子どもに英語絵本を読み聞かせする4つの効果とは?英語絵本の選び方も解説

子どもに英語絵本を読み聞かせする4つの効果とは?英語絵本の選び方も解説
子どもの英語力を絵本で伸ばしたい――。そんな風に思う親に向けて、一般社団法人音読協会の本澤愛さんが英語絵本を読み聞かせする効果や本の選び方などについて解説します。どのくらいの頻度で読み聞かせをすればいいの?1人で読めるまでにどのくらいかかるの?4歳以上の幼児や小学生の読み聞かせに関する疑問を解消します。

<今日のポイント>

1.英語の読み聞かせすると英語を聞く耳、想像力や思考力が育つ
2.1ページに1語から1文程度の絵本や仕掛け絵本などを活用しよう
3.親が読み聞かせをすることで子どもも英語好きに育つ

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英語絵本を読み聞かせする4つの効果・メリット

音読協会提供

幼少期の英語絵本の読み聞かせには英語力アップに加えてたくさんの効果があります。ここでは4つのメリットを紹介します。

 ①意味を推測した英単語は定着しやすい

幼少期の子どもたちは、多少わからない単語や表現があっても、絵や音を通してその意味を推測して絵本を楽しむ能力があります。自分で意味を推測することで単語や表現が定着しやすく、忘れにくいというメリットがあります。それらの単語は実際に使える英語力となります。

 ②英語を聞く耳が育つ

英語絵本を毎日読み聞かせることによって、英語の音に慣れることができます。英語は日本語にない音(音素やリズム)をもつ言葉です。小学校低学年までの子どもたちは、それらの音を自然にキャッチできる能力が高いといわれています。音に対する感度が高い時期に、たっぷりと読み聞かせをすることで、英語を聞く耳を育てることができます。

③想像力や発想力が豊かになる

英語絵本で見聞きする絵やストーリーには子どもたちの想像力や発想力を豊かにしてくれる力があります。また、海外の絵本には、日本語の絵本にはない文化や色彩感覚が含まれています。そのようなもの幼少期から見聞きすることで、日本語の本からだけでは知りえなかった知識や多様性に出合うことができ、より豊かな想像力や発想力を育むことができます。

④本を読むことで思考力が高まる

本を読むことで子どもの語彙力が増えます。語彙は思考をするために必要なものであり、語彙力がアップすれば、考える力=思考力を高めることができます。たくさんの読み聞かせをしてもらった子どもは、やがて1人読みができるようになり、読む文字が増えることで言葉が豊かになります。英語絵本の読み聞かせは、生きるために必要な思考力も育ててくれるすごいパワーを秘めているのです。

英語絵本の効果的な使い方

英語絵本はどのように使えば効果的なのでしょうか。ここでは、特に効果のある3つの使い方について見ていきましょう。

音声付き絵本で正しい発音を聞く

よく分からない単語を「何となく」で読み進めてしまうと、子どもも間違った発音のまま覚えてしまうかもしれません。そのため、まずは音声付き絵本などを使って正しい発音を聞くことが大切です。

絵本の中にはCDが付属しているもの、Youtubeなどで音声を確認できるものなどもあります。このような教材を有効利用し、しっかりと正しい発音を確認しておきましょう。

音読する

英語の発音は、目で読むだけではなく声に出して読むことが効果的です。しっかりと音声を超えに出して音読しましょう。

子どもに読み聞かせをする場合には、日本語の絵本と同じように抑揚や感情を付け、絵や英文を指し示しながら進めます。子どもが絵本に興味を持ちやすいように、声の出し方を工夫できるとよいですね。

習慣化する

英語を習得するためには、とにかく多くの英語に触れることが大切です。英語の読み聞かせも同じで、毎日習慣的に英語に触れる機会を作ることによって、子どもが英語に興味を持ちやすくなるでしょう。

同じ絵本を何度も繰り返して読むことによって、子どもは英語を日本語に訳さなくてもだんだん理解できるようになってきます。このように習慣づけを行うことで、子どもは英語が日常に当たり前にあるものと認識できるようになるのです。

きっと英語が好きになる!読み聞かせをする時のポイント

子どもが楽しく英語を学び、英語が好きになってくれるためには、読み聞かせの際に気を付けるべきポイントがあります。ここでは、読み聞かせをする際の3つのポイントについて見ていきましょう。

完璧な発音じゃなくて問題なし!

「英語なんて学校で苦手だったし、ちゃんと発音なんてできない」と戸惑う親御さんもいることでしょう。しかし読み聞かせでは、決して完璧な発音である必要はありません

大切なのは、親が自信を持って子どもに読み聞かせをしてあげることです。親がお手本になって積極的に英語を読むことによって、子どももそれを自然のものとして受け入れ、使いこなせるようになってくるでしょう。

絵や英文に指をさしながら読む

日本語の絵本を読むとき、絵を指しながら読み聞かせをしてあげる親御さんは多いのではないでしょうか。何もない状態で文章だけを黙々と読まれても、子どもは絵本に関心を持てなくなってしまいます。

英語の絵本を読み聞かせるときも同じように、絵や英文に指をさしながら、お子さんの様子を見ながら進めてあげましょう。もし子どもが難しそうな顔やよく分からない様子を見せた際には、読んだ部分をもう一度読み直してみてあげると良いでしょう。

親御さんもお子さんも恥ずかしがらずに楽しんで読む

英語に慣れない親御さんが読み聞かせをしようとすると、どうしても恥ずかしさが買ってしまい、自信なさげになってしまったり、モゴモゴと小さい声や動きになってしまうかもしれません。しかしそれでは、せっかく読み聞かせをしていても効果が半減してしまいます。

英語の読み聞かせを行う際には、親御さんも恥ずかしがらずに、お子さんと一緒に楽しみながら読むことを心がけましょう。英語の絵本のなかには、喜びや驚き、感動といったさまざまな感情表現が含まれています。これらを大きく表現したり、抑揚をつけて気持ちを込めることによって、子どもがより英語に興味を持てるようになるでしょう。

英語が好きになる絵本の選び方

音読協会提供

ここでは、4歳以上の幼児や小学生の子どもたちの絵本の選び方を紹介します。

どんな絵本を選べばいいの?

A. 1ページに1語から1文程度の絵本から読みはじめ、仕掛け絵本や歌いながら読める絵本などを活用しましょう。慣れてきたら、宇宙や恐竜、ファンタジーなど、子ども自身が好きなテーマや知的好奇心を満たす絵本を読みましょう。

英語に慣れていない子どもにいきなり長い英語絵本を読み聞かせしてしまうと、英語の音を嫌がることがあります。はじめは、子どもの負担にならない程度の短い文の絵本から読みはじめ、徐々に長めの絵本を読むようにしましょう。すでにたくさんの英語絵本の読み聞かせをしている場合は、日頃読んでいる日本語の絵本と長さが同じ絵本を目安にしてみてください。

子どもに楽しく学んでもらうために、フリップがついているなど、遊び心がある本もおすすめです。また、音読付きの絵本は本格的な発音も学べるのでおすすめです。

どのくらいの頻度でいつ読み聞かせをしたらいいの?

A. 英語絵本は1日10分程度を目標に読み聞かせをしてあげてください。毎日コツコツと続けていくのが大事です

4歳以上になると習い事や幼稚園などもはじまり、外で過ごす時間が増えて、家の中でゆったりと読み聞かせする時間も減ってきます。忙しい毎日の中でも、夜寝る前の時間などに読み聞かせの時間をつくってみてください。英語絵本だけでなく、日本語の絵本も母語を育む点から読む必要があります。日本語の絵本を10分、英語絵本も10分間程度が理想ですが、3~5分の日もあっても良いでしょう。

読み聞かせをはじめたばかりの子どもにおすすめしたい3つのタイプの絵本

音読協会提供

読み聞かせをはじめたばかりのお子さんには、歌が題材になった絵本や仕掛け絵本などからスタートするのがおおすすめです。絵本を選ぶときにこちらの3つのタイプを参考にしてみてください。

①歌を歌いながら読める本

歌が絵本になったものや文にメロディーをつけて読むと、まだ英語の音に慣れていないお子さんでも楽しく聞くことができます。もし絵本にCDなどの音源が付いていない場合は、ネット上で検索してみるとよいでしょう。マザーグースなどの歌が絵本になったものであれば、ほとんどが見つかります。

  • Five Little Men in a Flying Saucer…Child's Play
  • Old Macdonald had a farm…Child's Play
  • Mary Had A Little Lamb…Child's Play

 ②興味をそそる仕掛け絵本

めくるタイプのフリップがついていたり、スライド形式だったりと英語絵本には楽しい仕掛け絵本がたくさんあります。ぜひ親子で楽しんでみましょう。
  • Lemons Are Not Red…Square Fish
  • Ketchup on Your Cornflakes?…Scholastic
  • What's in the Witch's Kitchen?…Walker Books Ltd

 ③英文が簡単であり小学生低学年の知的レベルにもあった絵本

単語数が少なくても、伝えてくれるメッセージは奥深い!友情、信じること、自分らしさを見つけるなど生きる上で大切なことを考えさせてくれる絵本があります。


  • Yo! Yes?…Scholastic
  • A color of his own... Dragonfly Books
  • The Carrot Seed...HarperCollins

英語慣れしてきた子どもにおすすめしたい3つのタイプの絵本

すでに読み聞かせの経験のあるお子さんには、少し長めの名作や1人読みにつながるような絵本にも挑戦してみましょう。お子さんの読み聞かせの経験や興味関心に沿って絵本を選んでみてください。

① 永く愛されている名作絵本

1年以上の読み聞かせがある4歳以上のお子さんは、日本語版は1~2年の国語の教科書にも採用されている少し長めの名作絵本に挑戦してみましょう。わからない単語があっても大丈夫。全体の意味を推測しながら絵本を楽しんでみましょう。
  • I'll Always Love You…Dragonfly Books
  • Swimmy…Dragonfly Books
  • Frog and Toad Are Friends…HarperCollins

 ②1人で読めるようになりやすい絵本

絵本には読んでいてリズムがよいと感じられるライミング(音韻)が盛り込まれていたり、繰り返しの表現が用いられたりしている場合があります。このような絵本を何度も読み聞かせることで、音と文字がリンクして1人読みにつながりやすくなるという効果もあります。

  • Hop on Pop…Random House
  • No, David!… Scholastic
  • Shh! We Have A Plan…Walker Books Ltd

③ハロウインやクリスマスなどのイベントに読みたい絵本

英語絵本は海外の文化の宝庫です。特に、ハロウインやクリスマスなどをテーマにし絵本には日本生まれの絵本では出合えない魅力的な絵本がたくさんあります。おうちにいながら、本場の文化を親子で味わえる楽しみは格別!各時期に親子で楽しんでみてはいかがでしょうか?

  • Big Pumpkin…Aladdin
  • Room on the Broom…Puffin Books
  • Dream Snow…Philomel Books
  • Suzy Goose and the Christmas Star…Walker Books Ltd

よくある質問まとめ

音読協会提供

ここでは、よく親から寄せられる疑問についてお答えします。

親の発音が悪く英語が苦手な場合、どうすればいいの?

A. 親が英語を口にすることで子どもはよく聞き、英語を身近なものとして感じることができます。世界の多くの人たちが話している英語の発音も多種多様です。日本語なまりで話すことも、ひとつの個性ととらえて自信を持ってください。

英語絵本のレベルが高くて読めない場合は、CDなどの音源を使って一緒にページをめくりながら読んでいきましょう。また、英語の動画やアプリケーションなどで英語絵本の読み聞かせが手軽に視聴できるようになってきています。しかし、できれば親の声で読んであげてください。親の声だからこそ、子どもたちに英語の楽しさが心に届くと思います。

読み聞かせ中に子どもが日本語で質問してきた場合、日本語で答えてもいいの?

A. 日本語で答えてあげてもよいです。

親が英語で無理なく返答できる場合は英語でされるとよいでしょう。「What‘s this?(これ何かな?)」といった簡単な質問を投げかけてみるのもよいでしょう。英語で返答すると子どもが強く嫌がるような場合、もしくは親自身が英語で返答することが困難な場合は、日本語で答えましょう。

英語絵本よりも先にアルファベットやフォニックスをした方がいいの?

A. まずは、英語絵本の読み聞かせからはじめましょう。

アルファベットやフォニックスを教えるのは、英語絵本の読み聞かせをしてからでも遅くはありません。まずは、読み聞かせをすることで、英語の音に慣れ親しむことからはじめましょう。絵本を読むと自然とアルファベットを覚えてしまったり、フォニックスを教えなくても文字をすらすらと読めるようになったりする子も少なくありません。

うちの子、何歳から1人で読めるようになるの?

A. 英語力や読み聞かせの量によって異なります。また、個人差もあります。1人読みは焦らず、10歳ごろまでは親子で読み聞かせを重視しましょう。

子どもが文字に興味を持ちはじめたら、文字の部分を一緒に指でなぞるなどして音と文字をつなげるように促していきましょう。ただし、あくまで子ども自身が読みたいという意思がある場合に限りです。無理に読ませようとすると絵本嫌い、英語嫌いになる可能性もあります。また、ほかの子どもと比べないようにしましょう。

英語の絵本を嫌がる…どうすれば?

A. 無理強いはせず、まずは親が絵本を読むのを楽しんで!

4歳以上の子どもは、日本語の基礎がすでに出来上がっています。そのため、英語の音が異質に感じて、英語絵本の読み聞かせを嫌がる子もいます。あまり深く悩んだり、焦って無理強いをしたりせず、まずは親が英語で声に出して絵本を読んでみましょう。親が楽しそうにしている姿を見せると次第にお子さんも興味を示すことも多いです。

音読協会・本澤愛さんからのメッセージ

全国の公立小学校でも3年生から英語の授業が始まり、ますます早い段階からの英語への関心が高まってきています。読み聞かせをすることで、単に英語は楽しい!という気持ちを育てるだけでなく、英語の音やパターンに慣れ、豊かな語彙や表現までもしっかりと身につけることができます。読み聞かせは将来につながる骨太な英語力を育てる最強の方法です!ぜひ親子で取り組んでくださいね。

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