早稲田大学×Crefus(クレファス)|「未来を創る力」早稲田大学 高西教授が語るロボット教育とロボット科学教育Crefus(クレファス)の意義

早稲田大学×Crefus(クレファス)|「未来を創る力」早稲田大学 高西教授が語るロボット教育とCrefus(クレファス)の意義
数々の革新的な研究で知られるロボット工学の権威、早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科の高西 淳夫 教授 (日本ロボット学会/日本機械学会フェロー・IEEEフェロー)。2足歩行ロボットからヒューマノイドまで、さまざまな研究開発に携わり、また教育者として次世代のロボット工学を担う人材を数多く輩出してきました。

そんな高西教授に、ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長がお話を伺いました。

ロボット科学教育Crefus(クレファス)は子どもたちがロボット・プログラミングを通じて理数的思考や論理的思考、問題解決能力を楽しみながら育む教室です。このインタビューでは、子どもたちの創造性を育み、未来への可能性を広げるロボット教育の意義について探ります。



2足歩行からヒューマノイドへ「最先端ロボット研究の歩み」

左:ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長 右:早稲田大学創造理工学部総合機械工学科 高西淳夫教授


ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

最初に、高西教授のご研究分野や2足歩行ロボットの最新研究状況についてお話いただければと思います。

高西教授:私の研究は人型ロボット、ヒューマノイドと呼ばれる分野が中心です。歩いたり走ったりする動作の研究をはじめ、感情や情動を表出するロボットの開発も行っています。人型をベースにさまざまな展開をし、一部は製品化も実現しています。

私の指導教授だった加藤一郎先生は、ヒューマノイドロボット研究の草分け的存在として知られ、日本のロボット工学を世界的な水準に引き上げた工学者です。

1960年から70年頃、日本が急速に工業化され経済成長を遂げていた時代に、加藤先生はその先にある未来を見据えていました。そこで「工場の自動化が進んだ次の段階は、人間がこれまで担ってきたサービス業務を行うロボットだ」と加藤先生は考えたのです。

たとえばレストランで食事をサービスする人の動きを、やがてロボットが行えるようになると思ったわけです。

サービスする人の足の動きを知りたくて、最初は片足がぶら下がったようなメカを作り、それを空中で動かして人の動きに似せました。股関節、膝関節、足首関節がどう連携して動いているかを考え、ある程度わかってきたらそれを2個作ってくっつけて歩かせてみる。そして下半身である程度動くようになったら、それに上半身をつけて、今や全身のヒューマノイドロボットへと発展しました。

人間型サキソフォン演奏ロボット(WASシリーズ)


写真提供:早稲田大学 理工学術院 岩﨑清隆研究室



2足歩行ロボットの「2足」に至るまででも、とても長いプロセスがありました。今では楽器を演奏するロボットや医療ロボットなど、応用範囲も広がっています。

ロボットxプログラミング教育の可能性


ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

人型ロボットも、さまざまな領域で存在感を増しているのですね。生成AIも本当にあっという間に浸透し、短期間で急激な変化が起きる、こうした時代において、ロボット科学教育Crefus(クレファス)の教育についてはどのようにお考えですか?

高西教授:今の子どもたちが大きくなって社会に出るときには、これまで以上にプログラムが世の中にあふれていて、エンジニアであれば当然身につけていなければならない常識になると思います。そのため、プログラミングは非常に重要な技術知識のひとつになるでしょう。

私は機械工学科出身なので、本来は情報処理を全く教わらなかったのですが、ロボットをやろうとした途端に、コンピューターがないとロボットの機能を広げられない、思い通りに機械を動かせないことに気づきました。

ロボット開発において、プログラミングは欠かせない要素です。

たとえば加藤先生のプロジェクトとして、1970年代に先輩たちが開発した早稲田大学のWABOT(ワボット:世界初のフルスケール人間型ロボット)には、人間の目にあたるカメラが装備されていました。当時、高西自身はまだ入学前で参加していませんでした。
このカメラで捉えた映像信号をコンピューターで処理して、ロボットの動作に結びつけるんですね。

銀行のシステムや事務処理にはコンピューターが使われ始めていましたが、物理的な機械を制御するために使うという考え方は、まだ一般的ではなかった時代です。

加藤先生は早稲田の電気工学科出身で、機械工学科の教授になりました。まさに現在でいうメカトロニクス(※機械工学と電子工学を組み合わせた技術)を体現した研究室だったのです。

コンピューターに「こうしなさい」と指示を出し、それによって機械が動く。今では子ども用のロボットキットでも当たり前のように使われていますが、そこに至るまでには数多くの挑戦と失敗がありました。

出典:早稲田大学理工学術院 高西淳夫研究室公式サイト

科学が「なぜそうなるのか」という未知の現象を解明することに重点を置くのに対し、工学は「どうすれば実現できるか」という実践的な課題解決をめざします。わたしはよく「工学は人類を幸せにするもの」と表現します。

たとえば病気の治療法や橋の架け方など、人々の生活をより良くする技術の開発です。ロボットプログラミングもまさにこの工学的アプローチのひとつです。

プログラミングを学ぶことで、アイデアを形にする方法を身につけ、誰も実現していない新しいロボットを開発するような創造的な挑戦ができるようになります。このような問題解決型の思考は、子どもたちの将来において非常に価値のあるスキルになるでしょう。

体験型学習と問題解決能力の育成


ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

ロボット科学教育Crefus(クレファス)でも問題解決能力の育成や体験学習を理念としていますが、手を動かしてロボットを作り、失敗と成功を繰り返す意義についてどのようにお考えですか?

高西教授自分の手を動かして、目で見たり指で感じたり、音を聞いたりする体験をベースに学んだ知識や技術は、単に本を読んで得られた知識とは全くレベルが違います。

失敗して、その後うまく動いた時の喜びは絶対に忘れないものです。

完成したものの背後にどのようなメカニズムがあるのかを、年齢や経験を重ねながら理解していくプロセスを積み上げることが大切です。その過程でたくさん失敗すると思いますが、その失敗も将来失敗しない自分につながると考えるといいでしょう。

早稲田の理工には機械工学系の学科が2種類あります。私達の総合機械工学科では、先に経験・体験した後に理論を学ぶ、あるいは経験や体験と並行して理論を学んでいく方法をとっています。そのため、実験・実習科目も入学してすぐから行います。

それは、私達が子どもの頃に比べて、いろんなものが自動化されすぎていて原理に触れる機会が減っているからです。

私が子どもの時は時計の裏を開けると中身が見えましたし、ラジオやテレビも裏を開ければ真空管が入っていました。テレビが壊れると修理の人が来て、その場で直す様子を見ることができました。

しかし今は残念ながらそうした機会がほとんどありません。ですから学生たちにまずは体験させておかないと、テキストを開いて数式を学ぶだけでは現実の問題と繋がらないのです。手を動かし、体験を通じて学びを深める必要があります。

もうひとつ、とても重要なのは論理的な思考です。

AとBが達成されたらどういう理由でCになるのかを的確に判断できることが重要になります。そのベースになるのが広い意味での算数や国語です。物事を客観的に、かつ論理的に判断していける力を身につけることは、どんな分野でも大いに役立つでしょう。

そして自分で判断ができないときは、専門家や友だちと教え合うなど、チームワークも大切です。ひとりではできないことも、みんなの力で達成できる体験を積んでほしいですね。

幼少期からのプログラミング学習の意義


ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

ロボットとプログラミングを幼少期から学ぶことについてはどうお考えでしょうか?

高西教授:絶対にやらせるべきだと思います。子どもは自分がやりたいことをイメージとして持っていますが、それを実現するためのスキルが足りないとうまくいきません。

プラレールで遊ぶ子どもたちは多いですね。レールと組み合わせて、駅を作ったり自動車と一緒に動かしたりして、自分のやりたいことを実際に組み立てながら実現していきます。

イメージと現実のものを合わせていく過程で、スキルが足りないとうまくできないことがよくあります。そこで子どもたちは一生懸命勉強したり別の方法でスキルアップしたりします。新幹線の事故のニュースを知ると、自分が経験しているプラレールの新幹線と関連付けて「ここが外れちゃったんだね」などと考え、社会の様子とも関わりながら知能やスキルをアップさせていくのです。

子どもたちがプログラミングの世界に入っていくと、論理的思考力が自然と育まれます。

プログラムは「もしこうなったら、こうする」という条件分岐の連続です。この考え方は問題解決においても非常に役立ちます。何か課題に直面したときに、それを分析して解決策を論理的に組み立てる思考プロセスが身につくのです。
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

そうですよね。ロボット科学教育Crefus(クレファス)は、画面上だけでプログラミングを行うのではなく、ロボットプログラミングを通して楽しみながら、自分自身や身の回りのさまざまな事象への興味・関心の芽を育て、それを伸ばす力を身につけることを根幹の理念としています。実際に体験(ハンズオン)を通して得られる知識の裏付けは、物事への理解力を深め、そこを起点とした思考力を磨くことにつながります。


今は、ビジュアルプログラミング、ブロックを組み合わせるようなツールもありますね。ブロックダイアグラム、もともと数学的なアルゴリズムを表現するために作られたものですが、こうした図があると、子どもも直感的にわかりやすい。そういう意味で、プログラミングは本当に小さな子から高齢者まで、誰でも挑戦しやすくなったわけです。幼児期から行えるようになったのは喜ばしいことであり、どんどん体験するべきです。

また、プログラミングを通じて「トライ&エラー」の精神も養われます。うまくいかなかったら修正して、また試してみる。この繰り返しが創造性と忍耐力を育てます。デジタルネイティブと呼ばれる今の子どもたちが、単なる消費者ではなく創造者になれるチャンスがここにあります。

今後の日本に求められる教育とロボット科学教育Crefus(クレファス)への期待

ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

先生のお話を伺っていると、ロボット工学の奥深さに感動します。子どもたちに将来どのように育ってほしいと思いますか?また、ロボット科学教育Crefus(クレファス)に対する期待もぜひお聞かせください。

高西教授:私たちが咀嚼ロボット(※噛む動作を再現するロボット)を作る時に、歯科医学系の先生達が一生懸命教えてくれました。

その結果、口の中にロボット歯ブラシを入れると自動的に磨いてくれる製品が生まれました。これは認知症の方など、自分で歯を磨けない人達にも役立つ技術です。こういった技術開発にはたくさんの人が関わっていて、ロボット研究の蓄積が活かされています。

ひとりでは、研究開発もプロダクトの製作もできません。チームワークが非常に重要なのです。ですから、まず友だちと仲良くできる子になってほしいと思います。


それと同時に、たとえば本を見た時に「これはどうやって印刷しているのだろう」「どういうプロセスがあって自分の手に届いているのだろう」と想像できる子になってほしいです。好奇心を持ち、物事の背後にあるメカニズムに興味を示す姿勢が大切です。技術的なレベルや知的なレベルを個人で上げていくのは重要ですが、製品が私達の手に届くまでにどれだけの人が関わっているかを知ることも重要です。

そして「他人と同じことをやらない」こと。自分なりの視点で物事を考え、独自の発想で課題に取り組む力を持ってほしいと思います。それが将来、誰も実現していないものを生み出す原動力になるからです。

ロボット科学教育Crefus(クレファス)には、単にプログラミングのスキルを教えるだけではなく、子どもたちが自分で考え、チームで協力し、失敗から学ぶ場を提供してほしいと期待をしています

技術だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、そして何より「やってみよう」という挑戦する気持ちを育てることが大切です。

これからの時代は、既存の知識を覚えるだけでなく、新しい知識を生み出し、応用できる力が求められます。ロボット科学教育Crefus(クレファス)がそうした力を育む場になることを期待しています。
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長
ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

今まで以上に常に新しいチャレンジが求められる中、それに対応し解決する能力が必要とされます。

その時代ではまさに高西先生がおっしゃる通り「どうすれば実現できるか」を考え続けることが必要となるのではないでしょうか。

そのためには学ぶ楽しさを幼少期からの体験として身につけ、さらに理数系やデジタル技術に強みをもつ大人になってほしいと考えています。幼少期からの学習を今後も広く受け入れていきたいと思います。

今日は本当にありがとうございました。


「ロボット科学教育Crefus(クレファス)」が子どもたちに届けたいもの

ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

ロボット科学教育Crefus(クレファス)岡崎学園長

高西教授の研究は、2足歩行ロボットから始まり、全身ヒューマノイドロボット、咀嚼ロボット、楽器演奏ロボットなど多岐にわたります。

高西教授とお話をさせていただき、教授の知見の深さと情熱に触れ、強い感銘を受けました。

同時に、教育の重要性を認識し、私自身も一層教育に力を注ごうという決意を新たにしました。貴重な機会をいただいた高西教授に感謝申し上げます。

ロボット科学教育Crefus(クレファス)のロボットプログラミング教育は、単にプログラミングのスキルを教えるだけでなく、子どもたち自身が「なぜそうなるのか」を考え、失敗と成功を繰り返しながら理解を深めていく場を提供しています。

無料体験も行っています。年長さんから高校生まで学べるロボット科学教育Crefus(クレファス)で、まずは「体験」してみませんか?

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