フリーターを続けた場合の末路は？一生フリーターはなんとかなる？

フリーターを続けた場合に考えられる5つの末路

フリーター生活は、自由な時間を確保しやすかったり好きな仕事に手を出せたりと、一見すると魅力的に思いがち。しかしフリーターを長く続ければ続けるほど、高確率で将来の自分にしわ寄せが来ます。ここでは、フリーターの末路を5つまとめてみました。

• 収入が低く経済的に困窮してしまう
• 社会的信用が低く諸々の審査・手続きに通らない
• 人員整理で解雇されてしまい職を失う
• 就職活動をしても採用してもらえない
• もらえる年金額が少なく老後も苦労する

収入が低く経済的に困窮してしまう

フリーターとして働く場合、正社員と比較するとどうしても収入が低くなってしまうことは否めません。やや古いデータにはなるものの、厚生労働省のある資料によれば、正社員とフリーターでは生涯賃金に1億円以上の差が生じることが分かっています。

毎日フルタイムで働いたとしても、正社員の3分の1程度の給料しか得られないため、場合によっては生活費や家賃の支払いですらいっぱいいっぱいに。ましてや病気や怪我で働けなくなった暁には、収入源が途絶えてしまい経済的な困窮に陥る可能性もあります。収入が低く各種手当もないフリーターは、金銭面で大きなハンデがあると言えるでしょう。

社会的信用が低く諸々の審査・手続きに通らない

フリーターは定収入がないため、社会的信用が低くなりがちな点もデメリットです。クレジットカードの発行、住宅ローンの審査、賃貸の契約等々…正社員と比べて不利になってしまうことが多々あるでしょう。今や生活に欠かせないツールであるスマートフォンの契約すら難しくなってしまうことも。

生活に必要な手続きが円滑に進まず、さまざまな制約が生じてしまうというのも、フリーターに考えられる一つの末路です。

人員整理で解雇されてしまい職を失う

フリーターは契約社員や派遣社員といった「有期雇用」での契約となることが多く、経済状況の変化や会社の事情等によって簡単に解雇される可能性があります。多くの企業の業績を悪化させたコロナウイルス感染拡大期においても、解雇や雇止めとなった約14万5千人のうち、少なくとも約6万5,000人は非正規雇用であったことが分かっています。

参照：厚生労働省｜新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について

雇用が不安定なフリーターは、突然の解雇に怯えながら働くことになるため、安心して生活を送ることすら難しくなってしまうでしょう。
参考：ニートから就職

就職活動をしても採用してもらえない

フリーターとしての生活を続けていると、いざ就職しようと思ったとしても「どの企業からも相手にしてもらえない」なんて事態が往々にして起こり得ます。企業は職務経験が豊富な人、専門的なスキルを持っている人、将来性がある人等を求めているため、フリーターとしての経歴だけでは信用してもらえないのです。

フリーター歴が長くなり、年齢を重ねるごとに、この傾向は顕著になっていくでしょう。安定した職を得ることを望んでいるのであれば、できる限り早く動き出す必要があります。
参考：フリーターから正社員は難しい？

もらえる年金額が少なく老後も苦労する

フリーターは年金制度として「国民年金」に加入することになりますが、正社員が加入する「厚生年金」と比べると将来の受給額に大きな違いが存在します。日本年金機構が公開しているデータによれば、双方のひと月当たりの受給額には2倍近い差があることが分かりました。参照：日本年金機構｜令和6年4月分からの年金額等について

定年後には年金を頼りに生活することになりますが、国民年金の受給しかできないフリーターは老後も経済的に困窮してしまいやすいでしょう。一応「国民年金基金」のような上乗せ制度はあるものの、収入の低さもあって加入するのはなかなか困難です。

フリータ―の割合はどれくらい？年代別に解説

「自分と同じ年代でフリーターの人はどれくらいいるんだろう」と気になっている人に向けて、日本のフリーター人口を解説していきます。労働政策研究・研修機構の情報をまとめると以下の通り。なお、厚生労働省ではフリーターを「15〜34歳のアルバイト・パート従事者」と定義しているため、この年代に限ったデータとなっている点にはご留意ください。

参照：労働政策研究・研修機構｜若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③

日本の総人口の1％程度はフリーターと言われていますが、その中でもやはり20代の割合が高いことがわかります。約150万人近くいるフリーターのうち、33％は20〜24歳で、34％は25〜29歳です。

若い世代であれば、経歴よりも熱意や将来性を重視した「ポテンシャル採用」を狙える可能性が十分あります。30代フリーターとなってくると段々求人も限られてきてしまうため、フリーター期間は出来る限り長引かせることなく、20代のうちに就職活動へ取り組み始めたいところです。

フリーターの末路に影響を与える社会情勢

VUCAの時代といわれる今、社会情勢は常に変化しています。フリーターの末路は、「今後社会がどのように変化していくか」によっても大きく左右されるに違いありません。

ここからは、フリーターの末路に影響を与えかねない社会の変化についてご紹介します。 

キャリアの選択肢の多様化

働き方改革の推進により、人々の働き方はより自由かつ多様化しています。企業の雇用形態は正社員・派遣社員・時短社員・パート・非常勤などとさまざまあり、求人も多種多様です。

加えて近年は企業に属さずに働く「フリーランス」という選択肢もあり、正社員でなくても収入を得る方法がさまざまあるのが実情です。キャリアの選択肢が増えたことは、フリーターにとってうれしい変化といえるでしょう。
 
ただし先述のとおり、生活の安定や将来の安心を得たいなら、やはり正社員が有利です。「フリーターの末路は……」と常に検索したくなってしまうような人は、正社員になる方向で活動を進めた方が心穏やかに過ごせるはずです。

終身雇用制の崩壊

終身雇用制は、日本の高度経済成長期に普及・定着した慣行です。成長が止まって久しい日本経済の現状にはマッチしておらず、終身雇用制を採用しない企業も増えています。
 
終身雇用制の崩壊によって顕著となったのが、「実力主義」です。企業の多くは優秀な人材の確保に注力しており、採用現場ではスキルや実績が重視されます。
 
有期雇用であるアルバイトでも、実力重視の傾向は同じ。アピールできるスキルやキャリアを身につけておかないと、契約を更新してもらえなかったり新しい職場が見つからなかったりといったリスクが高くなります。 

AIの台頭

AI技術の発達により、既存職種の多くがAIに代替されるといわれています。AIと相性がよい職種についているフリーターは、職を失うリスクが大きくなっているのが実情です。
 
AIが得意なのは、「繰り返しのみの単純作業」「予測しやすい仕事」「情報の収集や整理」など。例えば以下のような仕事は、将来的にAIの代替が進みやすいといわれています。
 

• レジ打ち
• データ入力
• 経理業務（記帳、仕訳など）
• コールセンター業務
• 文書作成
• 組み立て・運搬　など

 現在、単純作業・創造力不要な仕事などに就いているフリーターは、AIの台頭により職を失ったり業務が減ったりする可能性があります。 

将来の予測が難しい

テクノロジーの進歩が著しい昨今、ビジネスモデルのトレンドは簡単に変化します。現在絶好調の企業も、数年後には廃業に追い込まれるかもしれません。景気の悪化は雇用にも反映されやすく、フリーターとして安定的に働くことが難しくなる可能性があります。
 
特に有期雇用契約で働くフリーターは、真っ先に人員整理の対象となりやすい傾向です。長く働くためには、「どの業界でも通用するポータブルスキルを身につける」「キャリアプランを立てて必要なスキルを獲得する」などの戦略が必要となります。 

フリーターの暗い末路を回避する方法

ここでは、フリーターの暗い末路を回避する方法について詳しく見ていきましょう。

就職活動をする

フリーターの暗い末路を回避するためには、できるだけ早く就職活動を始め、正社員としてのキャリアを築くことが重要です。フリーター生活が長引くほど、年齢やスキル不足が理由で正社員として採用されることが難しくなりますが、若いうちに就職活動を行えば、企業側もポテンシャルを重視してくれる可能性が高く、未経験でも正社員の道が開けることがあります。

まずは自己分析を行い、自分に合った職種や業界を見極めることが大切です。また履歴書や職務経歴書の準備、面接対策をしっかりと行いましょう。求人サイトや就職エージェントを活用し、フリーターから正社員になるためのサポートを受けるのも効果的です。
参考：フリータ向け就職支援

スキルを習得する

フリーターのままではキャリアの発展が限定的になりがちですが、何らかの分野に特化したスキルを身につけることで、就職の幅が広がります。

例えばITスキルやプログラミング、デザインなど、需要が高い分野のスキルを習得すれば、正社員としての就職活動において大きなアピールポイントとるでしょう。これらのスキルはフリーランスとしても活かせるため、就職だけでなく、自分のペースで働きたい場合にも役立ちます。

特にフリーランスとして成功するためには、Web制作やライティング、動画編集など、独立して働けるスキルを持つことが不可欠です。スキルを磨き、専門性を高めることで、収入を安定させるだけでなく、キャリアの選択肢を広げることができるでしょう。

フリーターから正社員になる方法

フリーターの末路が気になるということは、フリーターとしての将来に不安があるということ。モヤモヤしながらアルバイトに行くのはやめて、正社員になる方向へ舵を切りましょう。
 
フリーターから正社員を目指す上で、おすすめの方法をご紹介します。 

アルバイト先で正社員を目指す

現在のアルバイト先に正社員登用制度がある場合、条件を満たすと正社員に転換できる可能性があります。
 
アルバイト先で正社員になるメリットは、慣れ親しんだ環境で働ける点です。新しい職場に就職すると、人間関係や職場の雰囲気に慣れるまで一定の時間が必要となります。仕事を覚えるまでの苦労もあり、入社後しばらくは気を張る状態が続くでしょう。
 
アルバイト先で正社員になれば、仕事を覚えたり環境に慣れたりといった苦労がありません。これまでの経験を活かして働けるというアドバンテージは、非常に大きいといえます。
 
ただしアルバイトから正社員になれるかどうかは、職場の状況次第です。正社員になることで業務が変わったり残業が増えたりといった可能性もあります。まずは正社員登用制度の有無や条件・待遇などについて、情報集めから始めてみてください。 

就職支援サービスを利用する

正社員歴がない・スキルや実績がないなどの不安から就職活動が進まない人は、就職支援サービスの利用がおすすめです。 
また正社員歴がある人やすぐに働き始めたい人は、就活エージェントを利用しましょう。



一方民間の就活支援サービスである就職エージェントは、担当者が就活に伴走してくれるのが魅力。キャリアの悩みや不安も相談できるので、「将来のキャリアをどうすればよいか」「自分に合う仕事とは何か」などに悩んでいる人も解決策を見つけやすくなります。
参考：ハローワークで転職相談

就職に有利な資格を取得する

求人ポジションによっては、スキルや実績が重視されます。フリーターとしてアピール力が弱いと感じる場合は、資格を取得してスキルを証明するのも1つの方法です。
 
就きたい職種に合わせて、評価の高い資格を探してください。フリーターの就職に有利になる資格は、以下のものがあります。
 

• 事務系：日商簿記検定、MOS (Microsoft Office Specialist)、秘書技能検定など
• IT系：ITパスポート、基本情報技術者　など
• 販売系：販売士　など
• 金融系：FP、証券外務員　など

 
就職のために資格を取得するときの注意点は、資格取得に長く時間をかけすぎないこと・社会的評価の高い資格を取得することです。
 
難易度の高い資格を選ぶと、合格までに長い時間がかかる可能性があります。就活が遅れると職歴のブランクがより長くなるため、おすすめできません。
 
また誰でも取得できるような簡単な資格・誰も知らない資格は、採用担当者の評価を受けにくくなります。資格を取得する際は、ある程度知名度があって信頼性の高いものを選ぶのがマストです。 

自己分析や業界研究を今すぐ始める

自己分析や業界研究は、就職のミスマッチを防ぐ上で有益です。就活を始める前に、自己分析シートを利用したり、企業のコーポレートサイトをチェックしたりなどをしてください。
 
自己分析が必要なのは、自分の弱み・強みを見極めたり、アピールポイントを明確化したりする上で重要なためです。自分自身をきちんと理解することで、自分に合う企業・合わない企業を見極めやすくなります。
 
また業界研究を徹底すれば、その業界や企業で評価されやすいスキルや資質が分かります。志望動機を作ったり自己アピールを考えたりするとき、エピソードの取捨選択や重きを置くべきポイントが明確化するはずです。

フリーターにおすすめの就職エージェント3選

ここでは、フリーターにおすすめの就職エージェントを紹介します。
フリーターから正社員への就職を考えている人は、ぜひ利用してみましょう。

ハタラクティブ

ハタラクティブは、フリーター・未経験・既卒・大学中退など、経験やスキルに自信がない20代向けのマンツーマン就職・転職支援サービスです。

取り扱い案件の8割以上の企業が未経験OKのため、ポテンシャルや今持つ強みを評価してくれる企業との出会いも期待できるでしょう。また「何をしたいのか分からない」といった求職者に対しても、適職診断やカウンセリングなどを通じて、興味につながりそうな案件を紹介してくれます。

加えて、面接対策や履歴書添削もマンツーマンで実施してくれるため、他の転職支援サービスで思うような成果を出せなかった人もハタラクティブであれば、新しいキャリアを切り拓いていくことができるでしょう。
参考：ハタラクティブの評判

Re就活エージェント

Re就活エージェントは、第二新卒・既卒・フリーターの転職支援に特化した就活エージェントです。
在籍するアドバイザーの80%は、第二新卒転職・既卒就職経験者。求職者と同じ経験を持っているからこそ、寄り添ったサポートや実体験に基づくアドバイスも期待できるでしょう。

なお、取り扱う案件の80%以上が20代未経験OK＆研修・教育体制が充実している企業の求人とのこと。
そのため、未経験でもポテンシャルを重視した選考を実施してくれるでしょう。

また、選考先の企業に合わせて1社ずつ面接練習を実施してくれるため、就職活動や転職活動の経験がない人でも自信を持って面接に臨めるようになります。脱フリーターを考えている人は、まず登録したいサービスと言えるでしょう。

ウズキャリ

ウズキャリは、約52,000件以上もの就職支援実績を誇る就職エージェントです。

20代の未就業者の就職活動支援を得意としているだけあり、入社後の定着率は93.6％という高さを誇ります。また、取引先企業は3,000件を超えており、豊富な求人の中から自分の強みを活かせたり、適性に合ったりする求人の紹介を期待できるでしょう。

加えて、厳格な判断基準を設けてブラック企業の徹底排除に努めているのもウズキャリの特徴の1つ。
労働環境や教育体制が整った企業の案件ばかりが揃っているため、初めて正社員就職に挑戦する人でも安心して就職できるでしょう。
参考：ウズキャリの評判

フリーターが目指しやすい職種

ここでは、フリーターが目指しやすい職種について詳しく見ていきましょう。

接客業

特別なスキルや経験が必要ない接客業は、正社員経験がないフリーターも正社員を目指しやすい職種の一つです。例えば飲食店、小売店、ホテルなどでは、コミュニケーション能力やお客様対応の姿勢が重視されることから、アルバイト経験がそのまま評価されやすくなります。また、求人数が豊富であるため、安定した正社員のポジションを見つけやすいことも魅力の一つです。

接客業は常に人手が求められているため、求人のチャンスが多く、採用のハードルも比較的低い傾向にあります。さらに、接客スキルを磨くことで長期的なキャリアアップが望める点もメリットで、リーダーや店長などの役職を目指すことも可能になるでしょう。

営業

営業職も、特別なスキルや経験がなくても挑戦しやすい職種です。未経験から始められる企業が多く、入社後の研修を通じてビジネスマナーや基本的な営業スキルを身につけることができます。

営業職の魅力は、顧客とのコミュニケーションを通じて、交渉力やプレゼンテーション能力、問題解決力を磨ける点です。これらは、どの職種でも求められる社会人スキルであり、将来的に他の職種に転職する際にも役立ちます。また成果が直接評価されるため、努力次第で昇進や昇給が見込める点も営業職の大きなメリットです。

特に法人営業や個人営業など様々な業界で営業職は常に需要が高く、社会人としての基礎を学びながら安定したキャリアパスが期待できるでしょう。

正社員登用を目指してフリーターの暗い末路を回避しよう

フリーターには「収入や社会的信用が低い」「解雇されやすい」といったさまざまなデメリットがあります。今はよかったとしても、ずっとフリーターを続けていればどこかで大きな困難にぶつかることでしょう。安定した生活を送るためにも、出来る限り早く正社員を目指して行動したいところです。

ハローワークやサポステをはじめ、就職を目指すフリーターを対象とした無料の就労支援サービスも多数存在します。就活を始める際は、ぜひ利用してみてください。。