自分に向いている吹奏楽楽器はどれ?オーボエがおすすめ?

自分に向いている吹奏楽楽器はどれ?オーボエがおすすめ?

吹奏楽を始める場合、どの楽器を選べばいいの?向き不向きについて、演奏の難しさだけでなく、性格も含めて楽器ごとに解説します。楽器を演奏していた有名人もご紹介。吹奏楽の楽器選びについて、吹奏楽作家として多数の著書があり、テレビ・ラジオ出演、CD選曲など幅広く活躍するオザワ部長さんが解説します!吹奏楽経験者にも、「わかる!」と納得してもらえる面白くて深い解説です。

吹奏楽を愛する世界でただ一人の吹奏楽作家、オザワ部長です。

「これから吹奏楽部に入りたい」「楽器を始めたい」という小・中・高校生の皆さんや保護者の皆さんにとって、担当する楽器が何になるかは大きな関心事でしょう。基本的には部活体験などのときに自分の興味のある楽器を吹かせてもらい、向き不向きを判断するのがいちばん。ですが、大まかに「こういう人にはこの楽器が向いている」という基準もあります(当てはまらない人はうまくなれないということではありません)。

各楽器の特徴と合わせて解説するので、参考になさってください!

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【木管楽器編】吹奏楽の代表的な楽器・パート解説

管状のボディに息を吹き込んで演奏する楽器のことを「管楽器」と呼びます。そして、「木管楽器」の定義とは「金管楽器以外の管楽器」のことです(「金管楽器」の定義は後述します)。ボディの素材が木製か金属製かは関係がありません。吹奏楽で主に使用される木管楽器は、フルート・クラリネット・オーボエ・ファゴット・サクソフォンです。

それでは木管楽器の紹介と解説をしていきましょう。

フルート


●吹奏楽部での役割

木管楽器のもっとも高い音を担当します。さらに1オクターブ高い音が出るピッコロという楽器を持ち替えで吹くこともあります。ソロを担当する機会も比較的多い楽器です。

音の出る仕組み

吹奏楽の楽器では唯一、横向きに構えるいわゆる「横笛」です。吹き口に息を吹き込んで音を出します。ガラス瓶などの口に横から息を当てると音が鳴るのと同じ原理です。

音色の特徴

上品で、ときには小鳥の鳴き声のような可憐な音がします。

フルートに向いているとされるタイプ

他の楽器よりも楽譜上で速い動きが要求され、楽器のキーを素早く操作しなければなりませんので、指先の器用な人が有利です。唇の形で音の出しやすさが変わるため、実際に吹いて確かめてみるとよいでしょう。

フルート経験のある有名人

浜辺美波、芳根京子、小倉優子

クラリネット

● 吹奏楽部での役割

木管楽器の中で高音部を担当します。さらに高い音が出るE♭(エス)クラリネットや1オクターブ低い音が出るバスクラリネットなどもあります。メロディを担当することが多い楽器です。

音の出る仕組み

マウスピース(唄口)に息を吹き込み、そこに装着されているリードという薄い板を震わせて音を出します。リードが1枚の「シングルリード楽器」です。

●音色の特徴

クラシックにもジャズにも使われるだけあって様々な音色が出せますが、温かくナチュラルな響きが基本です。

クラリネットに向いているとされるタイプ

吹奏楽部の中でもっとも人数が多いパートなので、コニュニケーションが得意か、もしくはあまり自分一人が目立ちたくない控えめタイプが合っています。フルート同様に素早いキー操作が要求されるので、努力家も向いているでしょう。

経験のある有名人

乃木坂46・齋藤飛鳥、乃木坂46・遠藤さくら、福原遥、常盤貴子、森高千里

オーボエ

吹奏楽部での役割

中音〜高音域を担当する楽器。とにかく楽器が繊細で高価、演奏方法も難しいため、学校によってはオーボエがないところもあります。しかし、この楽器が担当するソロには他にはない魅力があります。

音の出る仕組み

小さなリードを上下に2枚合わせ、その間に息を吹き込んでリードを震わせることで音を出します。「ダブルリード楽器」に分類されます。

音色の特徴

哀愁や可憐さを感じさせる音色がオーボエの特徴。雑な吹き方をすると「チャルメラ」などと言われてしまいます。

オーボエに向いているとされるタイプ

奏者が部内に1〜3人ほどしかいないので、「一人で練習するのが好き」といったマイペースの人、個人主義の人が向いています。ギネスブックに「世界でもっとも演奏が難しい木管楽器」と認定された楽器なので、忍耐強さがあるといいかもしれません。

経験のある有名人

SHISHAMO・松岡彩

ファゴット

吹奏楽部での役割

バスクラリネットやバリトンサックスと同じ「木管低音楽器」です。役割は「縁の下の力持ち」であることが多いです。オーボエよりさらに高価で、メンテナンスも簡単ではないため、「ファゴットは持っていない」という学校も多いです。

音の出る仕組み

原理的にはオーボエと同じで2枚重ねたリードを震わせて音を出す「ダブルリード楽器」ですが、リードのサイズはオーボエよりだいぶ大きいです。

音色の特徴

美しい森や野原が思い浮かんでくるような独特の牧歌的な響きを持っています。管楽器の中では、あまり大きな音量が出ない楽器です。

ファゴットに向いているとされるタイプ

10本の指を巧みに動かす必要があります。キーとキーの間隔が広めなので、手が大きな人のほうが扱いやすいでしょう。教えてくれる先生や先輩がいないことも多く、自分で教本を見ながら練習するような地道な努力ができる人だとなお良しです。吹奏楽以外にオーケストラでも活躍できるため、クラシック音楽が好きな人には向いていると言えるでしょう。

●ファゴット経験のある有名人

和久井映見、菊地成孔

サクソフォン


吹奏楽部での役割

通称「サックス」。吹奏楽部ではソプラノ・アルト・テナー・バリトンという4種類のサックスが使われます。ソプラノは高音域を担当してメロディやソロが多く、アルトは中音でソロも多く受け持ちます。テナーは主に木管楽器と金管楽器をつなぐ役割。バリトンは低音を担当します。

音の出る仕組み

クラリネットと同じ「シングルリード楽器」で、音の出る原理も同じです。楽器の構造上、クラリネットよりも大きな音が出せます。

音色の特徴

ソプラノはきらびやかな音、アルトは華やかで甘い音、テナーは渋さを含む音、バリトンは他の低音楽器にはないブリブリした音が特徴。ですが、サックスは吹く人や吹き方によって音色が大きく変わります。

サックスに向いているとされるタイプ

ソロやメロディが多いソプラノとアルトは目立ちたがり屋、テナーはまわりの人と合わせるタイプ、バリトンは低音ながら「カッコよさ」を求める人が向いていると言えるでしょう。サックスは開発時期が他の楽器より新しい楽器なので音が出しやすく、キーの操作もしやすいため、万人向けの楽器です。

サクソフォン経験のある有名人

吉岡里帆、SKE48・古畑奈和、日向坂46・金村美玖、モーニング娘。'21・横山玲奈、Matt、真栄田郷敦、さかなクン

【金管楽器編】吹奏楽の代表的な楽器・パート解説

「金管楽器」とは、唇をブルブル震わせる音を拡張して鳴らすタイプの管楽器のこと。木管楽器と同じでボディの素材は関係ありません(基本は金属製ですが、プラスティック製のものなどもあります)。漏斗型のマウスピースに唇を押し当てて吹きます。吹奏楽では、主にトランペット・トロンボーン・ホルン・ユーフォニアム・チューバなどが使われています。

トランペット


吹奏楽部での役割

金管楽器の中で高音域を担当します。ほとんどの曲でメロディを担当し、ファンファーレやソロなども吹く「吹奏楽の花形」。正面向きのベル(楽器の先端の広がった部分)から大きな音が出ることもあり、とにかく目立ちます。

音の出る仕組み

マウスピースに唇を押し当てて震わせると音が出ます。音の高さは3つのピストンを押し込むことによって変わります。ピストンの代わりにレバーを押すロータリートランペット、1オクターブ高音が出るピッコロトランペットなどもあります。

音色の特徴

明るく、きらびやかで、伸びのある音が特徴です。非常に目立ちますが、ミスをしても目立つという面もあります。

トランペットに向いているとされるタイプ

目立ちたがり屋で、いい意味で「私がいちばん!」と思えるタイプ。ソロを堂々と吹いたり、曲の出だしなどで思い切って大きな音で吹き始められる度胸の強さ、そして、「私についてこい!」という切り込み隊長的な性格の人は向いている楽器です。唇は薄いほうが音は出しやすいと言われています。

トランペット経験のある有名人

小島瑠璃子、豊田萌絵(声優)、新木優子、YOSHIKI、渡辺謙

トロンボーン

吹奏楽部での役割

名前は「大きなラッパ」という意味で、中音域を担当する楽器です。ユーフォニアムなどと協調しながら伴奏を吹いたり、ときに勇壮なメロディを奏でたりすることもあります。さらに低音が出るバストロンボーンという楽器もあります。

音の出る仕組み

音の出し方はトランペットなどと同じです。独特なのは、ピストンやロータリーではなく、スライドという唯一無二の操作方法であること。U字型のスライドを前後に動かし、音を変えます。

音色の特徴

トランペットに比べて低く、太いのはもちろんのこと、吹き方によってはバリッとした威勢のいい音が出るのが特徴です。また、スライドを動かすことで滑らかに音の高低を変えられるのはトロンボーンならではの武器です。

トロンボーンに向いているとされるタイプ

スライドをめいっぱい伸ばして音を出すためには、手の長い人が有利です(紐をつけるなどでカバーはできます)。また、トロンボーン奏者には比較的運動ができる人、ポジティブで行動的な人が多い印象があります。

トロンボーン経験のある有名人

3時のヒロイン・ゆめっち、紫吹淳、柳原可奈子、浜野謙太、指原莉乃

ホルン

吹奏楽部での役割

中音楽器として高音と低音をつなぐ役割をしながら、ホルン同士で美しいハーモニーを奏でることもあります。印象的なソロを担当することもありますが、後述する演奏上の特徴から非常にプレッシャーがかかります。

音の出る仕組み

基本的な音の出し方はトランペットなどと同じように唇を震わせる方法です。音はピストンではなくロータリーのキーを押すことで変え、また大きく開いたベルの中に右手を差し込むことで音色を変化させるところが特徴です。マウスピースは小さく、音を外しやすいため、「世界でもっとも難しい金管楽器」としてギネスブックに認定されています。

音色の特徴

「ホルン=角」という名のとおり、狩猟の合図に使われた角笛を源流に持ち、上品なまろやかさがありながら、勇しさを感じさせることもできるのがホルンの音です。

ホルンに向いているとされるタイプ

ハーモニーを奏でるためには繊細な音程の感覚が必要です(練習しながら養うこともできます)。また、マウスピースが小さいため、唇が薄い人のほうが音は出しやすいです。音が外れても挫けずに吹き続けるメンタルの強さがあるとなお良しです。

ホルン経験のある有名人

堺雅人、つるの剛士、福山雅治

ユーフォニアム

吹奏楽部での役割

中音楽器として高音と低音、木管楽器と金管楽器の橋渡しをする役割です。ときには重々しく低音を響かせたかと思うと、ときには木管楽器と同じようにたくさんの音符を高速で吹き鳴らすなど、非常に柔軟性のある楽器です。特に、メロディの裏側で印象的なオブリガート(対旋律=メロディを効果的に補うもう一つのメロディ)を奏でるときに存在感を発揮します。

音の出る仕組み

一般的な金管楽器と同じで、唇を振動させて音を出し、ピストンを押して音を変えます。ピストンは3つ、または4つあります。マウスピースの大きさはトロンボーンと同じ中サイズです。

音色の特徴

「ビロードのような音」と称される、柔らかくて温かい音が特徴で、奏者自身がユーフォニアムの音色の虜になってしまうことが多いです。

ユーフォニアムに向いているとされるタイプ

第一印象でユーフォニアムの音や楽器の形状が好きだと感じた人。また、映画にたとえるなら、「自分は主演俳優より助演で輝くタイプだ」と思う人。ユーフォニアムはサックスとともに、オーケストラの基本編成には含まれない楽器なので、吹奏楽が好きで将来的にオケをやるつもりがない人にオススメできます。

ユーフォニアム経験のある有名人

二階堂ふみ、はるな愛、中村悠一(声優)、林家正蔵

チューバ

吹奏楽部での役割

言わずと知れた金管楽器の最低音担当。曲の中のベース部分を奏でるため、目立つメロディはたまにしか回ってきませんが、音楽の「底、土台」を音でどっしり支える存在。「ザ・縁の下の力持ち」です。なお、マーチング(行進しながらの演奏)や野球応援ではスーザフォンという楽器に持ち替えることがあります。

音の出る仕組み

一般的な金管楽器と同じで、唇を震わせて音を出します。音の変え方は、3つから4つのピストンを押すタイプ、ホルンのように平たいキーを押すロータリー式のタイプがあります。

音色の特徴

低くて重々しい音がするチューバですが、吹き方によってその音は柔らかくも、鋭くも、あるいは大型動物の鳴き声のような野性味あふれるものにも変わります。

チューバに向いているとされるタイプ

管楽器ではもっとも重く、大きさもあるため、体が大きい人、力が強い人が向いています。ただし、正反対に体が小さくても素晴らしい演奏をする人もいるので、一概には言えません。控えめながら、どっしり構えて動じないタイプの奏者が多い印象があります。

チューバ経験のある有名人

坂本龍一、仲間由紀恵、石破茂

【弦楽器編】楽器・パート解説

ほとんどが管楽器と打楽器で構成される吹奏楽の中で、弦楽器として加わっている楽器がひとつだけあります。それが床に立てる形で演奏する大型の低音楽器、コントラバスです。演奏の中で生きる弦楽器の音の力や演奏に向いているタイプを解説していきましょう。

コントラバス

吹奏楽部での役割

吹奏楽コンクールに出場する50人前後の編成だと、コントラバスは1〜2台。ステージ最前列、舞台上手(「かみて」=ステージに向かって右側)の端が定位置で、大きな楽器を立って演奏することが多いため目立ちます。なお、ポップスを演奏する際にはエレキベースに持ち替えることもあります。

音の出る仕組み

ヴァイオリンと同じように、4本または5本の弦を松脂を塗った弓で弾く(擦る)ことによって音を出す「アルコ奏法」と、指で弦を弾く「ピチカート奏法」があります。弓を動かす向きを変える(弓を返す)必要はありますが、管楽器と違って息継ぎをする必要はありません。演奏する際は立ったままか、「バス椅子(コントラバス椅子)」に腰かけます。

音色の特徴

低音楽器ではありますが、チューバやバリトンサックスのような大きな音は出せません。その代わり、低音に豊かな響きを加え、演奏全体の厚みを増す役割を果たします。また、前述のピチカート奏法は管楽器にはできないコントラバスならではの表現方法です。

コントラバスに向いているとされるタイプ

パートの人数が極めて少なく、また、管楽器にも打楽器にも属さないため、マイペースで職人タイプの人が合っています。大きな楽器ですが、身長が高い必要はない代わりに、弦を押さえられる手の大きさ(と相応の握力)がある人が向いているでしょう。オーケストラやジャズに興味がある人にもオススメです。

コントラバス経験のある有名人

ゴールデンボンバー・歌広場淳

【打楽器編】吹奏楽の代表的な楽器・パート解説

「パーカッションパート」とも呼ばれる打楽器パートでは、実に多彩な楽器を演奏します。単に「叩くだけ」ではない打楽器の幅広さや活躍するシーンをお伝えしながら、打楽器に向くタイプをお伝えしたいと思います。

吹奏楽部での役割と音の出る仕組み

叩いて音が出る太鼓系の打楽器(スネアドラム、バスドラムなど)、太鼓系の中でも音の高さを変えられるティンパニ、ピアノの鍵盤のように配置された音板を叩く鍵盤打楽器(マリンバ、シロフォンなど)、ポップス系の曲で活躍するドラムセット、さらにシンバル・トライアングル・ウインドチャイム……など取り扱う楽器は様々あります。ピアノやチェレスタ、ハープなども打楽器パートが演奏することがあります。

基本的には「バチ(スティック、マレット)や手、ハンマーで叩いて音が出る」楽器ですが、中には叩かないものもあります。管楽器と違い、多くの楽器は手足を使って演奏します。

それぞれの楽器はほぼ1人ずつで演奏し、音もよく目立つため、「打楽器はすべてがソロ」と言われることもあります。鍵盤打楽器はメロディやオブリガートを奏でることがありますし、スネアドラムやバスドラムは曲のリズムを形作り、シンバルやウインドチャイムはここ一番というときに効果を発揮する……といったように楽器ごとに音や役割が違います。

打楽器に向いているとされるタイプ

ノリがよく、明るいタイプ。様々な楽器の扱い方や演奏法を身につけるだけの好奇心、探究心、意欲がある人。目立つ部分で確実に演奏を成功させる決定力・集中力がある人。

打楽器経験のある有名人

生駒里奈、ファーストサマーウイカ、ONE OK ROCK・Tomoya、山下達郎

自分に合った楽器の選び方

未経験から吹奏楽部に入ると、多くの人が「どの楽器を選ぶか」に迷います。自分に合った楽器を選ぶ上で、チェックしておきたいポイントを見ていきましょう。

実際にさまざまな楽器に触れてみたり演奏したりしてみる

まずはさまざまな楽器に触れ、実際に音を出してみましょう。たくさんの楽器に触れることで、楽器ごとの扱いやすさや扱いにくさを肌で感じられます。未経験者でも、直感的に自分に合った楽器を見つけることが可能です。

また一口に楽器といっても、メインパートを奏でるもの・裏でパートを支えるものなど、役割はそれぞれ異なります。その楽器の役割・立ち位置について、適切に理解した上で選ぶことも大切です

楽器の特徴で紹介した通り、トランペットやソプラノサックス・アルトサックスなどは、非常に目立つ楽器です。どちらかというと人前に出ること・目立つことが好きなタイプに向いています。

一方ユーフォニアムやホルンなどは、中低音や裏打ちを支える楽器です。縁の下の力持ちとして、コツコツ働ける人に適しています。

楽器と性格は無関係なように見えて、非常に強くリンクしているのが実情です。ストレスなく吹奏楽を続けていくためには、演奏していて「楽しい」と思える楽器・ストレスのない楽器を選択することが非常に重要なポイントとなります。

体格や肺活量を考えて選ぶ

楽器によっては、一定の身体条件が求められるものがあります。

例えばスライドの位置によって音程を調節するトロンボーンは、手の長い人に有利な楽器です。一方チューバは楽器そのものが大きく重いため、体格のよい人・力の強い人が有利とされます。

また金管楽器では、唇の厚さも重要なポイントです。一般的には、唇が厚い人は大きめのマウスピースを持つトロンボーンやチューバ、薄い人はトランペットやホルンが向いているとされます。

このほか楽器を選ぶ上で注目したいのは、肺活量です。木管楽器・金管楽器ともに息を入れて音を出すため、肺活量の有無が音色を大きく左右します。

多くの肺活量を必要とするのは、木管ならフルートやサックス、金管ならチューバやトロンボーンです。肺活量に自信のない人は、トランペットやホルン・クラリネットなどが演奏しやすいといわれます。

ただし肺活量は、トレーニングである程度鍛えられます。「肺活量がないから」と好きな楽器を諦める必要はありません。

自分が好きな音色の楽器を選ぶ

音の響きや温かみは、楽器によって異なります。吹奏楽部で長く演奏を続ける上で、「好きな音色であること」は非常に重要です。

金管楽器の場合、音の高低差は「管の長さ」、音の響きは「管の巻き方」で決まるといわれています。一方リードの振動によって音を出す木管楽器は、リードの種類によって「エアリード」「シングルリード」「ダブルリード」に大別され、音の印象も異なります。

楽曲や演者の技術にもよりますが、楽器ごとの音の印象は以下の通りです。

  • トランペット:明るく華やかな音色
  • トロンボーン:太く厚みのある音色
  • ホルン:深く柔らかい音色
  • ユーフォニアム:柔らかく温かい音色
  • チューバ:重厚で雄大な音色
  • フルート:軽やかで済んだ音色
  • クラリネット:温かく柔らかい音色
  • ソプラノサックス:華やかでツヤのある音色
  • アルトサックス:甘い音から激しい音まで自在な音色
  • テナーサックス:渋みを感じさせる音色
  • オーボエ:哀愁を帯びた音色
  • ファゴット:表情豊かな音色

実際に音を鳴らしてみて、心地よく感じる楽器を選択してください。

吹奏楽部に入って初めて楽器を購入するときのポイント

楽器の価格は意外に高く、1度購入してしまうと安易な買い替えは困難です。初めて楽器を購入するときは、タイミングや自分に合う楽器を慎重に見極めなければなりません。

吹奏楽部で初めて楽器を購入するとき、気を付けたいポイントをご紹介します。

すぐに楽器を購入するのは我慢する

希望の楽器があったとしても、入部前や入部してすぐの購入はおすすめできません。好きな楽器が必ずしも自分に合うとは限らないためです。

先述の通り、体格や性格などによって楽器との相性は異なります。好きな楽器よりも好みではない楽器の方が、相性がよいと感じることも少なくありません。

合わない楽器は上達も遅く、音を鳴らすのがストレスになります。楽器を購入するのは、楽器との相性のよさを確信できてからがおすすめです。

また吹奏楽部の構成や人数によっては、楽器変更を余儀なくされるケースもあります。自己判断で楽器を購入するのは避け、購入前に顧問や先輩の助言を仰ぐことは必須です。

楽器屋さんで購入する

初めて楽器を購入するときは、実店舗を構えた楽器店に足を運んでください。インターネットの楽器ショップでも楽器を購入できますが、試奏できないのは大きなデメリットです。

楽器は同じメーカーのものであっても、音の感触が1つひとつ異なります。実際に音を鳴らして、音の出しやすさや音色の心地よさを確認することが大切です。

また楽器店なら、楽器の選び方や楽器についての知識豊富な店員がいます。自分に合った楽器の提案を受けられる上、メンテナンスや使い方についてアドバイスを受けることも可能です。

楽器についての分からないこと・不安なことはその場で確認できるため、初めてでも満足のいく楽器購入を実現できます。

新品か中古かそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて購入する

楽器の購入に当たっては、新品を購入する・中古品を購入するという2つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、納得できる楽器を購入しましょう。

新品のメリット・デメリット

新品のメリット 新品のデメリット
  • 最新モデルを購入できる
  • 傷や汚れがない
  • 演奏のクセがない
  • メーカーの保証が受けられる
  • メンテナンスしやすい
  • 価格が高い
  • 音色の薄さが気になることがある

新品の楽器は、「新しいこと」が最大のメリットです。

せっかく楽器を購入するのなら、傷や汚れがない楽器の方がテンションも上がります。誰の手垢も付いていないきれいな楽器が、演奏を続けるモチベーションとなることは珍しくありません。新品ならメーカー保証も付いており、安心して演奏できます。

デメリットは中古よりも高額であること・音の薄さが気になることなどですが、長く使うと考えれば大きなマイナスではありません。本人の経験やスキルが積み上がっていけば、音に深みも出てきます。

中古のメリット・デメリット

中古のメリット 中古のデメリット
  • 価格が安い
  • すぐに音色が馴染む
  • 希少価値の高いモデルが手に入る場合がある
  • 傷や汚れが気になる
  • コンディションの見極めが難しい
  • 保証が受けられない場合がある

中古楽器最大のメリットは、安価に購入できる点です。

楽器にもよりますが、中古なら新品の半額程度で購入できる場合があります。「長く続けるかどうか分からない」「部の楽器を借りられないため、ひとまず用意しなければならない」などのケースでは、安価な中古楽器で様子を見るのも1つの方法です。

ただし中古の楽器は、前の所有者による傷や汚れ・経年による劣化が気になる可能性があります。コンディションと価格のバランスを見極めるのも難しく、納得できる楽器を選ぶのは難しいかもしれません。

店舗によっては保証を受けられないケースもあり、中古楽器の購入では信頼できる店舗があるかどうかが重要なポイントとなります。

吹奏楽部に入って初めて楽器購入の値段はどのくらい?

日本最大の楽器小売店として名を馳せる「島村楽器」によると、初めて楽器を購入した人の購入額は20~30万円がボリュームゾーンなのだそうです。多くのエントリーモデルが10万円台に設定されていることを考えると、「初心者向けよりもやや高め」の楽器を購入する人が多いことが分かります。

吹奏楽部入部者の楽器購入費が高くなる理由は、どうしても学校の備品が購入の基準になるためです。

例えばフルートの場合、洋銀や白銅のモデルなら10万円以下で購入できます。しかし一般的な吹奏楽部は、より吹きやすく音色がよい銀製の頭部管を備えたフルート使うことがほとんどです。「部にあるフルートと同じくらいのものが欲しい」と考えると、価格は15万円程度になります。

吹奏楽部でスムーズに心地よく演奏するためには、楽器にもそれなりのスペックが必要です。島村楽器では、部活動での楽器の価格帯について、以下のようにおすすめしています。

楽器名
おすすめの価格帯
フルート 150,000円~
オーボエ 400,000円~
クラリネット 180,000円~
アルトサックス 200,000円~
テナーサックス 270,000円~
トランペット 150,000円~
トロンボーン 200,000円~
ホルン 350,000円~
ユーフォニアム 350,000円~
チューバ 500,000円~
※島村楽器で販売されている楽器についてのおすすめの価格帯です

ただし吹奏楽部のレベルによっては、より高価な楽器を推奨されるケース、安価な楽器でよいといわれるケースもあります。

楽器の購入については、まず顧問や先輩に相談した方が安心です。

参考:吹奏楽経験スタッフに聞いた!吹奏楽のお金のあれこれ。|島村楽器 イオンモール大高店
参考:【吹奏楽部のお金の話】〈2020年版〉『吹奏楽部に入部するといくらかかる?』シミュレーション!【管楽器販売のプロが細かく解説!】|島村楽器 名古屋パルコ店

吹奏楽の楽器の特徴やパート選びについてよくある質問


すでに各楽器ごとの特徴を詳しく述べましたが、まったくの未経験者だと判断が難しかったり、自分が楽器を演奏したときのイメージがわきにくかったりするかもしれません。そこで、よく質問されることの多い「楽器演奏経験がない人におすすめのパート」「リズム感がない人にもおすすめのパート」という2つの問いに答えしましょう。

楽器演奏経験が無い人におすすめのパートは?

吹奏楽部に入る前にピアノやエレクトーン、ヴァイオリンなどを習っていたり、あるいは合唱をやっていたりする人は、やはり入部してからも有利になります。しかし、そういった経験がない人でも入部後に音感や演奏技術をグングン伸ばすことはできますので、心配無用です。

とはいえ、楽器未経験者にとって「とっつきやすい」楽器というものもあります。

まずは、打楽器。管楽器の場合、微妙な音程を自分の口と息で調節しなければなりませんが、打楽器にはその必要がありません。また、多くの管楽器は演奏時に自分がキーやピストンを操作するところが見えませんが、打楽器はピアノのように自分の手やバチの動きを見ることができるため、未経験者でも演奏がしやすいです。

管楽器の中で未経験者がとっつきやすいのはサックスでしょう。サックスの項でも書いたように、比較的新しい楽器のために音が出しやすく、キーの操作もフルートやクラリネットよりシンプルになっています。中でも、アルトサックス、テナーサックスは演奏がしやすいです。ソプラノサックスは人気が高いですが、実は音程の調節がなかなか難しく、また、曲によっては楽譜がないこともあるため、まずはアルトかテナーから始めることをオススメします。

リズム感が無い人にもおすすめのパートは?

吹奏楽部に入る前から「リズム感に自信がある」という人はそれほど多くないと思いますので、基本的な考え方としては「気にする必要はない」です。しかし、たとえばダンスの授業などで自分のリズム感のなさに絶望したといった人もいるかもしれません。

そういう人は、敢えてリズムを主に担当する打楽器パートに入り、楽器を習得するとともにリズム感を養ってみてはいかがでしょうか。もしリズム感に自信がないなら、そのコンプレックスを克服しておくことは今後の人生にとってプラスになっても、マイナスになることはありません。

管楽器では、ホルンや低音楽器はマーチ(行進曲)を演奏する際、テンポに合わせて正確なリズムを刻まなければならないため、少しハードルが高いかもしれません。逆に、リズム感がない人でも演奏しやすいのはメロディです。ということで、メロディを担当することが多いクラリネット、アルトサックス、トランペットがオススメです。

吹奏楽部の楽器一覧まとめ

いろいろと向き不向きについて書きましたが、それらはあくまで一般的な傾向であり、絶対ではありません。自分の楽器への適性は、とにかく実際にいろいろな楽器に触れ、演奏してみるのがいちばんです。自分に合った楽器は「最初からしっくりくる」「ピンときた」「思っていたよりうまくできた」といった感覚があることでしょう。

とはいえ、現実には、「ホルンを増やしたい」「低音楽器が足りない」といった吹奏楽部の事情、「あなたはこの楽器がいいと思う」といった指導者の判断、第1希望の楽器になれずに第2希望に回されたなど、様々な要因で楽器が決まります。それは運命と言ってもいいかもしれません。

でも、安心してください。

たとえどの楽器になっても、だいたいその楽器を好きになることができます。生態系の中で様々な生物にそれぞれの役割があり、社会の中で個々の人間にもそれぞれの仕事や務めがあるように、楽器にも役割があります。メロディを担当する楽器だけが偉くてカッコいいわけではなく、それぞれの楽器にそれぞれの良さやカッコよさがあり、輝けるシーンがあるのです。

ぜひ多くの方に吹奏楽部に入っていただき、「自分の楽器」と運命の出会いをしていただきたいです。

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