(取材)『STREAMチャレンジ2022』|Pepperを活用し、SDGsを実現しよう

(取材)『STREAMチャレンジ2022』|Pepperを活用し、SDGsを実現しよう
ロボットと人間が共生する未来に向け、Pepperを活用した課題解決の方法を探るコンテスト『STREAMチャレンジ2022』

当初は『プログラミング成果発表会』というタイトルで実施されていた本イベントですが、2019年度(2020年開催)からは『STREAMチャレンジ』と名前を変え、少子高齢化やごみ問題、特殊詐欺対策など、社会に貢献する優秀なアイディアがぞくぞくと集まってくる場となりました。



コエテコでは今回、『STREAMチャレンジ』主催者であるソフトバンクロボティクス株式会社 Humanoid事業部 長﨑徹眞さんにインタビューを実施。

Pepperならではの強みと、子ども達への教育効果などについてお話を伺いました。

ソフトバンクロボティクス株式会社 Humanoid事業部 長﨑徹眞さん(※取材はオンラインにて実施いたしました)

2021年度のテーマはSDGs。気になる内容は?

—さっそくですが、『STREAMチャレンジ』とはどのようなイベントなのでしょうか?また、2021年度(2022年開催)の全国大会の内容は?

『STREAMチャレンジ』は、ロボットと人間が共生する「Society 5.0」に向けて、子ども達自らが発見した課題を、Pepperを活用したクリエイティブな発想で解決していただくことを目的としたイベントです。

昨年の受賞作品ページ。さまざまな視点のアイディアが並ぶ


(昨年の受賞作品はこちらのページからご覧いただけます)

STREAM チャレンジ | Pepper(ペッパー)社会貢献プログラム | ソフトバンクロボティクス

「STREAMチャレンジ」は、「Society 5.0」で実現されようとしているロボットと共生する社会に向けて、自ら発見した社会課題を、Pepperを活用したクリエイティブな発想で解決することを目指すプログラミングコンテストです。みなさんの考えた課題解決策は第一線で活躍する様々な業種や職種の有識者が評価し、フィードバックを行います。

この記事をwww.softbankrobotics.com で読む >

2021年度(2022年開催)の『STREAMチャレンジ』は2つの事前特別セッションと全国大会(いわゆるコンテスト)から成り、このうち全国大会は、『ロボカップジャパンオープン』との共催です。それぞれの内容について詳しくご説明しましょう。

事前特別セッション① Pepper for Education SDGs特別講座


事前特別セッション①では、京都大学地球環境学堂准教授 浅利美鈴先生と、同じく京都大学の環境保全・省エネ活動サークル「エコ~るど京大」さんにご協力いただき、「そもそも、SDGsとはどういう取り組みなのか?」をレクチャーしていただきました。

ならびに、セッション後半では、参加してくれた子ども達からの質問を受けながらディスカッションする時間を設けました。子ども達からは多くの質問が寄せられ、SDGsへの理解を深めることができました。

(事前特別セッション①のようすは、Pepperブログ編集部さんのnoteでも公開されています)

「SDGs特別講座が開催されました!京都大学浅利研究室ご協力」|Pepper ブログ編集部

みなさん、こんにちは!Pepper 教育ブログ編集部です! 先日、Pepperを活用した課題解決アイデアコンテスト「STREAMチャレンジ2022」 ...

この記事をnote.com で読む >

事前特別セッション② Pepper PBL Meet-Up


事前特別セッション②では、PBL(Project Based Learning、問題解決型学習)専門の学習教室を運営されている株式会社COLEYOさんにご協力いただき、STREAMチャレンジへの応募を考えてくれている子ども達のアイディアを実現するお手伝いをしました。

COLEYOさんは京都発の会社で、子ども達自身の興味・関心から学びを深めるプロジェクト型学習の放課後教室「studioあお」を運営され、日ごろから子ども達のアイディアを実現する手助けをなさっています。

たとえば、飼っていたニワトリが死んでしまい、お葬式をしたいと考えた子どもがいました。ところがペット霊園は費用が高いし、庭に埋めるよりも、ペットに対して良いより弔い方をしたい。ここまで調べた子ども達は、安価にペットの樹木葬ができるキットを作り、インターネットで売り出せるように商品を開発したのだといいます。


そんなCOLEYOさんにご協力いただいた事前特別セッション②でも、子ども達から多くの相談が寄せられたようです。何らかの課題に対して、どのようにアプローチし、どのような手順で進めていけば良いのか?そんな質問を投げかける子ども達に、優しく、対話的に応じてくださいました。

STREAMチャレンジ2022 全国大会

さて、いよいよメインとなる全国大会についてご説明しましょう。

『STREAM チャレンジ2022』のテーマは、「Pepper 超SDGsラボ~私たちで持続可能な未来を創ろう~」です。

大会の目的は、冒頭でご説明したとおり、Pepperを通じて社会課題を解決する糸口を探ること。ちなみに『STREAMチャレンジ』という名前には、STEAM教育にRobotics(ロボット工学)、Reality(現実性)、Reviewing(評価)の観点を加えたい、という思いが込められています。


参加に年齢制限はなく、Pepperのご契約があれば、個人でも民間スクール生でも、学校等の団体さまでもご参加いただけます。

この『STREAMチャレンジ』、2020年度より前は『プログラミング成果発表会』という名前で実施しておりまして、全国の小中学生から驚くようなアイディアが多数寄せられました。

プログラミング成果発表会 2020のようす


(〜2019年のようす)

Pepper(ペッパー)社会貢献プログラム | 2018年度 プログラミング成果発表会 | ソフトバンクロボティクス

Pepper(ペッパー)社会貢献プログラムに参加する全国約300校の小中学生がプログラミング教育の学習成果を競う「プログラミング成果発表会2019」を2019年2月10日に開催いたしました。

この記事をwww.softbankrobotics.com で読む >

(2020年度のようす)

STREAM チャレンジ | Pepper(ペッパー)社会貢献プログラム | ソフトバンクロボティクス

「STREAMチャレンジ」は、「Society 5.0」で実現されようとしているロボットと共生する社会に向けて、自ら発見した社会課題を、Pepperを活用したクリエイティブな発想で解決することを目指すプログラミングコンテストです。みなさんの考えた課題解決策は第一線で活躍する様々な業種や職種の有識者が評価し、フィードバックを行います。

この記事をwww.softbankrobotics.com で読む >

なお、応募にあたっては、以下の3点をご準備いただくこととしております。プログラムはもちろん、課題を捉えるまでのプロセスや実際の動きも見せていただくことで、みなさんの活動を多面的に審査させていただければと考えております。
  • 研究レポート
  • プレゼンテーション動画(5分間)
  • プロジェクトファイル(=Pepperのプログラム)
『STREAM チャレンジ』の魅力は、なんといってもPepperを通して、実際に課題を解決するところまで体験していただけることです。

民間プログラミング教育は近年盛り上がりを見せており、ロボットを作るものやゲームを作るものなど、多種多様なコンテストが開催されています。

その中で『STREAM チャレンジ』は、Pepperという人型ロボットをいかにじょうずに活用するか、現場の視点でエンジニアリングできる点が特長かと思います。

Pepperはそれなりに大きなロボットですから、設置する場所も考えなければいけません。接触防止のセンサーがあるため、状況によっては挙動が制限されることもあります。光センサーの誤作動で、望む動きをしないことがあるかもしれません。

一見、不便なようですが、実際の社会ではこうしたことも考慮に入れながらロボットをプログラムしていく必要があるんです。子ども達には、コンテストに向けて準備を進める中で、多くの発見をしてもらえればなと思います。

しくみを作れば、社会が変わる

—これまで、『STREAMチャレンジ』には多数のアイディアが寄せられたそうですが、中でも優れていたアイディアをひとつ教えていただけますか?

どの作品も素晴らしいのですが、ここでは昨年、最優秀賞を受賞された武雄市立橘小学校(佐賀県)の取り組みをご紹介しましょう。


この児童たちは、住んでいる街をきれいにするために、ごみを減らそうと考えました。そのためにはまず、「自分たちの学校をきれいにしよう」と考え、“ゴミ拾いを応援してくれるPepper”をプログラムしてくれました。

このプログラムのおもしろいところは、Pepperのキャラクター性を利用し、子ども達自身が楽しんでごみを拾える仕組みづくりをしているところです。

具体的には、ごみを拾ったあと、Pepperに学年と出席番号を伝えると、「○年○組はトータルで○個、ごみを拾いました」と集計してくれるそうです。こういう仕組みをつくることによって、クラスや学年で競争したり、目標を決めて「あと○個」と取り組めるような環境にしたと聞き、「アイディアへの落とし込み方が巧みだな」と感じました。

—児童たちのアイディアが素晴らしいのもさることながら、「話しかけたくなる」性質を持つ、Pepperというキャラクターが寄与している部分も大きそうですね。

確かに、Pepperというキャラクターがアイディア出しのフックになってくれる部分はあると思います。Pepperを好きになってもらい、それがアイディアにつながれば、我々としても大変嬉しいことです。

というのも、いろいろな学校さまにお話を伺っていると、GIGAスクールやプログラミング教育、探究型学習と、新たな取り組みにチャレンジしてみたい思いはあるものの、「具体的に何をして良いか分からない」と悩まれる先生もいらっしゃるんです。こうしたお悩みをお持ちの先生方には、せひ「総合的な学習の時間」の題材として『STREAMチャレンジ』をご活用いただき、指導のヒントにしていただければと考えております。

また、弊社では、『Pepperふるさと教育支援』と題し、企業が地域教育に貢献できる枠組みをご提供しています。これは、「何らかの形で地域に貢献できないか」と考える企業さまにPepperをご契約いただき、そのPepperを自治体・企業さまにご利用いただく取り組みです。こちらのページでは実際の事例をいくつかご紹介しておりますので、ご興味をもたれた企業さまは、ぜひお問い合わせいただければと思っております。

福岡県中間市の事例


(その他の事例はこちら)

ふるさと教育支援 | Pepper for Education | ソフトバンクロボティクス

「Pepperふるさと教育支援」は、Pepperのプログラミング教育に係る費用を企業が負担します。自治体や学校・教育機関が持つ「プログラミング教育の予算不足」「企業と連携した教育活動の実現」という課題の解決と、企業側の「SDGsの取り組み推進」「地域社会貢献」というニーズをつなげる役割を果たします。

この記事をwww.softbankrobotics.com で読む >

—『STREAMチャレンジ』や『ふるさと教育支援』など、御社がさまざまな形で教育を支援されているのは、どのような思いからでしょうか?

私どもは日々、ロボットを通じて世の中をよりよくしていく事業に取り組んでいます。人々が幸せになるために、ロボットはどのようなお手伝いをできるのか?そんなことを考えていると、本当に世の中というのは、”答えのない問いにあふれた世界”だなと感じる機会が多いのです。

いろいろなところで言われることではありますが、このような世界にあっては、知識だけを重視する教育だけでは太刀打ちできないシーンも出てくるでしょう。

みずから課題を発見し、アプローチの方法を考え、ときには失敗をしながらも、粘り強く社会をよくしていく。そのような仲間を、教育事業を通して増やしていけたら……それが、弊社の思いです。残念ながら今年度の作品募集は締め切ってしまいましたが、来年も開催予定はありますので、ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

—ありがとうございました!

『STREAMチャレンジ2022』は2022年3月にライブ配信予定!

『STREAMチャレンジ2022』全国大会は、2022年3月13日にYouTube Liveにて生中継を予定!

残念ながら今年は受付終了となってしまいましたが、来年も大会は実施される予定とのことで、ご興味のある方はぜひ、YouTube Liveで実際の様子をご覧ください。

そのほか、『STREAMチャレンジ2022』についての情報はこちらのURLからどうぞ。生中継の視聴URLは、同ページ内で2月中に公開される予定です。

今から対策しませんか?新・大学入試
お近くの教室を探す
コエテコ経由で体験申し込みされた方全員にAmazonギフトカードプレゼント中!
体験レッスン+口コミ投稿された方全員に
Amazonギフトカードプレゼント中!

あわせて読みたいガイド

ガイドを読めばプログラミング教育がスッキリわかる!
プログラミングまるわかりガイドを読む

RECOMMEND

この記事を読んだ方へおすすめ