(インタビュー)「あるくメカトロウィーゴ」一般販売スタート|人に寄り添い、共に成長するロボットとは|プログラミング学習にも

(インタビュー)「あるくメカトロウィーゴ」一般販売スタート|人に寄り添い、共に成長するロボットとは|プログラミング学習にも
「あるくメカトロウィーゴ」は、手のひらサイズの実にかわいい、愛嬌のあるロボットです。

プログラミング学習でも活用でき、着せ替えを楽しむように色を塗ったりカスタマイズして、パーソナルに遊ぶことも。かわいらしい見た目でありながら、なかなかのマルチプレーヤーと言えるでしょう。
あるくメカトロウィーゴ

フィギュアやプラモデルバージョンも人気なメカトロウィーゴを、なんと「プログラミングで動く・歩く」二足歩行のロボットとして、この世に送り出したのが株式会社リビングロボットの川内康裕社長なのです。
歩くメカトロウィーゴ 一般販売

この記事では川内社長のインタビューをおりまぜながら、あるくメカトロウィーゴを詳しく紹介。プログラミング教材としての強み、そして「寄り添うパートナー」としての新しいロボットの魅力まで、たっぷりお届けします!

そもそもメカトロウィーゴとは?

メカトロウィーゴは、モデリズム・小林和史さんが生み出した「兵器ではない、子どものための平和なロボット」。つまり、戦わないロボットがコンセプトのキャラクターです。

今ではプラモデルやフィギュアも大人気で、コレクターもたくさんいるのだとか。

そして、このメカトロウィーゴを「歩く・動くロボット」として開発し、さらにプログラミング学習ロボットとして世に送り出したのが、株式会社リビングロボットの川内社長というわけです。

先行して教育機関に導入されていた「あるくメカトロウィーゴ」は、ついに一般販売を開始したほか、プログラミング教室の新しい教材としても非常に注目を浴びています。

ではさっそく、川内社長に「あるくメカトロウィーゴ」についてお話を伺ってみましょう!

「あるくメカトロウィーゴ」が誕生!

あるくメカトロウィーゴ

「あるくメカトロウィーゴ」を手にした川内社長。気さくで明るい社長です!


—編集部
そもそも、なぜメカトロウィーゴをプログラミングで動かせるロボットとして、この世に送り出そうとしたのですか?

—川内社長
メカトロウィーゴはとても愛らしく、私自身も、ひと目見ただけで魅了されました。それが何より大きな理由ですね。これはぜひロボット化して、動くもの、生命感があるものにしたい、人に寄り添うパートナーとしてのロボットにしたいと考えました。

あるくメカトロウィーゴ

—編集部
もともと川内社長は、ロボット開発をしていらっしゃったのでしょうか?

—川内社長
ロボットではありませんでしたが、メーカーで携帯(フィーチャーフォン)やスマホの開発・製作をしていました。

—編集部
そこから、なぜロボット開発に移られたのでしょうか?

—川内社長
以前いたメーカーで、モバイル型ロボット電話を開発したのがきっかけです。目のクリっとした、ロボット型のスマホで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。見た目はロボットですが、商品としては携帯電話という、面白いプロダクトでした。

開発を進めていたある日、発煙・発火のテストを行ったんです。携帯電話とはいえ、ロボット型ですから、顔がある。その顔が燃えていくのを見て、なんというか……ショックでした。とても心苦しくなったんです。

発煙・発火テストは、携帯電話という道具を開発する以上、避けて通れない試験です。それなのに、燃えるところを見つめながら、すごくつらいなあと。ロボット型にしたことで、僕のなかで愛着がわいていたことに気付いたんです。

「便利な道具」を開発するのは素晴らしいことです。時には、世の中の文化を変えてしまう力を持つこともあります。

けれども僕は、単に「便利な道具」ではなく、もっと人に寄り添うような、人を支えるパートナーとしてのロボットを開発したいと強く思うようになりました。この体験が原点になり、「あるくメカトロウィーゴ」につながっていったのかなと思います。

—編集部
そして起業をなさったわけですね。

—川内社長
「便利な道具」ではないものを自由に作りたいと思ったら、やはり会社を辞めるしかありませんでした。

僕はいわゆる「ベンチャー社長」のような、起業家精神にあふれる人間ではありません。だけど人生は一回きりだし、みんなに愛されるようなロボットを作りたいと心から思ったので、思い切って会社を辞めました。

そして、小林先生のメカトロウィーゴと出会った。これはぜひ、誰かの生活と共にある愛されるロボットにしたいと思ったのが、「あるくメカトロウィーゴ」誕生のきっかけですね。

—編集部
開発過程で川内社長の心が揺さぶられたことがきっかけとなり、単なる道具をこえた「ロボット」への思いが強くなったのですね。川内社長、ロボットに対する愛情が伝わってきました。

日常と共にある「あるくメカトロウィーゴ」

メカトロウィーゴ 動く
—編集部
さて、メカトロウィーゴに関しては、すでにプラモデルやフィギュアが多数展開されていますよね。「あるくメカトロウィーゴ」の開発にあたって、特にこだわった点はありますか?

—川内社長
まず、大きさですね。小さくて、どこにでも連れて歩けるような大きさにこだわりました。

人に寄り添うロボットは、すでにいろいろあります。もちろん、大きいものには大きいからこその良さがあります。でもメカトロウィーゴは、おうちにいるだけでなく、常にその人と共にあってほしい。日常のあらゆるシーンに寄り添うロボットであってほしいと考えていました。

たとえば、お散歩に行くときに、バッグに忍ばせていけるような。カフェでお茶を飲むときにも一緒に連れて行き「あるくメカトロウィーゴ」をちょこんとテーブルに置いて、ひと休みしながらホッとしてもらえたらいいなと。このような考えから、とにかく「持ち運べる大きさ」にこだわりました。

—編集部
いつでも一緒に、ですね。

—川内社長
言い換えれば、「日常生活で一緒に経験を分かち合える、思い出作りができるロボット」という。

—編集部
「あるくメカトロウィーゴ」の動画を観るととてもよくわかりますが、動きもとってもかわいいんですよね。でんぐり返ししたり、逆立ちしたり。こんな動きができるんだって、ビックリしました。



—川内社長
一緒に開発したクリエイターの亀井さんと共に、まずメカトロウィーゴを二足歩行させることを最優先に考えました。

開発としては、小林先生のメカトロウィーゴのキャラクターはなるべくそのままにして、でもしっかり二足歩行させたいと。そこで先生とも協議しながら、少しだけ足を太くしたり、改良したりして、さまざまな動きができるようにしました。

ロボットがテクテクと歩くと、より生命感が出るじゃないですか。歩いて、逆立ちして、でんぐり返しもする。いきいきとして、躍動感があって、ほんとうに生きているような、あたたかみを感じていただけたらなと。

面白い動きといえば、「もじもじする」っていう動きもあるんですよ(笑)。

—編集部
もじもじするんですか!なんとも人間味のあるロボットですね。

子どもって、よくウルトラマンやリカちゃん人形を手にもって、動かしますよね。ぴゅーんと飛ばしたり、トコトコ歩かせたり、それに一生懸命話しかけたり……。自分で動かせると愛着がわくし、子どもにとって「生きている存在」になり、とても大事な友だちになるのかなと感じました。

—川内社長
「あるくメカトロウィーゴ」はパーツも自由にはずせますし、白ベースのパーツに自分でカラーリングもできます。服を着せ替えるように、オリジナルのウィーゴを作れるんです。カスタム性を持たせることで、ものづくりの楽しみを感じていただきつつ、より愛着をもって接してもらえるようにしました。

おっしゃるとおり、思わず話しかけたくなるような、ね。日常生活を一緒に過ごすパートナーになってくれたらと願っています。

—編集部
自分の手で触れて、カスタマイズし、連れて歩く。本当の意味でパートナーとしてのロボット、分身のような存在になってくれそうですね!

「あるくメカトロウィーゴ」はプログラミング教育でも活躍中!

あるくメカトロウィーゴ

デスクの中央にピョコンと立っているウィーゴに子ども達の視線が集中!じょうずに歩くかな?


—編集部
「あるくメカトロウィーゴ」はプログラミング教材として、すでに学校でも導入されているそうですね。

—川内社長
はい。福島の小中学校でプログラミング学習の教材として用いられているほか、他の教育機関にも導入されています。

—編集部
子ども達の反応はいかがですか?

メカトロウィーゴ プログラミング

タブレット端末を使用しScratchでプログラミングをしていく。目の前のメカトロウィーゴが「僕を動かして!」と待機中です。


—川内社長
授業を見に行くときは、いつもハラハラしています。なにしろ子どもですから、忖度なしでしょう?(笑)

実際に、説明の時間は、つまらなさそうな顔の子もいます。でも、プログラミングをして、いざウィーゴが動きだすと、ワイワイ大騒ぎになることも多い(笑)。

プログラミング自体の面白さはもちろん、目の前のウィーゴが動き出す楽しさも加わることで、より興味を引き出しやすいのかなと。

—編集部
確かに、モニター上でのプログラミングとは違う楽しさがありますね。具体的には、どのようにプログラミングするのですか?

—川内社長
プログラミングはScratchを使用し、専用のプログラミング学習用ソフトで行います。

Scratchはビジュアル的で、子どもでも入りやすいプログラミングです。ここに「あるくメカトロウィーゴ」を加えることで、グッと子どもの興味を引くことができ、深い学びを得られるとも考えています。

—編集部
深い学びとは、具体的にはどんな内容でしょうか?

—川内社長
たとえば、Scratchで「5歩あるく」という指示を出したとします。Scratchの画面上だと、プログラミングした通り、ネコが5歩歩きます。

でも、「あるくメカトロウィーゴ」は、状況によって結果が変わります。

なぜなら、あるくメカトロウィーゴ自体に個性があるから。パーツの組み立てなどで少しずつバランスなどが変わるので、歩き方にも少しずつ差が出るのです。しかも、机の傾きや摩擦も影響するので、同じプログラムでも、みんな同じように5歩あるけるとは限りません。

そこで子ども達はトライアンドエラーを繰り返しながら、メカトロウィーゴをプログラミングします。

何がいけないのか、何がよかったのか、フィードバックしながら考え、調整し、成功へと向かっていく。それがモニタ上ではなく、「あるくメカトロウィーゴ」という、自分の相棒ともいうべきロボットの動きでわかるので面白いんです。

—編集部
小さくて、まるっこくて、愛嬌のあるロボットだから、「この子を動かそう」とプログラミングへの興味が湧きやすいんですね。

—川内社長
プログラミング学習というと、なんかちょっとハードルが高いですよね(笑)。でも、そんなに難しくないよ、あるくメカトロウィーゴと一緒に遊ぼうよという考えが根底にあります。遊びながらメカトロウィーゴと友だちになって、プログラミングに自然と親しんでほしいですね。

女の子も男の子も、大人も夢中になれる「あるくメカトロウィーゴ」

歩くメカトロウィーゴ

「まっすぐ歩かせるにはどうしたらいいのかな」「こうじゃない?」メカトロウィーゴを間にはさんで子ども達は熱心に語り合っています。


—編集部
ロボットといえば、どうしても興味を持つのが男の子に偏ってしまう、と聞きます。その点、「あるくメカトロウィーゴ」はどうでしたか。

—川内社長
メカトロウィーゴは独特のフォルムで男女問わず、子どもから大人まで魅了されます。

これは小林先生のデザインによるところが大きいかもしれません。フィギュアやプラモデルも、女の子がマスコットのように持ち歩いたり、自由にカスタマイズして「自分だけのメカトロウィーゴ」にし、外で撮影していたりするんですよ。

—編集部
洋服の着せ替えのように、自分でオリジナルのメカトロウィーゴが作れるところは、とくに女の子が喜びそうですね。

—川内社長
そうなんです。しかも、そのメカトロウィーゴが自分でプログラミングして動くわけですから、プログラミングにも興味を持ってもらいやすい。

「あるくメカトロウィーゴ」はプログラミング学習の教材としてはもちろん、一歩進んで、お子さんのパートナーになってほしいと願っています。

—編集部
たとえば小さなお子さんが、ぬいぐるみを「大事なお友だち」として、一緒に寝て、ドライブに行くときも旅行に行くときも必ず連れていく……みたいなイメージでしょうか?

—川内社長
そうです、そうです。

僕には、ロボットをパートナーにして欲しいという願いがあります。

赤ちゃんのときには遊び相手、小学生や中学生になったらプログラミング学習など教材としても利用でき、なおかつ、どこへ行くにも一緒、みたいな。あるくメカトロウィーゴが、フレンドリーなパートナーになってくれたら嬉しいですね。

さらに言えば、たとえば、離れて住むお年寄りとのコミュニケーション手段になるなど、人生におけるパートナーとしてのロボットを生み出していきたい。

それは、まさに小林先生が「戦わないロボット」をコンセプトに、愛されキャラのメカトロウィーゴを生み出されたのと同じ気持ち。僕らがつくるロボットは、『ドラえもん』みたいに、僕らと一緒に成長する、共に歩んでいくロボットとして、世の中に羽ばたいてくれたらと思います。

あるくメカトロウィーゴの価格は?すぐ飽きてしまわない?

—編集部
あえて聞きますが、「あるくメカトロウィーゴ」の現状の課題は。

—川内社長
課題はズバリ、価格です。

ロボットというのは、どうしても値段が高くなります。開発側からすれば「ずいぶんがんばった価格」でも、お子さんへのプレゼントと考えると、「ちょっとなー」と思われてしまうかもしれません。難しい課題ですが、今後もさまざまな方向から検討を重ねていかなければと考えています。

—編集部
それから、保護者目線からもうひとつ気になるのが、飽きてしまわないかどうか。自分にも体験があるのですが、最初は喜んで触っているのに、しばらくするとホコリをかぶって……となりませんか?

—川内社長
ええ、飽きられてしまうというのは、よくわかります。パーツやデコレーションにカスタマイズ性を持たせているのは、そのためでもあります。自分でいろいろとカスタムできるので、長く付き合っていけると思いますよ。

加えて、毎月1回、新たなダンスやモーションを配信しています。毎月毎月、新しいコマンドが増えるから、できることもどんどん増えて、遊び方も広がります。今後は大会なども開催する予定ですので、ご興味のある方はぜひ、情報をウォッチしていただければと思います。

それから、「あるくメカトロウィーゴ」はさまざまなところでイベントやデモンストレーションをしているので、ぜひ購入前に親子で触れてみてください。触れ合っていただくことで魅力も伝わると思いますし、購入後のギャップもある程度減らせるのかなと。YouTubeでも動画を配信していますので、ぜひこちらもご覧いただければ幸いです。

大きく広がる「あるくメカトロウィーゴ」とロボットの未来

メカトロウィーゴ 動く 

川内社長と創業メンバー。ロボット共に生きる、未来への希望がここから始まりました!


—編集部
お話を伺って、「あるくメカトロウィーゴ」の未来が今後、大きく広がりそうだなとワクワクしました。

—川内社長
僕はね、こんなメカトロウィーゴとの暮らしを考えています。

お子さんがおうちで、あるくメカトロウィーゴで遊んでいる。するとメカトロウィーゴが両手をあげてバンザイをする。実は、それが遠方に住むおじいちゃんからの合図になっている、とか。

—編集部
遠くに住む人とつながれるということですか?

—川内社長
そうです。こんな感じで、人に寄り添う、きずなロボットとして生活に根付いてほしいのです。

あるくメカトロウィーゴの頭の部分には、カメラが搭載されています。これが遠くに住むおじいちゃんの端末とつながっていて、「何してるの?」と話しかけられる。そんな光景が見られたら素敵だなと。

というのも、普通、離れて暮らしている祖父母を見守ろうと思ったら、単純に「家庭にカメラを設置しよう」と考えがちですよね。でも、それだと監視されているみたいじゃないですか。そこに「あるくメカトロウィーゴ」が入って、両手をあげたら「おじいちゃんが呼んでいる」合図にすれば、「元気にしてる?」と楽しく話しかけられる。

そんな風に、人々の生活に根付く「きずなロボット」として、これからも「あるくメカトロウィーゴ」の世界を展開していきたいなと思っています。

—編集部
人とつながる、連れて歩ける、一緒に日常生活を過ごせる。まさに『ドラえもん』のような、人に寄り添うロボットですね。

—川内社長
僕の夢は、「あるくメカトロウィーゴ」だけでなく、みんながお気に入りのロボットを持って、ロボットが家族にとけこんでいる風景が広がることです。他のロボットも含め、多様性をもってロボットの裾野が広がっていけばいいなぁと思っています。

—編集部
なんだか、聞いているだけでもワクワクしてきました。学校やスクールで、こんな愛らしいロボットでプログラミングを学べたらいいですね。

しかも、個人でも購入できるようになったとのことで、おうちで親子で楽しみながら、歩くメカトロウィーゴをたくさんかわいがってあげて、お子さんが小さな秘密や悩みをコソっと打ち明けられるような、特別な家族の一員になったら素敵だなぁ、なんて思いました。川内社長、今日はありがとうございました!

インタビューを終えて

プログラミングの学習ツールでありながら、お友だちにもなれる、愛される「あるくメカトロウィーゴ」の魅力が川内社長のお話から存分に伝わってきました。スクールや教育機関で、楽しみながら学べる新しい教材として注目されているのも納得です。

それにしても、「あるくメカトロウィーゴ」はただのロボットではないような気がしてきました。

子どもって、ぬいぐるみでもロボットでも、その子に命があるように接しますよね。たったひとりの、何でも話せる相棒のように。楽しいことも辛いことも、その子と共有したり、側においておくだけで安心したり……大きくなってからも、汚れたぬいぐるみや、すりきれた毛布を後生大事にしていることって、実はけっこうあるのではと思います。

「あるくメカトロウィーゴ」もいつかそんな、「いつもそこに、一緒に」いてくれるだけでホッとするような存在になるかもしれませんね。

教育関係者、一般販売モデルはこちら

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