フランチャイズの教室を募り、全国に34教室を展開しています(2018年7月現在)。グループ会社で学習塾「栄光ゼミナール」を運営している株式会社栄光でも導入し、「栄光ロボットアカデミー」として首都圏に9教室を開いています。
今回はこちらの株式会社エデュケーショナルネットワークの「ロボットアカデミー」について、株式会社エデュケーショナルネットワークコンテンツ事業本部ロボットアカデミー事業室マネージャーの重藤義博さんと、株式会社栄光事業開発1部ロボットアカデミー課課長代理の富田一央さんにインタビュー。
教室の雰囲気や特長、おすすめのポイント、ここだけのお話などをお伺いました。
まずは子どもたちに楽しみながら、プログラミングに触れてもらう
ー 最初に株式会社エデュケーショナルネットワークの「ロボットアカデミー」のコンセプトを教えてください。
株式会社エデュケーショナルネットワークの「ロボットアカデミー」は、小学生のためのロボット製作&プログラミング教室です。
プログラミングというのはコードを書くことが最終的なゴールだとは思うのですが、そこをいきなり小学生の子どもたちにやってもらうというのは難しいですよね。
まずは子どもたちに「プログラミング教育とは何か?」ということを知ってもらい、楽しみながらプログラミングというものに触れてもらうことを一番のコンセプトにしています。
ー まずは入口として、子どもたちが楽しんでプログラミングに触れる機会を作るというのは大切ですよね。「ロボットアカデミー」では、どのようなカリキュラムを展開されていますか?
「ロボットアカデミー」では、学年に合わせて2つのカリキュラムを提供しています。
小学1〜2年生向けのプライマリーコースでは、「レゴ®WeDo2.0™」を使用し、フォークリフトやセンサーを使った普段の生活で馴染みのあるロボットなど、毎回違ったテーマのレゴブロックを組み立てています。
小学3〜6年生向けのセカンダリーコースは、世界60ヵ国以上で採用されている「教育版レゴ®マインドストーム®EV3」を用いたコースになります。
基本的に車型のロボットを利用して、「ものを投げる・掴むとは?」「タイヤを使わず動くロボットはどうすれば作れるか?」など、プログラミングの基礎を学ぶほか、どうやったらプログラミングを簡略できるか、正確な動きにできるかをより突き詰めていきます。
授業は1回90分で月2回、年間24回の開催。プライマリーコースが2年間、セカンダリーコースが4年間のカリキュラムになっています。
レゴブロックで遊ぶ楽しさがそのままプログラミング教育に活かせる
ー 教材として「教育版レゴ®マインドストーム®EV3」を採用されていますが、こちらを教材として採用することによるメリットはどんなところにあるのでしょうか?
もちろんレゴブロックを使わず、パソコンを使用しシミュレーションでロボットを作成することもできます。
しかし、シミュレーションで車を動かせたとしても、例えばタイヤのゴムと床の間に摩擦が発生して車は急に止まれないということは、実際に作って動かしてみないとわかりません。
子どもたちが手を動かして強度を考えながらロボットを作り、実際にどのような動きをするのかを学び、さらにそこからアイディアを加えていく楽しさを味わえるというのは「教育版レゴ®マインドストーム®EV3」の大きな魅力だと思っています。
ちなみに「元々レゴブロックで遊んでいて、その楽しさをプログラミング教育に活かせるなら一石二鳥だね」という理由で「ロボットアカデミー」を受けていただいている方は多いですね。
先生は答えを教えず、子どもたち自身が問題発見・問題解決していく
ー 確かにレゴブロックの延長でプログラミングを学べるというのは、楽しみながら学んで欲しいという理念に通じていますよね。授業をする上で、先生たちが子どもたちと接する時に心がけていることはございますか?
やはり授業をする相手は小学生になりますので、まずは子どもたちにわかる言葉で喋ってくださいということは、先生たちにお願いしています。もう一つ大切にしているのが、先生は子どもたちに対して基本的に答えを言わないということ。
学習塾や習い事というと先生が全て教えてくれるという印象があると思うのですが、先生たちが一から十まで教えてしまうと、子どもたちの想像力が育めなくなってしまいます。
そのため株式会社エデュケーショナルネットワークの「ロボットアカデミー」では、子どもたちが自発的に問題を発見し、解決するような授業を心がけています。
ただ全く教えないと子どもたちはわからないことだらけになってしまいますので、先生に質問してもらったり、周りの子の作業を真似してみてもらったり、答えに近づくヒントは出すようにしています。
また、宿題というものは設けていないのですが、より深く学びたい子に向けて、授業の延長的内容の問いをテキストに記載しています。
「このパーツをここにさしたらどうなるでしょう?」とあえて答えを教えずに、子どもたちの自主性と想像力が育まれる仕組みづくりはテキストにも反映していますね。
先生の面倒見の良さはお墨付き。FC加盟時には先生に手厚い研修
ー 子どもたちの想像力を育むために全てを教えないというのは、教育者として大事なスタンスかもしれませんね。ちなみに他のプログラミング教室との違いやおすすめポイントはありますか?
これまでたくさんの方々が他スクールと比較検討して「ロボットアカデミー」に入会されているのですが、一番大きな決め手として「先生の面倒見の良さ」を挙げていただいています。
プログラミング教室はセカンダリーコースとプライマリーコースという形でレベルを分けてはいるものの、「この子はロボットのこのパーツで悩んでいる」「この子はプログラミングで悩んでいる」というように、同じ授業でも一人ひとり、子どもたちによって課題が違ってきます。
一人ひとりの的確に寄り添うため、FC加盟時には手厚い研修を行っています。プログラミングの専門的なことはもちろんですが、特に生徒とのコミュニケーションの取り方に力を入れ、生徒の創造力を伸ばせるような実践的な内容にしています。
ー 実際に受講されている方々はどんなタイプの方々が多いでしょうか?また子どもたちから聞かれる声などもお聞かせください。
受講されている方は保護者がSEやプログラマーという方より、教育に熱心でプログラミング教育が必修化される前に少しでも学ばせてあげたいという方が多いですね。
子どもたちは元々レゴブロックが大好きな子が多いので、説明書通りに作る通常のレゴブロックと違い、自分のアイディアで自由にロボットを作ることができて楽しいという感想が多いです。
みんなで同じロボットを作り始めたのに、最後には違うものが出来上がるという授業が面白いみたいです。
失敗を恐れず行動し、自分で問題発見・解決できる子どもたちに
ー 子どもたちは本当に楽しんで授業に取り組んでいるのですね。ちなみに子どもたちの変化について、保護者の方からはどんな感想があがっていますか?
1つには、スクールに通ったことで子どもの積極性が上がったとい声が多いですね。
学校ではあまり手を挙げて意見を言わなかった子が、ここの教室に来たことで手を上げ質問し、周りの子にも自分から声をかけるようになったという声もいただいています。
また、考えて行動するようになるということに加え、コミュニケーション能力が向上したという声も多く聞かれます。
例えば先生への質問の仕方も「わかりません」から「ここをこうしたいのだけど、ここをどうしたらいいかわからない」と具体的に質問するようになったというケースもございます。
そして一番大きいのが、失敗を恐れず行動し、成功への道筋を自分自身で模索するようになったという声ですね。
元々学校のテストで点数が悪いとそのテストを隠していたという子も、今はテストにバツがあっても堂々と見せてくれるようになったという声も聞かれました。
「今はバツだけれどもこれを丸に変える方法を僕は知っているよ」と子どもが言ってくれるようになったと。これは大きな変化だと思います。
ー 自発的に、そして失敗を恐れず行動するという姿勢は自然と育まれるのはすごいですね。
そうですね。プログラミングを学ぶことで、学校の成績が飛躍的に伸びるとは考えづらいです。
それよりも、失敗があった時に自分で原因を発見する力や解決する力、次の発想に頭を切り替えられる力をプログラミングで楽しく身につけて欲しいと思っています。「失敗は成功の元」といいますが、失敗は悪いものではなく良いものであると、子どもたちには知ってもらいたい。
そしてこの力や考え方を他強化の学習にも活かして欲しいと思っています。
プログラミングの「プ」の字も知らない人に来て欲しい
ー 最後に教室を検討されている保護者の方や子どもたちへメッセージをお願いします。
まずは、プログラミングの「プ」の字も知らない人にお越しいただきたいですね。私たちはスクールを通じてプログラマーになって欲しいというよりは、コミュニケーション能力であるとか、問題発見力、問題解決力、生きていく中で必要な力を身につけてもらえたらと考えています。
プログラミングは決してハードルが高いものでも難しいものでもなく、触れることによって子どもたちの可能性が広がるものです。楽しみながらこれから生きて行く上で必要となる力を身につけることができるので、ぜひ可能性を広げに来てください。
あとはレゴブロックが好きな方も楽しめると思うので、遊びにきてみてください。
編集部コメント
ロボットやプログラミングの知識はもちろん、授業を通じて、「創造力」「問題発見力」「問題解決力」「論理的思考力」「表現力」を身につけることができる株式会社エデュケーショナルネットワークの「ロボットアカデミー」。飽きることなく、集中して取り組める授業内容でモチベーションを維持し、向上心を育み、未来を切り拓くために必要な力を身につけるというコンセプトが実際に生きた授業を展開されていました。
<ロボットアカデミー>
http://www.robotacademy.jp/
(取材・文/中森りほ、撮影・編集/コエテコ編集部)