漢検のレベル|何級からすごい?
漢検の受検級は、10級~1級まで12段階に分かれています。
小学生の受験目安は、小学1年生修了程度とされる10級から、小学6年生修了程度とされる5級までです。
中学生は4~3級、高校生は準2級が目安となり、高校卒業・大学・一般レベルが2級以上と区分されています。
どの級からでも受験できるため、小学生はそれぞれの学年の基準とされる級から始めると良いでしょう。
漢検合格のメリット
漢検に合格すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、漢検合格で得られるメリットについて具体的に解説します。入試で評価指標になる
評価の基準は学校によって様々ですが、内申書や試験で加点する学校も多く、漢検を持っていることがライバルと差をつける武器になることも。実際に、日本漢字能力検定協会が調査した「令和3年度 高等学校における漢検活用校数」によると、全国の高校の半数が入試で漢検を評価すると回答しています。
基礎学力が身につく
漢字を学ぶことで、基礎学力が身につくメリットもあります。漢字検定の学習を通して「読む」「書く」などの学習の土台作りができるのです。国語以外の教科でも、問題を読み解く読解力は必須です。漢検で身につけた基礎学力が力になり、全体的な学力の向上も狙えるでしょう。
さらに漢検は覚えるべき語句や漢字がたくさんあるため、継続して勉強する習慣が身につきます。
漢検を受けることによって身につけた基礎学力や勉強習慣は、この先必ず役に立つでしょう。
漢検の概要と対策方法
漢検の概要と対策方法を、それぞれの級に分けて解説します。小中学生が受検することが多い、5級から2級の解説を詳しくしていくので、ぜひ参考にしてください。参考:日本漢字能力検定 各級の出題内容と審査基準
採点基準と合格基準
年度・回ごとの級別志願者数・合格者数
漢字検定5級の概要と対策方法
ここからは漢検5級の概要と対策方法を、「出題内容」「難易度」「合格点」「合格率」「おすすめの問題集」のポイントに分けて解説します。漢字検定5級の出題内容
漢検5級の主な出題内容は、以下の通りです。- 漢字の読み
- 漢字の書取
- 部首・部首名
- 筆順・画数
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
漢字検定5級の難易度
漢検5級の難易度は小学校6年生修了程度で、対象漢字数は1026字です。審査基準は以下の通りです。
【読み書き】
小学校学年別漢字配当表の第6学年までの学習漢字を読み、書くことができる。
- 音読みと訓読みとを正しく理解していること
- 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること
- 熟語の構成を知っていること
- 対義語、類義語を正しく理解していること
- 同音・同訓異字を正しく理解していること
【四字熟語】
四字熟語を正しく理解している(有名無実、郷土芸能など)。
【筆順】
筆順、総画数を正しく理解している。
【部首】
部首を理解し、識別できる。
漢字検定5級の合格点
漢検5級は、200点満点中70%程度の正解率で合格できます。よって、合格点は140点程度です。
漢字検定5級の合格率
日本漢字能力検定の公式HPで公表されている、漢検5級の合格率は以下の通りです。2023年度 第1回 | 72.3% |
2022年度 第3回 | 74.8% |
2022年度 第2回 | 70.0% |
2022年度 第1回 | 73.1% |
漢検5級の合格率は70%台前半程度であり、しっかりと対策すれば合格できる難易度と言えるでしょう。
漢字検定5級におすすめの問題集
『漢検 5級 漢字学習ステップ』は、漢検公式の問題集です。5級だけでなく、各級ごとに対応した問題集が販売されています。漢字一字一字を丁寧に学習できるステップ式問題集で、漢字能力が総合的に身につきます。5級用の問題集には漢字練習ノートもついているため、漢字の筆順や注意点を書きながら効率的に覚えられる点も嬉しいポイント。
5〜7ステップごとに設置されているおさらい問題で復習と確認ができるため、着実に学びたい人におすすめの一冊です。
価格:990円
著者名:日本漢字能力検定協会
URL:https://www.kanken.or.jp/kanken/textbook/step.html
漢字検定4級の概要と対策方法
ここからは漢検4級の概要と対策方法を、「出題内容」「難易度」「合格点」「合格率」「おすすめの問題集」のポイントに分けて解説します。漢字検定4級の出題内容
漢検4級の主な出題内容は、以下の通りです。- 漢字の読み
- 漢字の書取
- 部首・部首名
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
漢字検定4級の難易度
漢検4級の難易度は中学校在学程度で、対象漢字数は1339字です。審査基準は以下の通りです。
【読み書き】
小学校学年別漢字配当表のすべての漢字と、その他の常用漢字約300字の読み書きを習得し、文章の中で適切に使える。
・音読みと訓読みとを正しく理解していること
・送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること
・熟語の構成を正しく理解していること
・熟字訓、当て字を理解していること(小豆/あずき、土産/みやげなど)
・対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解していること
【四字熟語】
四字熟語を理解している
【部首】
部首を識別し、漢字の構成と意味を理解している。
漢字検定4級の合格点
漢検4級は、200点満点中70%程度の正解率で合格できます。よって、合格点は140点程度です。
漢字検定4級の合格率
日本漢字能力検定の公式HPで公表されている、漢検4級の合格率は以下の通りです。2023年度 第1回 | 52.8% |
2022年度 第3回 | 53.2% |
2022年度 第2回 | 51.7% |
2022年度 第1回 | 53.3% |
漢検4級の合格率は50%程度であり、受験者の半数以上が合格している計算になります。
漢字検定4級におすすめの問題集
『漢検 4級 過去問題集』は、漢検公式の過去問題集です。漢検についての基本的な練習は、『漢字学習ステップシリーズ』を用いても可能ですが、おさらいなどを行うときには過去問がおすすめです。設問ごとに合格者の平均得点が記載されているため、自分のレベルを把握するのにも役立ちます。受験前の総仕上げにピッタリの一冊です。
価格:1100円
著者名:日本漢字能力検定協会
URL:https://www.kanken.or.jp/kanken/textbook/past.html
漢字検定3級の概要と対策方法
ここからは漢検3級の概要と対策方法を、「出題内容」「難易度」「合格点」「合格率」「おすすめの問題集」のポイントに分けて解説します。漢字検定3級の出題内容
漢検3級の主な出題内容は、以下の通りです。- 漢字の読み
- 漢字の書取
- 部首・部首名
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
漢字検定3級の難易度
漢検3級の難易度は中学校卒業程度で、対象漢字数は1623字です。審査基準は以下の通りです。
【読み書き】
小学校学年別漢字配当表のすべての漢字と、その他の常用漢字約600字の読み書きを習得し、文章の中で適切に使える。
・音読みと訓読みとを正しく理解していること
・送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること
・熟語の構成を正しく理解していること
・熟字訓、当て字を理解していること(乙女/おとめ、風邪/かぜなど)
・対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解していること
【四字熟語】
四字熟語を理解している
【部首】
部首を識別し、漢字の構成と意味を理解している。
3級以上は大人にとっても難しい問題が増え、日常で使用する機会の少ない漢字の理解を求められるようになります。
漢字検定3級の合格点
漢検3級は、200点満点中70%程度の正解率で合格できます。よって、合格点は140点程度です。
漢字検定3級の合格率
日本漢字能力検定の公式HPで公表されている、漢検3級の合格率は以下の通りです。2023年度 第1回 | 46.9% |
2022年度 第3回 | 47.5% |
2022年度 第2回 | 50.3% |
2022年度 第1回 | 50.6% |
漢検3級の合格率は50%程度であり、受験者の約半数が合格できる計算になります。しっかり対策すれば、合格を狙える難易度と言えるでしょう。
漢字検定3級におすすめの問題集
漢検3級以上になると、大人でも難しい問題が出題されるようになります。よりスキマ時間を有効利用するためには、小さなサイズで使い勝手が考慮された問題集もおすすめです。『漢検 3級 ハンディ漢字学習』は、細長いサイズでポケットへの出し入れが簡単。問題集のほか、漢字表などの資料や赤シートも付いているため、持ち歩いていつでも学習できます。
移動中や空き時間に、手軽に効率よく学習したい人におすすめの一冊です。
価格:968円
著者名:日本漢字能力検定協会
URL:https://www.kanken.or.jp/kanken/textbook/handy.html
漢字検定準2級の概要と対策方法
ここからは漢検準2級の概要と対策方法を、「出題内容」「難易度」「合格点」「合格率」「おすすめの問題集」のポイントに分けて解説します。漢字検定準2級の出題内容
漢検準2級の主な出題内容は、以下の通りです。- 漢字の読み
- 漢字の書取
- 部首・部首名
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
漢字検定準2級の難易度
漢検準2級の難易度は高校在学程度で、対象漢字数は1951字です。審査基準は以下の通りです。
【読み書き】
1951字の漢字の読み書きを習得し、文章の中で適切に使える。
・音読みと訓読みとを正しく理解していること
・送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること
・熟語の構成を正しく理解していること
・熟字訓、当て字を理解していること(硫黄/いおう、相撲/すもうなど)
・対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解していること
・すべての常用漢字の読み書きに習熟し、文章の中で適切に使える。
【四字熟語】
典拠のある四字熟語を理解している(驚天動地、孤立無援など)。
【部首】
部首を識別し、漢字の構成と意味を理解している。
漢字検定準2級の合格点
漢検準2級は、200点満点中70%程度の正解率で合格できます。よって、合格点は140点程度です。
漢字検定準2級の合格率
日本漢字能力検定の公式HPで公表されている、漢検2級の合格率は以下の通りです。2023年度 第1回 | 33.4% |
2022年度 第3回 | 38.5% |
2022年度 第2回 | 38.2% |
2022年度 第1回 | 35.6% |
漢検準2級の合格率は30%〜40%であり、十分に対策して挑む必要があると言えるでしょう。
漢字検定準2級におすすめの問題集
『2022年度版 頻出度順 漢字検定準2級 合格!問題集』は、大学教授ほか教育関係者、漢字検定1級取得者が中心となり、毎年過去問を調査して頻出度順にまとめた問題集です。毎年改訂されるため、最新の出題形式・傾向に完全対応している点も嬉しいポイント。赤シート付きで、漢字表や読みの問題を繰り返し解けます。
そのほか、「中学校で習う特別な読みの用例」「熟字訓・当て字」「準2級以下の配当漢字表」「部首一覧」など、資料も充実。別冊の書き込み式模擬試験問題も、5回分掲載されています。
価格:1100円
著者名:漢字学習教育推進研究会
URL:https://www.shin-sei.co.jp/np/isbn/978-4-405-05107-2/
漢字検定2級の概要と対策方法
ここからは漢検2級の概要と対策方法を、「出題内容」「難易度」「合格点」「合格率」「おすすめの問題集」のポイントに分けて解説します。漢字検定2級の出題内容
漢検2級の主な出題内容は、以下の通りです。- 漢字の読み
- 漢字の書取
- 部首・部首名
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
漢字検定2級の難易度
漢検2級の難易度は高校卒業・大学・一般程度で、対象漢字数は2136字です。審査基準は以下の通りです。
【読み書き】
すべての常用漢字の読み書きに習熟し、文章の中で適切に使える。
・音読みと訓読みとを正しく理解していること
・送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること
・熟語の構成を正しく理解していること
・熟字訓、当て字を理解していること(海女/あま、玄人/くろうとなど)
・対義語、類義語、同音・同訓異字などを正しく理解していること
【四字熟語】
典拠のある四字熟語を理解している(鶏口牛後、呉越同舟など)。
【部首】
部首を識別し、漢字の構成と意味を理解している。
漢字検定2級の合格点
漢検2級は、200点満点中80%程度の正解率で合格できます。よって、合格点は160点程度です。
漢字検定2級の合格率
日本漢字能力検定の公式HPで公表されている、漢検2級の合格率は以下の通りです。2023年度 第1回 | 25.5% |
2022年度 第3回 | 28.9% |
2022年度 第2回 | 29.2% |
2022年度 第1回 | 28.5% |
漢検2級の合格率は30%未満であり、難易度が高いと言えるでしょう。
漢字検定2級におすすめの問題集
漢検2級は覚えなくてはならない漢字が多いため、効率よく学びたいという人には頻出度順の問題集もおすすめです。『漢字検定2級頻出度順問題集』は、10年分におよぶ過去問題を分析し、頻出問題を厳選してまとめた問題集です。頻出度順にA・B・Cの3ランクに分けて掲載されているため、出題傾向をつかみやすいのも嬉しいポイント。
赤シート付きで一問一答形式で学べるため、スキマ時間を利用した学習にも最適な一冊です。
価格:1100円
著者名:高橋書店
URL:https://www.takahashishoten.co.jp/book/41171.html
漢検6級以下の勉強法も解説!
漢検初級者向けには、イラストを豊富につかった問題集なども多数販売されています。漢字に対して苦手意識がある場合は、10級から5級までの受験者を対象にした、1日10分で手軽に取り組める「いちまるとはじめよう!わくわく漢検」シリーズがおすすめです。勉強が終わった後にシールを貼れるようになっており、モチベーションを高める工夫がされています。6級・5級は小学校高学年レベルとなるため、漢字に苦手意識のある小学生にとっては難易度が一段と高く感じられる可能性もあるでしょう。しかし、5級までに出題される内容は、中学生になっても学習で必要とされる理解度です。しっかりと理解できるよう準備しましょう。
漢検対策におすすめの習い事
漢検では、漢字の書き取りや読む機会をできるだけ多く持つことが重要になります。問題集や参考書などで学習するほか、習字・書道やかきかた教室に通うことも効果的です。スマイルゼミ小学生
出典:スマイルゼミ小学生スマイルゼミ小学生は、学校準拠のコンテンツが集約されたタブレット教材です。
算数・国語・理科・社会・英語の他、漢字ドリル・算数ドリル・プログラミング、さらには季節の特別講座などの教材を自由に閲覧・学習できます。
学習状況も把握できるため、繰り返しや苦手克服が必要な漢検対策にもピッタリの教材と言えるでしょう。
また「漢検チャレンジ問題」と呼ばれるコンテンツも含まれており、検定の時間感覚や出題形式を体験できる点も魅力。さらに選択式ではなく、実際にタッチペンで書いて答える回答方式のため、漢検合格に向けて確実に漢字知識を定着させることができるでしょう。
ことばパーク
出典:ことばパークことばパークは、教育事業を主軸とする株式会社学研エデュケーショナルが運営する、「ことばの力を身に付ける」双方向型オンライン学習サービス。1回あたり25分×月3回のレッスンを通じて聞き取り力や読解力、語彙力などを養います。
使用する教材には、しりとりや言葉の並び替えなど遊び要素も詰まっているため、飽きずに興味を持って遊び感覚で取り組むことができるでしょう。利用者の多くは、読解力・音読技術の向上を実感しただけではなく、集中力向上にも寄与していると感じているそうです。
漢字に特化したサービスではありませんが、総合的に国語力を高めていきたいと考えている人は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
森塾
出典:森塾指導実績70万人以上を誇る個人指導塾は、森塾です。小学3年生から高校3年生が利用することができ、漢検対策を行うことも可能です。小学生の場合は、先生1人に対し生徒が2人までの指導で、先取り学習やテスト対策などを行っています。テキストには、全国の学校の定期テストを分析して制作された「フォレスタシリーズ」が採用されています。
自習室があるため、授業時間以外で集中して学習したい際には利用しましょう。授業料は公式サイトより問い合わせる必要があるため、気になる場合は最大5日間の無料体験を利用してみましょう。
家庭教師のトライ
出典:家庭教師のトライ「勉強のプロ」がお子様1人ひとりの学習ペースに合わせて徹底指導するのは、家庭教師のトライです。マンツーマン指導に加えて、トライのAIがお子様の苦手分野や学習するべき内容を厳選するなど、学習方法をフォローすることが特徴。オーダーメイドカリキュラムだから、漢検や入試対策など、目的に合わせて学習を進められます。
利用する際には、教育プランナーによる無料学習相談を行った後にカリキュラムと料金プランが提案されます。授業の振り替えやプランの変更は無料で行えるため、安心して利用しやすい点がメリットです。
おすすめの教室「未来こども教室 かきかた書道教室」
「未来こども教室 かきかた書道教室」で学ぶことができるのは、鉛筆を使用する「かきかた」、毛筆を使用する「書道」の2コースです。どちらのコースでも、文字の美しさを際立たせる線の書き方を大切にしながら、オリジナルの教材を用い、お題の文字を書く練習をくり返します。
進級するにつれて漢字の難易度が高まるため、チャレンジ精神ややり抜く力が育まれます。先生からの指導を通じて、より上手に書くための課題発見力や問題解決力も磨かれます。
漢検のレベルまとめ
漢検の各級のレベルやおすすめの勉強法、問題集などを紹介しました。2021年度の結果を見ると、小学生が目標とする目安の10級~5級までは合格率が過半数を超えています。しかし、漢字への苦手意識や試験への慣れによっても結果は変わってくるでしょう。書き取りが何度も行えるドリルや、過去問、分野別問題集などをうまく活用しながら、合格のための準備をしっかりと行いましょう。漢字に親しみを持ちやすくなるようイラストやシールなどで工夫された問題集もあります。
そのほか、小さなうちから習字や書道、かきかた教室などの習い事を通じて漢字に親しみを持っておくことも、検定合格を後押しする要因になります。