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このコンテストは主にヒューマンアカデミージュニア ロボット教室の最上級コースである「ロボティクスプロフェッサーコース」の生徒が対象ですが、将来的には「ロボット工学を愛する、ロボットを作りたい情熱を持つ子どもたちすべてに」大きく扉を開いた大会にするという目標もあります。
審査員や大勢の観客がうなり、笑い、驚き、感嘆した大会の様子をたくさんの写真とともに紹介します。ロボットコンテストへの参加を考えている方はもちろん、ロボット・プログラミングに興味がある方もぜひご覧ください。
クリエイティブロボティクスコンテスト2024とは
過去5回開かれた「ロボプロ全国大会」が、今年から一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所(RISE)とヒューマンアカデミーの共催になり、よりスケールアップ!
動画による予選を勝ち抜き、エントリー通過者(本戦出場者)となった22名が、熱のこもったプレゼンテーションとエキサイティングなレースを見せてくれました。
大会は次の2部門に分けて行われました。
テーマパフォーマンス部門
「自動化」をテーマにマイコンを搭載しプログラミングによって制御された作品を製作し、プレゼンにて紹介を行います。
ただし、「マイコン」さえ搭載されていれば、作品の他の要素は自由に構成することができます。
面白いアイデアを出し、アイデアをしっかり固め、着実につくりあげる、「発想力」「創造力」「実現力」を競う競技です。
タイムアタック部門
規定のコースを自作のロボットで走行し、タイムを競います。2回のチャレンジを行い、最も速いタイムを出した人が優勝となります。
選手は事前にはコースの詳細を一切知らされておらず、当日の朝に初めて本番コースの全貌を見ることができます。
一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所とは
一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所は、STEAM教育(Science: 科学、Technology: 技術、Engineering: 工学、Arts: 教養/創造性、Mathematics: 数学)にRobotics(ロボット技術)のRを加えたSTREAM教育を通して、未来を生きる子どもたちの可能性を育むために設立されました。
Research Institute of STREAM Education for Creating the Future 略してRISE(ライズ)と呼ばれています。ロボット開発の全工程を模した検定事業のほか、今回のようなコンテスト運営をはじめ、「新しい学びの場」を創出する機関です。
いよいよ大会がスタート!選手たちの熱い戦いと注目のロボットを紹介
さぁ、クリエイティブロボティクスコンテスト2024を見ていきましょう!ステージにスポットライトがあたり、華やかな開会式となりました。
ステージの目の前には審査員席、その後ろには出場選手たちがずらりと並んで座っています。長テーブルの上にはそれぞれのロボットがあって、気になるのかずっとのぞきこんだり触れたりしている選手もいれば、ノートパソコンを見つめる選手もいて、後ろ姿からも緊張している様子が伺えます。
166ある観客席はほぼ満席です。緊張するなという方が無理……。トップバッターの山口さんがステージ上で準備をする間も、みんなカチコチに固まっています。するといきなり、
「ちょっと待った!」
と話しだしたのが、千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長で学校法人千葉工業大学 常任理事でもある古田貴之先生です。
「あのね、試験じゃないんだからさ。もうみんな試験を通ってきた合格者たちでしょ。そして今日はアーティストが行うコンサートと同じ、発表の場だよ。少なくとも僕は楽しむよ!」
ひとりひとりに視線を送りながら、ニコニコと話す古田先生のことばに励まされたのか、隣に座る子と顔を見合わせ笑顔になる選手たち。素敵な一瞬でしたね!
記事の最後には受賞者をご紹介しますが、エキサイティングな大会の様子をぜひご覧いただきたく、何人かの選手とロボットをピックアップしました。さぁ、一緒に見ていきましょう。
今すぐ売り出す!?「肩叩きロボ」を製作した山口さん
どんな大会でも、トップバッターはやりづらいものですが、山口 暖翔さんは登場からして堂々たるもの。手に抱えているロボットがなんとも不思議な形をしているので、みんな興味津々で大きなモニターに視線が釘付けになりました。
このロボットは「肩叩きロボット」です。
ギアと肩叩きの棒をつなぎ、上下運動をします。ミニ四駆のパーツを活用し、フレームの強度を増すなど工夫を重ねて苦労した末に完成したそう。なんといっても、「背負える肩叩きロボ」というアイデアが秀逸ですよね!
審査員の先生から「メカの部分もがんばっていますね、なによりビジュアルがかっこいい」と褒められて、緊張もほぐれたのか、はにかむような笑顔を見せてくれた山口さん。
さらに「コレ、通販ですぐに売れそう!」という審査員の声に、パッと大きな笑顔が広がりました!
エラーが出ても動じない!プレゼン力・発信力が群を抜く花井さん
しょっぱなから「え?僕に話せって?」と審査員の古田先生をビックリさせたのが、花井さんです。実はロボットがうまく作動しなかったのですが、そこで古田先生にトークでつないでほしいとジェスチャーこみでアピール!
「ロボットを動かす前にボクを動かしたよ、すごいな〜」
と話す古田先生に会場は笑いの渦に。
結局、ロボットは稼働しませんでしたが、花井さんはアクシデントに備えて準備していた動画を見せながら、焦ることなく堂々たるプレゼンを行いました。
特に審査員を唸らせたのが、急遽プレゼンの内容を変え、録画映像と合わせながら、その場で分析し「今回なぜエラーが出たのか」にも触れたこと。エラーから一連の流れを見事に「ひとつのプレゼンテーション」に即興で構築した、花井さんの底力に会場からも惜しみない拍手が贈られました。
花井さんには大会後にお話を伺うことができ、「今日の大会で、できる範囲で代替え案を出すことができると学びました」と答えてくれました。将来は、親しみを感じるようなロボットを作ることと、女性エンジニアが増えるような取り組みをしていきたいとのこと。
素晴らしい目標をぜひ叶えてくださいね。
最初にゴールまで到達した井上さんのロボットは「青いローラー」が活躍
井上さんが参戦したのは、タイムアタック部門です。ロボットをセットした後、ほんの一瞬ですが手のひらをあわせ祈るような仕草をした井上さん。祈る想いが伝わってきました。
ひらべったくて「テントウムシ」にも見えるロボットがいざ走り出すと、青いローラーがうまく壁を伝う役割を担って順調に進んでいきます。
コースを完走するのも難しい中でゴールに向けて進む展開に、会場全体から「おおお!」というざわめきが。近道こそ選べませんでしたが、一度も立ち止まらずにスムーズにゴールへ。大きな拍手が会場を包みました。
最後の最後まであきらめない姿に感動!檜垣さんの未来へ続く「情熱」
檜垣さんのお手玉ロボットは、どうやら最初の時点からうまく作動しなかった様子……。
順番が来た時に作動せず、プレゼンをしようにも、ロボットはどうにも反応しません。いったん、ロボットと共に戻り、後ほどの発表という指示がでました。
かなり緊迫した状況のなか、あきらめてしまうこともできたでしょう。ところが檜垣さんはずっと暗い会場の片隅で、片手にペンライトを持ち、額から落ちる汗をぬぐいもせずに、ただただロボットを修正しようと努力し続けます。
10分、20分、30分……時折、会場の隅にいる檜垣さんを見ると、ドライバーを握りしめて、ひたむきにロボットと向き合い続けているのです。
愛着あるロボットの動きを審査員の方々に見せたかったのでしょうし、出場した以上はなんとか「お手玉ロボット」を動かしたかったからでしょう。
檜垣さんは決してあきらめずステージに立ちましたが、やはりうまく動きません。
「あー……」と漏らした声がしんと静まり返った会場に響きました。それでも彼は最後の1秒まで手を休めませんでした。
今回は、彼が思ったような結果ではなかったかもしれません。
でもロボット工学は試行錯誤の世界。
古田先生も「どんなに完璧だと思っていても、披露するタイミングでなぜか動かなくなる、そういうことは常にあるんです。僕なんて、大きな発表会でどうやってもロボットが動かないから、時間稼ぎに漫才みたいにしゃべりまくったことあるんですよ」と話しました。
ロボットに「失敗」はつきもの。失敗は成功への第一歩でもあるはずです。檜垣さんの「どこまでも突き詰めていく胸に秘めたパワー」をみんな感じていました。彼の情熱や粘り強さ、折れそうな心を奮い立たせてステージに立つ姿に、観ている人は皆、エールを送っていましたよ。
いつかまた、ロボットコンテストで会いましょう!
大会受賞者はこちら!
この大きな大会で見事に受賞した皆さんを紹介しましょう。クリエイティブロボティクス総合大賞 飯田 空大さん
クリエイティブロボティクス総合大賞 飯田 空大さん作品名:インプロバイズテルミン
自動伴奏に重ねて、超音波距離センサーを用いて即興演奏を行うマシンを製作。M5Stackのスクリーンには演奏中の和音が表示され、プログラムもギミックも非常にハイレベルな作品が見事大賞を受賞しました。
プレゼン後の審査員とのやり取りは、ついていけないほどレベルが高かったです。緻密な工程を重ねた結果の集大成とも言うべき素晴らしいロボットで、「優劣つけがたい審査の中で、すぐに受賞が決まった」と審査員の先生から非常に高い評価を得ていることがわかりました。
受賞後のインタビューでは「がんばってよかったなと思いました。将来は音楽と電気の仕事に関わりたい」と語ってくれた飯田さん。おめでとうございます!
クリエイティブロボティクス優秀賞 大内 瑛仁枝さん
クリエイティブロボティクス優秀賞 大内 瑛仁枝さん作品名:AIオセロボ
ミニマックス法AIを搭載したロボットとオセロで対戦ができます。液晶ディスプレイとコントローラーを同時に使えるようにするために試行錯誤したそう。
難易度も4段階あり、先手後手も選べるようになっています。審査員の先生からは、ゲームの仕組みについて詳細な問いが続き、さらに5分3秒とほぼピタリと時間内におさめたプレゼンテーションも高い評価を得ていました。
おめでとうございます!
テーマパフォーマンス部門 最優秀賞
若林 輝さん作品名:ホラゾン1枚の板を加速度センサーが加速度を検出し、サーボモータが調節することで水平に保ちながら走行するロボットです。受賞後のインタビューでは「率直にうれしいです!教室の先生に感謝したいです」と最高の笑顔を見せてくれました。将来の夢はシステムエンジニア。すでにその道まっしぐらですね!
テーマパフォーマンス部門 優秀賞
花井 美緒さん作品名:オセローボ
いつでもオセロの相手になってくれるロボット。カラーセンサーを使用してコマの色と碁盤の色を読み取ります。エラーはあったものの、見事なプレゼンテーションでリカバリーした花井さん、おめでとうございます!
タイムアタックレース部門 優勝 内田 悠翔さん
タイムアタックレース部門 優勝 内田 悠翔さん
タイム:8秒64
圧倒的な速さで走るロボットで会場中を驚かせた内田さんが、タイムアタックレース部門で堂々の優勝です。内田さんは昨年度の大会でも優勝しているので二連覇の偉業です。
床ぎりぎりのセンサーが攻略の鍵だったよう。ロボットが完成してから1週間、プログラムだけをいじって練習に励んだそうです。取材後のインタビューでは、「工場でのロボットとか、人の役に立つロボットを開発したい」と将来の夢を語ってくれました。
タイムアタックレース部門 準優勝
小池 楓さんタイム:11秒75
ユカイ工学賞
相 俊希さん作品名:メガネくん
技術賞
井上 智葵さんルーキー賞
山口 暖翔さん審査委員長 古田先生の講演
古田先生は、スライドを表示しながら開発されたさまざまなロボットについて解説してくださいました。
「ただモノを作るだけではなく、完成度を高め、世の中で役立つことを考えましょう。さらにそれを『どうやったら皆さんに提供できるのか』まで考えてほしい。ハイテクノロジーは生き物。今どんなに最先端の技術を作っても5年後にはローテクになります。だからハイテクであるうちに皆さんの手元に届けるのも大事」
と話してくださいました。そして最後に、
「いろいろなロボット技術を学んでいる皆さん、いつか一緒に世の中に役立つロボットを開発しましょう」
と参加者全員をスカウト!今日は古田先生のユーモアあふれる、優しくも力強い言葉に多くの参加選手が励まされていました。
ユカイ工学株式会社CEO 青木俊介さんの講演
チームラボの創業メンバーでもあり、pixivコミュニティサービスの立ち上げや、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」をはじめユカイなロボットを開発し続けているユカイ工学株式会社のCEO青木俊介さん。
「ものを作り続けるためには何かしら収益をあげ、仲間の給料を払い、未来のために投資をしていかなければなりません。お金を稼ぐことはとても大事であると知ってほしい。皆さんも自分が作ったものをぜひ世の中に出してください」と、語りかけました。
エンジニアであると同時に起業家であるからこそのお話は、これから高校、大学、そして社会へと羽ばたく参加選手たちにとって、とても有意義なアドバイスだったのではないでしょうか。
「甘噛みハムハム」など人気ロボットを次々と世に送り出している青木さんの、起業当時の悪戦苦闘ぶりや、ロボット開発のプロセスなど興味深いお話に、身を乗り出すようにして話を聞いている参加選手の姿が印象に残りました。
講演を聞いていた「未来のロボット博士たち」にとって、お二方の話は心に響いたことでしょう。
これからのクリエイティブロボティクスコンテスト
最後に、ヒューマンアカデミー株式会社 児童教育事業部事業部長・一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所RISE理事長 須藤冬暁さんが、コエテコのインタビューに答えてくださいました。
「ロボット製作においては、先を想像してチャレンジしていく姿勢が大事になります。自分のイメージ通りにロボットを動かすために試行錯誤を繰り返す。その過程で、これからの時代に必要なさまざまな力が身につきます。学問や技術、知識を結集させて自分のやりたいことを実現する、ロボット製作に取り組むことの素晴らしさをもっともっと伝えていきたい」。須藤さんはそう語ります。
社会に向けて「ロボット工学と子どもの未来」の意義を発信するべくRISEを立ち上げた須藤さん。「今日の大会だけでなく、今後は扉を大きく開いて、すべてのロボット好きの子どもたちが参加できるような大会に成長させていきたい」と展望を語ってくださいました。
今では多くのロボット大会が開催されていますが、その多くは、使用機材を特定のロボットキットに限定しています。「クリエイティブロボティクスコンテスト」のように自由な発想を受け入れる大会が、いずれ日本中、あるいは世界中の子どもたちがめざす大きなステージになれば素晴らしいですね。
皆さんも来年の「クリエイティブロボティクスコンテスト」をめざしませんか?未来のロボット博士はあなたかもしれません!