英語×プログラミングで未来人材を育てる――KIPAが描く新しい学びのカタチ
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今回お話を伺った方
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株式会社Spinach 代表
青木 和大氏プログラミング教育サービス「IT寺子屋」や、インターナショナル・キンダーガーデン「キッズインターナショナル武蔵小杉」を運営し、幼児から小・中学生までの子ども向け教育に携わる。子どもたちが「学ぶことを楽しみながら、考える力を伸ばせる教育」のあり方を軸に、英語教育・プログラミング教育・アフタースクール領域を横断した学びの設計に取り組んでいる。その取り組みの一環として、Kids International社との業務提携を通じ、英語とテクノロジーを組み合わせた教育モデル「KIPA」の構築を推進している。
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グローバル化とデジタル化が急速に進む現代社会において、子どもたちに求められる能力も大きく変化しています。英語力とプログラミングスキルは、今や教育において不可欠なスキルとして重要視されています。
そんな中、プログラミング教室「IT寺子屋」を運営するSpinachがKids International社と業務提携し、両社の強みを掛け合わせた新しい教育モデル「KIPA(Kids International Programming Academy)」を武蔵小杉・東麻布・品川の3拠点からスタートさせます。
従来の英語教育やプログラミング教育とは一線を画す、革新的なカリキュラムとは一体どのようなものなのでしょうか。
本記事では、株式会社Spinach代表・青木和大氏へのインタビューを通じて、KIPA誕生の背景や特徴、そして未来の教育ビジョンについて詳しくお伝えします。
Kids International × Spinach が手を組んだ理由
「やらされる学び」から「目的のある学び」へ
──今回、Kids InternationalとSpinachが業務提携し、新しい教育モデル「KIPA」を立ち上げた背景を教えてください。青木さん:プログラミングも英語も、それぞれ子どもの教育には欠かせない要素です。近年、保護者の間では英語とプログラミングの両方を学ばせたいというニーズが高まっています。
ただ、これまでの教育現場では、英語とプログラミングがそれぞれ分断されて提供されているケースが多く、そこに課題を感じていました。
──その課題に対して、KIPAではどのように向き合っているのでしょうか。
青木さん:英語でプログラミングを学ぶ場合、プログラミングを学ぶために英語が必要です。外国人の先生から習う中で、子どもたちは自然と「プログラミングをやりたいから英語で話す」という明確な目的を持つようになります。
英語とプログラミングを一緒に学ぶことで、何のためにやっているのかが、子どもにも分かりやすくなります。

両社の思想が重なった業務提携の背景
──今回の業務提携に至った経緯を教えてください。青木さん:Kids Internationalは英語教育に強みを持ち、さらに習い事をオプションとして広げていきたいという構想を描いていました。一方、Spinachは「IT寺小屋」でプログラミングを教える中で、プログラミングだけでなく、他の学びも横断的に得てほしいという思いを抱いていたのです。

KIPA教室風景
──両社の考えが重なったポイントは、どこだったのでしょうか。
青木さん:両社が目指していたのは、「習い事付きのアフタースクール」という場所です。いつもいる場所で、プログラミングも学べて、英語も学べる場に拡張していく思想を持っていました。
こうした思いの一致が、今回の業務提携につながりました。
新教育モデル「KIPA」の特徴と取り組み
「英語 × プログラミング」を“覚えさせない”カリキュラム
──KIPAのカリキュラムには、どのような特徴がありますか。青木さん:KIPAの最大の特徴は、英語を覚える対象にしないことです。プログラミングについても、スキルを習得するという学習方法にしない点が、従来の教育との一番の違いだと思っています。
キャラクターをプログラミングで動かしながら、ゲーム性や物語性を持たせていきます。キャラクターを動かして物語を作るという題材に対して、プログラミングを覚えるのではなく、表現するための手段として活用します。
──英語は、どのように学びに組み込まれているのでしょうか。
青木さん:英語についても、単語や文法を覚えることを目的とはしていません。プログラミングの試行錯誤の中で、分からない部分を先生に聞く中で、自然と英語が必要になる環境を作っています。
カリキュラムは全36コースで構成され、季節ごとに自由制作発表会を実施しています。子どもたちが学んだことを活かして自分のオリジナル作品を発表することで、子ども自身も保護者も成長を実感できるようにしています。

また、KIPAでは個別進度制を採用しているため、同じクラスにいても、生徒一人ひとりが異なるペースで学習を進められます。レベルに合わせて学べる柔軟性が、子どもたちの「もっとやりたい」という意欲を引き出しています。
3拠点から始まるKIPAの展開と今後の広がり
──現在、KIPAはどのような形で展開しているのでしょうか。青木さん:現在、KIPAは武蔵小杉センター(Spinach運営)、東麻布、品川(Kids International直営)の3つのセンターで導入しています。

2026年4月から、これらのセンターでKIPAを正式なコースとして組み込むことになっており、すでに多数の生徒がご入会済みです。体験レッスンを重ねる中で、子どもたちの変化を感じられ、保護者からも好評価をいただいています。
今回の提携により、Kids Internationalのスクールでは、英語教育に加えてプログラミングという新たな学びの軸が加わりました。一方、SpinachのIT寺小屋では、英語というグローバルコミュニケーションツールを取り入れることで、より包括的な教育サービスを提供できるようになりました。
──今後の展開についても教えてください。
青木さん:4月から世田谷松陰神社教室では、プログラミングのクラスと並列で、Kids Internationalのネイティブティーチャーによる英語クラスを開講予定です。今後、アフタースクール化を通じて、さらに多くの小学生にこの取り組みを広げていきたいです。
どんな力が身につく?"未来人材"に必要な3つの力
英語で学ぶことで伸びるコミュニケーション力
──KIPAで育つ力について教えてください。青木さん:KIPAで育つ力として、3つの要素があります。1つ目は「伝えようとする力」です。
女の子は比較的おしゃべりが好きなので、特に促さなくても英語で話そうとする傾向があります。一方で、男の子はきっかけがないと話そうとしないケースが多く見られます。
ただ、プログラミングを通じて、このキャラクターを動かすためにはどうすればよいのかを先生に聞く必要が生まれると、英語で質問するようになります。
──プログラミングを通じて、コミュニケーション面ではどのような変化が見られますか。
青木さん:同じ制作物を通じて、先生と生徒が会話するので、圧倒的にコミュニケーションの量が増えます。
普段はほとんど会話をしない子どもが、英語をたくさん使って話すようになる変化を、実際の授業の中で感じています。

先生とコミュニケーションを取りながら、学習を進めている。
プログラミングが育てる論理的思考と問題解決力
──その他に、KIPAを通じて育つ力について教えてください。青木さん:2つ目は「考えて試す力」、そして3つ目は「失敗を恐れずに試行錯誤する力」です。
プログラミングの本質は、トライアンドエラーにあります。作ったものが自分のイメージ通りに動かない場合、どこが間違っているのかを考え、自分で原因を見つけて解消させる必要があります。この過程は、頭の中で試行錯誤を重ねる以外に方法がありません。その面白さを感じてもらうことが、プログラミング教育の大切なポイントです。
──プログラミングにおける試行錯誤の経験は、子どもたちにどのような力をもたらしているのでしょうか。
青木さん:試行錯誤の過程で、子どもたちは論理的思考力と問題解決力を自然と身につけていきます。加えて、英語で行うことにより、思考力と言語能力の両方が同時に鍛えられるのです。
視覚的な教材設計で育てる創造力と表現力
──英語とプログラミングを組み合わせることについて、懸念はありませんでしたか。青木さん:実は、英語とプログラミングを組み合わせるにあたって、リスクも感じていました。「英語がハードルになってしまって、プログラミングの学びまで至らないのではないか」という懸念です。特に、英語の壁にぶち当たってしまい、途中で諦めてしまう可能性を心配していました。
──英語とプログラミングを同時に学ぶリスクに対して、どのような工夫を行ったのでしょうか。
青木さん:このリスクを回避するために、KIPAでは教材に工夫を施しました。英語や日本語といった言語を意識せず、組み立て図のようなピクチャーベースの教材を開発しています。
タブレット上に表示される絵を見るだけで、プログラミングのブロックをどう組み合わせればキャラクターが動くのかが直感的に分かる仕組みです。
言語が読めなくても、絵を見れば「ここをタップする」「このブロックをここに置く」といった操作が一目瞭然です。英語力に関係なくプログラミングの楽しさを体験できます。

子どもたちの「作りたい」という強い動機と、視覚的な教材設計により、英語というハードルを感じさせることなく、自然と英語に触れながら創造力と表現力を育んでいます。
今後の展望――アフタースクールモデルと親の学び
小学生向けアフタースクールモデルへの展開
──KIPAの今後の展望について教えてください。青木さん:KIPAの今後の展望として、「小学生向けのアフタースクールモデルへの接続」を掲げています。
私としては、小学生向けのアフタースクールとしての運用を想定しています。放課後の預かりの中に複数の習い事を用意し、子どもの興味関心や、保護者が学ばせたい内容に応じて選べる形を目指しています。
ただ遊んで帰るのではなく、宿題もそこで済ませ、プログラミングや英語も学べるアフタースクールにしていきたいですね。

同じ教室でそれぞれが自分の課題に向かって学習を進めている。
──運用を進める上で、課題として考えている点はありますか。
青木さん:英語でプログラミングを学ぶことに、子どもたちがどこまで自然に馴染めるかは今後の課題です。まずは小規模でスタートし、様子を見ながら段階的に拡大していく計画をしています。
親の学びたいを叶える新しい教育のカタチ
──KIPAでは、子どもだけでなく親の学びについても構想があると伺いました。青木さん:共働き世帯が約8割となり、子どもに割ける時間が限られてきています。一方で、親自身にも学びたいという欲求は確実にあります。ただ、その欲求を満たす時間を確保することが難しい状況です。
こうした課題意識から、親の生涯学習にも貢献できる仕組みを作りたいと考えています。
──親の学びと子どもの教育を、どのようにつなげていきたいと考えていますか。
青木さん:子どもに納得のいく教育を受けさせることで生まれた時間を、親自身の学びに転換できる循環を作りたいですね。さらに一段階進めて、親も子どもと同じ興味を持ち、一緒に学べる環境を整えたい思いもあります。
実際に、武蔵小杉の保育園では、母子分離が難しい子ども向けに、親子で一緒に参加できる「Baby Steps」というプログラムを提供しています。親が英語を学び直す機会にもなっており、将来的なビジョンにつながる取り組みとして位置づけています。
さらに、もう一段階上の理想として、親も子どもと同じ興味を持って、一緒に学べる環境を作りたいという思いもあります。
保護者へのメッセージ
──最後に、プログラミング教育や英語教育を検討している保護者に向けてメッセージをお願いします。青木さん:英語もプログラミングも、今後すべての子どもが当たり前に触れておいたほうがいいと、多くの親御さんが感じているのではないでしょうか。私たちは、幼児から小中学生まで、自然な形で英語やプログラミングに触れ続けられる環境をつくっていきたいと考えています。
そのための環境づくりには工夫を重ねていますので、少しでもご興味があれば、ぜひ検討してもらえたら嬉しいです。アフタースクールモデルの拡張や、親子で学べる仕組みづくりについても、これからさまざまな仕掛けに挑戦していきます。
英語×プログラミングの新しい学び──KIPAのこれからに注目!
子どもが自分の興味に応じて学べる環境、そして保護者にとっても時間を有効活用できる仕組みが整っているKIPA。英語とプログラミングを融合させた新しい学びのカタチは、未来を生きる子どもたちに必要な力を育む、まさに理想的な教育モデルといえるでしょう。KIPAの取り組みは、まだ始まったばかりです。しかし、その革新的なカリキュラムと明確なビジョンは、これからの教育のスタンダードを変えていく可能性を秘めています。英語×プログラミングという新しい学びのカタチが、どのように子どもたちの未来を切り開いていくのか、今後の展開に注目が集まります。
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