プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

先生に「正解」を求めない子どもに。ステモンのSTEM教育レポート!

学習指導要領の改訂で変わるのは「プログラミング教育の必修化」だけではありません。「学び方」にもまた、変化が訪れようとしています。

「主体的・対話的で深い学び」と表現される新しい学び。与えられた知識をただ覚えるのではなく、自ら興味を持ち、得た知識を活用することが求められるのです。

今回は子ども達の自発性・創造性に重きを置いたカリキュラムを展開するSTEM教育スクールの「ステモン」を取材しました。



生活に直結したテーマで、子ども達の知的好奇心を刺激


教室に入ってまず目につくのは、カラフルなブロック教材。まるでプレイルームのような色合いで、子どものクリエイティビティが刺激されます。棚の上にはブロックを使った作品例がズラリと並びます。真似をして作るだけでも発想力のトレーニングになりそうです。


今回、メインで取材させていただいたのは小学1年生が対象のクラス。テーマは「信号機をつくろう」で、電球を使った簡単な回路を学びます。単に回路のしくみを知るだけでなく、「信号」という生活に直結したテーマで扱っているのがポイント。



日常と関連させるのは「週に1回、授業の時間だけ勉強するのでは、あまり知識が身につかない」という代表の考えがあってのこと。そうではなく、授業をきっかけにして身の回りのことに興味を持ち、日常をすべて学びの時間に変えることが大切なのです。

実際に、通っているお子さんがコンビニのペットボトルの棚に興味を持ったケースもあるそう。傾きがついていて、レールでころころ……と商品が繰り出されてくる、あの仕組みです。

人の手を借りなくても商品が手前に揃ってくれる便利な仕組みですが、そこにきちんと気付けるのはスゴイ!教育の効果がしっかり出ています。


前のめりで取り組む子ども達。活発な発言がこだまする!


ショート回路など、やってはいけないルールを確認していざチャレンジします。身を乗り出して手元を見つめる子ども達、さっそくつないでみる子ども達。テキストを見ながらじっくりと作る子もいれば、早々と完成させてお友達に見せに行く子もいます。


わいわいと熱気に包まれる教室について「ずっと黙ったままでは、いざ意見を言わせようとしても声が出ないですから」と中村代表。

小学校では人数が多いため、どうしても「じっと座らせること」「静かにさせること」に意識が向いてしまいます。でも、ステモンの授業ならある程度の盛り上がりはOK。自由な発言を認めることで、思いついたアイディアや工夫をどんどん発信できる空間にしているそうです。

授業では実際に、気付いたことを自発的に書きとめたり、先生に報告したりする生徒さんが目立ち、発見の連続という雰囲気でした。


プログラミングコースでも自発的な学びを


学年が上がり、プログラミングのコースでは少し落ち着いた雰囲気になります。来て早速パソコンを開き、作品作りを始める子ども達。先生のサポートも受けながら、真剣な表情でオリジナルのロボットを製作していました。



代表にインタビュー

公立小学校で初めてプログラミングの授業を担当

—本日はありがとうございました。さっそくお聞きしていくのですが、ステモンというスクールはいつごろ開校されたのでしょうか。

ステモンは2014年の4月に、STEM教育、とくにエンジニアリング(技術教育)がやりたいなと思って始めました。

日本・アメリカ・シンガポールの教育現場へ出向いた際、STEM教育に触れ「これはすごい!」と感じたんです。

そこから、2015年度には日本で初めて公立の小学校でプログラミング教育を担当しました。3年生から6年生まで年間15時間ずつ、合計で100時間くらい授業をしました。

この実践を通して、カリキュラムの内容をブラッシュアップしていきました。パソコンをどのくらい使うかとか、条件分岐の数をいくつにするかとかですね。

—「STEM教育がやりたい」がきっかけとのことですが、初めから教育業界にいらっしゃったんですか?

いえいえ。大学では教育を専門とし、小学校教諭の免許も持っていますが、働いていたのは不動産業界や医療介護業界の人材事業です。

大手・ベンチャーのどちらにも勤め、とくにベンチャーに関しては創業後間もないころに入社したのですが、最終的には人事の責任者をやっていました。

人材の採用や育成を担当し、また、自分自身に子どもが生まれたこともあって教育に興味が出まして、ステモンを立ち上げたという経緯です。

ステモンでは講師の育成にも力を入れているとのこと



—多角的に活躍されているんですね。細かいことですが、STEAM(理数+アート)ではなくSTEM教育なのには何か意図が……?

ステモンでの学びには当然、アートの要素もあります。創作するってアートですからね。そういう意味ではSTEAM教育を行っていることになります。

ただ、STEM教育がSTEAM教育になったのと同じく、最近ではSTREAM(ロボット教育が追加されたもの)なども出てきていますよね。

そのたびに変更していたのでは保護者の方が混乱してしまうので、わかりやすくSTEM教育というコンセプトに絞ってあります。

カリキュラムは毎年ブラッシュアップ


—教室の雰囲気が活発なのに驚きました。自由に制作する形式にすると、教室としての力が問われますよね。

そうですね。カリキュラム作りの難しさはあります。

というのも、完全に自由としてしまうと、学びの要素が入らなくなるんです。好き勝手なものをブロックで作ったり、騒いだりするだけで、知識が身に付かない。

それでは学びにならないので、自由と学習のバランスは常に模索しています。


「他人に正解を求めない人を育てる」


—最後に、ステモンの教育で大切にされていることは何ですか?

自由に表現することです。ものの仕組みを学んだら、そこで終わるのではなくて、仕組みを生かして何かを作る。それを大切にしています。

というのも、人事を担当していたときに「大人は、他人に正解を求めるようになってしまうんだな」と気付いたんですね。

白い紙をパッと渡されて「自由に描いていいよ」と言われても、何を描いていいか分からない。どこかに”正解”があると思ってしまって、描くのが怖いんです。

でも、社会に出たら正解のない課題に取り組まなければなりません。教室なら先生が答えを教えてくれるけど、大人になったら自分で考える必要がある。

失敗を恐れずに学んだり、表現したりする力が大切なのですが、そうした力を大人になってからつけるのは難しいんです。そこで、子どものうちから育もうと。

ステモンの授業を通して「とりあえずやってみよう」と考えられるような子どもに育てたいと考えています。

—ありがとうございました!



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