「読書嫌い!」を変える6つのポイントとは?本選びのコツとNGフレーズも紹介

「読書嫌い!」を変える6つのポイントとは?本選びのコツとNGフレーズも紹介
音読協会提供

子どもが全く本を読まなくて困っている!もっと本を読みなさいというと、さらに子どもは本から離れていく……。そんな悩みを持つ親に向けて、一般社団法人音読協会の本澤愛さんが読書嫌いから好きに変わるためのヒントをお聞きしました。子どもが本に興味を持つために、親はどんなことをしたらいいのでしょうか。みなさんの不安や疑問を解消します。

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読書嫌いの子どもを本に興味をもたせるには?

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 子どもが読書を嫌いになる背景にはさまざまな原因があります。その原因を知り、ちょっとした行動をするだけで、子どもが本への興味をもち、読書が好きになる可能性は十分にあります。ここでは、読書嫌いの原因を探り、本好きになるための6つのポイントをお伝えします。

①本を読む時間と静かな空間を整えよう!

読書嫌いのご家庭に共通するのが、1日の中で静かに本を読むための時間がないという点です。子どもが本を集中して読むためには、静かな時間と空間が必要になります。読書の時間を生み出せるかどうかが最初の関門。まずは動画を見たりアプリをしたりする時間をちょっとだけ減らしてみましょう。1日5~10分でも大丈夫。少しの時間でも計り知れない恵みをもたらしてくれると信じで捻出してみましょう。

②読み聞かせから始めよう!

自分で本を読むことを嫌がる場合は、年齢に関係なくまずは1日10分の読み聞かせから始めてください。読書が嫌いな子どもは、文字を読めてもその文字が意味することをイメージする力が足りない場合があります。読み聞かせをすることによってイメージする力を養いましょう。文字が読める小学生でも読み聞かせを好みます。

③昔好きだった絵本を読ませてみよう!

「就学前は読み聞かせが大好きだったのに、小学生に入ったらぱったり本から遠ざかったしまった…。」というお悩みをもつ親はとても多いです。そんな場合は、昔大好きだった絵本を読んでみることを勧めてみるのもよいでしょう。好きだった本であれば、自分で読むことのハードルも下がります。短い絵本でも構いません。読むという行為が「楽しい!」と感じられる瞬間を作ってあげるようにサポートしましょう。

④ブックカフェや科学館など併設した書店や図書館を活用しよう!

現在書店や図書館の様態も様々になっています。カフェが併設している書店や図書館もあり、飲食をしながらゆったりと本を読むことができる場所もあります。科学博物館や水族館の中にも自由に本が読める場所を提供していることもあります。いつもとは違う特別な空間で本を読む体験をしてみるのもお勧めです。我が家は月に1回程度、ブックカフェに行って親子で本を読んでいます。

⑤読んだ本のタイトルを記録しよう!

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 全国の市町村の図書館では「読書通帳」というものを発行しているところがあります。専用のマシンを使って借りた本のタイトルが印字できるという優れたシステム。記録になると共に、本を借りることのモチベーションアップにもつながるので試してみるとよいでしょう。我が家の子どもたちも、本を印字することが楽しくて、図書館に行きたがります。はじめの動機は通帳の記録を増やすためでもよいのです。

⑥お小遣いは図書券で プレゼントは本をあげよう!

月額制でお小遣いをあげているという場合は、お金の代わりに図書券にして渡してみてはいかがでしょうか?図書券をもって、本屋さんへ行く機会を月に1回程度つくることによって、読んでみたい本に出合えるチャンスが増えます。また、誕生日やクリスマスには本をプレゼントしてみるのもよいでしょう。我が家では1歳の誕生日から毎年ずっと本をプレゼントし続けています。

読書嫌いの子どもが変わる!本選びの4つのコツ

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 ここでは、読書嫌いの子どもが本に興味を持つためにどんな本を選び、読んだら良いのかについて4つの攻略法をご紹介します。まずは1つからでも良いので実践してみてください。

①小学生でも楽しめる絵本を勧めてみよう!

文字だけの本を読むことが難しいと感じる場合は、絵のある絵本を読むのもよいでしょう。小学生でも楽しめる素晴らしい絵本がたくさんあります。宇宙、戦争、数の神秘、友情、生きることなどをテーマにした絵本は何歳になっても多くの発見や気づきを与えてくれるはずです。

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  •  「はじめてであうすうがくの絵本」… 安野光雅
  • 「わすれられないおくりもの」…スーザン・バーレイ  (著・訳)、小川仁央 (訳)
  • 「でんでんむしのかなしみ」…新美南吉 (著) 、鈴木靖将 (絵)
  • 「『地球』 (福音館の科学シリーズ)」… 加古里子
  • 「宇宙のすがたを科学する」…ギヨーム・デュプラ(著)、渡辺滋人(訳)
  • 「フィボナッチ 自然の中にかくれた数を見つけた人」…ジョセフ・ダグニーズ (著)、ジョン・オブライエン (絵)、渋谷 弘子 (訳)
  • 「六にんの男たち―なぜ戦争をするのか?」…デイビッド=マッキー(著)、中村こうぞう (訳)

②子どもの実体験とあわせた本を選ぼう

子どもからの質問や実体験と読書を合わせて取り入れてみましょう。例えば、川や海遊びをしたら、「川」や「海」など「水」をテーマにした本を親子で一緒に読んでみるとよいでしょう。本の中で出てきたことを実際に体験したり、体験で疑問に思ったことを本で読んだりすることで、「わかった!」という実感が起こりやすくなり、本を読む意欲につながります。

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  • 「水とはなんじゃ?」…かこさとし(著)、鈴木まもる(絵)
  • 「サンタクロースってほんとにいるの? 」…てるおかいつこ(著)
  • 「『はじめてのおつかい』(こどものとも傑作集)」…筒井頼子(著)、 林明子(絵)
  • 「ばばばあちゃんの おもちつき」…さとわきこ(著)
  • 「『わかったさんのクッキー』 (わかったさんのおかしシリーズ)」…寺村 輝夫(著)、永井郁子 (絵)
  • からすのパンやさん…加古里子(著)

③漫画形式や簡易版の本も時には活用しよう

子どもにはできるだけ永く読み継がれているロングセラーの本を読ませたいものです。ただし、どうしても本に興味を持たない場合は、漫画形式の本や簡易版の本から入り、本を読む楽しさを知るきっかけを作ってあげるのものよいでしょう。充実した解説やコラムなどが盛り込まれているものもあり、語彙や知識が増えます。

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  •  科学漫画サバイバルシリーズ…ゴムドリCO. (著)
  • 歴史漫画タイムワープシリーズ…チーム・ガリレオ(著)
  • 「マンガ&物語で読む偉人伝 渋沢栄一 津田梅子 北里柴三郎」…学研プラス(編)
  • 「『宝島』(10歳までに読みたい名作絵本)」…ロバート・ルイス・スティーヴンソン(著)、 吉上恭太(訳)、館尾冽(絵)
  • 「『長くつ下のピッピ』(10歳までに読みたい世界名作)」…リンドグレーン(著)、那須田淳  (編・訳)、kaworu (絵)

④テレビや映画で観たタイトルの本を読んでみよう

テレビや映画などで見た作品を本で読んでみてはいかがでしょうか?本には動画ではカットされていた細部の内容が描かれており、多くの発見があります。我が家の子どもたちは、テレビで「かいけつゾロリ」や「おしりたんてい」を見ていますが、本も楽しんで読んでいます。

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  • 「ひとまねこざる 」…H.A.レイ  (著)、光吉夏弥(訳)
  • 「かいけつゾロリの ゾワゾワゾクゾクようかいまつり」…原京子(著)、原ゆたか(絵)
  • 「おしりたんてい おしりたんていの こい!?」…トロル(著)
  • 「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」…廣嶋玲子(著)、jyajya (絵)
  • 「チョコレート工場の秘密」…ロアルド・ダール(著)、クェンティン・ブレイク (絵)、柳瀬尚紀(訳)
  • 「ハリー・ポッターと賢者の石」…J.Kローリング(著)、松岡佑子(訳)

その言動大丈夫?子どもを読書嫌いにしているNGフレーズ集

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読書好きになって欲しいという親心から、つい子どもに言ってしまうNGフレーズを集めてみました。もし同じようなフレーズを言いそうになったら、ちょっとだけ深呼吸して、頭を切り替えてみましょう。

NGフレーズ①「ゲームばっかりやってないで本を読みなさい!」

頭ごなしに、「ゲームをやめて本を読みなさい!」と言われて、素直に従う子どもはいないでしょう。これまで毎日のように長い時間ゲームや動画視聴をしてきた場合は、まずはそれらの時間を減らすという行為をするだけでも、努力が必要になります。親子で話し合い、1日の内にゲームをする時間と読書の時間を互いが納得したうえで決めましょう。

NGフレーズ②「良い本をもっと読みなさい!」

子どもは基本的に面白いものにしか興味を示しません。親が読ませたい本を強制的に子どもに読ませるのではなく、まずは親がその本を読んで、面白い部分を子どもに伝えるところからはじめましょう。「面白かった!」という親の声を聞けば、読みたくなる気持ちが起こるかもしれません。親子で感想をシェアしあえば家庭内のコミュニケーションも豊かになって一石二鳥です!

NGフレーズ③「同じ本ばかり読まないで違う本も読みなさい!」

同じ本を読むことは実はとても良いことなのです。子どもは、同じ本を読むたびに新しい発見をし、多くのことを学んでいます。何度も読みたい本と出合えたことに喜びを感じて、温かい目で見守ってあげましょう。また、無理強いしない範囲で、そっと同じテーマの別の本や作者の本を勧めてみるのもよいでしょう。

NGフレーズ④「どう?面白かった?感想言ってみて!」

本を読んだ後に子どもに「どうだった?」と感想を聞いてしまう親も多いでしょう。でも子どもは何も言わないか、答えても「面白かった」という表現くらいしかしないもの。子どもにとって本の感想を述べることは意外に難しいものです。感想を求めることで、本嫌いにさせてしまうこともあるので、積極的に感想を聞く必要はないでしょう。子どもなりにいろんなことを感じたり、考えたりしているはずですから。

NGフレーズ⑤読書感想文で「思ったことを自由に書きなさい!」

子どもにとって、ある程度まとまった量の本の感想を書くということはとても負担が大きいもの。本を読むのは好きな子どもでも「読書感想文」は苦手という子は少なくありません。学校によって、読書感想文は必ず提出しなければならない宿題ではなく、自由課題になっている場合も多いです。読書感想文で読書嫌いになるといけないので、書きたがらない場合は無理に書かせなくても良いでしょう。

音読協会・本澤愛さんからのメッセージ

読書嫌いという子どもでも、親のちょっとした工夫や行動次第でいくらでも読書好きに変わることはできます。お子さんを楽しい読書の世界に誘うのは親の大事な役割です。小学生のうちに環境を整え、子どもが読書好きになるためにサポートしましょう!

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