(レポート)embot(エムボット)2022年アイデアコンテスト受賞者発表イベントに密着!力作続々、レベルアップした大会の様子は?

※撮影のためマスクを外しています
登場するのは、子ども達が作り上げたひとひねりも、ふたひねりもある作品の数々。審査員はもちろん、観客の皆さんも驚いたり感心したりしながら、大きな拍手を贈りました!
- ロボット大会/コンテストってどんな感じなの?
- embotを使ってどんなことができるんだろう?
- プレゼンテーションはどんな感じ?
- 優秀賞をとった作品のすごいところは?
embot2022年アイデアコンテスト受賞者発表イベントの最終選考がスタート!
embot2022年アイデアコンテストは、2022年11月13日(日)、スモールワールズTOKYOにて行われました。
embot2022年アイデアコンテストは子どもたちに「プログラミングのスキルを用い、アイデアを形にする“デジタルなモノづくり”に挑戦してもらいたい」という想いから、2019年にスタートしたコンテスト。
過去2回はオンラインによる開催でしたが、今回はひさしぶりに会場でご家族も観覧しながらの最終プレゼンテーションと受賞者発表イベントが行われました。
コンテストでは、タカラトミーから発売している「embot(エムボット)」に含まれるコアやパーツを使って自由に制作・プログラミングした作品を、アイデア・工作・表現の3ポイントで評価されます。

左から、株式会社スイッチエデュケーション代表取締役社長 小室 真紀さん、株式会社e-Craft代表取締役CEO マスターヌーこと額田一利さん、株式会社タカラトミー事業統括本部 エキスパート 土肥 雅浩さん
コンテストの前半は、一次選考に残った10名によるプレゼンテーションです。審査員は、株式会社タカラトミー事業統括本部 エキスパート 土肥 雅浩さん、株式会社スイッチエデュケーション代表取締役社長 小室 真紀さん、そしてembotの開発者であり株式会社e-Craft代表取締役CEOであり、「Master Nu(マスターヌー)」の名で知られる額田一利さんの3名です。
プレゼンテーションはこの3名の審査員の目の前で行います。こうした大会でプロフェッショナルな審査員を目の前にして発表を行うことは、子どもたちにとっても大きな経験になるでしょう。
一次選考に残った10名がプレゼンテーション
embotでは、ダンボールと電子工作キットでロボットが組み立てられます。基本はクマ型ロボットで、専用アプリでプログラミングをしロボットを動かします。ロボットキットとしてはとてもリーズナブルで、どなたでも気軽にプログラミング&ロボット制作を楽しめるところが人気です。

こちらが基本となるembot(エムボット)と専用アプリ
一次選考に残ったembot作品が気になりますね!ちょっと見てみましょう。

安心・安全のセキュリティつき貯金箱を作った「かいじゅう貯金箱」は小3、小寺くんのembotです

祖父母と一緒にゲームをして楽しかった思い出から、誰でも簡単に操作できるゲームを開発した川口くんの作品

宇佐見真之くん作「船釣りembot」。実際に水に浮かべられる力作です
基本のクマ型ロボットからどんどん想像力をふくらませて、実にバラエティ豊かで個性的な作品が集まりました。

一次選考者の皆さんは、審査員の目の前でロボットを動かしながら最終プレゼンテーションを行います。最終選考に残った10人はちょっぴり緊張している様子……。
ところが!いざプレゼンテーションが始まると、子どもたちの様子が一変しました。ゆっくり、じっくりロボットについて解説する子、身振り手振りで一生懸命アイデアについて説明する子、壇上にのぼって大きく肩を上下させ、深呼吸した後に一気に話し出す子も。

司会のおふたりのきめ細やかなフォローで安心して発表できた様子。「世界を平和にするキューピッドロボット」を発表した梅津くん

「パチンコモンスター」を作った川口くんの発表
プロジェクターでプレゼンテーションの手元が大きな画面に映し出されるので、細かい動きもよくわかるのがいいですね。
ではプレゼンテーションで印象に残った、小学校3年生川本くんの発表を見ていきましょう!
スケッチブックも活用した説明で審査員を唸らせた“犬の防犯システム”プレゼンテーション

こちらは川本くんが作った「犬の防犯システム」です。おうちにあやしい人が侵入したらすぐに気付けるように、緑と赤い犬が知らせてくれる仕組みについて、スケッチブックをまるで紙芝居のように使って、とてもわかりやすく解説してくれました。

川本くんのおうちには、夜間に人が家に近づくとセンサーでつく外灯(ライト)があるのだそう。この作品は、そのライトの光を察知することで、「侵入者が近づくと犬が知らせてくれる」仕組みになっているのだとか。実用的かつ楽しいロボット作品です。
弱い光を感知すると電子音が鳴って緑の犬が動きます。さらに強い光のときには、緑の犬とは違う音楽が鳴り響き、そして赤い犬がピョン!と飛び出すではありませんか。

犯人が家に忍び込もうとしているところや外灯がつく様子などをスケッチブックに描いて、さながらショートストーリーのように状況が浮かびます!
もちろん、ロボットも完成度が高く、embotのサーボモーター2つをそれぞれの犬の動きにつなげているアイデアが秀逸です。

ここでマスターヌーは犬の動きに注目。「embotは分度器みたいな(円状の)動きが基本なんだけど、この作品では、どうやって犬が前に動くように工夫したの?」と興味津々に質問を繰り出します。
そんな深い質問にも、川本くんはひるみません。「マジックハンドのように、円状の動きを前後の動きに変換する仕組み」を一生懸命説明します。そのギミックには思わずマスターヌーも「すごいな!」と感嘆の声をもらし、会場からも拍手が沸き起こりました。
会場では、こんな風にひとりひとりが壇上でプレゼンテーションを行います。3人の審査員は、ときに腕を組んでうなずき、ときに身を乗り出してデスク上のロボットを見つめながら、真剣な表情でみんなの話を聞いています。このプレゼンテーションをもとに、最終審査へと進みます。
embot(エムボット)アイデアコンテスト授賞式
途中に休憩をはさみながら、全員のプレゼンテーションが終わりました。審査の結果、いよいよ受賞発表イベントが始まります!
受賞発表は、大きな舞台のあるスペースに移動して開催されました。最終選考に残った全員が壇上に上がります。本格的なステージに、見ている保護者の皆さんも、関係者の皆さんも、もちろん子どもたちも、みんなドキドキです。
審査員が壇上で受賞者名が書かれたカードを手にすると、薄暗い壇上にライトがあたり「ドゥルルルルル…………ジャーン!」とドラムロールの音が鳴り響きます。そして……結果はいかに?
最優秀賞は「ボーリング」昨年受賞を逃した子が再チャレンジで栄冠を手に!

見事、最優秀賞に選ばれたのは小学校6年生・岩野 新くんのembot作品「ボーリング」です。
実は岩野くん、前回もコンテストに参加したものの、「ハンドボール」の作品は惜しくも最優秀賞の受賞を逃したそう。その悔しさから、今回こそはと別のボール遊びを考え、ボーリングゲームを開発したそうです。

水色の色紙で包まれた「台」にボーリングの偉大な仕組みが隠れているのです!

シックなembotはスマホでスタートさせるとボーリングのボールを投げます。目標は赤いピンですよ!

赤いピンが倒れない失敗例と倒れる成功例の両方をプレゼン中です
発表の最初からとても落ち着いていました。途中でボーリングの台をくるりと反転させると、ダンボールの箱を開いて中の仕組みをみんなに見えるようにして説明を続けます。
このボーリングでは、スマートフォンをコントローラーがわりにしてボールを投げ、赤いピンが倒れると成功になります。どうやって赤いピンが倒れたことを察知し、成功と判断するのかがカギだそう。岩野くんは力をこめて、ゲームの仕組みを説明します。

中の仕組みを見えるようにしてペンライトで照らしながら熱心に解説する岩田くん。
なんと赤いピンの下には、光を識別する照度センサーがセットされていました。赤いピンが立っている状態では光を感知しませんが、ピンが倒れると光を感知し、「成功」と判断します。
投げたボールが上に上がってくる仕掛けには滑車の力を利用したそうです。 ころがったボールは、レーンから落ちると箱の中にある橋をわたり、ペットボトルの蓋でキャッチされ、磁石の力を利用して自動的に戻ってきます。さながらピタゴラスイッチのような自動化に一同も驚きを隠せません。
プレゼンテーションでは審査員の土井さんから「すごい作品だね!トイザらスで売り出すとしたら、いくらくらい?」とユニークな質問も。自信作の出来栄えに「5,000円かな」と答える土井くんの勇姿に、会場には和やかな笑い声が広がりました。
文句なしの完成度に、マスターヌーも「まさにアイデアコンテストの意義を体現していますね。楽しみが伝わってくる作品で、発表にも工夫があり、堂々として素晴らしかった」と絶賛。

岩田くんは「再挑戦してよかった。とてもうれしいです」と6年生らしく、しっかりと受賞の喜びを語っていました。念願の「金のembot」を獲得した岩田くん。おめでとう!
e-craft賞は「ゴミ分別ロボット」に!

さあ、続いてe-craft賞に輝いたのは、小学校6年生の清水悠介くんの作品「ゴミ分別ロボット」です。SDGsの観点から、社会的な意義のあるアイデアが評価されました。

質問に答えるだけでゴミ箱の中がくるりと回転しペットボトルや生ゴミを分けて捨てられます!

今すぐに実用化できそうなアイデアと作品です
清水くんは学校でSDGsについて学び、ゴミの分別に注目。分別のために3つのゴミ箱があるのを見て、「ひとつのゴミ箱で簡単に分別できたらいいな」とアイデアがわいたそうです。
このゴミ箱は「ゴミですか?」「空き缶ですか?」「ビンですか?」「生ゴミですか?」の質問に答えるだけで、あとは自動的にゴミが分別される画期的なロボットです。生ゴミだと「水切りをしてください」ときちんと処理方法まで指示してくれます。
アナウンスにはボイスAPIを活用しているほか、ゴミ箱は二重にして回転するように工夫しているのだとか。
マスターヌーから「このゴミ箱をうちのオフィスに置きたい!」と言われて、にっこり笑顔が印象的だった清水くん。授賞式では「もっといろいろなことに挑戦していきたいです」とさらなる抱負を語ってくれました。
清水くんには副賞のタブレットと、さらにはe-craftでの開発者体験がプレゼントされました。おめでとう!
タカラトミー賞は「表情練習ロボット」

なんともユニークなロボットでタカラトミー賞を受賞したのは、岐阜県の小学5年生 神山 翔くんです。その名も「表情練習ロボット」です。

会場でもひときわ目を引いた作品。インパクトある等身大人形が素晴らしですね!

マスクのある生活と表情が見えない生活、まさに「今」を切り取ったロボット作品です
この作品は、感染症によってマスクが当たり前の生活になり「友だちの表情がわかりにくくなった」ことから、等身大の「顔の表情がわかるロボット」を作り、笑ったり怒ったりする表情の変化がわかるようにしたのだそう。タブレットを左右に倒すと、眉毛や口元が動いて表情が変わります。
コエテコ取材班は近くで作品を見ましたが、クラフトとしても素晴らしい出来上がりで、立体的な鼻やリアルな目もとにビックリしました。
神山くんの作品には、審査員のタカラトミー土井さんから「マスクをつけているところから始まり、はずして顔の表情を見せるプレゼンテーションにストーリー性があったのも素晴らしかった」との言葉とともに、タカラトミー15,000円分の「おもちゃ購入チケット」が贈呈されました。おめでとう!
審査員特別賞を手にした最終選考者と未来のエンジニアへのエールで閉会
一次選考に残り、今回のプレゼンテーションに参加した他の子供達には、審査員特別賞が贈られました。
ひとりひとり名前を呼ばれると前に出て、大きな拍手に包まれてみんなとても嬉しそうです。

株式会社スイッチエデュケーション小室社長から、ひとりずつ手渡された表彰状
株式会社スイッチエデュケーション小室社長から、全員に表彰状も手渡されました。晴れがましい姿に会場には保護者の方々の嬉しそうな笑顔もたくさん見られました。
コエテコ取材班も、子どもたちのクリエイティビティと挑戦する前向きな姿に逆に励まされる思いもあり、皆さんとともに惜しみない拍手を送りました。
最後にマスターヌーから総評があり、embotアイデアコンテスト2022はお開きに。
他の子の作品を熱心に眺めたり、ご家族に賞状を見せたり、この会場でお友達になった子同士で記念写真を撮ったり、embotを通じて新しい輪がいくつもできていた風景は、昨今の閉鎖的な状況の中で「知り合うこと、学び合うこと、刺激しあうこと」つながる幸せとそこから得られる体験の貴重さを改めて思い出させてくれるものでした。参加されたみなさん、素敵な作品をありがとうございました!
マスターヌーから「embotを愛する未来のエンジニアたちへ」

マスターヌー:
今大会では、皆さんがそれぞれストーリー性のあるロボットを作り上げてきてくれました。自分の思い、気持ちを形にしてくれて個性豊かなembotがたくさん誕生したことに、マスターヌーとして感動を抑えきれません。
どの参加者もembotの特性を活かしつつ、まったく違った新しい自分だけのロボットを作り上げてきてくれて、とてもうれしく思っています。
そして何より、みなさんの笑顔を見られたこと。感染症の影響で、このところはオンラインでのコンテストが続いていましたが、やはりこのように会場でみんなが集まり、お友達の作品を見たりプレゼンテーションを実際に聞いたりしたからこそ学べるもの、得られるものはとても大きいはずです。あたたかい大会になり、本当に良かったなと思います。
そして、これからembotに挑戦しようとする未来のエンジニアの皆さん。
ぜひ、embotでいろいろなことを試してください。今回のコンテストではさまざまな力作が登場したので、「自分にも作れるかな?」と思ってしまうかもしれませんが、心配はまったく無用です!まずは気軽にembotを作ってみてください。

作ってみると、新しいアイデアもわいてきます。たとえばコンパスで半円を描くことができるようになったら、その仕組みを利用してパターゴルフを作ってみようとか。手を動かし、形にしていくことで、どんどん次の世界が広がっていきます。
だから、まずはチャレンジしてみよう!そして、未来のエンジニアへの道の第一歩を踏み出しましょう。そして次のembotアイデアコンテストで皆さんに会えることをマスターヌーも楽しみに待っています!
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