース)
Ⓑ180分×12回のパック(隔週コース)
※Ⓐ・Ⓑは開催教室により異なる
・受講料(Ⓐ、Ⓑ共通):16,200円/月(テキスト代込)
・KOOV™代金:48,600円※KOOV™は持ち帰り可です。
<トライ式プログラミング教室>
https://ac.affitown.jp/0f9D5dacD14cec65/cl/?bId=fH1264g5programming/
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