【新商品発表会レポート】教材の"次の一手"が続々登場──MATRIX・ILLUMME・レゴ® CS&AI・トイオ・プレイグラウンド コマンドが描くプログラミング教育の新地平

【新商品発表会レポート】教材の"次の一手"が続々登場──MATRIX・ILLUMME・レゴ® CS&AI・トイオ・プレイグラウンド コマンドが描くプログラミング教育の新地平

プログラミング教育市場が定番化のフェーズに入るなか、現場の運営者や教育担当者にとっての最大の関心事は、「次にどの教材を、誰に、どう届けるか」という一点に集約されつつあります。

そんな中、プログラミング教育総合商社のアフレルが主催する新商品発表会が開催され、会場には教室運営者・学校関係者が集結。各社から発表される最新教材に熱い視線が注がれました。

発表の内容を参加者が聞き入る様子

最新教材への関心の高さを感じさせる会場の空気感


アフレルからは冒頭、業界が生き延びてきた2つのパターンとして「縦型の発展(対象学年の拡張)」と「横型の発展(保育園・学童・放課後等デイサービスなどへの広がり)」が提示されました。

そのうえで、2030年代に向けた事業戦略を描いてほしいという力強いメッセージが共有されました。

アフレルの登壇の様子

アフレルによる業界動向の共有が行われた


続いて登壇した各社は、高学年・中学生向けの本格派ロボティクスから、低年齢・アート特化型の教材、そしてパソコン不要の次世代カードプログラミングまで、実に多彩なラインナップを披露。

本記事では、それぞれの発表内容を詳しくレポートします。

【発表1】MATRIX MINI R4|Arduinoベースの本格派コントローラー

MATRIX MINI R4の構造の図

MATRIX MINI R4の構造


アフレルが新たに取り扱いを開始したのが、MATRIX MINI R4というコントローラーです。

Arduinoが内蔵されたWi-Fi搭載モデルで、「公式の組み立て図に少し手を加えた構成」のロボットを用いた実演デモも行われました。

MATRIX MINI R4 デモの様子

製品のポイント

MATRIX MINI R4のセンサー部品

MATRIX MINI R4のセンサー部品


MATRIX MINI R4のモニター部品

MATRIX MINI R4のモニター部品


製品のポイント 詳細
拡張性の高いハードウェア構成
  • DCモーター接続ポート ×4、サーボモーター接続ポート×4を四隅に配置
  • デジタルポート/アナログポート/I²Cポートを装備
  • UARTポート1つはカメラモジュール接続を想定した設計
電源仕様
  • Type-Cポートはプログラム書き込み専用
  • モーター駆動には外部電源(6V〜24V)が必要(5Vでは動作しない点に注意)
豊富な公式センサー/モーターラインナップ
  • カラーセンサー、レーザーセンサー、ライントレース用センサー、カメラ
  • ウォーターレベルセンサー、人感センサーなど、ロボティクス以外の用途にも対応
  • DCモーター、サーボモーター、エンコーダー付きモーターなどを用意

MATRIX MINI R4は拡張性の高いハードウェア構成が大きな特徴です。入門から発展まで段階的な学習設計を実現したい教室運営者にとって、扱いやすいコントローラーだと言えるでしょう。

開発環境も二本立て

MATRIX MINI R4を紹介している様子

公式が提供する開発環境は、Scratchライクな「MATRIXブロック」とArduino IDEの2種類です。

MATRIXブロック上でビジュアルに組み立てたプログラムは、右側にArduinoのソースコードとして自動変換・表示される仕組みになっています。そのため、ブロックからテキストコーディングへの橋渡しとして活用しやすい設計です。

体験デモ

MATRIX MINI R4を実際に動かしている様子

MATRIX MINI R4を実際に動かしている様子


デモでは、アームの先端にカラーセンサーを装着したロボットが、ライントレースしながらレゴブロックで作った赤・青のブロックを検知する動きを披露。

「DCモーター×2、サーボモーター×2、エンコーダー付きモーター×2、カラーセンサー、ライントレース用センサー」というミニマムなセット構成で、本格派のロボティクス体験を手軽に始められる点がアピールされました

MATRIX 公式サイト

【発表2】ILLUMME(イリューム)|STEAMの"A(アート)"に特化した異色の教材

ILLUMMEが光っている様子

ILLUMMEが光っている様子


2つ目に登壇したのは、パナソニック エレクトリックワークス株式会社のILLUMME(イリューム)開発チームです。

STEM教育に「A(アート)」を加えたSTEAM教育が求められる中で、「アートをどう教えたらよいか分からない」という現場の悩みに真正面から応える教材として誕生しました。

ILLUMME(イリューム)担当者の方の登壇

STEAM教育展開

誕生の背景と販売状況

ILLUMMEは、2026年2月に試験発売が開始されました。対象は中高生・高専生・大学生で、手のリサイズ(USB給電)のコンパクトな筐体が特徴です。

すでに、以下のような受注実績が積み上がっています。

ILLUMMEの受注実績

  • 国立高等専門学校
  • アフタースクール、プログラミング塾、私立・公立の小中学校への導入
  • その他、教育関係の代理店からの引き合い多数


2020年頃にプロジェクトが立ち上がり、「カラー照明を容易に変更できる価値」の普及を主目的に、教育現場(学校向け)へと展開をしてきました。

展示会でのデモの様子

展示会でのデモの様子

他のロボット教材とは一線を画すコンセプト

ILLUMMEの活用方法

ILLUMMEのコンセプト

  • センサー類は一切搭載せず、アートに完全特化
  • RGBのLEDが360°光る不思議な光源で、感情や世界観を色・パターンで表現
  • プログラミング×アート作品づくりを通じて、答えのない問いに向き合うクリエイティブラーニングを育む
  • 使える教科が多い
    美術、数学(プログラミング要素の活用)、社会、家庭科(料理を演出する配色)、国語(物語・俳句を光で表現)、総合・道徳(自分の感情を表現)など教科横断型

ILLUMMEでアート表現とプログラミングを掛け合わせることで、教科の枠を越えた横断的な学びを実現できる点が大きな特徴です。

現場からの圧倒的な評価

ILLUMMEに対しては、米子高専 電気電子部門の田中教授(高専STEAMのキーマン)からも高い評価が寄せられています。

たとえば、女子生徒が楽しそうに取り組む姿や、普段あまり発言しない学生が積極的に参加していた点などが、高い評価のポイントとして挙げられています。

また、受講学生アンケートでは、以下の驚くべき結果も出ています。

受講学生へのアンケート結果

受講学生へのアンケートでは、「光(照明)への興味が増したか」という問いに対して100%が「増した」と回答しました。

「授業外でもILLUMMEを使いたいか」という問いにも82%が肯定的に回答しており、学習への関心の高さがうかがえる結果となっています。

開発環境と対象年齢の広さ

ILLUMME(イリューム)デモの様子


標準は、Scratchベースのビジュアルプログラミングです。「光らせる」「色を変える」などのシンプルなブロックで、炎の揺らぎ・グラデーションなどのデコレーションパターンを簡単に表現できます。

さらにソースコードも公開されており、高専などではPythonで一つひとつのLEDを個別制御するといった発展的な使い方も可能です。

プログラムを本体に記憶させれば、パソコン不要でスタンドアロン動作もできます。
 ILLUMME 公式サイト

【発表3】レゴ® エデュケーション CS&AI(コンピュータサイエンス&AI)|ケーブルレス×AIの次世代キット

レゴ® エデュケーション サイエンス&AI の製品情報

レゴ® エデュケーション サイエンス&AI の製品情報


3つ目の発表はレゴ® エデュケーションの新教材、CS&AI(コンピュータサイエンス&AI)です。

CS&AIには、スパイクやEV3を使ってきた現場にはお馴染みの世界観を継承しつつ、大きな革新が盛り込まれています。

3グレード構成の内訳

レゴ® エデュケーション サイエンス&AIの同梱内容

レゴ® エデュケーション サイエンス&AIの同梱品


学年に応じて、5+/8+/11+の3グレード構成になっています。

グレード 対象 同梱品
CS&AI 5+
小学1〜2年生
  • レゴブロック 321個
  • カラーセンサー 1個
  • シングルモーター 1個
  • 接続カード 1枚
  • USB充電ケーブル 1本
CS&AI 8+
小学3〜6年生
  • レゴブロック 321個
  • カラーセンサー 1個
  • ダブルモーター 1個
  • 接続カード 1枚
  • USB充電ケーブル 1本
CS&AI 11+
中学1〜3年生
  • レゴブロック 379個
  • カラーセンサー 1個
  • シングルモーター 1個
  • ダブルモーター 1個
  • コントローラー 1個
  • 接続カード 1枚
  • USB充電ケーブル 1本

CS&AI 11+のみに同梱されるコントローラーは、レバー操作でセンサーとしても使える拡張性の高いパーツです。

最大の特徴は「ハブレス/ケーブルレス」

通信時のイメージ画像

通信時のイメージ画像


従来のスパイクやEV3では、ハブ(インテリジェントブロック)に各デバイスをケーブルで接続する必要がありました。

しかし、CS&AIではハブが不要となり、それぞれのデバイスが無線で直接通信が可能に。

上記により、以下のメリットが生まれます。

  • ケーブルの絡まりがなくなる
  • ロボットのサイズを自由に拡張できる
  • 1つのコーディングキャンバスに対して最大8台まで接続可能(モーターを追加したい、センサーを増やしたいといった柔軟な構成が可能)

「AI」の中身とは?──3段階のAI学習

AI学習に関する公式資料

AI学習に関する公式資料


CS&AIは名前に"AI"を冠していますが、生成AIではなく、分類・ポーズ判定・骨格推定などの認識系のAR機能が中心です。

入力は全学年共通でカメラを用いたポーズ検知機能で、以下の3段階で段階的に学べます。

学年に応じたステップアップ学習

学年に応じたステップアップ学習


レゴ® エデュケーション CS&AIの段階的な学び
1.事前学習済み分類器──あらかじめ学習させたポーズ分類器を使うAIの"はじめの一歩"
2.カスタム分類器──自分たちで考えたポーズでカスタムクラスを作り、サンプルを集めて学習させる
3.体センサーAIツール──体の目印となる点の位置や2点間の角度・距離をリアルタイムで記録し、レゴ®モデルの動きを制御

安全性・プライバシーが設計の基盤となっており、すべての処理をデバイス上でローカルに実行可能です。

児童・生徒のデータが収集されたり、学習データとして使用されたりするリスクはありません。

充実のティーチャーポータル

ティーチャーポータルの説明資料

追加費用なしで利用できるティーチャーポータル


ティーチャーポータルの内容

  • 合計90レッスン(各キット30レッスン)を搭載
  • 各テーマごとに学習指導要領の該当項目が記載
  • 学年区分あたり6ユニット、各ユニットは45分間レッスン×4+オープンエンドのデザインチャレンジ×1
  • 1つの共通モデルを2つのレッスンで使い回すことで組み立て時間を短縮し、プログラミングに時間をかけられる設計
  • 授業用プレゼンテーション/レッスン進行ガイド/組み立て説明書/ルーブリック評価/発展課題まで網羅

カリキュラムは、ベーシック → ハードウェア → イベント → シーケンス → ループ → 条件 → 変数 → 関数 → AIとデータへと段階的にスキルを構築。

段階的に学べる仕組み

段階的に学べる仕組み


指導要領に準拠しており、先生が授業をそのまま展開できる仕様です。CS&AIの教員用ポータルはこちらからご確認ください。

体験デモ

会場では、「スパイダー」というゲーム制作の体験が行われました。

組立説明書80ページから始まる4分割された紙面を、参加者が「赤担当」「緑担当」などを分担して4人1組で協力して組み立てるという、コラボレーションを前提とした設計が印象的でした。
 レゴ® CS&AI 公式サイトへ 

【発表4】トイオ・プレイグラウンド コマンド|パソコン不要、カードで完結する新コンセプト

トイオ・プレイグラウンド コマンドのセット内容

トイオ・プレイグラウンド コマンドのカード


トリを務めたのは、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントです。

トイオの共同創業者である田中氏(左)と中山氏(右)

トイオの共同創業者である田中氏(左)と中山氏(右)


ロボットトイ toio(トイオ)を立ち上げたファウンダーである田中氏・中山氏が登壇し、新商品「toio™プレイグラウンド コマンド」を披露しました。

本製品の開発背景や設計思想については、開発を主導した中山プロデューサーへのインタビュー記事で詳しく語られています。

プログラミング教材設計の意図や工夫について深く知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。

製品の概要

​トイオ・プレイグラウンド コマンドのセット内容

トイオ・プレイグラウンド コマンドのセット内容


製品名 トイオ・プレイグラウンド コマンド
(型番:TQJS-00102)
発表・発売日 発表日:2026年4月1日
発売日:2026年5月14日
希望小売価格 3,980円(税抜)/4,378円(税込)
内容品
  • カード92枚
    (アクションカード9種32枚/コマンドカード13種60枚)
  • おためし版マット1部
  • 取り扱い説明書2部

カードとマットを中心としたシンプルな構成で、直感的にプログラミングを学べる設計です。

新商品のポイント

トイオ・プレイグラウンド コマンドの企画趣旨

トイオ・プレイグラウンド コマンドの企画趣旨


2年前に発売された「トイオ・プレイグラウンド」の発展版となる本商品。

パソコン・タブレット一切不要で、コマンドカードを並べてキューブで読み取るだけでプログラム登録が完了するという、革新的なUXが最大の特徴です。

開発の背景には、

  • カード型プログラミングとScratchなどビジュアルプログラミングの"断絶"を埋めたい
  • 既存のコンソール型教材にあった「準備の大変さ」「片付けの煩雑さ」「ステージが固定的」という課題を一挙に解決したい

という2つの狙いがあります。

文部科学省『プログラミング教育の手引(第三版)』に準拠したプログラミングブック(全6冊予定/福井大学監修)と組み合わせれば、順次・反復・分岐から論理演算・マルチスレッド・双方向通信まで段階的に学べる設計です。

全6冊のプログラミングブック

全6冊のプログラミングブック


ソニー創業80周年という節目の年、約10年以上前の試作機から始まったtoioプロジェクトは、ロボット大賞 文部科学大臣賞、グッドデザイン賞、グッド・トイ賞、日本子育て支援大賞などさまざまな賞を受賞。

小中学校・学童・プログラミング教室を中心に、導入教室は4桁規模に広がっています。

トイオ・プレイグラウンド コマンド 公式サイトへ

開発を主導した中山プロデューサーに、企画の背景・学習曲線の設計思想・2台連携の技術的こだわりまで深掘りしたインタビュー記事を別途公開しています。

ぜひあわせてご覧ください。

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coeteco.jpへのリンクはこちら

リンク先の情報にアクセスできますが、表示の問題でタイトルと画像を取得できませんでした。

https://coeteco.jp/articles/15022/preview?preview_token=88b9b51feca460254414732c29704dcb0ce7e07fae7b0c563a667e7db0f9529d >

※現在プレビュー記事のURLとなっています。遷移先の取材記事を公開後、本番URLに変更いたします。

まとめ ── "縦にも横にも"広がる教材選びの時代へ

今回の発表会では、冒頭でアフレルが示した「縦型・横型の発展」という視点が、そのまま各社の教材ラインナップに体現されていました。

今回発表された新商品のラインナップ


特に印象的だったのは、どの教材も"現場の課題"から出発していた点です。

「女の子が入りづらい」
「ケーブルが絡まる」
「カード型とScratchに断絶がある」

教室運営者であれば誰もが日常的に直面する課題に対し、各社が技術と設計の工夫で解を提示してきたことが、今回の発表会の最大の収穫だったと言えるでしょう。

2030年代に向け、プログラミング教育は「何を教えるか」から「誰に・どう届けるか」へと軸足を移しつつあります。

教室運営者・IT教育担当者の皆様にとって、本レポートが次の一手を検討する一助となれば幸いです。
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設立年月日 2000年10月13日
GMOメディア株式会社の事業内容 メディア事業、ソリューション事業
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資本金 7億6197万円(2024年12月31日現在)
上場市場 東京証券取引所 グロース市場(証券コード : 6180)
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