ロボッチャ®ジャパンカップ2025(RJC2025)大会レポート|全国80チームが集結した熱戦の一日
「ロボットがボッチャをする」と聞くと少し不思議に感じるかもしれません。
けれど、実際に目の前で繰り広げられるのは、緻密な戦略と操作がぶつかり合う、思わず見入ってしまう競技です。
2026年3月15日、東京・麹町の麴町学園 大築アリーナに、全国から80チームの子どもたちが集まりました。手にしているのは、自分たちで設計し、組み立て、プログラムを書き込んだロボットです。
朝から会場はほどよい緊張感に包まれ、試合が始まると歓声とため息があちこちで交錯。コートごとに白熱した攻防が繰り広げられていました。
今回は、第3回を迎えたロボッチャ®ジャパンカップ2025(RJC2025)の一日をレポートします。過去最多規模で集まった子どもたちによる熱戦を、たくさんの写真とともにお届けします。

ロボットがボッチャを投げる。全国80チームの子どもたちが挑んだ「ロボッチャ®ジャパンカップ2025」

2026年3月15日、東京・麴町。
全国各地の子どもたちが、自ら設計・製作し、プログラムを書き込んだロボットを携えて麴町学園 大築アリーナに集まりました。
朝から観客席は保護者や関係者が続々と集まり、開会式が終わるころには、会場全体が熱気に包まれます。

ロボッチャ®って、どんな競技?
まだご存じない方のために、ロボッチャ®について簡単に紹介します。ロボッチャ®は、パラリンピックの正式競技「ボッチャ」のルールをベースに、ロボット工学とプログラミングを組み合わせたテクノロジースポーツです。
コートもボールも通常のボッチャの10分の1サイズ(ボール28g、コート1.25m×0.6m)なので、室内でコンパクトに楽しめます。

ルールはシンプルで、白い的球(ジャックボール)にどれだけ近づけられるかを競います。
ただし、ボールを投げるのは人ではなく、チームが自作したロボットです。プログラムの精度やロボットの設計に加え、試合中の判断力も勝敗を左右します。
カーリングのような駆け引きもあり、観戦するだけでも十分に楽しめる競技です。

また、Science・Technology・Engineering・Art・Mathematicsを横断するSTEAM教育の実践の場としても、近年注目が高まっています。
一般社団法人ロボッチャ協会の公式サイトには、「STEAM・スポーツ・インクルーシブ、どの入り口からでも今の時代に必要な学びに触れられる」とあります。まさに、その言葉通りの競技です。

「ロボッチャ®ジャパンカップ2025(RJC2025)」大会概要

ここで、ロボッチャ®ジャパンカップ2025の概要を簡単にご紹介します。
| 開催日時 |
2026年3月15日(日)8:30〜17:30 |
| 会場 |
麴町学園女子中学校高等学校 大築アリーナ(東京都千代田区) |
| 主催 |
一般社団法人ロボッチャ協会 |
| 参加 | 全国から80チーム |
| 協力 |
株式会社エデュソル 株式会社育伸社 株式会社森永製菓 株式会社スコップ Mobile Internet Technology Co.,LTD. 特定非営利活動法人HERO |
| メディアパートナー |
毎日新聞社(準決勝・決勝をYouTubeライブ配信) |
朝から夕方まで一日を通して行われる大会で、予選から決勝まで段階的に進む競技形式です。
複数の企業や団体が協力しており、教育とテクノロジーを掛け合わせた取り組みとして広がりを見せています。
いよいよ試合が始まります。ここからは、会場で繰り広げられた戦いの様子を追っていきます。
予選から決勝まで——3段階の戦い
大会は、予選リーグ、敗者復活トーナメント、決勝トーナメントの3段階で進行します。予選各リーグを1位で通過したチームは決勝トーナメントへ進出し、2〜4位のチームは敗者復活トーナメントに回ります。敗者復活トーナメントは、5球・持ち時間3分の1エンドマッチという短期決戦で勝ち上がりを争いました。

決勝トーナメントには、各リーグの予選1位通過の20チームに加え、敗者復活を勝ち抜いた13チームを含む計33チームが進出。
本格的なトーナメント戦の中で、試合ごとに緊張感のある攻防が繰り広げられました。観客席からは歓声とため息が交互に上がり、会場全体が一体となって試合を見守ります。
準決勝・決勝はメディアパートナーの毎日新聞社の協力によりYouTubeでライブ配信され、会場外からも多くの視聴者がリアルタイムで試合の行方を追いました。

準決勝、決勝のアーカイブ配信は一般社団法人ロボッチャ協会 公式サイトからもご覧いただけます。
昨年度王者が早期敗退した、今大会最大の一幕

昨年度優勝チームも出場する中、決勝トーナメントでは波乱の展開に
大会を通じて最も会場がざわついたのが、昨年度優勝チームの早期敗退でした。前王者として注目を集めながら、決勝トーナメント2回戦でまさかの敗退。
試合終了の瞬間、会場にどよめきが広がりました。

全国から持ち寄られた個性豊かなロボットとプログラムが、前年の王者を越えていく展開は、ロボッチャ®の醍醐味でもあります。
番狂わせが起きるたびに観客席の熱量がさらに上がり、今大会を象徴する場面となりました。
ロボットだけじゃない、見応えあるパネル発表

競技と並行して、各チームによるプレゼンテーションポスター発表も実施されました。
ロボットの設計思想、試行錯誤の記録、改良のプロセスなど、チームごとの「思考の軌跡」がパネルとして会場内に並びます。
どれも力が入った仕上がりで、競技とはまた違う視点で各チームの取り組みが伝わる、見ごたえのあるコーナーでした。

さらに会場内には、公式グッズの販売や運営ブース、来場者が楽しめる展示なども用意されており、競技以外の場面でも多くの人でにぎわっていました。

それぞれの取り組みが、ロボッチャ®という競技の広がりや魅力を多角的に伝えており、会場全体に一体感を生み出しています。
選手も観客も、同じ試合を戦っていた。悔しさも喜びも共有された一日
展示や運営のにぎわいも含め、会場全体がひとつの空間として大会を支えていました。その中心にいたのは、やはり競技に向き合う子どもたちと、それを見守る人たちです。
チームベースでは、試合と試合の間も選手たちはプログラムの修正やロボットの調整に余念がありません。選手の様子を見守る保護者や仲間たちも、息をのみながら応援。
接戦になるたびに会場全体が沸き、選手だけでなく観客も一体となって大会を盛り上げていました。

うまくいかなくて悔しそうな表情、改善のアイデアが出て前向きになる瞬間、試合に勝って思わずガッツポーズ——ロボットの動きに自分たちの思考が直結するこの競技では、一試合ごとに感情が大きく動きます。
自分たちで設計し、組み立て、プログラムしたロボットだからこそ、うまくいかないときも「なぜ?」と考えるしかありません。
試合を重ねるごとに子どもたちがトライ&エラーを繰り返しながら成長していく様子が、会場のあちこちで見られました。

スポーツ×テクノロジー×インクルージョンで広がるロボッチャ®の学び
ロボッチャ®は、プログラミングやエンジニアリングの技術だけを問う競技ではありません。チームで戦略を立て、試行錯誤を重ねながらコミュニケーションを取り、限られた時間の中で判断を積み重ねるプロセス全体が競技の一部になっています。
背景にあるのは、テクノロジーやスポーツを通じて、チームで協働しながら課題に向き合う力を育てるという考え方です。
一般社団法人ロボッチャ協会では、競技会だけでなく講習会や人材育成プログラムも展開し、STEAMやダイバーシティ&インクルージョンといった視点を横断した学びの機会を提供しています。
同協会の代表理事を務める岡本 弘毅氏(NPO法人子ども大学水戸理事長・株式会社エデュソル代表取締役)は、探究型の学びを実践してきた人物です。
「答えのない問い」に向き合う力を育てる教育に取り組み続けています。

一般社団法人ロボッチャ協会 代表理事 岡本 弘毅氏
開催校の麴町学園女子中学校高等学校でも、探究型カリキュラム「みらい科」にロボッチャ®を採用。
データサイエンスやプログラミング、エンジニアリングを横断しながら、課題解決力を育てる実践的な学びとして展開されています。

さらに2026年度からは、村田学術振興財団の助成を受けた研究プロジェクトも始動予定です。
3Dプリンターなどを活用した汎用ロボット開発へと発展し、教育とテクノロジーの融合はさらに広がりを見せていきます。
(大会結果)それぞれの挑戦に、大きな拍手が響いた表彰式

熱戦の余韻が残る会場で、表彰式が始まりました。ここからは、各賞の受賞チームを紹介していきます。
優勝:Mecha Shooters(群馬・Felice Tamamura International School)

最後まで緊張感の続いた決勝戦を制した「Mecha Shooters」が、見事優勝を果たしました。

トロフィーを高く掲げ、喜びを分かち合う優勝チーム Mecha Shooters
準優勝:聖学院 物理部(東京・聖学院)

聖学院 物理部(東京・聖学院)
3位:ジャックボールズ(茨城・KODOキッズステーション)、チーム伊豆の国ラボ(静岡・いずのくに未来探究の森)

ジャックボールズ(茨城・KODOキッズステーション)

チーム伊豆の国ラボ(静岡・いずのくに未来探究の森)
さらに、閉会式では上位チームへのトロフィー授与に加え、ポスター賞・特別賞の表彰も行われました。
アイデア賞:ぱらはげ四刀流(鳥取・探究塾GakuDoon!)

ぱらはげ四刀流(鳥取・探究塾GakuDoon!)
敢闘賞:Jonan.s.k.m(大阪・城南学園小学校)

Jonan.s.k.m(大阪・城南学園小学校)
ルーキー賞:くり×らぼ(兵庫・くり×らぼ たつの教室)

くり×らぼ(兵庫・くり×らぼ たつの教室)
育伸社賞:TripleJ(群馬・Felice Tamamura International School)

TripleJ(群馬・Felice Tamamura International School)
ポスター賞:藤袴(京都・GKC烏丸二条教室)

藤袴(京都・GKC烏丸二条教室)

ポスター賞を受賞したチームの作品からは、試行錯誤の積み重ねが伝わる
全国から集まったチームが同じ空間で技術と発想をぶつけ合い、競い、交流した一日。
第3回ロボッチャ®ジャパンカップ2025は、会場全体に響く大きな拍手の中で幕を閉じました。
コエテコでは、昨年度大会やプレ大会の様子も取材しています。
2023年3月17日、麹町学園女子中学校・高等学校の大築アリーナにて「ロボッチャ®ジャパンカップ2023」が開催されました。ロボッチャ®は、ロボット×STEAM×ダイバーシティが学べる、新しいテクノロジースポーツ。 本記事ではたくさんの写真と共に大会の様子をレポートします。
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前回大会は52チーム・約150名の参加でしたが、今回は80チームが集結し、規模は大きく拡大しました。
回を重ねるごとに参加の広がりとともに、ロボッチャ®は着実に進化を続けています。過去の記事とあわせて、その変化もぜひご覧ください。
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