(取材)ベネッセ みらいキャンパス|個性豊かな講師と対話し、異年齢クラスで子どもの個性を伸ばす!
「みらいキャンパス」はオンライン×対話型のライブレッスンで、さまざまな分野のプロフェッショナルや、幅広い経験値を持つ個性豊かな講師陣が大集合!子どもたちを枠にはめることなく、「こうなりたい」と思えるような講師をロールモデルとして、対話しながら気づき、学ぶ新しいオンライン講座です。
この記事では、みらいキャンパス総合責任者 城座多紀子さんに、みらいキャンパスについてお話を伺いました。
ベネッセ みらいキャンパスとは

運営 | 株式会社ベネッセコーポレーション |
受講スタイル |
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対象 |
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クラス編成 | 学年混合 |
講座の回数 | 1〜4回 |
講座の種類 |
|
受講料 | 1,650円〜(税込)/1レッスン |
ベネッセ みらいキャンパス 5つのポイント
- 探究的な学び
- 個性を引き出す「受け止め力の高い」講師陣
- 世界の広さ・多様さを感じる、実社会とつながる
- 異年齢の仲間から得られる気づきや発見
- 未来を拓く多様なロールモデルとの出会い
ベネッセ「未来の学びプロジェクト」
「未来の学びプロジェクト」-
未来会議
未来を生きる子どもたちに必要な学びについて、共に探し共に創造していくための場 -
未来の学びデザイン300人委員会
専門領域やパーソナリティを活かした「未来の学びを社会全体でデザインする」ためのコンソーシアム -
みらいキャンパス
ロールモデルに出会えるオンライン×少人数・対話型の学びの場
子どももおとなも“とことん学ぶ”新しい教育のカタチ
みらいキャンパス責任者 城座多紀子さん
これまでの教育への課題感と未来構想からスタートした「みらいキャンパス」

―御社は教育事業に長く携わり、豊富な実績がおありですが、新たに「みらいキャンパス」プロジェクトを立ち上げた背景について教えていただけますか?
弊社は「Benesse=bene(よく)+esse(生きる)」、つまり「人の『よく生きる』を支援する」ことを企業哲学としています。
これまでの日本の教育システムを民間の立場から補完しながら、「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」「進研模試」などのサービスを多くのかたにご活用いただいています。
そうしたサービスで、子どもたちや人々の向上意欲のサポートをすることに貢献しながら、同時に、「未来に向けて、人の『よく生きる』がどう変わっていくか」を予測しながら、教育の未来構想をしてみよう、という活動が、社長の声かけで始まりました。
たとえば、さかのぼれば明治維新以降の教育は、いわゆる知識追求型で、高い学歴、高い偏差値をめざして、社会全体が一律の価値観にあるゴールに向かっていくような学び方が主流でした。実際に、それにより、よい大学に入り、有名企業に就職して、安定した生活を得ることが可能となり、日本の高度経済成長期を支える学び方だったといえるでしょう。
そのようななか、AIなどのテクノロジーの発展がめざましく、グローバル化がますます進むなど、時代が急速に変化する中で、「学歴や成績だけでない多様なゴール観」を人々が意識するようになってきたと思います。もっと、各人のもつ多様な個性の輝きを活かしていくような社会創造、誰一人取り残さないサステナブルな未来創造に社会全体の意識が向かっていると思います。今後もその変化はハイスピードで進むでしょう。
そうした時代の速い流れにおいて、ありたい未来の理想を引き寄せて考えたときに、子どもの個々の輝きを引き出し、伸ばしながら、実際の社会課題と結び付けていけるような教育の在り方を探り当てていきたいと考えました。そんなふうに“未来起点”で発想することを目的に、このプロジェクトがスタートしました。
―教育業界に長く、広く携わっている御社だからこそ、見えてきた「過去の課題」や「未来への希望」があったのですね。
そうかもしれません。社内の議論を温めながら、同時に、「未来の創造」なのだから、「この議論をもっと社外に拡げて構想していくべきだ」という想いに至りました。
そこで立ち上げたのが、「未来の学びデザイン300人委員会」と、「未来会議」です。
「未来の学びデザイン300人委員会」では、社会の各フィールドで活躍されている、起業家や研究者、学校や大学の先生など、「その道のプロフェッショナル」なかたがたにお集まりいただいています。まさに「未来の創造」に取り組んでいらっしゃるかたがたです。
また「未来会議」では、現在、子育てをしている保護者の皆様にお集まりいただき、保護者や子どもたち、当事者の意見や想いを受け止めながら、さまざまな立場の人にとって、共通了解となりえる「あるべき未来の教育」の姿をあぶりだしていこうと努めました。
その議論の中で、「少人数・対話型のライブレッスンはどうか?」という構想が具体化したのです。
未来の可能性を拓く「ウェルビーイングとテクノロジー」
―委員会ではどのような議論が行われたのでしょうか?
いろいろな議論がありましたが、共通していたのは、社会通念としてある"ものさし"に自分を当てはめるのではなく、自分なりの「ウェルビーイング」をめざしていくことが大切ではないか、ということです。
幸せの定義は人によって異なります。たとえば、一般的には「お金がたくさんあれば幸せ」と思われがちですが、「ウェルビーイング」「幸福学」を研究されている慶應義塾大学の前野隆司先生によれば、ある一定の収入を超えると幸福度は横ばいになるそうです。つまり、幸せになるためのお金、という考え方はある程度必要としても、いたずらにお金だけを求めて生きるのが幸せとも言い切れないわけです。
では、どのような生き方が「幸せ」なのか?それは本来は、ひとりひとりが模索しながら答えを出していくべきものなのでしょう。私たち「みらいキャンパス」がめざすのは、子どもたちが、自分に「OK(いいね!)」を出しながら、自己肯定的に、自身のウェルビーイングな生き方をデザインしていく「自己探究力」「ライフデザイン力」を身につけていける未来なのです。
―これだけ変化の激しい社会ですと、「ウェルビーイング」だけでなく、子どもたちの「学び方」もますます変わっていくのでしょうか。
そうですね。とくにインターネットやスマホ、SNSなど、テクノロジーの進化が社会に与えた影響は大きいと感じます。今後、AIの進化や浸透によって、より人間らしさが求められていくなどの変化もあるでしょう。
それに応じて教育環境も変わっていきます。現状も、コロナ禍に一気に進んだGIGAスクール構想(学校におけるひとり一台タブレット・PC)により、子どもの学習環境は大きく変化しました。今後はAIを活用した個別最適な学び方もより進んでいくでしょう。個人の学習履歴を一生持ち運ぶ、といった考え方も、ブロックチェーン技術などにより実現されていくといわれています。
かつて、子どもたちが身に着けるべきリテラシーは「よみかき・そろばん」などと言われました。そして昨今では「ITリテラシー」が必要といわれており、そして今後は「プログラミング」のほか、「AIリテラシー」(AIを使いこなす能力)なども問われてくるかもしれません。
子どもたちが無理なく、自然にさまざまなテクノロジーに触れながら学びを進めていけるような学習環境を提供したいと考えています。そのために、みらいキャンパスでも、さまざまなテクノロジーを活用した講座をご用意しています。
みらいキャンパスのレッスンについて
―ではいよいよ、2023年に開講した「みらいキャンパス」の内容について教えてください。みらいキャンパスは、少人数制のオンライン対話型の講座です。講師を務めるのはさまざまな領域で活躍されているプロフェッショナルな方々で、子どもたちのロールモデルになっていただきつつ、子どもたちと対等な立場で、対話をしながら学びを深めていきます。
講座の内容もバラエティ豊かで、たとえばサイエンス領域では「塩の力でスーパーボールづくり」といった楽しいアクティビティに取り組めます。数や図形を学べる講座では、空間をイメージしながら自分だけの「夢のおうち」を設計するという一級建築士によるワークショップ(全4回)などを提供しています。そのほか親子で一緒に学べる授業もあり、親子間で対話を深めるきっかけにもなるのではと考えています。
ご提供価格は、ご家庭へのご負担を最小限にしたく、レッスン1回につき、1,000円台〜3,000円程度の範囲に収めました。クラスは6人〜8人ほどで、異年齢のお子さまが自然に混じり合い、対話が活発化しやすい編成です。
―異年齢での学びとなると、知識や表現力の差がネックになってしまいませんか?
異年齢クラスは、むしろ学びを促進すると考えています。というのも、同じ年齢の子どもだけが集まるクラスでは、能力的にも「同じ」であることが求められるためです。本当はいろいろなタイプの子がいて、強みもトクイもみんなそれぞれ違うのに、年齢が同じというだけで「進みが遅い」「発言が変だ」ととらえられてしまうことがある。すると他の子も、発言しづらくなる……。これでは、自由闊達な対話は難しくなってしまいます。
異年齢クラスなら、そもそも年齢が違うので、発言の内容も知識レベルも異なっていて当たり前です。多様性が受け入れられる空気ができていると、「変なことを言ってはいけない」と臆する心配もありません。それぞれが伸び伸びと振る舞いやすい環境なのです。多様な個性が見られて楽しい場ですよ。
―多様性に関していえば、講師のかたがたも「ウガンダ在住の社会起業家」や「アフリカに井戸を掘った方」など、たいへん個性的ですね。
おっしゃる通りです。みらいキャンパスでは、あらかじめ教科や領域の枠組みを定めてから講師を探すのではなく、純粋に「面白い!」「ぜひ子どもたちと話してほしい!」と感じた方に講師をお願いしています。
わたし達はこの環境を、自分だけのロールモデルに出会えるヒューマンライブラリ(人間図書館)のようなものだと考えています。図書館(ライブラリ)でワクワクしながら本を選ぶように、面白そうと感じた講師に出会いながら、その講師の人間性や経験、「なぜその道に夢中なのか」をまるごと学ばせてもらうイメージです。
みらいキャンパスの講師は大変ユニークな経歴の方が多いので、一般的な「先生」のイメージとは異なるかも知れません。「教える側」「教えられる側」という上下の関係にわかれることなく、一体感をもって対話の中で学びを進めていくので、子どもたちの人間性との素敵な化学反応がたくさん見られます。
講師は子どもたちをありのままに受け止める!オンラインでも熱く、温かく、つながれる!
―実際にみらいキャンパスを開講して印象に残っている講座はありますか?
思い出深いのは、未来の学校を創る講座です。この講座では、遠くに住む異年齢の子ども同士の間で、教え合ったり、アイディアを相談したり、という協働のシーンがたくさんあるので、互いにどんどん親しくなりました。レッスン後に、ご家族との夕食の席で「今日はこんなことがあったよ」と興奮気味にお話をされていたそうです。
すると、ご家族も「どんな様子なんだ」と講座をのぞきに来られるようになりました。講座の最終回では、ごきょうだいが出てきたり、ご家族同士で最後に感謝を伝え合うなど、実ににぎやかで感動的なシーンとなりました。学校や習い事とは異なり、「ご家庭のリビングで」受講するからこそ起こる、ご家族を巻き込んだ化学反応なども、新しい可能性ですし、おもしろいな、と感じました。
―そこまで講座が盛り上がるとは、オンライン教育のイメージを覆されます。
このような化学反応が生まれるのは、講師の皆さんの人間力のおかげと思っています。レッスンを見ていると、講師のみなさんが「いいね、すごいね!」と肯定する機会の多さに驚きます。小さな発言や反応を見逃さず、肯定的な言葉で受け止めると、子どもたちの表情がパッと明るくなるんです。講師に受け止めてもらえることが嬉しくて、楽しくて、どんどん自分のことを伝えたくなる。このサイクルが繰り返されることで、自己表現力が自然と高まっていくのです。
さらには、講師の「受け止める力」もポイントです。たとえば粘土で工作をしているとき、目がひとつしかついていなければ、大人はつい「まだ途中?」「右目はつけないの?」などと言いたくなってしまいます。みらいキャンパスの講師は、そのように大人の視点や判断基準で誘導やジャッジをできるだけしないようにしています。子どもが進めたいところまで進め、頼ってくる様子があればそっと寄り添う。終わりのようなら「これで完成?」とたずね、子どもが「うん、完成!」と満足しているようであれば、大人には「途中」に見えても、そのまま受け止めるのです。
おとなが設定する一律のゴールに、皆でたどりつくことを目的とせず、「こういうものを創りたい」「これをもっと学びたい」という、ひとりひとり、オンリーワンのゴールをめざしていくこと。その過程で「探究力」は養われていきます。子どもたち、ひとりひとりに丁寧に向き合い授業をつくりながら、探究力を育む学びの場をめざしていきたいと思います。
大人も子どもも学び合い個性を開花させていく教育へ

―最後に、みらいキャンパスの学びを通じて実現したい未来像をお聞かせください。
わたし達みらいキャンパスは、まだ生まれたてのホヤホヤです。そんななかで、将来的に実現したい「未来像」は3つあります。
- ひとりひとりの好き、学び、得意を突き詰めていける「没頭体験」の場を保証すること
- 学びを自己決定しながら、対話の中で個性を開花させていけること
- おとなも子どもも学び合うコミュニティの形成
みらいキャンパスではこれからもさまざまなテーマの講座を提供していきます。新たな講師も順次お迎えし、全国のお子さまの個性を引き出し、伸ばしていく講座へと育てていくのがわたし達の願いです。みらいキャンパスについてのくわしい情報は公式サイトにてご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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