在宅フリーランスの孤立感を乗り越える|自由と安定を叶えるヒント【体験談あり】

在宅フリーランスの孤立感を乗り越える|自由と安定を叶えるヒント【体験談あり】
在宅フリーランスの働き方に迫るシリーズ「在宅ワークのその先へ!フリーランスが語る生存戦略」。今回のテーマは、在宅フリーランスが抱えやすい課題の一つ「孤立感」です。

在宅で働く自由なスタイルは魅力的である一方、同時に孤立感を生みやすい側面があります。同業者との交流を通じて悩みや不安を解消している人も多いなか、一部では「人とつながる必要性がわからない」「コミュニティに参加しても馴染めず退会してしまった」といった声も耳にします。

交流に積極的になれない背景には、フルリモートで働いていたり、深いつながりは負担に感じる人が多かったりと、在宅フリーランスならではの実態があるのかもしれません。

それでも、他者とのつながりは単なる交流にとどまりません。情報収集モチベーションの維持仕事の幅を広げる手段として重要な役割を果たします。「つながり」を意識した働き方は、在宅フリーランスが直面する課題を乗り越えるための鍵となり得るのです。

この記事では、在宅フリーランスが感じる孤立感やその背景を掘り下げるとともに、課題解決のための具体的な方法をリサーチしました。在宅フリーランスを長く続けたい方、あるいはこれから独立を考えている方にとって、「つながり」を見つけるためのヒントになれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。

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自由と安定の間で揺れるフリーランスの実態|人とのつながりで不安を解消

まずはフリーランスの働き方実態を探るべく、株式会社マイナビが実施した「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版」を見てみましょう。

調査によると、元会社員(正社員)からフリーランスへ転身した人の約半数が収入減を感じている一方、62.1%が働き方に満足していると回答しています。その理由として、「仕事の進め方の自由度が高まった」と感じる人が多く、次いで「私生活の幸福度が向上した」という声も多く挙がっています。

出典:「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版

一方で、収入の不安定さや老後への不安といった課題は依然として大きなテーマです。こうした不安に対しては、以下のような工夫をする人も見られます。

「収入に波がある・不安定」「収入額が少ない」への対処・対策
【収入やリスクへの対策】

  • アルバイトを行って、定期収入を同時に得ている
  • 安定した収入につながるように、いろいろな案件に応募している
  • 複数の業務委託を受けてリスクヘッジを行っている
  • 本業と副業を行い老後に備えようとしている
  • もう少し収入が増えるフリーランスの仕事に変更しようかと考えている
【人との交流を活用した対策】

• 定期的に得意先をまわり、レギュラーの仕事が増えるように努力している
色んな人に知ってもらって認知度を上げてる
人との繋がりを年齢を問わず積極的にするようにしている
【その他】

  • 無駄遣いをしないよう気を付ける
  • なるべく無駄な出費はせずに貯金やリスクの少ない投資をしている
  • まとまった収入がある月でも節約する。収入の少ない月(仕事の少ない月)はポイ活をする
  • 健康管理や資産状況管理
  • 仕事の効率化、質の向上など改善できるところは改善していっている
引用:株式会社マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版

こうした取り組みの中で、「人とのつながり」は、フリーランスが直面する課題を乗り越える重要な手段となっています。同業者やクライアントとの交流を通じて情報や仕事のチャンスを得るだけでなく、不安を解消する大きな助けにもなるのです。

さらに、近年では副業を解禁する企業が増えていることから、フリーランスと会社員の二足のわらじ生活を検討する人も増加しています。このような働き方の多様化は、人とのつながりを通じてフリーランスの安定感を高める方法のひとつです。

しかし、在宅メインで働くフリーランスにとって、こうした「つながり」を築くのは必ずしも簡単ではありません。「人と関わるのが苦手」「交流に時間を割くのが難しい」と感じる人も多く、孤立感を抱えるケースも少なくないようです。

在宅フリーランスは孤立感が強い

在宅メインで働くフリーランスのみなさんに話を聞いてみたところ、孤立感に関してはさまざまな意見が寄せられました。

「孤立感が強い」の声
Aさん

仕事の愚痴や悩みは同業の方と話さないとそもそも伝わらないので、その点では孤独を感じます……。

Bさん

めちゃめちゃ孤立感を感じます。偶然ママ友に会ったときなんて、思わずマシンガントークをかましてしまいます!



「孤立感が心地よい」「程よい距離感がよい」の声



Cさん

孤立感を感じていますが、一人大好き人間なので心地良いです!ただ、最近出会った人がまさかの同業者だったときは「仲間もいいもんだな」と思いました。仕事について共感してもらえたり励ましあったりできるのは大きい……。

Dさん

人付き合いが苦手なので孤立感は感じませんが、人とつながらないと情報を得られないので、ゆるっとつながっていたいと思っています!

Eさん

コミュニティはいくつか入ったことがあるんですけど、主催者側は「コミュニケーションがとれる場を作りたい!」思いがあるので、活発なコミュニケーションを求められてしまうんですよね。たまに見て「ほうほう……。」くらいの距離感が良いのですが、それだと主催者は許してくれない(笑)良い塩梅がホント難しい世界だなーと思います。

Fさん

コメントや発言にアクション・返事を要求しないコミュニティが理想!

在宅フリーランスは、フルリモートでの働き方や同業者が身近にいない環境が影響し、強い孤立感を覚える方も少なくありません。一方で、孤立感を心地よく感じ、積極的な交流を望まない人もいます。
コエテコライター・浜本
コエテコライター・浜本

孤立感を感じている人が多い一方で、全員が深い関わりを求めているわけではなさそうです。次の章では、程よい交流方法を具体的にご紹介します。

では、孤立感が課題となる一方で、適度なつながりが在宅フリーランスにとってどのような役割を果たすのか、具体的に見ていきましょう。次の章では、「コミュニティ」「企業・チームへの所属」「SNS」といった交流方法を取り上げ、それぞれのメリットとデメリットを詳しくご紹介します。

在宅フリーランスの交流方法1|コミュニティで支え合う

孤立感を解消する手段の一つとして、フリーランス向けのコミュニティへの参加が注目されています。最近では、スキル習得スクールが「受講生同士で交流できる場」を特典に含めるケースも増えており、コミュニティの選択肢は多岐にわたります。

フリーランスのつむぎさんの体験談

そこで実際にコミュニティを活用しているフリーランスの声を聞いてみましょう。今回は、SNSマーケティングに特化したコミュニティやノートサロンに参加されているつむぎさんにお話を伺います。

出典:Instagramアカウント「tsumugi.mamaup

Q:どんなコミュニティに入ったことがありますか?

SNSマーケティングに特化したコミュニティノートサロン(ノートを使って感情や状況を整理したり……)などに参加したことがあります。インフルエンサーさん含めマーケティングを頑張りたい人達が100名以上参加されているコミュニティは、「人生を本気で頑張りたい」と、熱い気持ちを持つ方が多い印象です。

また、コミュニティ内ではセミナーやオーナーさんのコラムなどをとおしてSNS運用に役立つ新しい気づきや学びを得られます。たとえば、「フォローされるアイコン作り」を深掘りするトピックなんかもあるみたいです。その他にもslackで活動報告や雑談をしたり、Zoomでランチ会を開催したり、メンバー同士で交流できる環境もあります。

Q:コミュニティを知ったきっかけは何ですか?

最近入ったコミュニティで言うと、元々プライベートのアカウントでフォローしていた方が、そのコミュニティのオーナーさんを紹介されていたのがきっかけです。その後オーナーさんの動画を見たときに話し方が印象的で、聞き取りやすかったのが大きな決め手になって参加しました。知り合いがいないのに飛び込んだのはこのコミュニティくらいです。

Q:現在、コミュニティをどのように活用していますか?

現在入っているコミュニティでは、私はどちらかというと「見る専」です。特別自分から何か発信しなくても、コミュニティに入ってるだけで話しかけられることがあるんです。入ってすぐ、私のセミナーに数人参加してくれた方がいたり、「10期生のつむぎさんですよね」と声をかけられたりしました。

一方で活動報告や雑談などで積極的に発信されている方については固定メンバーになりがちですが、たまに顔を出しても温かく迎えてくれるコミュニティです。

昼に解放されるZoomランチ会だけに顔を出すだけの方もいるし、私のように見るだけの方もいるし、自由に、自分に合ったスタイルで利用できるのが良いところだと思います。オーナーの方も「(利用スタイルについては)なんでもいいよ」とおっしゃっていました。


Q:(コミュニティの運営もされているとのことで)コミュニティの運営側として、どんな変化を感じていますか?

月1回zoomに集まって自分を振り返るコミュニティを1年ほど運営してきましたが、最近は参加者からの要望が変化してきたと感じます。

たとえば「もっとフィードバックがほしい」「アウトプットの場がほしい」「交流の頻度を増やしたい」といった声が増えてきたんですね。子育て中の方からは、「とにかく大人と話したい」といった思いも感じます。運営側としてはもっと交流できる環境を提供するべく、アウトプット用のオープンチャットを活用しようと考えています。

また、月イチの頻度でも、ご家庭の事情や子育てでなかなか参加できない方はいらっしゃいます。しかし忙しい中でも、みなさんコミュニティへの参加は継続してくださるんです。「環境を変えれば何か変わるかも」といった思いで参加される方がいるのも、コミュニティの特徴かもしれません。
コエテコライター・浜本
コエテコライター・浜本

交流意識の高いメンバーが集まる環境では、ただ所属しているだけでも自然と声をかけてもらえるのが魅力のひとつですね!有料サービスは敷居が高いイメージですが、環境をガラッと変えてみたい方にはピッタリですね。


つむぎさんにはコミュニティに所属するメリットを教えていただきました。さまざまな意見からあえてデメリットにも触れるとすれば、コミュニティの活用については以下のように考えられそうです。

コミュニティに所属するメリット コミュニティに所属するデメリット
  • 新しい知識や業界情報を獲得しやすい
  • メンバーの活動に刺激を受け、モチベーションを保ちやすい
  • 新しい仕事につながる可能性がある
  • 活動に時間を割く必要があるケースが多い
  • 数百円~数千円の月額費用が必要
  • 温度感や交流頻度が合わず、負担に感じることもある

多様な目的やスタイルを持つ人が集まるコミュニティもあれば、ニッチな目的に特化したコミュニティもあるようです。もちろん「いるだけ」での参加でも問題ありませんが、費用をかけていることで心理的負担を感じる方もいるかもしれません。だからこそ、自分に合ったスタイルで利用できる場を見つけることが重要です。

在宅フリーランスの交流方法2|企業やチームで安定を得る

在宅フリーランスの交流方法2つ目は「企業やチームで安定を得る」といった方法です。

在宅フリーランスとして働きながら企業やチームに定期的に関わることは、調査結果でも挙げられているリスクヘッジの一つ。副業OKの企業に所属したり、制作チームを組んで大口の案件を確保したりする方法は収入の安定を図るだけでなく、他者との交流や学びの場を得る機会でもあります。

また、「フリーランスを副業にしたい(別の本業も見つけたい)」といった声も聞かれますが、背景には収入や環境の不安定さが大きく影響しているでしょう。フリーランスという働き方を選ぶ理由の一つには、健康上の問題や家庭の事情で会社勤務が難しいケースが含まれているため、社会保障や安定した収入を求める声は根強いのが現状です。

コエテコライター・浜本の周りでも、「フリーランスになったものの、安定した正社員に戻りたい(けど定期家庭の事情で戻れない)」「フリーランスを経てフルリモート正社員に転職した」といった声を聞くことがあります。
編集
コエテコライター・浜本

駆け出しフリーランスの頃、仕事が軌道に乗るまでの間は週2回のパートと掛け持ちすることで、「人の役に立てている」実感を得ていました。外で働くことは単なる収入補填ではなく、自己効力感を得るための心の支えでした。

また、フリーランスとして数年活動したのちにフルリモート企業との掛け持ちをした経験もあります。業界未経験でフルリモート企業に就職するのは難しく思えますが、フリーランスとして数年積み上げたスキルがキャリアの一助になりました。

企業やチームにも所属するメリット 企業やチームにも所属するデメリット
  • 定期的な出社で、自分の存在が認められている実感を得られる
  • 他者からのフィードバックやサポートが得られ、成長を実感できる
  • 一人で作業を続ける孤独感から解放され、適度な人間関係を構築できる
  • フリーランス特有の自由度がやや減る
  • 通勤時間や移動コストが負担に感じることがある
  • 人間関係やコミュニケーションでストレスを感じる可能性がある

企業やチームに定期的に顔を出すことで自分の居場所を確保できるのは大きいメリットです。自分の存在が認められ、日々の成果が共有されることで、ただ一人で作業を続けるのでは得られない安心感を得られます。また、成長を見守り、適切なアドバイスをくれる環境があることは孤立感を感じにくくするための有効な手段ともいえるでしょう。

在宅フリーランスの交流方法3|SNSで気軽に人とつながる

在宅フリーランスの交流方法3つ目はSNSの活用です。

SNSは在宅フリーランスにとって、孤立感を和らげながら、自分と似た趣味嗜好や価値観を持つ人々とつながる手軽な方法です。近年、Z世代の間で「○○界隈」という言葉が広く使われているように、SNSは共通の関心を持つ人たちによる小さなコミュニティを形成する場となっています。

たとえばハッシュタグや投稿内容を活用することで、自分の属性や興味に合った投稿を簡単に見つけられます。「#副業」「#在宅ワーク」「#ママフリーランス」といった特定のテーマに基づいた検索を通じて、同じ境遇や価値観を持つ人々とつながれるのが特徴です。SNSの手軽さは、特に自宅で働くフリーランスにとって非常に魅力的なポイントでしょう。

また、SNSごとに特色があり、それぞれの利用シーンに合わせた選択が可能です。たとえば、XやInstagramではイラストアイコンや架空の名前でも活動しやすく、匿名性を保ちながら交流を広げられます。テキスト特化型のThreadsでは、利用者数が比較的少ないことや明確なカテゴライズ機能があるため、長文の「ぶっちゃけ話」が投稿されることも珍しくありません。一方、Facebookは実名や顔出しのアカウントが多く、より現実的で信頼感のあるコミュニケーションができる場となっています。
コエテコライター・浜本
コエテコライター・浜本

私自身も、SNS上で知り合った在宅フリーランスの方々と子育ての悩みや仕事の悩みについて励ましあっています。SNSなしにはフリーランスは続けられなかった……!

SNSで知り合った方々と「Zoom作業会」を開催した経験もあります。雑談や交流よりも黙々と作業に集中したいニーズがあったため「入室の挨拶ナシ」「顔出しナシ」「マイクオフ」のルールで、ピンポイントのニーズに特化したつながりも実現しました。

SNSを活用するメリット SNSを活用するデメリット
  • 小さなコミュニティで共感の声や安心感を得られる
  • 同業者のリアルな声や役立つノウハウを得やすい
  • 無料で利用できる
  • 情報が偏りがちになる
  • 深い信頼関係を築きにくいケースも多い
  • アカウント設定や発信を工夫する必要がある

SNSは単なる情報収集や発信の場にとどまらず、共通の価値観や目的を持つ人々とパーソナルな関係を築けるプラットフォームでもあります。在宅フリーランスとしての働き方を支える一助となり、時には仕事へのモチベーションを高める重要な場として活用できるでしょう。

在宅フリーランスの交流方法4|イベントや交流会に参加する

在宅フリーランスにとって、イベント交流会は新たな情報や人脈を得られる貴重な機会です。信頼度が高い団体が開催するイベントであれば初めてでも参加しやすく、同業者と直接交流できる場としても最適です。

イベント・交流会探し方の例

  • SNSで情報をキャッチする
    同業者をフォローすれば、Xスペースやオンラインイベントの告知を受け取れる。
  • スキル習得系スクールで開催される無料イベントに参加する
    初心者でも気軽に参加しやすく、新しいスキルを学ぶきっかけに。
  • 業界団体の告知をチェックする(例:フリーランス協会
    定期的に行われる信頼性の高いイベントにアクセス可能。
  • イベント集客プラットフォームを活用する(例:こくちーずPeatix
    関心に合ったイベントを検索可能。トレンドを把握できる。

XやInstagramなどで同業者をフォローしておくと、個人で開催されるイベント情報をリアルタイムで受け取れます。また、業界団体の告知や「こくちーず」「Peatix」などを活用すれば、自分のスケジュールや目的に合った交流会を効率よく見つけられるでしょう。

出典:イベント | フリーランス協会

また、「対面イベントはハードルが高い」と感じる人も少なくありません。特に初めて参加する場合は不安がつきものですが、うまく活用すれば大きなチャンスになることもあります。イベント会場に直接足を運ぶのが難しい場合、オンラインイベントもおすすめです。

イベントや交流会参加のメリット イベントや交流会参加のデメリット
  • 業界の最新情報やトレンドをキャッチできる
  • 同じような課題や目標を持つ人と直接つながれる
  • 適度なリフレッシュになる
  • 対面イベント地方での選択肢が少ない
  • 交通費や参加費の負担がある
  • イベント選びのスキルが必要

コエテコライター・浜本
コエテコライター・浜本

最近SNSで「クリエイターEXPOに参加した」といった体験談も目にしました。自分が出展するのはハードルが高いですが、さまざまなジャンルのフリーランス・クリエイターが集うイベントにふらっと行ってみるだけなら、気軽にチャレンジできそうです。

自分に合った交流方法を見つけよう

在宅フリーランスにとって、孤立感情報不足モチベーション維持といった課題は避けられません。しかし、「つながり」を意識した働き方を取り入れることで、在宅フリーランスの課題を乗り越えられる可能性があります。

今回は有料コミュニティやSNS、企業・チームへの所属、さらにはイベント参加など、自分に合ったつながり方をご紹介しました。自分にとって気軽に情報交換をしたり、同業者と悩みを共有したりする場所が見つかれば、在宅フリーランス生活がより充実したものになるでしょう。適度なつながりを大切に、あなたらしいフリーランス生活を築いてみてはいかがでしょうか。

在宅フリーランスの働き方に興味がある方は、ぜひ「在宅ワークのその先へ!フリーランスが語る生存戦略」をお気に入りに登録して、次回の更新もチェックしてみてください!

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