プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

パソコンもタブレットも使わないプログラミング学習?『未来実現IT教室』出張授業レポート

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2020年から始まる小学校でのプログラミング教育必修化に向けての準備が各所で進んでいます。

今回は、2018年6月26日(火)に東京都江東区・砂町小学校で開催された『未来実現IT教室~Children's Technology Challenge~』を取材しました。

『未来実現IT教室~Children's Technology Challenge~』とは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)が開発した、小学生向けのIT教育コンテンツです。

未来への学びが詰まった90分間の授業の様子をたっぷりとお届けします。

ITって何?ITエンジニアって何してる人?


会場は砂町小学校の校内、参加するのは5年生の子どもたち。家庭科室に集合した子どもたちは、いつもの先生たちとは違う大人に囲まれて少し緊張の面持ちです。

講師が「今日の授業って何だかわかりますか?」と聞くと、何人かから「……IT?」という反応が。聞いたことはあっても、実はよく分かっていない言葉なのかもしれません。

そこで、講師が「ITとは『インフォメーションテクノロジー』の略。情報をやりとりする技術のことをまとめて表す言葉です」と説明すると、すぐにピンときた様子。

身の回りのITって何でしょう?という質問に「携帯電話!」「インターネット!」「ゲーム!」「スマホ!」「パソコン!」と元気な声が聞こえました。

その他、防犯システムやAI(人工知能)、自動運転車などの開発もITの領域。身近な道具から未来の交通手段まで、世の中を便利にするために活躍しているのがITエンジニアなのです。


そこで、今日の課題が発表されました。「皆さんにはITエンジニアになって、悩みを解決してもらいます!」子どもたちは「う~ん、できるかなあ……」とちょっと不安げな表情浮かべていました。

トラックのロボットを動かして、荷物を運ぼう!


今日の課題は『ルートシミュレーション』。子どもたちは、とある企業のITエンジニアという設定です。運送会社の社長に「最適な経路で荷物を運ぶ仕組みがほしい」と依頼され、自動運転トラックの配達ルートを見つけるプロジェクトに参加します。

配られたロボットは、小さくて可愛らしいトラック型。さっそくスイッチを入れて、動きを確認してみます。トラックは黒い線をたどって自動で走り、交差点に差し掛かると、とくに指示がない場合はランダムな方向に曲がります。


道の途中に三色の指示マークがある場合、トラックは次の交差点で決まった方向に曲がります。

どんな指示でどんなふうに動くか、まずは観察して理解することから始めます。5分間ほどのグループワークの間に、すべての班が仕組みを解明していました。

続いて、実際に課題を解くための地図が配布されました。スタートとゴールは同じ地点、荷物の配達先は『いちば』『こくぎかん』『ドーム』の3箇所です。指示マーク置きながらいろいろな方向にトラックを動かし、なるべく多くのパターンを見つけます。


指示マークを置き換えながら、思うとおりに動かそうとするのですが、思いもよらない方向に曲がってしまうことも。

指示マークの置き方や置く場所によっては、センサがうまく指示を読み込めない様子です。「こっちだよ!」「いや、こうでしょ?」「じゃあ試してみようよ!」など、活発な意見が飛び交います。

15分間のグループワークの間に、各班1~2パターンのルートを見つけることができた様子でした。

仮説を立て、検証し、結果を見て、対策する

ここからはメインの課題です。

荷物を運ぶ順番や一方通行・一時停止などのルールにしたがって、スタートからゴールまでの最短ルートを見つけます。ここで、『プログラミング的思考』の説明がありました。

プログラミング的思考とは、『課題を見つけて、仮説を立て、それを実際に検証して、結果を測定する』というサイクルのこと。

 
つい実際に動かして、手探りでルート探しをしたくなるところをこらえて、まずは『仮説』、ルートを考えます。

1班の4~5人でそれぞれ考えたルートを見せあい、仮説がまとまったら『実証』、つまり実際にトラックを走らせます。走らせながら、ストップウォッチで走行時間を測り、本当に最適なルートなのかを『検証』します。

ここで、一部の班が興味深い検証をしていました。多くの班がスタートからゴールまで、すべてのルートを走らせながら時間を測っているなかで、目的地を分割させて、それぞれからそれぞれへの最短ルートを探しているようです。

・スタートから『ドーム』まで
・『ドーム』から『こくぎかん』まで
・『こくぎかん』から『いちば』まで
・『いちば』からゴールまで

とても合理的な検証方法です。どうやらいち早く、最短ルートを見つけた様子でした。

指示マークが多くなると、置き間違いによる誤動作が起きやすくなります。センサが指示を間違って読み込み、トラックが思わぬ方向に進んでしまうことも。

ルートを考える子、正確にマークを置く子、マークのミスや置き忘れがないか全体を見る子、時間を測る子、意見がぶつかりそうになると、すかさず間に入ってまとめる子……。班のなかで自然に、それぞれの適性に合った役割分担ができているようです。

結果発表!



25分間のグループワーク終了後、それぞれの班がみつけた最適ルートと走行時間をホワイトボードに貼りました。

2つのパターンに分かれているようです。それぞれの班で工夫したところ、大変だったところを発表しあいました。

「曲がり道のところで動きがおかしくなるから大変だった」
「曲がると時間がかかるから、なるべく曲がらずに済む道を探した」
「トラックが道から外れないよう、丁寧に指示マークを置いた」

ほか、各班いろいろな苦労をしていた様子です。

ここで、追加の課題が出ます。配達範囲を広げて、トラックの数を6台に増やすのだとか。広げられた地図に、子どもたちから「えー!」「無理だろ!」という叫び。

しかし、講師が「でも、今回は時間がないのでやりません」と続けると、なぜか落胆の声があがりました。

授業ではできなかったかわりに、『ひとつの回答例』としてのデモンストレーション動画が流されました。

広い地図の上を、プログラミングにしたがって複雑に動くトラックたちを見て、子どもたちも『プログラミングで何ができるのか、そのプログラムを組むことがどんなふうに大変なのか』を考えている様子でした。


先輩からのメッセージ

今回の授業で学んだような仕組みは、すでに実際の社会でさまざまに活用されています。人の力だけでは管理しきれない情報を処理して、社会を便利にするのがITエンジニアの仕事なのです。

最後に、授業を開催したCTCのITエンジニアで技監の野村典文さんからメッセージが送られました。

「ITエンジニアは、コンピュータシステムを使ってこの世の中をどんどん新しく、便利にしていくやりがいのある仕事です。いま皆さんが学校で習っている勉強は、血となり肉となってITエンジニアの実力を支えています。

皆さんのなかに、今日の体験を『楽しかった』と思って、その気持ちをもってITエンジニアになっていただける方が生まれることを期待しています」(一部略)

編集部より


授業終了後、子どもたちに話しかけたところ、「難しかった~!」「初めてだけど楽しかった!」と興奮気味に答えてくれました。学年主任の先生が「授業中の子どもたちがとても活発で、活動的」と仰っていたのも印象的でした。

やってみたい!できた!楽しい!という気持ちは、全ての学びのモチベーションになるように思います。自分が子どもであれば、このような授業を受けさせてくれる学校に通いたくなるだろうな……と感じる授業でした。

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この記事を書いた人


コエテコ編集部

2020年から始まる小学校での「プログラミング教育の必修化」に向けて、小学生を対象としたプログラミング教室、ロボットプログラミング教室の市場はどんどん拡大しています。社会・教育・産業構造が大きく変革していく中で、未来の日本を担う子どもたちはグローバル化・情報化社会を生き抜く力を身につけなければなりません。 コエテコ編集部では、習い事やプログラミング教育に関わるテーマをわかりやすく、面白く伝える記事を作成し、皆さんにお届けしていきます。

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