幼児がお絵かきするメリットや効果は?子ども向け便利なアプリや本などもまとめて紹介

幼児がお絵かきするメリットや効果は?子ども向け便利なアプリや本などもまとめて紹介
幼児期の子どもにとって、お絵かきにはどんな意味が?この記事では、その魅力などについて解説。そのほか、幼児のお絵かきにおすすめのアプリや本、グッズに加え、習い事としてお絵かきを学べる教室なども紹介します。

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子どもにとって「お絵かき」とは?

生まれたばかりの赤ちゃんは、泣いたり、笑ったり、しながら、喜怒哀楽を通じていろいろな自己表現をします。お絵かきについては、最初は線を引いたり、ぐるぐると丸を描いたり、ぐしゃぐしゃと色を塗ったりしながら、少しずつ写実的な絵に近づいていきます。

東京大学大学院教育学研究科の西崎実穂さんによる研究『乳幼児期における行為と「痕跡」』によると、乳幼児のお絵かきは、自分の体を使い、布をぐしゃぐしゃにして表面のテクスチャーを変えたり物を動かして配置を変えたりすることで、自分の行動の痕跡を確認する働きかけの一種だといわれています。

この「なぐりかき」から始まり、子どもは体を正確に動かすことを覚え、線や図形を組み合わせたり、位置関係の秩序を考えることができるようになるなど、様々な発達とともに表現能力としてのお絵かきは高度になっていくと考えられています。

幼児がお絵かきをするメリットや効果は?

幼児のころにお絵かきを習うことによって得られる効果にはどんなものがあるでしょうか。東京都内に5カ所の教室を展開する子ども向け総合造形教室「図工ランド」代表の木村明彦さんと美幸さんご夫妻は、創造力、課題解決力、客観視する力、構成力などが身につくといいます。

①創造力、課題解決力が磨ける

絵を描くことは、手でものを汚すところから始まるといわれ、最初は、りんごも、太陽も、お母さんの顔も、全部描いたものは丸になりますが、手や目を描き段々と顔になっていくとか。そのときに、これはりんごだね、これはお母さんだね、と声をかけていると、それが描きたい絵になっていきます。

線を引き、色を塗り、作品を生み出す作業を繰り返すことで創造力が高まるほか、与えられたテーマに沿って、限られた時間内に完成させる作業は課題解決力も磨くことができます。

②客観的に物事を捉える力が身につく

どう描けばいいのかわからないようなモヤモヤしたイメージを外に出して客体化する力が創造力。自分で完成させた作品を第三者目線であらためて観察することによって、客観的な視点を養うことができ、思い描いているイメージを外に出すことで、そういうことをして良いのだと自分で思えるようになります

③ものづくりの構成力が身につく

平面で絵を描くことは、感じたことを表現するために、色や形を構成する力が身につきます。完成させるためにはどのような手順を踏めばいいのか、できることとできないことの取捨選択について考えることで、ものづくりに対する基礎体力や構成力が磨かれます

④自分で考え、行動できるようになる

創造の良いところは、自分で考える余地が大きいところでしょう。習った内容を問われることが多いなかで、何をどう描くか、全部自分で考えて実行できます。

【年齢別】子どもにお絵かきを教える方法


子どものお絵かきのやり方は年齢によって特徴があり、少しずつ変わっていきます。保護者としては、それぞれがどのような時期でどんな特徴があるのか、どのような見守り方、教え方をすればいいのかを把握しておきたいところ。

ここでは、「芸術による教育の会」が紹介しチエル「子どもの絵の発達段階」をもとに、どんな接し方をすればよいのか参考にしてみましょう。

【1~2歳】擦画期

手先を使ったり、クレヨンやペンなどをグーで握って使うことができるようになる。ぐるぐる、ぐしゃぐしゃとなぐり描きをする時期。見たものや頭にイメージしたものを具現化しているのではなく、線が描かれ、色がつくことを楽しんでいる段階。

保護者は、子どもがペン先を舐めたりクレヨンを誤飲したりしないよう注意。壁や床に絵を描いてしまう可能性もありますが、だからと言って叱ったり、描かないように仕向けたりすると、お絵かきへの興味関心を失ってしまう可能性も。

【1歳6カ月~3歳】錯画期

手指の関節が成長し、よりはっきりとした線や強弱をつけた曲線、円形などを描けるようになる時期。何を描いたかよりも、「自分が手を加えたことで様子が変わった」ことに満足する自己効力感を楽しむ段階。

【3~4歳】象徴期

図形や線の塊など、具体的な形が絵の中に現れ、子どもはそれらを指して「りんご」や「ママ」などと呼ぶようになる時期。最初からテーマを決めて描くのではなく、描いている最中に身近に経験したものと結び付ける行為を繰り返しながらお絵かきをする段階

一見すると何を描いているのかわかりにくいものばかりではあるものの、子どもの言葉に耳を傾けながら、否定的な声かけは避けつつ見守る必要があります。

【3~5歳】カタログ期

自分の知っているもの、経験したことを表現しようとする時期。絵をぱっと見ただけで、子どもが何を描いたのかある程度、判断できるようになります。描いたものに脈略や関係性はなく、頭にイメージしたもの、経験したことなどを、カタログのように次々に並べて描く段階です。

描くものの大きさはバラバラでバランスも取れていませんが、指摘する必要はなし。子どものボキャブラリーも豊富になってくるため、共感し、興味を持って質問するなど、コミュニケーションを取りながらたくさん描かせてあげましょう。

幼児のお絵かきに便利な子ども向けアプリ

今の子どもたちにとって、スマートフォンやタブレットは身近な存在でしょう。これらのデジタルツールを使ってお絵かきができるアプリも開発されています。簡単な操作で手軽に使えて、撮影した画像への落書きやSNSでの共有など様々な機能も備わっている、おすすめのお絵かきアプリを紹介します。

Canva

誰でも難しい操作なくおしゃれなデザインが作れるCanvaでは無料お絵かきツールが用意されています。アプリはもちろん、Webブラウザからも利用可能なため、いつでもどこでもお絵かきができます。ペンの種類は4種類で、色や線の太さも調整可能。豊富なテンプレートや無料画像にお絵かきや落書きもできるので、子どもの思うがままにお絵かきを楽しめます。

価格:無料
Canvaはこちら

Let's Draw

シンプルで簡単な操作が特徴で、難しい設定は不要。起動したらすぐに使えるお手軽なお絵かきアプリです。カラーは45色、ペンの太さは5種類あり、ズーム編集やテキスト入力などの便利な機能も備わっています。写真へのお絵かきや落書きもでき、編集した画像をE-mailやTwitter、Facebookで共有することもできます。

価格:無料
ダウンロード:(iOSAndroid

Doodle Maker

スケッチブック感覚で使えるペイントソフトです。小さいお子さんでも簡単な操作でお絵かきが楽しめるように設計されていて、カラーパレットを使って色塗りも思いのまま。写真の上からのお絵かきや写真の加工、塗り絵などのモードもあり、スタンプもすべて無料で使えます。また、描いた絵はLINEやTwitter、Facebookのユーザーに共有することができます。

価格:無料
ダウンロード:(iOSAndroid

幼児のお絵かきに便利な子ども向けの本

幼児期のお絵かきは子どもの感性に任せていいものですが、直線や波線、丸や三角などの図形を描く練習をしたり、それらを組み合わせて動物や乗り物などを描いたりといったトレーニングができる本も出版されているため利用しても良いでしょう。薄い線の上からなぞって描いたり、お手本通りに描いたりすることで、上手に描けるようになります。

①1日10分で どうぶつが かけるほん

○、△、□という形の組み合わせで絵を描く「あきやまメソッド」を使い、動物が描けるようになる本です。「らいおん」、「ぱんだ」、「いぬ」など動物園で人気の動物や身近な動物が32種類、取り上げられており、テーマごとにかき方の順番がついているので、子どもでも簡単に描けるようになります。自由にお絵かきできるページやぬり絵ページもついています。

価格:1078円

②3~6歳 カモさんのえがじょうずになる本

丸や三角などシンプルな形から始めて、自分の顔やパンダなど、人気のモチーフが描けるようになる本です。児童絵画教室「がじゅく」が監修しており、子どもにとってかきやすいかき順にもこだわっています。紙面に登場するナビゲーター役の男女と一緒に楽しく描くことができ、線をなぞったり、色を塗ったりすることで、想像力がどんどん鍛えられます。

価格:990円

幼児のお絵かきに便利な子ども向けグッズ

小さな子のために準備しておきたい道具にはどんなものがあるでしょうか。

①握りやすく口に入っても安心なもの

擦画期や錯画期のお子さんであれば、握りやすく、力が伝わりやすい太めのクレヨンが描く道具としておすすめでしょう。ミツロウやライスワックス、野菜などの天然素材が原料のものであれば、誤って口に入れてしまっても安心です。大きくめいっぱい描けるように、画用紙は大きめのほうが良いでしょう。

②描いて、消して、を繰り返せるお絵かきアイテム

また、マグネットのペンとボードで絵を描いて消してを繰り返せるお絵かきボードや、時間が経ったら絵が消えるお絵かきシートなど、繰り返し描けて汚れる心配もないツールもおすすめです。

③ビニールシートを準備

絵の具を使う際には、部屋が汚れないように下に敷くものが必要です。100円均一ショップで売られているレジャーシートやブルーシートでも十分でしょう。絵具や筆、パレットなども100円均一で買いそろえることができます。

お絵かきが学べるおすすめ習い事教室は?

お絵かきは自宅でも気軽に楽しむことができますが、教室に通えば、様々な画材を使い、講師から指導を受けながらお絵かきをすることができます。お絵かきに特化した教室もありますし、知育教育の一貫としてお絵かきを取り入れている教室、カリキュラムの一つにお絵かきを取り入れている幼児教室などもあります。

①絵画教室 アトリエCHICORA

2019年にスタートした「絵画教室 アトリエCHICORA(チコラ)」では、水彩画やパステル画、デジタルアートなど、多様な絵のかき方を学び、豊かな感性や芸術性を身につけることができます。

子ども向けのレッスンは5~8名ほどの少人数制で行われ、1コマのレッスン時間は90分間。どの画材を使い、どんな画法で描きたいかは受講生が自分で決めます。自分で決められない場合は講師が提案してるので安心です。

また、「キャラクター設計」を学べるのも特徴で、ストーリーを作り、オリジナルのキャラクターをそこに登場させることで、創造性を育むことができます。

代表者の松本えつを先生は絵本作家の実績を持ち、女性専用のクリエイター学校「ウーマンクリエイターズカレッジ絵本の学校」の創設などにも携わりました。「絵本の学校」の卒業生がアトリエCHICORAの講師を務めることもあり、今後は「絵本の学校」の卒業展示会への参加も計画しているそうです。

②知育ラボ

「知育ラボ」は、未就学児から小学生向けの「知育」を中心としたスクールです。お絵かきや工作、絵本の読み聞かせ、美術館ツアー、テニスやかけっこなどから関心のあるものを選び、一人ひとりに合わせてカスタマイズしながら取り組んでいきます。

レッスンは1回2時間で、原則マンツーマンのみ。0歳児から10歳ぐらいまでの子どもを対象としていて、子どもが小さいうちは保護者と一緒に、親から離れられるようになれば子どもだけで参加します。

例えば「アート作品づくり」では、レオナルド・ダ・ビンチの『モナ・リザ』を見ながら、スフマート画法というぼかす技法を使って自身で『モナ・リザ』をかきます。「ボディーペインティング」では、部屋中に白いボードを貼り、全身を使って絵をかきます。

一見すると楽しく遊んでいるだけに見えるレッスンのなか、子どもたちは五感を使って好きなことに没頭し、「大好き」と「個性」を育んでいます。

③ベビーパーク

「ベビーパーク」は、生後2カ月の赤ちゃんから3歳までの子どもを対象に、全国展開している幼児教室です。5、6組の親子に講師1人がついてグループレッスンを行い、知能発達を促していきます。

クラスは月齢2カ月~8カ月の「Aクラス」、9カ月~1歳3カ月の「Bクラス」、1歳4カ月~1歳10カ月の「Cクラス」、1歳11カ月~2歳5カ月の「Dクラス」、2歳6カ月~3歳0カ月の「Eクラス」と、月齢7カ月ごとに5つのクラスに分かれています。

1回のレッスンは50分間で、子どもたちが飽きてしまわないよう、時間中に幅広いプログラムに挑戦し、前向きに取り組みながら多くの学びに触れていきます。おもちゃにひもを通す遊びでは、指先を細かく動かすことで手先の巧緻性やチャレンジ精神を育むことができ、クレヨンでのお絵かきや制作では、豊かな感性や創造性を養うことができます。

まとめ

幼児にお絵かきをさせることでどのようなメリットや効果があるのか、お絵かきをするのに便利なアプリや本、グッズ、おすすめのお絵かき教室などを紹介しました。

幼児にとってのお絵かきは、言葉を話すことよりも先に行う自己表現。創造性や豊かな感性を育むことができるのはもちろん、体の使い方やものの見方を学ぶための大切な行為でもあります。上手い下手はあまり気にせず、優しく見守ってあげたいですね。

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  • 質問 幼児教室・幼児教育は実際にどんなことをするのでしょうか?

    答え 年齢や受験対応など、教室の方針によって異なります。例えば年少クラスは、遊びやゲームの延長のような内容でペーパーをあえて使わないところも。幼稚園受験や小学校受験を目的にした教室では、入試情報に基づき適切なカリキュラムが組まれており、学校選びから面接対応まで様々なサポートをしてくれます。また、レッスン内容や受験のことだけではなく、ご家庭での子育てについての相談も気軽にできるので、発達段階をふまえた関わりのコツを教えてもらうことも可能です。

  • 質問 先生はどのような経験を持った方が多いですか?

    答え 保育士や幼稚園教諭、小学校や中学校教諭などの子どもの教育に関する有資格者はもちろん、資格がなくても幼児教育のエキスパートとして活躍する講師の方もいらっしゃいます。採用基準は教室によって異なるため、一概には言えませんが、お子様に寄り添った指導ができる方や教養のある方が多いと言えるでしょう。教室によっては、受験対策であえてピリピリとした雰囲気の中で授業を進めるところもあります。お子様に合った指導をしてくれる教室を探しましょう。

  • 質問 幼児教室に通いつつ、家庭での学習も必要になりますか?

    答え はい、教室の方針によりますが、家庭学習や親子の関わり合いを重視しているところが多いです。低年齢のお子様には、まず生活習慣をきちんとつけることからアドバイスがあるでしょう。授業でおこなった内容について、家庭で復習を推奨している教室では、苦手分野があれば克服できるよう指導も。お子様の成長過程やお受験などの目的に合わせて、家庭での学習内容も変化するものです。わからないことがあればレッスンが終わった後や、面談で気軽に相談しましょう。

  • 質問 小学校受験を考えている場合、何歳から教室に通うべきですか?

    答え 家庭学習やお子様の学習のレベルにもよりますが、年少さん(3歳)から通うことで無理なく受験対策ができると言われています。中には、年長さん(5歳)から受験対策をはじめるご家庭もあり、レッスンについて行ける方もいらっしゃいます。ただし、教室によっては年齢で入会が難しいと判断される場合もあるため、小学校受験を考えているご家庭は、なるべく早く準備をすると良いでしょう。勉強をする習慣を身につけたり、家庭学習を進めたり、基礎学力をつけるためにも低年齢での入会を進める教室が多いです。

  • 質問 グループレッスンと個別レッスン、どちらがおすすめですか?

    答え それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが適しているかはお子様の年齢や成長過程によって異なります。グループレッスンでは、年齢の近いお友達のやり取りを見聞きすることも学びの1つです。個別レッスンでは、インストラクターとじっくり向き合うことができるので、集団では集中力が続かないお子様も落ち着いて取り組むことができることも。どちらが向いているかわからない場合は、体験教室に参加し、インストラクターにグループレッスンと個別レッスンのどちらが良いかをアドバイスしれもらうことも可能です。