オンラインでの学習指導はどうしたらいいの?学校ホームページを利用した千葉大学教育学部附属中の例を紹介

オンラインでの学習指導はどうしたらいいの?学校ホームページを利用した千葉大学教育学部附属中の例を紹介
新型コロナ肺炎による休校措置が延長された学校も多いですね。

オンラインでの対応を進めている学校も多いことだと思いますが、実施方法に悩んでいる教育関係者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、千葉大学教育学部の藤川大祐教授に、千葉大学教育学部附属中学校での学校ホームページやZoomを活用した対応について教えていただきました。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

千葉大附属中では、学校ホームページを利用して課題や連絡事項のやりとりをしているそうです!

学校HPでの情報共有やZoomを活用した学級活動

早期にオンラインでの対応を行っている千葉大学教育学部の藤川大祐教授にお話をお伺いしました。

千葉大学教育学部教授・藤川大祐先生


藤川先生は千葉大附属中の校長もご担当されています。

まずは、千葉大附属中ではどのような取り組みを行っているのかを教えていただきました。

学校ホームページでの課題や体調チェック

千葉大附属中では、主に学校ホームページを利用して生徒と学校でやりとりをしているそうです。
学校のある平日朝9時にホームページを生徒たちが確認できるように、前日までに連絡事項を先生たちが更新しておくようです。

また、連絡事項のほかに各クラスごとのページに課題や学級通信もアップロードされます。
さらに体調チェックを報告するフォーム各学級の担任や教科担当への相談ができるフォームも用意しています。
ライター・千鳥
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不安定な時期ですし、フォームを使って気になることや悩み事も電話よりも気軽に相談ができそうですね!

Zoomでの学級活動

さらに、任意参加でZoomを活用した学級活動を行っているそうです。

Zoomを使うと、参加者全員の顔を簡単に閲覧できることが魅力的だそうです。
千葉大附属中では、教育用アカウント20アカウントを購入して運用しているようです。
ライター・千鳥
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Zoomのビデオチャットのルームには専用リンクがあれば入室できます。
そのため、メールアドレスのアカウント管理をする必要のない点も魅力的だそうです。

また、不登校気味だった生徒がZoomの学級活動に参加できた例もあったとのことです!

「できることをやる」をモットーにオンライン化に移行

早期にオンライン化に移行。学校再開後も分散登校を実施予定

千葉大附属中は、国立の中学校ということで遠距離で通学している生徒も多いことから、早期の休校を実施しました。
2月27日に首相によって休校要請をする方針が表明されました。

そこで、千葉大附属中では2月28日は休校前の最後の登校日とし、1時間ほど生徒の登校時間を遅らせました。
そして、管理職側が各教員の意見を聞く時間をつくり、その日は学級の活動にあてる日となりました。

その後、同校ではオンラインでの学習指導の準備を開始しました。
3月中はできることから順に取り組んでいくこととしたようです。

また、6月1日からは、マスク着用、生徒間の距離の確保、消毒の徹底等の感染対策を前提としたうえでの学校の再開を予定しているそうです。
各学年4クラスについて、午前のみ登校するクラスを2クラス、午後のみ登校する2クラスとなるようにし、多くの授業をクラスの半分ごとに行う分散登校を4週間実施予定とのことです。
この期間は、自宅での学習も含めての学習指導を続けていくようです。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

管理職が対応を一方的に決めるのではなく、ボトムアップ式で各教員の声を取り入れるようにしたとのことです。

ノウハウの共有

オンライン化をするにあたり、学校としてのチームワークを大切にしているとの話もありました。

千葉大附属中では、各教員が作成した教材や学級通信などを相互に閲覧できるようにしています。
また、全教員へのメールで各先生の面白い取り組みやノウハウを共有し、役立てているようです。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

長期でのオンラインでの学習指導は初の試みですし、各先生の取り組みを参考にできると効果的な指導ができそうですね。

ネット環境がある家庭はほぼ90%。困っている家庭は適宜サポート

次に各家庭でのネット環境についてお伺いしました。

千葉大附属中では、4月の半ばに各家庭にアンケートを実施しました。
その中で、約90%以上の家庭でネット環境が整備されていることがわかりました。

しかし、ネット環境がある場合でも、きょうだいがいる家庭では1台しかパソコンがないために利用時間が重なってしまう問題がありました。
そこで、学校として保管している生徒用タブレットを貸し出す対応をしました。
実際には、希望者約40人に貸し出しを実施したようです。

また、実際の利用者は少ないものの、ネット環境がない家庭に関しては紙やFAXなどでの課題提出を認めるようにアナウンスしているようです。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

たしかに、きょうだいやPCを使う家族がいると、決められた時間でのオンラインでの学級活動の参加や課題提出が難しい場合もありますよね……。

千葉大附属中では120台の生徒用タブレットを所有しており、そのうち希望者への40台程度の貸し出しで問題なく指導がされているようです。

各学年ごとの不安や課題も

緊急事態宣言から数週間経ち、解決した問題や引き続き抱えている問題をお伺いしました。

附属中の場合は、ネット環境が使えない家庭へのフォローをしていることもあって、運用に関しては大きな問題はないようです。

ただ、4月から入学した1年生は、教材を受け渡しのためには分散登校としたため、いまだに同級生との顔合わせができていない状態になっています。
学校としては、Zoomや学級通信で自己紹介をする機会を設けるなどの対応をとっているとのことです。

また、3年生の場合は最高学年だからこその課題があるようです。
志望校の見学や生徒会選挙の実施ができない状況だそうです。
さらに、学校行事や部活動が実施不可であることで、最高学年として下級生を引っ張っていく役割を担う場が縮小されてしまいます。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

感染症拡大予防とはいえ、最高学年だからこそ経験できる役割を果たす機会が減ってしまうのは悲しいですよね……。

オンラインでの学習指導で注意する点

最後に藤川先生にオンラインでの学習指導に移行するにあたり特に意識した点を教えていただきました。

方針決めを早くする

千葉大附属中では、学校としての方針を各家庭に早期にアナウンスしています。

休校期間の学習に関して補習はあるのかどうか、課題の提出方法、休校措置の延長、ネット環境の整備といった対応方針を、いち早く学校から家庭に伝えることが重要です。
生徒や保護者の不安を減らすことができますし、意思決定を早くすることで信頼構築にもつながります。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

ただ休校が続くと保護者としても不安ですよね。
学校としての基本的な方針やスケジュールの見通しを共有することが大切とのことです。

学校とのつながりを絶やさない

次に、学校と生徒のつながりを絶やさないことも重要です。
千葉大附属中では、情報をアップロードする時間を平日の朝9時と定めています。

平日は、少なくとも1日1回は学校から生徒へ何らかのアプローチを行うことを意識しているとのことです。

また、アンケートの実施や心配事があれば個別に電話を受けたりする対応を通して生徒をフォローしているようです。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

各学校によって取り組み内容は異なるとは思いますが、学校から生徒が孤立しないようにすることが大切なのですね。

過度な平等主義を避ける

さらに、千葉大附属中では、オンライン化の対応の際にはその時にできることを優先して実施してきました。
「1人でも実施できない人がいたらやらない」という過度な平等主義を避けるように意識してきたそうです。

早急な対応が求められる状況ですので、大多数の生徒が実施できるならばオンライン化などの新規対応を導入し、実施に問題のある生徒については個別対応を検討する方針であるそうです。

さらに、公立学校の場合は、学区制である場合が多いので、ネット環境の整備が難しい家庭に関しては課題やプリントのポスティングも実施できそうとのアドバイスをいただきました。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

家庭での学習指導下において、どの生徒も同様に実施可能な対応をとるのは現実的に難しいので、できるところから対応を進めることが重要なのですね。

まとめ

臨時休校での対応に対しては、その時にできることを見極めて対応することが重要です。

学校ホームページの活用やZoomなどを利用してオンラインで顔を合わせることで子どもたちと学校とのつながりを絶やさないようにすることも大切だそうです。
ライター・千鳥
ライター・千鳥

緊急事態下において、できることから率先してオンラインの学習指導対応をすすめてきた千葉大附属中の例を紹介いたしました。
各学校の実態に合わせてできることから対応を検討・実施していくことが重要なのですね。
現在、オンラインでの学習指導に悩んでいる教育関係者の方の参考になれば良いと思います!

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