メタバース空間で学ぶプログラミング教室「Meta Nexus」に潜入!授業で身につけてほしいスキルとは
従来の学びの空間とは一線を画すこの教室は、事業責任者の宮本正志さんが療育現場で得た気づきと、対面型プログラミングスクールの運営で培った知見を掛け合わせて生まれたといいます。
Meta Nexusの教室にはどういった仕掛けが用意され、子どもたちはどんな力を伸ばしていけるのでしょうか。バーチャルコミュニケーションツール「oVice」を使った教室内を案内してもらったので、記事の前半ではその様子をレポートします。
後半では、宮本さんにメタバース型スクールを立ち上げた背景と、子どもたちに育んでほしい力について伺いました。
まずは教室ツアーへ!メタバース空間を歩いてみた
まずは、授業が行われるメタバース教室を案内してもらいました。アバターで歩いて回る感覚が新鮮で、実際の教室を見学しているような気分になります!
タイピングコーナー
最初に案内してもらったのは、タイピングが練習できるコーナー。
Meta Nexusでは、授業の始めにウォーミングアップとしてタイピングを行います。生徒のレベルに応じたタイピングゲームが用意されているので、無理なくステップアップできます。

続いては、個別学習を行う教室へ。
各教室には本棚が置いてあり、クリックすると授業で使うカリキュラムがその場で開きます。テキストを手元に用意しなくても学べるのが便利です。
さらに、教室正面のホワイトボードをクリックすると、プログラミング共同編集ツール「プログミー」が起動。プログラミングの内容を講師がチェックしたり、生徒同士で共同制作を進めたりする時に活用しているそうです。

壇上での作品発表では、生徒同士でリアクションを伝え合う
こちらは、定期発表会用のステージ。Meta Nexusでは、教室で制作した作品の見どころを自分の言葉で伝える定期発表会を開催しています。
開催時期は、春・夏・冬の全3回。アバター姿とはいえ、いざ壇上に立つとドキドキしそうです……!なお、発表は保護者も視聴できます。

グループアクティビティの様子
最後に案内してもらったのは、3D空間「ドージョー・アイランド」。モンスターのアバターを動かして、協力プレイ型のゲームやアクティビティを楽しめるスペースです。授業後半のグループアクティビティの時間に活用されているとのことでした。
見学後は、アバターのままでインタビューを実施。oViceは顔出しもできるので、宮本さんの表情を見ながらお話をお聞きできました。
保護者の悩みが、プログラミング教育事業の原点になった
――Meta Nexusを作るまでの背景について教えてください。宮本さん:Meta Nexusは、保護者の方々のお悩みや、対面レッスンのプログラミングスクール「SEAQ Plus」での運営経験をもとに生まれたスクールです。
Meta Nexusの運営元である明和は、プログラミング教育事業を立ち上げる前から、食や健康にまつわる事業を運営していました。「大人に食の知識や食を選ぶ力を身につけてもらい、子どもたちに受け継いでほしい」といった思いから、食育をテーマにしたセミナーを地域の保育園や幼稚園で開催していたのです。
しかし、セミナーを通して多くの親御さんとお話しする中で、発達面で悩みを抱えるご家庭の相談を受ける機会が増えたことを感じました。子どもの将来に不安を抱く親御さんの姿を目の当たりにして、私自身も子どもたちをサポートする手段を模索しました。
そこで、最初は児童発達支援の一環として、療育現場でプログラミングの指導に携わることにしました。
プログラミングは、論理的思考力や問題解決力、想像力など、未来を生き抜くために必要なスキルを伸ばすのに適しています。日本でも、2020年度から小学校ではプログラミング教育が必修となり、その重要性が高まっているのを感じます。

一方、指導を通して、プログラミング能力を活かすためにはソーシャルスキルが大事であることも実感しました。
ソーシャルスキルとは、社会の中で他者と関係を築いたり、生活を営んだりするために必要とされるスキルです。具体的には、日々のあいさつをはじめ、相手の話を聞く、自分の考えを言葉で伝える、周囲と協力する、助けを求めるといった対人関係能力を指します。
ソーシャルスキルが十分に育っていないと、いくらプログラミング能力が高くても「意見を言えない」「周囲と協力できない」といった課題にぶつかり、本来の力を100%発揮するのが難しくなります。将来社会に出た時も、対人関係でつまずきやすくなるでしょう。
そこで、プログラミング学習を軸にしながらソーシャルスキルを育む場として、対面授業が中心の「SEAQ Plus」を設立しました。しかし、感染症の流行によって、対面レッスンを休講せざるを得ない時期が続いてしまいます。
そこで、教室に通わなくても学べる環境を作ろうと、メタバース空間を使った教室「Meta Nexus」を立ち上げました。
――ビデオ通話ツールを使ったオンライン授業ではなく、なぜメタバース空間にこだわったのでしょうか。
宮本さん:メタバース空間にこだわった最大の理由は、見るだけ、聞くだけにならない参加型の授業にしたかったからです。オンライン授業は、どうしても講師の生徒との一対一のやり取りになりがちで、同じ授業に参加している他の子たちとの交流が生まれにくい形式です。
一方メタバースであれば、よりリアルに近いコミュニケーションが取れます。

グループアクティビティで仲間と交流
たとえば、その場で手を挙げたり拍手したりといったリアクションを空間に共有できるのは、メタバースならではです。すれ違った時に少し立ち話をするような、偶発的なコミュニケーションも生まれやすい。身体性を伴った体験は、子どもたちの学ぶ意欲を高めるきっかけになると考えています。
90分の授業で個別学習とグループアクティビティを実施
――授業のスケジュールと、学べる内容について教えてください。宮本さん:授業時間は90分です。まずはウォーミングアップとしてタイピングゲームに取り組み、その後は60分で個別学習、残りの30分でグループアクティビティを行います。

個別学習の時間では、Scratchを使ったゲーム・アニメーションの制作や、バーチャルロボットのプログラミングなど、生徒が作りたいものに合わせて指導をします。グループアクティビティでは、先ほどご案内したドージョー・アイランドを使ってゲームを行います。

――個別学習のカリキュラムは、どのような難易度で設定していますか?
宮本さん:「初級」「中級」「上級」と3つの難易度に分けてコースを設定しています。初級コースでは、簡単な操作でキャラクターを動かしたり、アニメーションを作ったりしてもらいます。それらの体験を通じて「自分にもできる」と実感してもらい、成功体験を重ねてもらうことが狙いです。
中級では、条件分岐・変数・座標といった概念を理解してもらいつつ、自分で考えた仕様やアイデアを形にできるよう指導します。上級では、ストーリーのあるより複雑なゲームを設計してもらい、UIや演出を工夫する創造力、応用力を伸ばしていきます。

ビジュアルプログラミング言語で思いを形に
このように大まかな難易度は設けていますが、基本的には生徒が作りたいものに寄り添って指導するため、細かな内容は一人ひとりに合わせてカスタマイズしています。
ちなみに、各コースには複数のカリキュラムを設定していて、一つクリアするたびにポイントが付与されます。ポイントが貯まると、メタバース内の限定フロアにアクセスできる仕掛けにしていて、子どもたちがゲーム感覚でワクワクしながら取り組めるよう工夫しています。

手厚いサポートでモチベーションを維持しやすい仕組み
授業の始めには「今日の目標宣言」と「振り返り」を実施
――ゲームのようにステップアップできる仕掛けは、ユニークですね。授業の進め方における特色はありますか?宮本さん:生徒には、毎回授業の始めに今日の目標を発表してもらい、授業の終わりに目標の達成度を振り返ってもらいます。目標とは、定期発表会で作品を完成させるために必要な作業を小さなステップに分けた「今日のやること」です。
まず最初に作りたいものを決め、発表会までのスケジュールを逆算します。各回の授業では、スケジュールをもとに時間内に達成できる目標を発表します。授業の最後には進捗を振り返り、計画通りにいかない場合は反省を次回に活かします。
こうした取り組みを通して、作品の完成に向けて計画を立てて実行する力や、進捗に合わせて計画を軌道修正していく力が身につきます。さらに、進捗を言語化して周囲に伝えるスキルや、計画の進め方を講師や友だちに相談する姿勢も伸ばせます。

生徒向けポータルサイトで課題を確認
――授業の流れそのものが、ソーシャルスキルを伸ばせるよう設計されているのですね。他に、ソーシャルスキルの向上につながる活動があれば教えてください。
宮本さん:生徒が定期参加する独自の委員会活動も、ソーシャルスキルの向上につながります。委員会の種類は、「広報委員会」「企画委員会」「運営委員会」の3つです。
まず広報委員会では、日々の活動や作品作りの様子などを保護者のみが閲覧できるSNSで発信します。保護者の方からは「活動がわかるから安心できる」とお声をいただいており、生徒にとってもアウトプットの良い機会です。
企画委員会は、eスポーツ大会やタイピング大会など、Meta Nexus内で開催したいイベントの内容を企画する委員会です。運営委員会は、学びが深まるレッスンやカリキュラムのアイデアを出し合います。
それぞれの委員会活動を通して、企画力や表現力、さらに全国各地で授業を受けている生徒との適切なコミュニケーションの取り方を学べます。委員会活動で得られたスキルを、学校や日常生活でもぜひ活かしてもらいたいです。

グループ活動や委員会制度を通して人とつながる力を育める
コミュニケーションに対する苦手意識が克服できる

――ソーシャルスキルや、プログラミングスキルの向上のために、講師の皆さんが心がけていることはありますか?
宮本さん:講師は、「生徒の答えが出るまで待ち、自分で答えを出せるように導く」ことを意識しています。質問された時は答えにたどり着くための考え方や、調べ方を伝えます。
また、質問がある時は必ず手を挙げてもらい、丁寧な言葉で質問してもらうよう指導するのもポイントです。「ねぇ先生」と、会話の延長で講師を呼び寄せるのではなく、相手に配慮しながらわからないことを聞く姿勢を身につけてほしいですね。
そして何よりも大事にしているのは、子どもたちが一生懸命作った作品を尊重し、子どもの個性を大切にすることです。
子どもたちは自信のあるものや満足できるものを作ると、「見て!」と自慢したがります。私たちは、子どもの思いを受けとめ、褒めてあげることで自己肯定感がさらに育つと考えています。

社会性や自己効力感などの土台を築くことで、人間力が成長していく
――Meta Nexusで学ぶことで、子どもたちにはどのような変化が見られるとお考えですか?
宮本さん:コミュニケーションに対する苦手意識を克服できるのは大きな変化ですね。授業では発表や相談をしたり、友だちと協力したりする機会も多く、会話が自然に生まれる環境が用意されています。
あまり学校になじめず、一人遊びが中心だった小学生の生徒が、授業に参加して2ヶ月後には友だちに相談したり、率先して発表したりできるようになったエピソードがあります。見違えるような成長が伝わってきて嬉しかったですね。

メタバース内のレッスンでは生徒同士で顔を合わせて学ぶシーンも
また、物事を順序立てて考え、計画を立てる力が育まれるのも大きな変化です。
プログラミングの土台となる考え方の一つである「アルゴリズム」を応用して、一日のスケジュールや旅行の計画を立てる生徒もいて、驚きました。教室での学びが日々の生活にも活かされています。
――最後に、今後の予定と保護者・お子さまに向けたメッセージをお願いします。
宮本さん:近々、大手企業のイベントでもよく使われる3Dメタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」を活用したレッスンを行う予定です。今使っているoViceは2D空間ですが、3D空間になることで臨場感、没入感が一気に高まります。近未来的な空間にワクワクしながら学んでほしいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください!

ゆくゆくは、SEAQ Plusの生徒も巻き込みながらの、リアルとオンラインを併用したレッスンやイベントの企画をするのも面白そうです。
社会でもアバターや3D空間の活用が広がりつつある今、ぜひ無料体験会でMeta Nexusのメタバース空間を体感してください。
――本日はありがとうございました!
Meta Nexusの無料体験会申し込みはこちら
Meta Nexusは、メタバースプラットフォーム「oVice」で講師や生徒同士がつながり、コミュニケーションを取りながら学べるプログラミングスクールです。対象年齢は小中学生で、授業は各回90分。プログラミングの習得にとどまらず、自己表現や協働といったソーシャルスキルも重視したカリキュラムが組まれています。カリキュラムの内容は、生徒が作りたいものに合わせて柔軟に調整できる点も魅力です。
現在Meta Nexusでは、メタバース空間での学びに興味のある生徒を募集中。無料体験会も開催しているので、ぜひ一度次世代型の学びを体感してみてください。
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