名門塾・早稲田アカデミーが、STEM教育プログラム「CREATIVE GARDEN」を開講する理由

名門塾・早稲田アカデミーが、STEM教育プログラム「CREATIVE GARDEN」を開講する理由

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今年、2020年からの小学校のプログラミング教育必修化に伴い、民間教育におけるロボット・プログラミング教室が急速に増えています。

2020年2月、中学・高校・大学受験専門進学塾として有名な「早稲田アカデミー」が、STEM教育プログラム「CREATIVE GARDEN」を本格開講します。

「CREATIVE GARDEN」とは、早稲田アカデミーと株式会社ソニー・グローバルエデュケーションが共同開発で、学力を伸ばす素地とミライを生き抜く力を身につけることを目的とした、今までにない全く新しいプログラミング講座。

現在、公開授業・講座説明会を各所で実施中ということで、今回はその会場へ行き、実際の授業の様子をレポート。

そして、なぜ今、早稲田アカデミーがSTEM教育講座を開いたのか、「CREATIVE GARDEN」開講の経緯や早稲田アカデミーが目指すこれからの学習塾の姿について、株式会社早稲田アカデミーの稲森一晃氏(教務本部 中学受験部 上席)にお話を伺いました。

早稲田アカデミーとは?
「本気でやる子を育てる」を教育理念に掲げ、難関中学、高校、大学合格者の輩出を目指し、子どもの可能性を伸ばす指導を実践している学習塾。

子ども達の個性と創造力を伸ばす、STEM教育プログラム「CREATIVE GARDEN」公開授業レポート

今回訪れた公開授業会場は、JR御茶ノ水駅から徒歩4分の場所にある「TKPガーデンシティ御茶ノ水」。今回は、日に3回行われている公開授業の午後の部へ参加しました。


今回の公開授業には、新1年生のお子様と保護者の皆様、総勢約20組が参加。子ども達は入室すると、授業で使う学習キットが置かれた各テーブルに次々と着席。開始時間になると、講師の挨拶とともに、早速授業がスタート!

~課題の導入~ テーマに基づき、自分のつくりたいものを決める

新1年生の授業のテーマは、想像力が刺激される「動く言葉」


授業の最初に行うのは、授業で何を作るかを決める「課題の導入」。

「CREATIVE GARDEN」では、小学1年生から3年生の子ども達が、80分×3回の授業の中で1つのテーマに取り組みます。講師が子ども達に問いかけをしながら、授業で作る課題のテーマをホワイトボードに書いていきます。今回のテーマは、「ぐるぐる」のようです。

「身の回りでぐるぐるするものには、何があるかな?」


テーマが発表されると、そのテーマから想起するものについて、講師が子ども達に問いを投げかけます。

「タイヤ」「こま」「水車」など、子ども達は柔軟な発想力から思いつく、ぐるぐるにまつわるものを次々と挙げていきます。どんなアイデアも受け止めてもらえるので、子ども達は一切ためらうことなく、思いつくままに自分のアイデアを発していきます。

~開発~ KOOVを使って、イメージを形にしてみる

アイデアが一通り出て、各自自分の作りたいものがイメージできたら、次はイメージを具現化すべく、開発作業に入ります。

子ども達は、目の前に置かれた学習キットKOOVのボックスを開けて、組み立てに必要な材料を取り出します。

カラフルでポップなブロックに子ども達も大興奮!


授業で使う教材は、株式会社ソニー・グローバルエデュケーションが開発したKOOV。

KOOVは、カラフルな7色7種類のブロックで自由に形を作り、ギア、電子パーツを取りつけて、プログラミングアプリで動作を与えるというロボットプログラミング学習キット。


組み立て開始直後は、自分のイメージしたものを着々と組み立てる子もいる一方、少し不安そうに、迷いながら進めていく子も。

ですが、時間が経つにつれ、子ども達全員がそれぞれ作業に夢中になっていきます。手が止まっていた子も、ブロックを実際に触りながら試行錯誤を繰り返すことで、「自分で考え、つくる」という行動が、授業内で自然と身についていく様子が目に見えて分かります。


できた作品はみんなの前でプレゼン!


公開講座では、最後に保護者の方にお子様から作品について説明する時間を設けています。

保護者の方からも、「これは何を作ったの?」と声をかけていただくことで、子ども達は自分が作り上げた作品を通じて、自分の「イメージを伝える」ことを体験します。

子ども達の授業体験中、保護者は説明会に参加

子ども達が授業をしている間、実は保護者の皆様は隣室で講座説明会に参加。

「授業を通して、どんな力が見につくのか?」「KOOVは、どんな教材なのか?」といったさまざまな疑問に答えるべく、早稲田アカデミーと株式会社ソニー・グローバルエデュケーションの担当者が、「CREATIVE GARDEN」やKOOVについての概要を説明。


KOOVの紹介の際は、子ども達と同じように、保護者の皆様にも教材が渡され、共同開発者である株式会社ソニー・グローバルエデュケーションの清水輝大氏の説明を受けながら、実際の授業を実体験。組み立ての際には、お子様と同様、皆様かなり集中している様子が印象的でした。

保護者の皆さんも時間と共にKOOVに夢中に…


保護者も揃って、みんなで作品鑑賞


保護者向け説明会終了後は、保護者の皆様が教室へやって来て、お子さんの作品を鑑賞。授業が終わったにもかかわらず、どの子もブロックをさわる手を止めません!

それほどに子ども達が熱中、そして夢中になれるカリキュラム内容だということでしょう。

我が子の個性あふれる傑作を見て、その想像力や創作力に驚くとともに、褒めたり、親子で笑い合う姿が会場には溢れていました。

「CREATIVE GARDEN」で身に付ける、これからの社会を生き抜くための力。株式会社早稲田アカデミーの稲森一晃氏インタビュー

稲森一晃氏


公開授業が終わった後に、株式会社早稲田アカデミーの稲森一晃氏に、「CREATIVE GARDEN」について詳しくお話を伺いました。

将来の受験に有効な「学力を伸ばす素地」を身に付けるために

―なぜ今、STEM教育講座「CREATIVE GARDEN」を開講されたのですか。

背景としては、時代の流れがあります。

プログラミング教育が必修化となり、弊社でも検討する必要が出てきた時に、もしやるのであれば、早稲田アカデミーならではの知見を活かした受験に有効活用できるプログラムをやろうとまず決めました。

そして、受験に有効活用できる、つまり合格するために必要なことは何かを考えた時に、考える力や実体験といった学力を伸ばすための素地が、今の子ども達には不足しているという点に我々は着目したのです。


これまでの塾での授業の中で見えてきたものは、早稲田アカデミーの生徒だけではなく、特別講座を受講しに来る外部生の生徒達も、自分が見たことのない新しい問題に弱いという傾向です。

問題を何とか突破しようとする意欲が低かったり、困ったら手が止まってしまうなどのいろいろな弱点が、これまでの授業を通して見受けられました。

こうした未知のものに挑戦する意欲や、試行錯誤して問題を解決しようとする姿勢といった学力を伸ばすための素地は、受験前の半年で教え込んでどうにかなるようなものではありません。

あらかじめ身に付いていればその後の学力も伸びるのですが、既存の教科学習で身に付けるのは難しいです。

とはいえ、受験勉強で忙しくなる4年生、5年生、6年生で身に付ける機会をあげることもできないので、ある程度そういった素地を受験期前、かつ感性がより高い低学年の時期に育むことのできる講座があればいいのではないかと考えた末、生まれたのが「CREATIVE GARDEN」です。

―手段として、STEM教育を選ばれた理由を教えてください。

我々は、中学受験の入試内容がどう変わってきているかといった受験情報に精通している他、実際に中学校の先生や保護者の方達とお話をし、子ども達が勉強する中でぶつかる壁を見てきた受験のプロフェッショナルです。

そんな我々が、これまで得てきた経験やノウハウを基に、「受験という出口から逆算をして、今これをやらせておいた方が絶対にいい」と考えたものの中の一つが、「実体験」でした。

実体験の質と量は、子どもの想像力や状況認識力などに大きく関わります。国語の文章から場面や情景をイメージする、算数の問題から状況をイメージする、理科や社会の写真から音・感触・においをイメージするなど、仮想体験が主になっている現代の子どもたちには難しいことばかりです。こうした実体験は、既存の教科学習で得ることは困難ですが、STEM教育には可能性があるのではないかと考えました。

他塾には真似のできない、ノウハウを生かした独自カリキュラムと指導要領

―講座のカリキュラムは、完全オリジナルとのことですが、どのような内容なのでしょうか。

早稲田アカデミーならではの圧倒的に結果の出るもの、かつ、一般的にプログラミングで修得できるとされている理数系や情報系の知識を養うだけではなく、生物や地学、文系などの教科・分野で「学力が伸びる素地」を養えるカリキュラムを作ろうということで、ソニー・グローバルエデュケーションさんとゼロから共同開発しました。

小学1年生から3年生の子ども達が、80分×3回を1タームとし、ソニー・グローバルエデュケーション開発の学習キットKOOVを使い、1つの課題に取り組むという内容です。各課題にはテーマを設けています。

1年生では、「ぐるぐる」「ぱたぱた」といった動く言葉がテーマで、授業の1回目、2回目でその言葉から各自が自由にイメージするものをKOOVを使って組み立て、動かし、具現化して、3回目の授業で、できた作品を全員の前でプレゼンします。テーマは回を追うごとに複雑になるため、技術力が自然と高まるカリキュラム構成になっています。

開発にあたっては、SONY グループ唯一のエデュケーション エヴァンジェリストの清水輝大氏をはじめ、KOOVのプロダクト開発陣が、そして弊社からは、中学受験の最前線を担当し続けている中学受験部の講師や低学年指導のスペシャリスト・理科実験教室の専門スタッフが参画しています。

―教材として、KOOVを選んだ理由は何ですか。


KOOVはもちろん触って検討したわけですが、コンセプトを聞くと、形や色味などもかなり練って作られていますし、ブロックの形が7種類しかないんですね。

他の製品だと自分の意に沿った形を探せますが、KOOVは自分で作るしかないので、迷うよりも先に手が動くんです。慣れてくればくるほど、手が動くスピードがどんどん速くなり、試行錯誤しながら何かを作る、という体験を子ども達に与えることができる点も魅力でした。

―他の塾や教室との差別化ポイントは、どこにあるのでしょうか。

1つは、宿題が出ることです。宿題を出して、塾で作った作品づくりの続きを家でしっかり行う。キットを持ち帰らせてまた持参させることは、他の塾ではほとんどしていないのではないでしょうか。

宿題を出すことで、次回の授業の間までの家にいる時間が体験の継続時間になることが、圧倒的に違う所ではないかと思います。

それから、最終ゴールに受験を見据えているというのもポイントです。

各塾、「受験にも有利です」とは言うかもしれませんが、うちは受験を目指して行っているため、そもそものコンセプトが他の塾とはまったく違います。ソニー・グローバルエデュケーションさんとも、受験のゴール、特に難関中学や高校に受かるとはどういうことかというのは、かなりディスカッションをして作り上げたカリキュラムなので、他社が真似ようとしても上手くいかないと思います。

―授業では、どのようなことに留意して指導を行っていますか。

指導について、講師に伝えているのは、「教えない」ことです。

子ども達が突き進めたい方向へ向かう中で手の動きが止まってしまった場合、次の一手を動かすようなヒントや一緒に考えるなどの後押しをしてあげるのはいいのですが、答えのようなものを言ってしまうと、子ども達は自分の意欲とは関係なく、言われたものを作り始めてしまうんです。


教えないというのは、とても難しいんですよね。教えてあげたらすぐできてしまうのですが、それは言われたことをなぞっているだけなので、なぞらせないことが大事です。

そういった指導は恐らく他社だとなかなか導入しづらく、再現できないのではないでしょうか。この点も他塾との差別化の一つのポイントだと思います。

―講座を通して、最終的にどのような「学力を伸ばす素地」が身に付くのでしょうか。

講座で目指すゴールは、「自らゴールを設定し、粘り強く挑み達成する力」「問題解決を阻む壁を乗り越える力」「試行錯誤し、最適解を求め続ける力」「小さな挑戦で失敗・成功を繰り返し、次なる挑戦に挑む力」です。

指を使い組み立てるという手から得られる感触、失敗と成功を繰り返す試行錯誤、まわりに友達や講師がいて見守ってくれる、ワクワクする時間がある空間。

そんな空間の中で、瞬間で終わるのではなく、3年間という長い時間の中で成長できるカリキュラムで学び、これからの社会で生き抜くための力を身に付けていただきたいと考えています。

―最後に、プログラミング教育を考えられている保護者の方にメッセージをお願いします。

まずは一度、講座を体験していただきたいと思っています。恐らく、本講座で行っていることは、保護者の皆様も受けたことのない教育です。

自分達が受けたことのない教育だからこそ、実際にお子様と一緒に体験をして、早稲田アカデミーが「これからの時代に何が必要だと思っているか」を肌で感じていただき、共感していただけた際は是非、お子様を預けていただきたいと思います。


「CREATIVE GARDEN」
開講日時:2020年2月
受講期間:11ヶ月×3年分
費用  :初期費用:60,000円+税
     (費用内訳:KOOVキット・専用リュック)
     授業料:月額15,000円+税


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