9歳の男の子は反抗期？育て方のコツは？9歳児を持つママ・パパのお悩み解決策

9歳の男の子の子育ては大変！ ママ・パパの悩み

9歳の男の子は、自我が芽生える過程でさまざまな問題に直面する時期と言われています。ここでは、具体的にどのようなことが起こるのかを紹介します。

「中間反抗期」に要注意？

1歳半～3歳ごろに見られる「第一反抗期」、中学生になり思春期に訪れる「第二反抗期」の間に、「中間反抗期」と呼ばれる時期があります。

山梨日日新聞電子版に掲載された、信州大医学部子どものこころの発達医学教室本田秀夫教授のコメントによると、「中間反抗期」は1980年代に小児科医の平井信義先生が使い始めた言葉であり、専門的な用語ではないと言われているため、年齢も定義されていません。しかし、第一次反抗期以降のおおよそ5歳〜10歳ごろの反抗期を示す言葉としてよく使われており、現在は広く知られています。

2020年にNHKの番組「ウワサの保護者会」が実施したアンケート調査によると、「10歳ごろに（子どもの）親への態度が変わった」と回答した保護者の割合は76％でした。

文科省が公開しているウェブページ「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」でも、9歳頃からは発達の個人差が顕著になることから、子どもは自己肯定感や劣等感、そのどちらをも持ちやすくなる時期であると言われています。　

9歳ごろから子どもの態度が変わるケースがあることは不自然なことではないということを、保護者は子どもへの接し方を考えるときに留意しておく必要があるでしょう。

「10歳の壁」が迫る

子どもは小学4年生前後の時期になると、学習面での積み重ね不足の顕在化や学童保育に通えなくなることに伴う居場所の喪失、子ども同士の閉鎖的な仲間集団の発生とそれに伴う問題行動の増加など、さまざまな問題に直面します。これらの問題は、「小4の壁」あるいは「9歳の壁」「10歳の壁」と呼ばれ注目されています。

年齢を重ねると子どもは少しずつ自立していきますが、学校帰りの買い食いや万引きなど、思わぬ事態に直面することもあるため、子どもの言動に注目しながら根気よく見守り続ける必要があります。子どもとしっかり向き合うために、退職や休職を決意しなければならない保護者も数多く存在します。

72％の家庭が習い事を行う

子どもとのお出かけ情報サイト「いこーよ」が2020年に行ったアンケート調査によると、7歳～9歳の子どもがいる保護者で「子どもに習い事をさせている」と答えた保護者は72％に上りました。そのうちの59%が2つ以上習い事を掛け持ちしています（子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』調べ）。

子どもの可能性を広げてくれる習い事ですが、保護者の負担は決して小さくありません。アクサダイレクト生命保険株式会社が2020年に実施した「第7回子どものおけいこ事に関する調査」では、「おけいこ事をさせる上での悩み事」の第一位が「費用がかさむ」で、全体の52.4%を占めました。

習い事のために「食費の切り詰め」や「通信費の見直し」を行なっているという回答も多く、習い事は家族全体が支えているものだということがわかります。

9歳の男の子へのママ・パパの接し方のコツ

ここでは、9歳ごろの男の子への接し方でどんなことに注意する必要があるのかを紹介します。

男の子との言葉のやりとりは根気よく

子育て情報メディア「Fasu」に掲載された、医学博士の蓮村誠先生の記事によると、10歳頃までの男の子は、女の子に比べて言葉の習得がゆっくり進むと言われており、親子のコミュニケーションものんびりと向き合ったほうが良いとの意見があります。

丁寧に説明をして言葉をたくさん聞かせてあげることが大切だという点や、言葉で伝えても理解してもらえないときには強い存在である父親から注意することが効果的だという点も紹介されています。

まだまだ発達途中であることを意識し、伝える努力はしつつ、伝わらないのも仕方がないと捉えておくことで、コミュニケーションが円滑になることもあるかもしれません。

自己肯定感が育まれる「成功体験」を意識する

2018年度に内閣府が実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、日本の若者は「自分自身に満足している」あるいは「自分には長所がある」と感じている人の割合が、諸外国の若者に比べて少ないという結果になっています。

こうした状況を改善し、子どもたちの自己肯定感を高めるためには、集団または個人の目標を達成し、それを周囲の大人が認めることによって成功体験を感じさせることが重要とされています。習い事にはサッカーや野球のように集団で目標達成を目指すもの、水泳や空手のように個人の力を高めるものが多くあります。そうしたことに取り組み、成功体験と感じられるようなことを少しずつ積み重ねていくことが大切でしょう。　

挫折に負けない力を育む

成功体験を意識する一方で、過保護になることなく、適切な挫折の経験も必要だといわれています。

「DIAMOND online」に掲載された心理学博士の榎本博明氏の記事では、教育や子育てでは、挫折を経験しつつ、挫折に負けない力をつけるために、適度な負荷や困難に直面する経験も重要だと考えられています。

そのため、成功体験を積み重ねることに加え、ほんの少しだけ背伸びをするイメージで子どもと接する機会を設けるよう意識する必要もあるでしょう。

子どもの力を見極め、現状ではクリアが難しそうでも、チャレンジし続けることで乗り越えられるような課題を与え、前向きに取り組めるよう声かけをしながらサポートしていくことで、子どものチャレンジ精神を養っていきたいところです。

困難を乗り越えて目的を達成したときに褒めてあげることで、その成功体験はよりいっそう強い自信や自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。

言ってはいけない言葉　

つい子どもに完璧を求めてしまうこともあります。できない部分、足りない部分にばかり目が行き、そこを指摘しがちになります。

うまくできなかったり、間違えたりした場合に「違うでしょ」と言ってしまうことが、子どものやる気をしぼませてしまうことにつながったり、「○○くんはできるのに、どうしてあなたはできないの！」などと友だちと比較することが、子どもを落ち込ませたり、親への反発を生んだりするとも。

できないことばかりを指摘するのではなく「ここまではできるようになったね」「頑張ったね」など、成長した部分に目を向けた声かけや、他の子と比べるのではなく「昨日よりも上手になったね」といった過去の本人と比較するような声かけが必要だと考えられています。

叱り方

「AERA dot.」に掲載された「実は知らない『ほめ方・叱り方』の正解 子どもの自己肯定感を高める声かけとは？」という記事の中で、欧米の最新の教育メソッドに詳しい児童発達学博士の島村華子さんは「親がいいと思うときにほめ、都合が悪いときに叱るのは“条件つきの声かけ”。子どもが欲しいのは親の評価ではなく、いつでも体験や成長のプロセスを共有してくれる安心感です」と語っています。

そしてNGになりがちな叱り方については「アメとムチで子どもの行動をコントロールする」「才能をほめるだけ、あるいは否定的なレッテルを貼る」「頭ごなしの否定をする」などを挙げています。子どもの行動の裏側にある気持ちを理解しようとしない、ネガティブな叱り方は避ける必要があるのではないでしょうか。島村さんは「人格ではなく問題行動を注意することが大切です」とも話しています。　

9歳の男の子の習い事を選ぶ基準は？　

ベネッセ教育総合研究所が全国の幼児～高校生の子どもを持つ母親約1万6000名に実施した「学校外教育活動に関する調査2017」によると、9歳では、学習、スポーツ、芸術の順に支出が高く、男女の割合をみると、男子のほうがスポーツへの支出が多い傾向にあり、学業に直結する学習系の習い事や、体をたくさん動かして楽しめる習い事の人気が高いようです。

個人差もあるため、子どもの性格や目指す目標にあわせて習い事を選ぶ必要はありますが、どんな習い事が向いているのかわからない場合は、人気のものを見て、そのなかに子どもがやってみたいと思うものや、必要なものがあれば、無料体験で相性を確かめると良いでしょう。
参考：習い事ランキング

9歳の男の子におすすめの習い事ジャンル

9歳の男の子が始められる習い事には、プログラミングや英会話、小学生向け通信教育やタブレット学習などがあります。
参考：小学生の家庭学習！やり方も解説

プログラミング

公立小学校では2020年度にプログラミング学習が必修化となりました。

新学習指導要領の導入に伴い、デジタル機材を使いこなし、物事を順序立てて考えながら試行錯誤し、解決するという「論理的思考力」を養うことが求められるようになり、ロボットやパズル、プログラミングソフトなどのデジタル教材を使って楽しみながらプログラミングを学べる教室も増えています。

文科省の「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」によると、9歳は自己肯定感と同時に劣等感も持ちやすくなる時期であり、苦手だと感じたものへのチャレンジを避けるようになるとも言われています。苦手意識を払しょくする意味でも、学校ではまだ新しい教科であり、慣れている人も少ないため、習い事で補足するのも良い方法の一つでしょう。

サッカー

世界的に人気があり、男女ともに競技人口が多いサッカー。マリノスサッカースクールのプロサッカーコーチを統括するスクールヘッドオブコーチングの和田武倫さんによると、ゴールデンエイジと呼ばれる小学生の間になんらかのスポーツを始めることが運動能力を開発する上では大事です。また、サッカーのトレーニングでは戦術などを考え始めるのが小学4年生位からと言われているため、試合などに参加し、本格的に楽しみ始める良い時期と言えるでしょう。

英語

2020年4月に小学3、4年生で英語が必修化され、ますます英語習得のニーズや注目度は高まっています。

空手

空手は心身を鍛える競技です。突きや蹴り、体裁きなどの動きを覚える「形（かた）」では、自分と向き合うことで忍耐力や集中力が身につき、相手とたたかう「組み手」では、競争心やチャレンジ精神、礼儀や相手を敬う気持ちなどを養うことができます。

相手に直接、打撃を加えるフルコンタクトの組み手を行う流派もありますが、大半の流派は寸止めの組み手でケガのリスクも軽減されています。

文科省の資料「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」によると、9歳は物事への理解が進み、集団の規則を守って行動できるようになる年齢と考えられているため、礼儀作法の習得やルールの理解を促すには良い時期と言えるでしょう。

乗馬

乗馬は、馬とコミュニケーションをとるなかで動物愛護の精神も育まれると同時に、リズム感やバランス感覚、インナーマッスルや体幹が磨かれます。

馬に会いに行く感覚で習い事を楽しめるほか、乗馬ライセンスが1級から5級まであり、小学生でもトレーニングを積めば取得することができるため明確な目標を持つこともできます。

剣道

剣道の道場は全国各地にあります。「鬼滅の刃」の大流行により、剣士に憧れて剣道を始める子どもが増えています。

礼儀作法の大切さを学ぶこともできるほか、大会に出ることで目標を設定して努力することや、相手に立ち向かう強い気持ちも養うことができるでしょう。

ゴルフ

大人のスポーツと思われがちなゴルフですが、幼児期から始める人も増えており、子どもからシニア年代まで誰もが楽しむことができる生涯スポーツです。

自然環境の影響下で冷静にプレーを続ける必要があるため、集中力や自制心が養われ、ルールやマナーを守ることの大切さも学ぶことができます。

通常のレッスンは打ちっぱなし練習場やインドアのゴルフスクールなどで開催されていますが、実際にコースに出てレッスンをすることもあり、体力もつきます。

9歳の男の子におすすめの習い事3選

9歳の男の子におすすめの習い事をご紹介します。興味がある方は、ぜひ公式ホームページをチェックしてみてください。

スマイルゼミ

スマイルゼミでは、小学生向けにタブレット学習を提供しています。小学1～6年生が対象で、お子さまの学習がタブレット1台で完結するのが特徴です。

9歳の男の子のなかには、「勉強が嫌い」「勉強をやりたくない」というお子さんも少なくないと思いますが、タブレット学習ならば、紙のワークよりも始めるハードルが低く、気軽に取り組めるでしょう。

スマイルゼミでは無学年式の学びを取り入れており、分からない部分はさかのぼり、得意な部分は先取りして学習することが可能です。国・算・英・理・社の基本5科目はもちろん、プログラミングも学べます。

また、コーチングシステムが導入されているため、お子さまにとって最適な学習リズムを提案してもらえるでしょう。毎日勉強するタイプや週末にまとめて勉強するタイプなど、タイプ別に学習リズムを提案してもらえるため、無理なく続けられます。

東進オンライン学校

東進オンライン学校は、「学ぶ楽しさ」を教えているオンライン塾です。勉強が苦手や嫌いな9歳の男の子でも、学ぶ楽しさがわかれば勉強が楽しくなるでしょう。

日本一の東大現役合格実績を誇る「東進」とシェアNo.1の予習シリーズで有名な四谷大塚がタッグを組むことで、実力講師陣による感動授業を実施。算・国・理・社の専門の講師たちが、子どもの驚きや発見を引出すような、わくわくする授業を展開しています。

基礎学力の定着を狙うお子さまは標準講座、中学・高校につながる応用力をみにつけたいお子様は演習充実講座の受講がおすすめです。

標準講座は申し込み学年ともう1学年分受けられるため、1学年下に戻って復習したり、1学年上の勉強を先取りしたりできるでしょう。演習充実講座では、全国統一小学生テストの問題も解ける力が身につきます。算数と国語では、標準講座と演習充実講座を自由に組み合わせて学習することも可能です。

小学ポピー

学習習慣の定着に力をいれているのが、小学ポピーです。「書いて学ぶ」ことが大切だと考え、書くワークを提供しています。ポピーの発行元である新学社は、全国の小・中学校で使われているドリルや問題集などを発行している編集社。これまで培ってきたノウハウを活かし、ポピーを発行しています。

小学ポピーのワークの強みは、教科書準拠で予習・復習がしやすいことと家庭学習に楽しさをプラスできることです。2024年から新たに加わったデジタルサポートの「デジ・サポ」と併用することで、楽しみながら理解度アップと学力向上を狙えるでしょう。

デジ・サポには、学習サポートや解説動画、テスト直前チェック機能など、お子さまの勉強意欲を引き出し学びを最大化させる機能が満載です。「ポピースケジュール」機能では、取り組む箇所が一目でわかり、学習に取り組みやすくなります。さらに学習を続けていくとがんばりポイントがたまり、デジタルギフトと交換可能です。がんばりがごほうびにつながることで、お子さまのやる気がさらに高まるでしょう。ゲーム感覚で楽しめるデジタルコンテンツで、学習に意欲的でない9歳の男の子の学びへのハードルを下げられます。

9歳の男の子の育て方についてよくある質問

「小4の壁」「9歳の壁」があり、「10歳の壁」も迫る大変な時期の子育てに悩む保護者も多いでしょう。子どもとどのように向き合えばいいのか、育児ストレスの解消法など、さまざまな疑問について紹介します。

9歳の男の子とはどう向き合えばいい？

「9歳の壁」や「小4の壁」という言葉があるように、9歳の子は学校生活や私生活で壁に直面するケースが増えてきます。学校の勉強がよくわからなくなったり、友人関係でうまくいかなかったりと、自信を失いがちになる傾向にあります。加えて、先に述べたような「中間反抗期」であたり、接し方が難しい時期でもあります。

壁に突き当たっている9歳の男の子に必要なのは「自己肯定感」といわれています。AERA.dotに掲載された、名門校として知られる開成中学校・高等学校の元校長である柳沢幸雄さんの記事によれば、「わが子の過去と現在を縦線で比較して、よくなった点や成長した部分をほめる」ことが重要とのこと。「本人が努力して得意になったことであれば、より自信と自己肯定感を得ることができますし、自信こそが生きる力になります」と説明しています。

また、同サイトに掲載された、心理カウンセラーとして多くの学校現場で活躍する医学博士の芳川玲子先生へのインタビューによれば、中間反抗期とも言われる9、10歳ごろは、体内のバランスが崩れやすくなる時期でもあり、第二次性徴と重なっている点を認識する必要があるともいわれています。

ちょっとした反抗は体内の変化にも原因があると、ある程度割り切り、適度な距離感を保ちながら、しっかりと心の声に耳を傾けることが大切だといわれています。

習い事をさせても続かない。どうすればいい？

性格的に習い事に向いていないケースもありますが、やる気があるにもかかわらず行きたくなくなる場合もあります。

教室の雰囲気が合わなかった、やってみたら苦手意識が出てきた、というケースもありますし、指導者との相性が合わない、周囲の友だちとの相性が良くない、という場合もあります。

モチベーションが低下したまま習い事を続けても成果は出にくいででしょう。難しそうだと感じた場合は辞めさせるのも一つの方法です。学習塾や英会話教室が合わない場合は、通いから家庭学習への切り替えも選択肢の一つです。

今では英会話やプログラミングなど、オンラインでできる習い事は増えています。

育児に疲れてイライラしてしまう。どうすればいい？

子どもの態度に左右される部分もありますが、イライラが募る大きな要因のなかには、保護者が子育てに追われて自分の時間を取れてないことが挙げられます。

子ども向けのオンライン英会話サービス「GLOBAL CROWN（グローバルクラウン）」を運営する株式会社ハグカムのアンケート調査によれば、小学生以下の子どもを持つ母親の80％が「自分の時間が足りない」と感じていました。

親族に協力してもらうことや、子どもを預けられるサービスの活用なども含めて検討し、自分の時間をできるだけ設けられるように意識しましょう。

まとめ

9歳の男の子への接し方やおすすめの習い事を紹介しました。子どもの心身がともに発達し、様々な問題に直面する時期でもあります。

保護者として子どもの成長をサポートするほか、保護者自身がゆとりを持つためにも、様々なサービスと同時に、この記事で紹介した習い事をうまく活用してみてください。