このイベントでは、子どもたちが出展者であり、審査員!審査員の意見と子どもたちの投票により、受賞作品が決まります。
参加者全員が自分だけの展示ブースを作って作品を紹介する大展覧会には、大人も子どももわくわくするようなアイデア作品ばかりが並びました。イベントの様子や子どもたちの作品を、写真とともにレポートします。
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この記事をwww.embot.jp で読む >embot大展覧会2024がスタート!
embot大展覧会は、開会式からスタート!エリアやスケジュール、審査員の紹介が行われた後、Master Nu(マスターヌー)こと額田さんの「大展覧会スタート」の合図によって始まりました。合図とともに、一斉にあわただしく動きだす子どもたち。
各エリアには巨大スクリーンが用意されており、子どもたちの作品が映し出されるシーンも。会場のどこにいても子どもたちの作品を見られ、盛り上げに一役買っていました。
3つのエリアに分かれて作品を展示
会場は、ぜっけいエリア・わいわいエリア・ひろびろエリアの3つに分かれており、それぞれのエリアで子どもたちの作品が展示されていました。対面で作品を紹介できるようになっていて、参加者はどなたでも実物を触って遊んだり、制作者に話を聞いたりすることができます。今回のembot大展覧会2024では、3つのエリアを審査員たちが順番に回って制作者に質問していき、審査・集計→表彰という流れで進行しました。審査員が自分のブースに来ているとき以外は、参加者も他の参加者のembotを自由に見学できるシステムです。
embotをベストな状態で
審査員が自分のブースの審査に来るまで、ドキドキした表情の子どもたち。embotが正常に動作するか、不備はないか、直前まで調整を続けています。真剣な子どもたちの姿からは、「embotをベストな状態で見てもらいたい」という気持ちと真剣さが伝わってきました!
参加者同士が交流する様子も
参加者同士は、お互いの作品を見たり動かしたりできます。他の子の作品を見て「おぉ~!」と驚いたり、「このプログラミングどうなってるの?」と積極的に質問したりする姿が、会場のあちらこちらで見られました。お互いの作品を見ることが、とてもいい刺激になっていたようです。参加者の中には、お友達同士で参加してくれた子も。葛飾区では、区立小学校にembotを教材として導入し、毎年プログラミングコンテストを実施しているそうです。
今年からは、区独自の事業として「かつしかチャレンジプログラム(プログラミングコース)」を開催し、そこに参加してくれた子どもたちが数名、大展覧会へ応募してくれたそうです。楽しそうに参加している姿が印象的でした。
ガチャのお楽しみも
審査員の1人であるタカラトミーの土肥雅浩さんは、ガチャを背負っての参加でした!参加者は1人1回ガチャに参加できると知り、子どもたちは大喜び。移動するガチャには、子どもたちの列ができていました。
embot大展覧会2024表彰式
受賞者は、審査員の意見と会場にいる参加者の投票により決定されました。表彰式が始まると、子どもたちはもちろん、保護者の皆様も緊張した表情に。今回の受賞者は計8名でしたが、Master Nu曰く「すべての作品に、コメントすべき良さがある!」とのこと。そんな力作たちを、それぞれご紹介します。
審査員賞1作品目は「ねこロボ キラキラぼし」
審査員賞の1作品目に選ばれたのは、ニックネーム「そうへい」さんの作品名「ねこロボ キラキラぼし」です。キラキラぼしのメロディーに合わせて手を振るねこロボットのとても愛らしい姿が印象的でした。
音と手を振る動作を同時に行うためには、角度の入力が必須です。学校ではまだ習っていなかったそうですが、インターネットで勉強し、プログラミングに活かしたと言います。
embotをきっかけに新しい知識を学ぶ姿を見た審査員からは、「こういう学びを待ってました」と喜びの声が上がりました。
審査員賞2作品目は「テッポウウオ」
審査員賞2作品目は、ニックネーム「あおば」さんの「テッポウウオ」です。とってもシンプルなつくりながらも、プログラミングでスポイトを押して水鉄砲を出すという独創的なアイデアが評価されていました。
作ろうと思ったきっかけは、「テレビでテッポウウオを見て興味を持ち、作ってみたいと思った」からだそうです。興味をそのままカタチにしたのが素晴らしいですね。
実際に動くところを見てみると、思った以上の勢いで水が飛び出してきたのでびっくり!見ていた人たちからも「わぁっ!」という声があがっていました。
審査員賞3作品目は「エリーちゃん」
審査員賞3作品目は、ニックネーム「のぞみ」さんの「エリーちゃん」でした。
プログラムをスタートすると「ちょうちょ」の曲が流れる仕組みになっています。可愛らしい見た目に反して、プログラムの量は膨大。しかし、制作者ののぞみさんによると、20分で作れたんだとか!曲を「ちょうちょ」にしようと思った理由は、「みんなが知ってる曲だから」とのことでした。
可愛らしくて華やかな見た目もエリーちゃんの魅力。細部まで丁寧に塗られたりデコレーションされたりしており、見る人の気持ちを癒してくれる作品です。プログラミングにしてもemotの装飾にしても、丁寧な作業が光っていました。
審査員賞4作品目は「ケロック」
審査員賞4作品目には、ニックネーム「ゆい」さんの「ケロック」が選ばれました。
おうちでは、ゲームを遊べる時間が決められているというゆいさん。お母さんから「やめなさい」と言われる前に、自分自身でおしまいの時間を知れるように作ったのだそうです。
ゲームを遊んでいる間は、「ゲーム中」の札を掲げるケロック。タイマーが残り5分になると、音楽が流れて「もうすぐ終わり」という札が上がり、タイマーが0になると「オワリ」の箱が光るという仕組みです。3段階で時間を告知してくれるので、計画的にゲームを終えられそうですね。
「オワリ」の箱が光ると、ゲームオーバー感があってカッコいいのも魅力的でした。
Good!アイデア賞
Good!アイデア賞に選ばれたのは、ニックネーム「みすたーあーる」さんの「魚釣りゲーム」です。
名前の通り魚を釣るゲームですが、プログラミングなのに本当の水を使うという斬新さが面白い作品。釣り竿の先端と魚に磁石が付いており、ジャイロセンサーを使って釣り竿を操作することで水の中に浮かぶ魚を釣り上げる仕組みです。
制作者曰く、本物っぽさを追求したくて本物の水を使ったとのこと。扱いの難しい素材を使うところにこだわりを感じました。
Good!テクニック賞は「音楽プレイヤー」
Good!テクニック賞に輝いたのは、「弟たちが好きな曲を聞けるように」と制作された「音楽プレイヤー」です。制作者は、ニックネーム「コウテイペンギン」さん。
1つのファンクションで1曲流れるようになっているこちらのロボットには、6つのファンクションが備えられ、組み替えやランダム再生も可能なのだとか。それぞれの曲は楽譜を見て、1曲あたり1時間(!)かけてコツコツ入力したそうです。曲ごとにテンポも変えられており、曲に対するこだわりも伺えました。
プログラミングや曲はもちろん、デザインにもこだわって作られていたこの作品。弟たちの好きな曲が使用されているアニメに出てくる主人公が、忠実に再現されています。細かいところまでこだわりが感じられる作品でした。
Good!デザイン賞は「恐竜ジャケット」
Good!デザイン賞には、ニックネーム「ゆき」さんの「恐竜ジャケット」が選ばれました。恐竜ジャケットのデザイン賞受賞が伝えられると、会場からは「デザインがすごかった」との声が。
机に展示される作品がほとんどの中、この作品は制作者が着用するタイプ!「作業員や大人たちがクーラージャケットを着ているのに、子ども用はないから自分で作ろう」と思ったのが制作のきっかけだと言います。
ジャケットには、温度が分かる目盛りと涼しくするためのプロペラが付いています。温度が高いほどプロペラが早く回る仕組みになっており、LEDライトとも連動。25℃以下だとLEDライトが緑に光り、30℃以上だとLEDライトが赤く光ります。
恐竜ジャケットにはembot+の温湿度気圧センサーが付いており、本当に温度を計測してプロペラの速度を管理するという実用的な作品。想像以上に作り込まれた作品を見て、審査員たちもギャラリーも「おぉ~」と歓声をあげていました。
最優秀賞は「コインゲーム」
映えある最優秀賞に輝いたのは、ニックネーム「翔」さんの「コインゲーム」です。最優秀賞は、アイデア・テクニック・デザインすべての項目で最も得票数が多かった制作者に与えられる賞です。
制作者の翔さんは、前々大会と前大会の最優秀賞作品の傾向を研究してこの作品を作ったとのこと。embotの技術や知識はもちろん、意気込みが違いますね!
ゲームセンターにある本物のゲームのように、コインの投入箇所を調整でき、スーパーボールが落ちると超音波センサーが感知してボーナスコインが手に入るという仕組みを搭載したこちらの作品。あまりの完成度に、他の参加者たちも夢中になって体験していました。
全員の発表が終わると、全受賞者にダンボール賞状+賞品が贈呈されました。最優秀賞受賞者には、それに加えて「1日開発者体験」の権利も与えられました。
embotを制作するe-Craftを訪れ、1日開発体験ができるというこちらの権利。過去には、子どもたちのアイデアが実際の製品に使われたこともあったといいます。ワクワクの機会に、最優秀賞受賞者である翔さんも顔を綻ばせていました。
閉会式を終えて
閉会式では、Master Nuが「全作品に対してコメントがあるので、聞きたい方はぜひどうぞ」と子どもたちを呼び寄せます。その言葉を聞き、楽しそうにMaster Nuのもとへと集まる子どもと保護者たち。
Master Nuは、「良かった点」「改善したらもっと良くなる点」などをアドバイスしていました。さっそく次を見据えている子どもたち。次回の大展覧会も楽しみですね!
プログラミングはあくまでもツール!子ども同士で提供し合い、遊びながら学ぶ
今回のembot大展覧会2024は、それぞれの作品を見せ合える場となっていました。大人が一方的に学びを与えるのではなく、子どもたち自身が自らの学びを提供することで、お互いに影響を与え合いながら自然に知識や学びを深めていけるのは大変素晴らしいことですね。「プログラミングはあくまでもツール」と語るMaster Nu
。ただロボットの作り方を学ぶだけでなく、制作を通して、どんな気づきを得られるのかが大事なのだと話します。
そのためには、「遊びと学びの境界をどれだけ曖昧にできるかが重要だ」ともMaster Nuは話します。かつては一部の人だけのものだったプログラミングも、現在では学習指導要領に組み込まれ、小学校から高校まで幅広く導入されています。embotのように気軽に取り組めて、身近な素材でオリジナルの作品を制作できる教材なら、「難しそう」なプログラミングもグッと身近になるはずです。
プログラミングに興味がある人は、ぜひ一度embotに触れてみてください。高い技術がなくても、アイデアと行動力さえあれば、誰でも形にすることができます。次のembot大展覧会で皆さんにお会いできるのを、Master Nuも楽しみにしています!