ヒラメキがカタチにできる!?「AkeruE(アケルエ)」ってどんなとこ?
ひらめいたアイデアは、3Dプリンターや映像スタジオなどを使って、自由にカタチにすることができます。今回は、パナソニックセンター東京 所長の池之内 章さんにお話を伺いながら、「AkeruE(アケルエ)」の魅力をレポートします。
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五感を示す5つの”まる”を、大きな”まる”の中に集合させたAkeruE(アケルエ)のロゴ
6つのエリアでいろんなワクワクを体験
AkeruE(アケルエ)は、りんかい線「国際展示場」駅を出てすぐ右手に建つパナソニックセンター東京内(2階・3階)にあります。2階で受付を済ませ、施設に足を踏み入れると目の前に木製の大きな球体が。「これは、循環型栽培“アクアポニックス”を表現したものです。魚が泳ぐ水槽と植物をリンクさせたディスプレイで、水槽の微生物を栄養源に植物が育ち、植物がろ過した水をさらに魚の水槽に利用する、“自然循環の仕組み”を可視化しました。
ちなみに、ここはGAIA(ガイア)という名称のエリアで、木製の球体は地球のイメージです」(池之内さん)。
自然循環の仕組みを可視化。金魚の水槽と植物の緑がキレイ
AkeruE(アケルエ)は、GAIA(ガイア)のほかに、自由に集える多目的スペースのCHAOS(カオス)、最新機器が使える工房TECHNITO(テクニート)、アート×テクノロジーの展示が楽しめるASTRO(アストロ)、テーマを元にした工作スタジオCOSMOS(コスモス)、映像スタジオPHOTON(フォトン)といった6つのエリアで構成されています。
そのエリアにも子どものワクワクを引き出す工夫が施されていて、中でも目を見張るのは3階。AkeruEという文字が投影された自動ドアのあとに広がるASTRO(アストロ)です。
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アートとサイエンスを掛け合わせた作品が楽しめるASTRO(アストロ)
「どうして?」「面白い!」からヒラメキのヒントが芽生える
ドロドロとした磁性流体が、アメーバのように変化する作品、リンゴがプカプカと宙に浮びながら移動する作品、ストロボの当て方で動きが変化するオブジェ、紙の上に描いた線に沿って音を奏でるボックスカーなど、ASTRO(アストロ)では、不思議な7つの展示を行っていました。![](https://static.coeteco.jp/coeteco/image/upload/c_limit,f_auto,q_auto,w_1400/v1/cs-product/froala/8_nx70eXnsmeZ7W6ZUAdPw.jpg)
磁石に反応してフォルムを変える不思議な磁性流体
ユニークなのは、マジックで描いた色を通過すると音を奏でるボックスカー。自分で描いた線がそのまま音として反映されるので、「この色はどんな音?」「太く描いてみる?」と楽しむ親子連れが後を絶ちません。「なかには1時間近くかけて親子でアンパンマンのマーチを完成させた方もいらっしゃいました(笑)」と池之内さん。
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描いた線が音に反応する作品。プログラミングを楽しみながら学べる
メインの展示付近には、作品の仕組みを解説するワゴン展示も。例えば、音を奏でるボックスの場合は、センサーがどうやって色を認識しているのか、プログラミングがどんな命令を出しているのか、スピーカーのしくみといった科学的な仕組みをわかりやすく説明します。
「もっと深く知りたい場合は、ワゴン上にプリントしたQRコードから、より専門的な情報を得ることができます。ASTRO(アストロ)の展示内容は定期的に変わりますが、常にアート的なアプローチで、クリエイターと協力するなど、ヒラメキのヒントにつながる展示を心掛けています」(池之内さん)。
最新ツールでアイデアをカタチに!
AkeruE(アケルエ)のもう一つの魅力は、ヒラメキをカタチにできること。ASTRO(アストロ)の奥にあるPHOTON(フォトン)は、映像や写真、アニメーションを使って、自分のアイデアを発信するスタジオ。「ストップモーション」「アフレコ」「スローモーション」「ズームアウト」の4つのスタジオでそれぞれのテクニックを体験しながら、作品つくりに没頭できます。
作った映像は、スタジオ内にある大きなスクリーンで流したり、YouTubeにアップしたりして発表。作った感想やこだわりポイント、作り方のコツなどを付箋に書いて、みんなで共有するスペースもあります。
「自宅ではここまで出来ないからと、毎日のように訪れる人も。『年パスないの?』と聞かれたスタッフもおり、現在実現に向けて検討中です」(池之内さん)。
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COSMOS(コスモス)のディスプレイテーブル。作品は自宅へ持ち帰りも可
制作後はスタジオ内で撮影し、会場内のプロジェクションやインスタグラムにアップ。中央のテーブルに並べれば、全体で1つの大きな作品になります。
「ロボットが作りたい!」じゃあ部品も自分で作っちゃおう
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プログラミングで動くロボット。部品の板はレーザーカッターで加工
2階のTECHNITO(テクニート)もアイデアをカタチにできる工房です。はさみやカッター、絵の具・ペンなどの基本的な文房具から、ペンチやクランプといった工具類、レーザーカッターや真空成型機、3Dプリンターといった大人顔負けの最新機器がそろいます。
スタッフの鈴木順平さんは、元図工教師。「ここでは、“何を作りましょう”ではなく、“何が作りたいか”が大事。例えばロボットを作ってみたかったら、話をしながら、プログラミングや電子工作を紹介したり、『パーツは自分で作っちゃおう』とレーザーカッターや3Dプリンターで作ることを勧めたり。
アイデアをカタチにするために、より具体的にしていくサポートをしています。
もちろん機器類の基本的な使い方は事前にレクチャーしますが、小学生5年生位だったら3時間もあれば使えるようになります」。
現在、TECHNITO(テクニート)では、道具や技術に触れながらパズルや迷路が作れる体験版のイベント(事前予約制)、また会員制の学習プログラム「アルケミストJr.プログラム」を実施中です。とのこと。7月以降は、スポット利用も開始予定なので、気になる人はAkeruE(アケルエ)のサイトをチェックしてみてください。
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手前は3Dプリンター。レーザーカッター、真空成型機も揃う
これからの社会に必要になるのは、自分で考え答えを生み出す力
ここには昨年まで、RiSuPia(リスーピア)という科学型ミュージアムがありました。RiSuPia(リスーピア)を閉館し、AkeruE(アケルエ)をオープンしたのにはどのような背景があるのか、池之内さんにお聞きしました。
「RiSuPia(リスーピア)がオープンした14年前は子どもの理数離れが社会的課題としてあり、パナソニックとして、社会における理数力の向上・人材育成支援に貢献してきました。今はSDGsに代表されるように社会課題はより複雑化し、解決のためによりポジティブに行動する力が求められています。
国も、これからの人材を育む土台として、自ら学び、理解し、答えを作り出すSTEAM教育*を推奨しています。
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パナソニックセンター東京所長 池之内 章さん
RiSuPia(リスーピア)に、見る、作る、体験するといったクリエイティブな要素をプラスし、より時代に即したコンセプトに発展させたものが、AkeruE(アケルエ)です。名称や内容は変わりましたが、未来を担う人材育成を支援するというパナソニックの想いは変わっていません。
AkeruE(アケルエ)には、未来の扉を“開ける”という意味と、逆に読んでギリシャ語で“Eureka(発見)”という意味合いが込められています。
社会課題と聞くと難しそうな印象がありますが、ここで体験できるのは、学びを自分で探しに行くヒントになるワクワクとヒラメキです。学ぶ楽しさを体験しに是非親子で遊びにいらしてください」。
日常では体験できない、ユニークでワクワクする展示や体験が、AkeruE(アケルエ)にはたくさんありました。子どもはもちろん、大人目線で見ても十分楽しめるので、親子で遊ぶスポットに最適です!
AkeruE(アケルエ)の施設詳細はこちら
施設データ:https://www.panasonic.com/jp/corporate/center-tokyo/akerue.html開館時間:10時00分~18時00分
休館日:月曜日、年末年始 ※都合により営業時間の変更や、臨時休館あり。
料金:無料(3階は有料)
住所:〒135-0063東京都江東区有明3丁目5番1号
電話:03-3599-2600(受付:火曜日~日曜日 10時00分~18時00分)
交通:りんかい線「国際展示場駅」徒歩2分 新交通ゆりかもめ「有明駅」徒歩3分
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