読み聞かせの学習効果は?高まる読み方を年齢別に解説

読み聞かせの学習効果は?高まる読み方を年齢別に解説

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情報技術の発達によって子どもの遊びが変化するなかで、読み聞かせによる脳科学的な学習効果やリラックス効果が話題を呼んでいます。しかし「どの本を選んだらいいかわからない」「上手に読めなくて疲れる」といった親の悩みや負担を感じている人も多いのではないでしょうか。読み聞かせを始めたいという場合、まずは子どもに与える効果や効果的な読み方を知り、各家庭に合った方法を無理なく実践するのがおすすめです

今回は読み聞かせの効果や学習効果が高まる読み聞かせ方法を年齢別にご紹介します。子どもの言語発達をアップさせたい人や具体的な読み聞かせの方法、絵本選びのコツが知りたい人はぜひ最後までご覧ください。

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読み聞かせの効果とは?

まずは読み聞かせが子どもに与える効果をご紹介します。

学力が向上する

文部科学省の調査によると、小学校入学以前に家庭で読み聞かせをしてもらっていた子どもは読んでもらわなかった子どもよりも「学校の授業を楽しんでいる」という子の割合が多いことが明らかになっています。さらに小学校・中学校の学習状況においては読み聞かせをしてもらっていた子どもの国語や算数、数学の平均正答率が高いという結果も発表されています。

読み聞かせをしてもらうことによって培った言語力や文章理解力、話を最後まで聞く力といったさまざまな能力が学力向上の理由の一つとして考えられるでしょう。

4人の子どもを東大に合格させたことで有名な佐藤亮子さんは、子どもの読解力を伸ばす最適な方法として読み聞かせを挙げています。なるべく早いうちから絵本の読み聞かせを行うことで思考力の基礎である言語力を育む環境づくりをしていたそうです。乳幼児期から読み聞かせを行うことで多様な日本語に触れることができ、学習能力の土台をつくることができるでしょう。

参考:文部科学省 子ども読書の情報館
   佐藤亮子 著『東大脳を育てる!読み聞かせ絵本100』

親子の情緒が安定する

読み聞かせによって子どもがリラックスし、親の愛情を感じたり情緒が安定したりします。乳幼児期の読み聞かせでは親の膝に座って肌に触れながら絵本を読んでもらうだけで、特別なスキンシップになるでしょう。また親の目を離れて遊べるようになる小学生こそ読み聞かせの時間が貴重なコミュニケーションの場になります。ダイレクトに愛情が伝わる読み聞かせを通して、子どもの感情的な問題も少なくなるでしょう。

さらに脳トレブームの第一人者である東北大学の川島隆太教授は、読み聞かせの時間が多い家庭ほど母親の「子どもの行動に対するストレス」が減ったという研究結果を発表しています。

読み聞かせを通して子どもの落ち着きの無さや機嫌の悪さ、刺激への敏感さといった子育てのストレスを低下させる効果があるようです。親の情緒が安定することで子どもの問題行動が減る相互作用も期待できるのではないでしょうか。

参考:川島隆太 著『「本の読み方」で学力は決まる』

コミュニケーション能力が高まり、遊びが楽しくなる

絵本を読むことでさまざまな語彙を獲得するのでコミュニケーション能力アップに繋がります。特に乳児期に読む絵本に出てくる単語は「おーい」「あそぼ」といった会話に使える言葉や「ドンドン」「キラキラ」「ぱちん」などの擬音語・擬態語が多く、子どもが真似して発言することもあります。身近な動物や野菜、乗り物が出てくる絵本ではイメージと名前が繋がるきっかけにもなり、言葉のイメージが広がるでしょう。

また定番の昔話や季節の絵本などを読み聞かせていると、子ども同士でイメージを共有して遊びが膨らむこともあります。たとえば1~2歳では歩く・走るといった動きを獲得するといわれますが、『三匹のこぶた』の絵本を知っている子ども集団であればこぶたやオオカミになりきりながら追いかけっこを楽しむ姿もあるでしょう。遊びが学びの中心である乳幼児期の読み聞かせは、子どもの情緒発達において重要な取り組みだといえます。

【年齢別】学習効果を高める読み聞かせ方法

子どもの年齢や発達に応じた工夫をすることで学習効果が向上するといわれています。ここでは乳児期から小学生の子どもたち向けの読み聞かせ方法や絵本の選び方をご紹介します。

0~2歳頃の読み聞かせ

親子間の触れ合いが大切な乳児期は、スキンシップの一貫として音やリズムのある絵本の読み聞かせを取り入れるのがおすすめです。子どもが座れる場合は大人の膝に座らせ、子どもの発言や目線、指さしといったアクションにも反応しながら穏やかに読み進めます。本棚には動物の絵本や繰り返し音がある絵本、季節を感じる絵本などを用意します。

乳児期はお気に入りの絵本や場面を繰り返し読みたがりますが、無理に他の本を勧めたり順番どおりに読む必要はありません。果物や野菜が描かれた絵本では「ぱくっ」「おいしいね」と食べたつもりになる遊びが始まることもありますが、絵本を読み進めることにこだわらず子どもの遊びや感情に寄り添いましょう。 

3~6歳頃の読み聞かせ

幼児期になると童話や昔話のストーリーに引き込まれるようになり、科学絵本図鑑に興味をもって好奇心が刺激されることも楽しみます。読み聞かせの際は乳児期と変わらず膝の上や布団、子ども部屋などリラックスできる場所を選びましょう。子どもの聞く力が伸びてきたら絵の少ない物語や章ごとに区切られている図書に挑戦してみるのもおすすめです。

ストーリー性のある本や道徳的なテーマの本を読んだあとには感想を話し合ってみましょう。幼児期の社会生活では相手の気持ちを知るやりとりが大切といわれていますが、本のストーリーを通して登場人物になりきったりさまざまな感情を想像したりする練習になります

小学生の読み聞かせ

小学生の読み聞かせでは、発達に合った文章量の絵本を選びましょう。低学年の子どもには絵本が人気ですが、高学年の子どもに絵本を読むと物足りなさを感じることがあります。本選びが難しい場合は子どもと一緒に図書館で興味を探ってみましょう。世界や日本の情勢や文化といった社会的な本を選ぶと視野が広がる感覚を楽しめます。

小学生になれば自分で読むことができるようになりますが、子どもが読み聞かせを求めているうちはぜひ要求に応えてあげましょう。自分で読書をするのと大人に読んでもらうのとでは、子どもが感じる心地良さが異なるのです。

読み聞かせを行うときの注意点

子どもが本を読みたくなる環境づくりを

家庭では子どもが自由に本を選べる環境が理想的です。乳児期のうちは絵本の扱いがわからずページを破ってしまうこともあるので、丈夫な厚紙製の絵本を手に届く位置に置きましょう。さらに絵本の表紙が見えるような配置にすると子どもの興味を引くことができます。

絵本の量が多すぎると子どもが絵本選びを避けるきっかけになりがちです。季節に合わない本や発達段階にそぐわない本は別の場所にしまっておくのが良いでしょう。しかし発達的には物足りない絵本でも、本人が好きで繰り返し読んでいる絵本は残してあげてください。字が読めるようになる就学前~小学校低学年の時期だからこそ「0歳のときに読んでもらった絵本を自分で読んでみたい」という楽しみ方もあるでしょう。

大人も子どもも楽しめる読み方を実践しよう

絵本を読む際には声色に極端な抑揚を付けたりアドリブを追加する必要はありません。しかし平坦に読むだけでは子どもの反応が悪いという場合は、親子で楽しめるオリジナルの読み方を見つけるのが一番です。読み聞かせを継続するためには、大人も無理のない範囲で楽しみながら読むことが大切でしょう。

絵本を読み聞かせするのが苦手という人や絵本を読む時間がとれないという家庭では、寝る前に1~2分程の素話を取り入れるだけでも親子のコミュニケーションに繋がるでしょう。

読み聞かせの効果をさらに高めるコツ

読み聞かせをする際には、子どもに聞き取りやすいようにハッキリと大きい声で本を読むことが大切です。さらに子どもが話している内容を理解しやすくするために、本はゆっくりと読みましょう。

また、どんなに読み聞かせを行ったとしても、子どもが本の内容に興味を示さなければ内容が頭に入ってこないので、意味がありません。もし子どもが本の内容に興味がなさそうな態度を取っていたら、内容が好みではない恐れがあるので、本を読んでいる途中で「面白い?」などと確認を取ってみるのもいいでしょう。子どもの表情を確認しながら読み聞かせをしたい時は、句読点の時に間を置き、子どもの表情を確認してみるといいでしょう。

子どもがつまらなさそうにしている時は、「どんな本が興味がある?」などをコミュニケーションを取って、興味のあるジャンルの本を探してあげると、きっと子どもも喜んで本の内容を理解しようとするはずです。

まとめ

読み聞かせを行うことで学習能力アップや親子の情緒安定などの子どもの発達に重要な効果があるといわれています。家庭で読み聞かせを行う際は無理のないペースで親子が楽しめる読み方を見つけましょう。絵本を選ぶときには子どもの発達に合った本や図書館で子どもが興味をもった本を取り入れるのがおすすめです。さらに余裕があれば本棚の整理をしておくと、自然に子どもが本に興味を持つようになります。

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